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月村
旅の記録35 三人
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先程の爆発が起きた頃、妖精の二人は困惑していた。罠が発動したはずなのにキル数が増えていないから。それで分かった事はとんでもないチームがここに来た事だけだった。
「魔王様かな?」
「ありえるかもね。一応、戦いの準備を始めるよ」
先程の勝ちを確信したムードから一変、慌ただしく準備を始めていた。
さて、エリア縮小が始まると廃屋にいる三人は一斉に動き出した。魔王は安全を考え、遠回りに王都へ。日向と勇者は月と太陽チームが通った道で。最終決戦はもう近い!
「行くぞ日向!」
「うん!」
「さて、行くかの」
その頃妖精チームが張っていた罠は殆ど解除されており、ゆっくりはしていれない事は分かっていたがここまで早いのは誰も想像が出来なかった。
「む、メイとランの罠が解除されておるとなると・・・あやつらか」
魔王が王都に着くなり目の前に入った爆発の後で全てが分かった。そして、一つだけ、やってみた
「これで良しっと。それじゃ、行くかの」
何かの確認を済ますと魔王は建物の壁をマ〇オさながらに登っていった。
日向も王都に到着した瞬間、異変には気付き、大きな深呼吸をした。
「行くよ。勇者さん」
黙って頷くと日向を先頭にゆっくりと王都に入っていった。
ゆっくりと辺りを見渡しながら歩いていると
「勇者さん、屈んで!」
その声と同時に目の前に何かが通った。遅いながらも屈み(本当は腰が引けただけ)何かが通った先を見るとその先には短剣が刺さっていた。慌てて剣を抜いた彼の前に狐のお面に巫女姿をした二人が急に現れた。よく見ると狐のお面に片方は太陽。もう片方には月が描かれており日向はすぐに誰が分かった。
「月と太陽チーム・・・」
「お、なんやなんや?あたしらを知っておるのか?初めてあったちゅーのに」
どこか聞いた事があると思う話し方に一瞬首を傾げてしまった日向は首を振り思考をやめた
「罠を張ったのはあなた達?」
「張ったではなく解除をしたならあっとるが?あてらではないから」
「と、なると・・・他のチーム。妖精?」
「そうなるな」
罠を張った犯人を見つけた・・・が、どうなるかと言えば何も無い。それよりも、優勝候補と当たってどう対象を取るのかを先に考えないといけなかった。
「勇者さん」
「分かっている」
「「行くよ(ぞ)!」」
何の打ち合わせもなく以心伝心のように二人の行動には統一性があった。勇者が月影の相手をしている最中に日向が日月の相手を落とす。だが、流石優勝候補、そう簡単に思う通りには動いてくれない。
「そうやそうや。あんたらの名前聞いてなかっとな」
「余裕があるのね。私は魔法使いなら誰もが知っている伝説の人。氷炎の日向よ。あなたは?」
余裕持たれているのが悔しいのか少し頬を膨らましながら答えた日向。
「あては、月と太陽チームの日月や。よろしゅうに」
「日月?」
どこか聞き覚えのある名前に一瞬日向の動きが止まってしまった。優勝候補の日月がその隙を逃すわけでもなく日向のお腹に渾身の一撃が綺麗に決まった。体力にはまだある程度の余裕はあるが態勢が崩されいくらでも追撃が食らう状態だった。だが、日向は今の一撃で引っかかっていた事が分かった。
「もしかして、片方の名前月影?」
日向の唐突な発言に動きを止めてしまった。
「そうだけど何で知っているんか?」
「簡単よ。一時名前が上がっていたから覚えていただけだから」
そう、日月と月影は魔法使いとしては珍しい部類の人間だった。日向も持っている杖は普通なら筋力で持とうとするなら相当じゃないも持ち上げることは不可能でちょっとした筋トレ程度では無理だった。だから、魔力を使って持つことが大抵で魔力尽きた状態で杖を持ち運ぶ事は出来なかった。だが、月影と日月は魔力使わず筋力で持ち運びしていた。だから、足の力も強くそこらの戦士とは対等に魔法なしで戦えた。
