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謎の手紙※【スヴァイン視点】
しおりを挟むパタン。
扉が締まり、マーリットの気配が消えた。真っ白な世界に文字だけが現れた俺の視界。文字がたくさん浮かぶ方へ視線を向けると多分アリスさんが居る。この文字の大群はアリスさんが持つ本だろう。
「スヴァイン様。私、思うの・・・」
「何だ?」
「見えない妖精さん、」
「何度も言うが見えない妖精ではない、マーリットだ。」
「ごめんなさい、そのマーリットさんって彼が好きなのかな。返事も無いのにこんなに手紙を送り続けて・・・。」
・・・
ほんの少し心に感じていた不安。
彼女もそう感じたのか、と思うとほんの一欠片の小さな不安が本物になる様な怖さがあった。
「どうだろう、分からない。」
「私・・・彼が好きなんです。手紙を渡す度に少しずつ話をしていたら、気が付いたら惹かれていて・・・お祭りが近いからそれに誘おうと思って。でもマーリットさんに申し訳なくて。この役目を続けるべきかって。」
「大丈夫、俺は君たちを応援する。気にせず二人でお祭りに行くといい。マーリットは俺の婚約者だ、こちらは俺が話しを聞いてみよう。」
「・・・ありがとうございます!それで・・・」
・・・
彼女が言いにくいとばかりに押し黙る。
「スヴァイン様の事も。心配なんです。」
何がとは言わない、その半端さに気分が滅入る。小説の話をするのは面白い。しかしそれは小説が面白いから話すだけで彼女が別の何かを気遣ってくるのは居心地が悪い。
「君は自分の事を考えてくれ。」
「ありがとう。だけどもし、何かあったらいつでも聞くから。」
沢山の文字を抱えて帰る彼女の足取りは軽そうだ。それに反して俺の心は重い。
彼女と気持ちが通じあったと、同じ気持ちで居てくれていると思った。
だけど初めてだろう彼女を乱暴に、欲のまま迫って酷い想いをさせてしまった。
反省しているのに彼女が近くに居ると求めたくなってしまう。彼女の香りがフワリと香る度に、手を握られる度にどうしようもなく近づきたく思ってしまう。
ずっと支えてくれる彼女に、ただ体が目当てかの様に欲求をぶつけたく無い・・・という思いと、このままでは結婚前に子を宿してしまうと思って欲求は本を読む事で解消しようと考えた。
彼女の姿を戻す事が出来たら正式に結婚をと準備を進めながら姿を戻す方法を探していた。
だけどそうしている間に彼女は・・・。俺の欲深さに幻滅したのだろうか。
複数人と関係があったとみられる元婚約者。
俺に原因があって、それで別の人間へ行ってしまったのだろうか・・・もしそうだとしたらマーリットも・・・。
いや、考えても分からない。
話してみよう。マーリットはそんな不誠実な人ではない。前の婚約者の様な節操のない人ではないと思っている。
謎を解明するにはまず話を聞かなくてはいけない。
◆◆◆
二人で使う寝室の扉を開くとマーリットの香りがした。
「マーリット、少し話をしたい。今、大丈夫だろうか。」
『・・・大丈夫ですよ。どうかしましたか?』
彼女は手紙を書いていた様で沢山の文字が机に広がっていた。今の目ならその文字が読めそうだ・・・と思い近づくと彼女は隠すこともしない。
「手紙・・・か。」
『そうですよ、これは訓練の協力依頼のお手紙です。ほらこの人、近くの雑貨店の彼ですよ!今回訓練に同行する魔法使いの彼女と相思相愛みたいなんですよ。妖精調べで分かりました。』
「そうなのか、良い結果になりそうだ。」
ふふっと笑っている楽しそうな息遣い。
このまま何も聞かなければこの生活が続くのだろうか。彼女を信じてる。けれどもし・・・この嫌な予感が当たってしまったら。
「マーリット。」
『どうかしました?顔色が悪いですよ。少し休みますか?』
そんないつもの彼女の優しさを与えられて俺は大人しく手を引かれベッドに誘導される。
温かい手。
いつも俺を助ける優しい手。
キシッ
座ると重みでベッドが沈み音を立てる。
彼女は優しい。
