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2章「ゲームで悪行?」
20話
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「ルチーナ様、だーいすきぃ☆」
が、俺の考えなんかこれっぽっちも汲み取る気が無いサナリスは、誤解を深める事を言う。
「ももも、申し訳御座いませんッ! お楽しみを邪魔してしまった事をお許しくださいませっ!!!!!」
魔族はばびゅ~んと音を立てながら部屋を去った。
誤解を解けぬまま部屋を立ち去られました。
お、終わったーーーーー!?!?!?
何もかも全てがッ! 大レ○魔王ルチーナが誕生の瞬間ぢゃーーーー!?!?!?
「ぬは、ぬはははは、サナリスよ我は王女ステラを誘拐しに行って参るぞよ。我が居ぬ間城の守りは任せたぞ。 ふははははは」
頭のネジが外れた俺は、焦点が合わぬ瞳のままステラ王女の誘拐に向かったのであった。
―西の王国―
そんな訳で、転移魔法を使いちょちょいのぱっぱでステラ王女が居る部屋の近くまでやって来た訳だ。
彼女の部屋は2階にあり、俺は対空しながら彼女に問いかける。
「ふはははは、我は大魔王ルチーナである。憎き勇者エリウッドを誘い出す為の囮になってもらおうぞ」
残念ながら、俺の魔王演技は棒読みだった。
「まぁ、ルチーナ様で御座いますか? お会いしとうございました。是非ともお願いいたします」
丁重なお辞儀をするステラ王女。
俺と違って演技ではなく本心の様だ。
棒読みに対して無反応だったのは少しだけ寂しい気がするが。
「ぬははは、世界征服の野望を満たす為貴様に協力してもらうぞ」
言動が棒読みのまま、自分でもわかる位に顔がにやけている俺だ。
そんな俺に対し、ステラ王女は柔らかい笑顔を見せ応える。
や、やめるんだ、そんな笑顔を見せられたら萌え死んでしまうではないか!?!?!?!?
「あ、貴方様は!?」
俺がステラ王女とのこれからを妄想しているところ、地上より聞き覚えのある声が。
「ゲッ、貴様はエリウッド!?」
くそっ、よりによってこんなタイミングで?
いや、ステラ王女をデートに誘いに来たのか?
昨日あれだけ夜遊びしておいた癖になんてタフな野郎だ!
いやいや、確か奴は15歳とかそこらへんだったかッ!
SHIT! 俺みたいなおっさんと違って元気が有り余ってる年ごろじゃねぇかっ!!!!
いや、待て、今の俺は魔王であり、勇者を始末する事は俺の仕事だ。
「OH。愛しきマイハニールチーNA。不思議な衣装を纏って居ようが我がエリウッDO。貴女への愛は変わらないのSA!」
髪をそっと掻き上げ、不敵な笑みを見せ、口元から見せる歯をキラリと輝かせるエリウッド。
目の前に本日デートのご予定が御座いますステラ王女様を目の前に俺を口説くエリウッド。
先日、ステラ王女がいらっしゃるにもかかわらず夜の街で遊び尽くしたエリウッド。
さて問題です。ここまでの愚行をやり尽くしたカレシ? に対してカノジョ? がとる行動と言えば???
有体に言って、あまり良い予感がしねぇな。
多分、ステラ王女はエリウッドに対して魔法をぶっ放すんじゃないかなぁと思った俺は安全確保の為飛翔し高度を上げる。
「エリウッド様? おいたは許しません事よ?」
ステラ王女はいつも通り柔らかな笑顔を見せながら魔法の詠唱を始める。
「HAHAHA。勿論君への愛も変わらないSA」
と、エリウッドがごまかすが、ステラ王女は詠唱を止めない。
魔法が完成され、エリウッドの頭上付近に暗雲が立ち込め、激しい光が発生したかと思うと、
『ステラはサンダーの魔法を唱えた!』
ずがががががががーーーーーん!!!!!!
エリウッドの頭上に物凄い雷が直撃した!
ステラのサンダーが直撃したエリウッドは、一瞬だけ黒焦げになったかと思うと魔法の威力が高すぎたのか跡形もなく消えてしまった。
『エリウッドは999のダメージを受けた! エリウッドは死んでしまった!』
999ダメージかよッ!!!!
カンストHPの4倍ダメージが出てるじゃないかッ!!!!
だが、だがっ、しかしそれでも俺は魔王の威厳を保たねばならぬ!
「ふはははは、勇者を一撃で倒すとはやるな、ステラ王女」
俺はステラ王女の近くへ舞い戻り強がったセリフを言う。
やはり棒読みで。
「お褒めにいただき光栄で御座います。しかしながらわたくしステラは手加減を致しております。ルチーナ様がご所望でしたら手加減を致さず魔法をお見せ致したいと存じ上げます」
平然とした口調で言うステラ王女だ。
「いや、見せなくともよい魔力は大事にしたまえ」
強がってはいるものの正直冷や汗が出てきそうだ。
「かしこまりました。 ルチーナ様がそう仰るのでしたらお従い致します」
「うむ。では魔王城へ向かうと致そう」
俺は魔王セリフをぎこちなく吐くと、王女ステラを抱え転移魔法を発動、俺は魔王城へ帰還した。
「ルチーナ様お帰りなさいませ」
魔王城へ帰還すると、サナリスが俺を出迎えた。
どうやら彼女には俺が抱えるステラ王女が目に映っていないのか、
「ルチーナ様、今晩はカレーライスですよ☆」
にっこにこ笑顔で俺の手を取ろうとするサナリス。
彼女に答え、手を取りたいところだが生憎俺はステラ王女を抱えていて無理だ。
が、俺の考えなんかこれっぽっちも汲み取る気が無いサナリスは、誤解を深める事を言う。
「ももも、申し訳御座いませんッ! お楽しみを邪魔してしまった事をお許しくださいませっ!!!!!」
魔族はばびゅ~んと音を立てながら部屋を去った。
誤解を解けぬまま部屋を立ち去られました。
お、終わったーーーーー!?!?!?