「で、私は有名になって図に乗る魔法使いの芽を摘むのが趣味でね。あ、でもある程度の力あるなら摘まないけどね」
「あんた悪い趣味しとるな」
「どうも」
日向の反応にイラついたのか一瞬で距離を詰め殴ろうとしたが・・・
「忘れていない?私は氷炎の日向よ」
日月の拳を杖を持っていないもう片方の手で受け止めた。そして、そのまま手首を掴み魔法を唱えた
「ファイヤーボールよ」
日向の手を解く事は出来ず至近距離で日向の渾身の一撃が当たった。月影はすぐそれに気づきフォローに入ろうとしたが日月が予想以上に吹っ飛ばされており、1回下がることにした。
「行かなくていいよ」
日向は先程日月の拳を受けた手をもう片方の手で抑え建物の影に隠れた。そして、回復をしたが首を傾げ心配になり、日向の手を見ると・・・
「骨折しちゃった」
っと可愛らしく言っているが額には汗が出ており痛みを我慢しているのがすぐわかった。だが、それでも信じられない彼は何か言おうとしたが日向に人差し指を立て笑顔で彼の口に当てた。
「魔法は片手でも唱えれるからまだ戦えるけど・・・痛みがね」
「何じゃ?負傷でもしたんか?」
下を向いていた彼らは上を警戒するのを忘れており声がする方を見ると魔王が屋根の上に立っていた。一瞬で警戒したが魔王は笑顔で提案してきた。
「組まないか?」
そして、それに対して考えることなどせずに即答した。
「三人で勝つよ」
「そうこなくちゃの!」
しっかりルールを読んだ人以外分からない小さく書かれたルール。
『両者の敵意が感じ取れずハイタッチをすると仲間になることが可能。しかし、残り3チームになった時点で強制で解除される』
これを知っていた者は良く使うが知らない人が多くなかなか仲間になれることは少なかった。
「さて、どこのチーム落としに行くかの」
「月と太陽も厄介妖精も放置出来ないのよね。また罠でも張られたらもう負けだから」
「そうなら潰すチームは一つだな」
「「妖精チーム!」」
「あ、メイ。私たち狙われるよ」
「おっけー。じゃ、ここで迎え撃つよ。その前に急いで罠張らないとね!」
位置更新まで後30秒!
「魔王様かな?」
「ありえるかもね。一応、戦いの準備を始めるよ」
先程の勝ちを確信したムードから一変、慌ただしく準備を始めていた。
さて、エリア縮小が始まると廃屋にいる三人は一斉に動き出した。魔王は安全を考え、遠回りに王都へ。日向と勇者は月と太陽チームが通った道で。最終決戦はもう近い!
「行くぞ日向!」
「うん!」
「さて、行くかの」
その頃妖精チームが張っていた罠は殆ど解除されており、ゆっくりはしていれない事は分かっていたがここまで早いのは誰も想像が出来なかった。
「む、メイとランの罠が解除されておるとなると・・・あやつらか」
魔王が王都に着くなり目の前に入った爆発の後で全てが分かった。そして、一つだけ、やってみた
「これで良しっと。それじゃ、行くかの」
何かの確認を済ますと魔王は建物の壁をマ〇オさながらに登っていった。
日向も王都に到着した瞬間、異変には気付き、大きな深呼吸をした。
「行くよ。勇者さん」
黙って頷くと日向を先頭にゆっくりと王都に入っていった。
ゆっくりと辺りを見渡しながら歩いていると
「勇者さん、屈んで!」
その声と同時に目の前に何かが通った。遅いながらも屈み(本当は腰が引けただけ)何かが通った先を見るとその先には短剣が刺さっていた。慌てて剣を抜いた彼の前に狐のお面に巫女姿をした二人が急に現れた。よく見ると狐のお面に片方は太陽。もう片方には月が描かれており日向はすぐに誰が分かった。
「月と太陽チーム・・・」
「お、なんやなんや?あたしらを知っておるのか?初めてあったちゅーのに」
どこか聞いた事があると思う話し方に一瞬首を傾げてしまった日向は首を振り思考をやめた
「罠を張ったのはあなた達?」
「張ったではなく解除をしたならあっとるが?あてらではないから」
「と、なると・・・他のチーム。妖精?」
