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第37話【旅立ち】
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森の中にある一本の街道を歩むと、小鳥のさえずりと風に揺れる葉が、日光を柔らかく遮っていた。
道の両側には野生の花々が彩を添え、時折その香りが風に乗って鼻をくすぐる。
森の奥深くからは、かすかに小川のせせらぎが聞こえ、歩を進める者に安らぎを与えてくれる。
今日は天気にも恵まれ、実に旅立ちに相応しい日だった。
リズとフェアリーはイルセラたちに見送られエタンセルを出発し、四大精霊を巡る大冒険が始まったのだが……
「……」
「……」
空気は最悪。
険悪というその場の空気は緊張に包まれ、森の静けさが一層際立つ。
フェアリーもリズも、お互い微妙な距離を維持するだけで会話すらない。
ただ静かに次の目的地である【アクアヴェール】を目指して歩いている。
イルセラにはタイミングを見て謝れと言われたが、リズの後ろを歩くフェアリーにはあまりにも難題だった。
彼女の顔色を窺うことができないため、どのタイミングで切り出せば良いのか分からなかった。
そもそもいつも隣で勝手に喋りまくってくるリズがこんなにも静かなのが異常なのだ。
今この状況こそがリズの怒りを表している。
よっぽど怒ってますねこれは……
お姫様抱っこも拒否されたし、どうしましょう。
『今日のところは許してあげます』
……これでは嫌な奴ですね。
『私が悪かったです。ごめんなさい』
……これが無難でしょうが、私だってまだ納得し切れていないのに。
いや、でも……このままでは埒が明きませんね。
「あの……リズさん」
「なに」
声のトーンが怖い。
振り向いてもくれない。
「ま、まだ怒ってます?」
「べつに」
めっちゃ怒ってるじゃないですか!
声がいつもと違うんですよ!
っていうかこっち向いてくださいよ!
道の両側には野生の花々が彩を添え、時折その香りが風に乗って鼻をくすぐる。
森の奥深くからは、かすかに小川のせせらぎが聞こえ、歩を進める者に安らぎを与えてくれる。
今日は天気にも恵まれ、実に旅立ちに相応しい日だった。
リズとフェアリーはイルセラたちに見送られエタンセルを出発し、四大精霊を巡る大冒険が始まったのだが……
「……」
「……」
空気は最悪。
険悪というその場の空気は緊張に包まれ、森の静けさが一層際立つ。
フェアリーもリズも、お互い微妙な距離を維持するだけで会話すらない。
ただ静かに次の目的地である【アクアヴェール】を目指して歩いている。
イルセラにはタイミングを見て謝れと言われたが、リズの後ろを歩くフェアリーにはあまりにも難題だった。
彼女の顔色を窺うことができないため、どのタイミングで切り出せば良いのか分からなかった。
そもそもいつも隣で勝手に喋りまくってくるリズがこんなにも静かなのが異常なのだ。
今この状況こそがリズの怒りを表している。
よっぽど怒ってますねこれは……
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いや、でも……このままでは埒が明きませんね。
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「なに」
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振り向いてもくれない。
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っていうかこっち向いてくださいよ!
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