勇者と小さな魔王の旅

木元うずき

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月村

旅の記録32 一回目の縮小時間

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残りチーム150!
え?前は日向達が50チーム倒したから200じゃないのかって?時間は過ぎて行くのよ?なら、誰が倒したかって?それは・・・このチームよ
「ちょっと待ってくださいよ!眠り姫ぇ!」
無言で走り続けるシルヴィとそれを必死に追いかける魔王。そう、このチームが50チームを倒したのだった。短剣で切ったり魔法で倒したりと悪夢を見るような倒し方だった。だが、やっぱり短剣も切っていくと斬れ味が落ちて行きストックは一人3本渡されている。シルヴィは先程まで腰に付けていた短剣をその場で捨て新しい短剣を腰に付けた。そして、足を止めると・・・
「魔王さん。少し周りを見ていてください」
「シルヴィさんは何をするのですか?」
「アイテム探しよ」
シルヴィはそう言うとマップを広げるとマジマジを眺めていた。そしてまた無言で走り出した。魔王は辺りを警戒しながらシルヴィに着いて行っているとシルヴィの足音が立っていない事に。走りながら足音を立てない事は難しいのはわかると思うがどれほど難しいのか。それは一生懸命練習して出来る・・・って事もありえるがこれは一種の才能に等しかった。皆さんも試してください。全速力で走りながら足音を立てないように。絶対無理ですから!
魔王もできる限り音を立たせないように走っているがそれでも少し立ってしまう。それを無音のまま走っているシルヴィは・・・怖いね
「これでよしっと。魔力回復アイテムに体力回復アイテム。それに研石だね」
研石とは、剣専用で一度だけ斬れ味が戻る。だが、その研ぐ人が下手ならそこまで回復はしないが上手なら完璧まで戻る。分かっているとは思うけどその間は無防備だよ!
「そろそろ移動始める?たぶん、次には外れそうだし」
「そうですね。なら、ここなら近い廃屋で来た敵を倒しますか?」
魔王とシルヴィは移動を決めるとさっさと移動を開始した。
「あ、魔王ちゃん達移動始めた。えっと・・・位置的に沼から廃屋に行くのかな?」
「・・・距離あるのに良くわかるな」
日向はマップを眺めながら魔王達の移動を知らせた。そして、彼らは次の安全地域セーフティーゾーンが決まるまで待機をしていた。
「あれ?月と太陽チームは目立った行動してないね」
「それよりも妖精ってチームが僕ら並にキルを入れているのか」
現在キル順位
1位氷炎の勇者50
2位生きる象徴シンボル45
3位妖精42
4位月と太陽12
安全地域セーフティーゾーン縮小開始
「ん?日向、今始まって何分経った?」
「えっと・・・9分だね」
「そろそろ始まるぞ」
「・・・・・・・・・あ、そうだったね」
場所更新の事を忘れていた日向。たぶん、覚えていたらストームで一掃をしていなかっただろう・・・か?
さて、更新の時間がやってきたから各チームはマップを真剣に見ていた。
現在地
氷炎の日向・・・霧
生きる象徴シンボル・・・沼
月と太陽・・・廃屋
妖精・・・森
「あれ?魔王ちゃん達まだ沼なの?さっきの調子なら廃屋に着いててもおかしくはないけど・・・」
日向の読み通り、移動を始めた調子なら廃屋に既に到着している頃だが、現実では・・・
「ま、魔王さんしっかり!」
そう、皆さんご察しの通り魔王が沼にハマってしまってシルヴィが一生懸命引き上げている最中だった。魔王は体は完璧に埋まってしまって見えているのは掌だけだった。当たり前だが、窒息死の場合もあるので出来る限り早く助け出したいところだがそう簡単に引き上げる事は出来なかった。
そして、とあるチームは各チームの場所が分かると・・・
「たぶん、象徴シンボルチームは沼にハマっておるな。よし、上位のチーム早めに倒すか。一気に移動やるぞ」
「そう簡単に倒せるといいのだけど・・・」

日向と彼は取り敢えずここにいては危険だと思い、森に移動をしようとするが
「そのためには廃屋を通る・・・か」
「そうだね。会わないことを信じて進むか戦う覚悟で進むかどっちかだね」
「進まない選択肢はなしなのか」
って事で氷炎の勇者チームも移動を開始した。
脱落者や観客には全チームの動きが逐一更新されており、しかも上位4チームをライブカメラで映し出されているから観客は大盛り上がり!だが、毎年見ているからすると今回は異例だった。そう、それは最初の更新で全チームが動き出す事だった。大抵上位のチームはその場で待機する事が多いが今回はその上位チームも動き出し、接触確率が例年以上に上がっていた。
ここで説明を忘れていた地図を説明しよう!
円状になっており中心にあるのが廃屋。その左にあるのが森。右が霧。下が王都で、上が砂漠だった。なので、どうしても反対のステージを近道して行きたい場合は廃屋を通らないと行けなくなっている。だから、大抵は廃屋は激戦区になっているが今回は月と太陽チームと数チームいるがここまでチームが少ないのは珍しい事だった。
「えっと・・・よし、廃屋行くか」
「そうだね。森はたぶん次で外れるからここは無難に廃屋行くのがいいね」
日向と彼が行き場所を決めていた森が安全地域セーフティーゾーンに嫌われ半分以上が入れなくなっていた。そこで安全に廃屋で身を潜めることにした。
「はぁ・・・はぁ・・・。儂らはここで待機でいいですよね?」
「そうですね。奥の方は使えないけどまだ安全ですしね」
魔王とシルヴィはやっと魔王を助け出すことに成功し、木の上で休憩をすることにした。
「あぁ。森が結構外れたね。どうする?」
「私達は視界が悪ければ有利になるから・・・建物が入り組んでいる王都にでも行く?」
「そうだね。じゃ、早く作り終わろっか!」
「うん!」
とある森にいるチームは何やら作り終わったら王都に移動すると決め、作る手を早めた。(一応、ステージの物を使って新しいの作るのはルール違反にはならない)
「あてらはこのまま沼に向かうか。ちゃっちゃっと倒して廃屋に篭もりたいしな」
「ここまでキル数を取っているチームを簡単に倒せるとは思えないけど・・・。後、沼は足音が目立つのよ?」
「そんなん関係あらへんわ」
「またそうやって・・・」
ここは何やら揉めているようで揉めていない、良く分からない状態だが、沼に向かうらしい
この状態なら魔王とシルヴィの所に当たってしまうとあるチーム。どうなるのかは次回に続く!
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