「そうなるな」
罠を張った犯人を見つけた・・・が、どうなるかと言えば何も無い。それよりも、優勝候補と当たってどう対象を取るのかを先に考えないといけなかった。
「勇者さん」
「分かっている」
「「行くよ(ぞ)!」」
何の打ち合わせもなく以心伝心のように二人の行動には統一性があった。勇者が月影の相手をしている最中に日向が日月の相手を落とす。だが、流石優勝候補、そう簡単に思う通りには動いてくれない。
「そうやそうや。あんたらの名前聞いてなかっとな」
「余裕があるのね。私は魔法使いなら誰もが知っている伝説の人。氷炎の日向よ。あなたは?」
余裕持たれているのが悔しいのか少し頬を膨らましながら答えた日向。
「あては、月と太陽チームの日月や。よろしゅうに」
「日月?」
どこか聞き覚えのある名前に一瞬日向の動きが止まってしまった。優勝候補の日月がその隙を逃すわけでもなく日向のお腹に渾身の一撃が綺麗に決まった。体力にはまだある程度の余裕はあるが態勢が崩されいくらでも追撃が食らう状態だった。だが、日向は今の一撃で引っかかっていた事が分かった。
「もしかして、片方の名前月影?」
日向の唐突な発言に動きを止めてしまった。
「そうだけど何で知っているんか?」
「簡単よ。一時名前が上がっていたから覚えていただけだから」
そう、日月と月影は魔法使いとしては珍しい部類の人間だった。日向も持っている杖は普通なら筋力で持とうとするなら相当じゃないも持ち上げることは不可能でちょっとした筋トレ程度では無理だった。だから、魔力を使って持つことが大抵で魔力尽きた状態で杖を持ち運ぶ事は出来なかった。だが、月影と日月は魔力使わず筋力で持ち運びしていた。だから、足の力も強くそこらの戦士とは対等に魔法なしで戦えた。
「で、私は有名になって図に乗る魔法使いの芽を摘むのが趣味でね。あ、でもある程度の力あるなら摘まないけどね」
「あんた悪い趣味しとるな」
「どうも」
日向の反応にイラついたのか一瞬で距離を詰め殴ろうとしたが・・・
「忘れていない?私は氷炎の日向よ」
日月の拳を杖を持っていないもう片方の手で受け止めた。そして、そのまま手首を掴み魔法を唱えた
「ファイヤーボールよ」
日向の手を解く事は出来ず至近距離で日向の渾身の一撃が当たった。月影はすぐそれに気づきフォローに入ろうとしたが日月が予想以上に吹っ飛ばされており、1回下がることにした。
「行かなくていいよ」
日向は先程日月の拳を受けた手をもう片方の手で抑え建物の影に隠れた。そして、回復をしたが首を傾げ心配になり、日向の手を見ると・・・
「骨折しちゃった」
っと可愛らしく言っているが額には汗が出ており痛みを我慢しているのがすぐわかった。だが、それでも信じられない彼は何か言おうとしたが日向に人差し指を立て笑顔で彼の口に当てた。
「魔法は片手でも唱えれるからまだ戦えるけど・・・痛みがね」
「何じゃ?負傷でもしたんか?」
下を向いていた彼らは上を警戒するのを忘れており声がする方を見ると魔王が屋根の上に立っていた。一瞬で警戒したが魔王は笑顔で提案してきた。
「組まないか?」
そして、それに対して考えることなどせずに即答した。
「三人で勝つよ」
「そうこなくちゃの!」
しっかりルールを読んだ人以外分からない小さく書かれたルール。
『両者の敵意が感じ取れずハイタッチをすると仲間になることが可能。しかし、残り3チームになった時点で強制で解除される』
これを知っていた者は良く使うが知らない人が多くなかなか仲間になれることは少なかった。
「さて、どこのチーム落としに行くかの」
「月と太陽も厄介妖精も放置出来ないのよね。また罠でも張られたらもう負けだから」
「そうなら潰すチームは一つだな」
「「妖精チーム!」」
「あ、メイ。私たち狙われるよ」
「おっけー。じゃ、ここで迎え撃つよ。その前に急いで罠張らないとね!」
位置更新まで後30秒!
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