だから、子を宿せば・・・例えどんな考えで動いていたとしても彼女を引き留める事が出来る。側にいるんじゃないか・・・。
握られた手に力を加え少し力を入れると彼女は簡単に腕の中に収まる。
「スヴァインさん?」
胸いっぱいに彼女を感じて不安を隠していく。消えない不安を見えないように。
何も言わずに抱き寄せる手で彼女の唇を探し当てると何も聞かずに自分の唇を押し付けていた。
『んむっ!んっ』
「・・・」
何か言っているけれど聞くのが怖い。だから舌を絡めて言葉を奪い続ける。
もし拒絶されたら。やはり醜いお前ではなく綺麗な魔法使いが良いと言われたら。
そうなってしまえば俺の世界は終わりだ。
服を脱がせる時間も不安で、強引に衣服をずらして手を差し込むと柔らかくきめ細かい彼女の肌がある。丁寧に隅々まで触れて自分のものだと主張する。
こうして触れる事が出きるのは俺だけだ。
独占欲が溢れて収まることを知らない。
『ふっ、ふんん。く、しぃ』
苦しい、と聞こえた気がしてキスをやめる。聞こえる荒い呼吸が愛しい。
『はぁ、はぁ、はぁ、スヴァインさん、どうしました?何か、嫌な事、あったんですか?』
「・・・」
何も言えない。
だけど俺を責める訳でもなく、ただ心配するその声に安心した。
「不安、なんだ。」
決定的な不安を口にする事はできない。
『アリスちゃんに何か聞いたんですか?』
「聞いてない。」
『っ、ぅ。』
確信に触れそうで再び唇を奪う。こんな少しの不安がここまで大きくなるなんて。
彼女の反応を無視して足に手を這わせると邪魔なスカートを捲り上げ、ショーツの隙間に手を差し込む。クチュクチュと既に十分な潤いがあるそこに安心する。
(まだ俺でも感じてくれている。)
口付けをやめて痛くない様に丁寧に解す事に集中すると彼女の口からは意味をなさない声が漏れるだけにないっていた。
『ふぁ、ぁっあ!ん。』
俺のマーリット。
彼女にの為ならなんでもしてられると思っていた。だけど今は無理みたいだ。
指で中を丁寧に探して彼女の反応が良かった所を重点的に触っていく。
『ひゃっぁっああ、そこ、ダメっ!!あああっ!!』
「声、可愛い。」
快楽に襲われ、くたりとする体。荒い呼吸を必死で整えている。だけど自身のソレも服の中で苦しい。衣服を少しずらすだけで先ほど解した所へ先端を押し当てた。
『んんんっ!』
くちゅっと素直に咥えていく彼女の中。俺のモノを包み込み全てを温かくしていく。
「はぁ、はぁ。」
『スヴァインさん、大好き。』
「っ!」
『何が、不安なのか、まだ少し分かっていないんですが・・・私は貴方を愛してます。不安が、あるなら一緒に、悩みます。』
押し進めたその先端が奥に到達した時、マーリットの言葉が届いた。
とても嬉しくて。その言葉に心が満たされる。
「俺もマーリットが好きだ、愛しくて堪らない。」
『嬉しい。とても嬉しいです。』
ぎゅうっと抱き締めると『ふふっ少し苦しいです。』と笑われる。
それからは反省したはずなのに奥を何度も突き上げて、夢中で彼女を俺の欲で汚していった。
『はっ、あっああ、あ、ん!!』
「まだ、はぁ、まだ欲しい。君が。」
ぱちゅぱちゅと肌がぶつかり合い、彼女の愛液に自身が濡れて行くのが堪らない。
ぐちゅぐちゅと結合部分から響く卑猥で欲まみれの音に喜びが溢れる。
力が入らないのか、荒い呼吸でくたりとする彼女の腰に手を回すと後ろから突き上げる。
『ひゃぁぁ!!はぁぁ、もぅ、んんん!』
「っ!はぁ、はぁ。」
彼女の中にビュクビュクと子種を注ぐと、まだ元気のあるモノを彼女に入れたままマーリットを抱き締めて寝転ぶ。
衣服を着たままだから汚れてしまったし、早く着替えたいけれど、抜いたら子種が出てきてしまう。だから離れないように抱き締める。少しでも留める様に。
(またマーリットに無理をさせてしまった。)
理性を取り戻した頭ではそう考えられるのに、本当にどうしたものか。嫌われたくないのに抑えられない衝動の止め方を知りたい。
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