何もかも全てがッ! 大レ○魔王ルチーナが誕生の瞬間ぢゃーーーー!?!?!?
「ぬは、ぬはははは、サナリスよ我は王女ステラを誘拐しに行って参るぞよ。我が居ぬ間城の守りは任せたぞ。 ふははははは」
頭のネジが外れた俺は、焦点が合わぬ瞳のままステラ王女の誘拐に向かったのであった。
―西の王国―
そんな訳で、転移魔法を使いちょちょいのぱっぱでステラ王女が居る部屋の近くまでやって来た訳だ。
彼女の部屋は2階にあり、俺は対空しながら彼女に問いかける。
「ふはははは、我は大魔王ルチーナである。憎き勇者エリウッドを誘い出す為の囮になってもらおうぞ」
残念ながら、俺の魔王演技は棒読みだった。
「まぁ、ルチーナ様で御座いますか? お会いしとうございました。是非ともお願いいたします」
丁重なお辞儀をするステラ王女。
俺と違って演技ではなく本心の様だ。
棒読みに対して無反応だったのは少しだけ寂しい気がするが。
「ぬははは、世界征服の野望を満たす為貴様に協力してもらうぞ」
言動が棒読みのまま、自分でもわかる位に顔がにやけている俺だ。
そんな俺に対し、ステラ王女は柔らかい笑顔を見せ応える。
や、やめるんだ、そんな笑顔を見せられたら萌え死んでしまうではないか!?!?!?!?
「あ、貴方様は!?」
俺がステラ王女とのこれからを妄想しているところ、地上より聞き覚えのある声が。
「ゲッ、貴様はエリウッド!?」
くそっ、よりによってこんなタイミングで?
いや、ステラ王女をデートに誘いに来たのか?
昨日あれだけ夜遊びしておいた癖になんてタフな野郎だ!
いやいや、確か奴は15歳とかそこらへんだったかッ!
SHIT! 俺みたいなおっさんと違って元気が有り余ってる年ごろじゃねぇかっ!!!!
いや、待て、今の俺は魔王であり、勇者を始末する事は俺の仕事だ。
「OH。愛しきマイハニールチーNA。不思議な衣装を纏って居ようが我がエリウッDO。貴女への愛は変わらないのSA!」
髪をそっと掻き上げ、不敵な笑みを見せ、口元から見せる歯をキラリと輝かせるエリウッド。
目の前に本日デートのご予定が御座いますステラ王女様を目の前に俺を口説くエリウッド。
先日、ステラ王女がいらっしゃるにもかかわらず夜の街で遊び尽くしたエリウッド。
さて問題です。ここまでの愚行をやり尽くしたカレシ? に対してカノジョ? がとる行動と言えば???
有体に言って、あまり良い予感がしねぇな。
多分、ステラ王女はエリウッドに対して魔法をぶっ放すんじゃないかなぁと思った俺は安全確保の為飛翔し高度を上げる。
「エリウッド様? おいたは許しません事よ?」
ステラ王女はいつも通り柔らかな笑顔を見せながら魔法の詠唱を始める。
「HAHAHA。勿論君への愛も変わらないSA」
と、エリウッドがごまかすが、ステラ王女は詠唱を止めない。
魔法が完成され、エリウッドの頭上付近に暗雲が立ち込め、激しい光が発生したかと思うと、
『ステラはサンダーの魔法を唱えた!』
ずがががががががーーーーーん!!!!!!
エリウッドの頭上に物凄い雷が直撃した!
ステラのサンダーが直撃したエリウッドは、一瞬だけ黒焦げになったかと思うと魔法の威力が高すぎたのか跡形もなく消えてしまった。
『エリウッドは999のダメージを受けた! エリウッドは死んでしまった!』
999ダメージかよッ!!!!
カンストHPの4倍ダメージが出てるじゃないかッ!!!!
だが、だがっ、しかしそれでも俺は魔王の威厳を保たねばならぬ!
「ふはははは、勇者を一撃で倒すとはやるな、ステラ王女」
俺はステラ王女の近くへ舞い戻り強がったセリフを言う。
やはり棒読みで。
「お褒めにいただき光栄で御座います。しかしながらわたくしステラは手加減を致しております。ルチーナ様がご所望でしたら手加減を致さず魔法をお見せ致したいと存じ上げます」
平然とした口調で言うステラ王女だ。
「いや、見せなくともよい魔力は大事にしたまえ」
強がってはいるものの正直冷や汗が出てきそうだ。
「かしこまりました。 ルチーナ様がそう仰るのでしたらお従い致します」
「うむ。では魔王城へ向かうと致そう」
俺は魔王セリフをぎこちなく吐くと、王女ステラを抱え転移魔法を発動、俺は魔王城へ帰還した。
「ルチーナ様お帰りなさいませ」
魔王城へ帰還すると、サナリスが俺を出迎えた。
どうやら彼女には俺が抱えるステラ王女が目に映っていないのか、
「ルチーナ様、今晩はカレーライスですよ☆」
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