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第一部
意外なプロムナード
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馬車の中までケアリーは付いてきた。
「あぁ…ステラ様、公爵様のお隣にお座りください。あぁ…私のデザインに命を与えてくれた方々…やはり私の目に狂いはなかった!あぁ…お二人はきっと私の服を着るために女神が与えてくれた運命…」
ずっと感嘆のため息を吐きながら、ケアリーはうるさく声を漏らし続けた。
「私、ケアリーとは仲良くなれそうもないわ」
「そうか?私は結構好きだよ。ステラと私の出会いが運命と言われたら毎回気分がいい」
デイヴィッドは私の肩を抱き寄せて、頬に唇を寄せた。本当にご機嫌なようだ。
「だけど、一緒に馬車に乗るのは今回だけだ。ステラとの時間を邪魔されたくないからね」
「はぁ~!情熱的な公爵様を見ているとアイデアが湧き上がるようです!ごちそうさまです!ありがとうございます!」
ケアリーの創作意欲を上げて、結婚式のドレスに全力を投じてもらう予定だ。他にもこれから迎える社交シーズンはドレスはいくらあってもいい。
デイヴィッドの手を取って馬車を降りると、そこは一面にミモザが咲き誇るウェステラート城だった。近くを通ったことはあっても、ほとんどの者が足を踏み入れたことがない、幻の城と呼ばれている。
「ここは祖父から相続した城だ。案内するよ」
全てが自分の身長より高く育ったミモザが綺麗に形を整えられ、垂れた黄色い枝が足元まで彩りを与えている。圧巻とも言える光景に、ステラも目を見張った。
「爽やかでいい香りだ」
「フワリと鼻をくすぐる清潔感あふれる香り…花畑にいるみたいだわ」
「ふふっ。花畑もそう間違いじゃない。ミモザだけじゃなくて、菜の花も植えてある。あとでゆっくりと庭に下りよう」
「レストランだと言っていたのに…」
「あぁ、料理人を呼んであるんだ。だから、今日はこの城は私たちのレストランになったわけだ」
前菜にはアスパラガスにミモザが添えられ、メインには菜の花のソテーが添えられていた。デザートにはレモンの香りのするミモザケーキと、黄色尽くし。
「デイヴィッド…全部が黄色いわ。私たちのドレスはブルーグレーなのに…どういう意味があるの?」
「気付かなかったか?私たちのオーラの色だ。それに、結婚を承諾してくれた感謝の意味を込めてある」
ステラは窓から見える黄色の花々に目を向けた。
「ふっ……デイヴィッド、知りませんでした?イシュトハンでのミモザの花の意味を」
「イシュトハンでは意味が異なりましたか?」
「はい。イシュトハンでミモザの花を贈るのは、気がおかしくなるほど愛しているという意味なんですけど…」
ステラは少し頬を染めながら、窓からデイヴィッドに視線を移す。
「コッコホンッ…知っていたら今日この日を結婚式にしていた」
デイヴィッドはステラから目をそらして夕方からプロムナードへ出席するのだと頭に何度も刻み込んでいた。
「そろそろ庭を案内してもらいたいのだけど?」
ステラは立ち上がると、デイヴィッドの横に立ってエスコートでもするように手を差し出した。
「ステラには敵わない」
「私もデイヴィッドには敵わないわ。味方で良かったわね」
ステラは呆れたように笑った。
「味方ではなく夫婦になるんだが?」
デイヴィッドは立ち上がると、ステラの腰に手を回してステラを見下ろすと、二人の唇は引かれ合うように重なった。
「ケアリーを帰すんじゃなかった…」
「ケアリーがいたらどうなっていたのかしら?」
「次にここに来るまでには一般的なドレスを着付けれる者を配置しておく」
「コルセットは二人いると楽なの。覚えておくといいわよ」
二人は庭に出ても四阿で甘い時を過ごした。使用人は気を遣いながらお茶のセッティングをし、未来の公爵家は安泰のようだと喜んだ。
プロムの会場は、ステラが1年ぶりに訪れるアカデミーのホールで行われる。懐かしさを感じながら、ステラは馬車を降りた。
馬車の中でもデイヴィッドに抱えられていたステラは、目が合うたびに顔のいたるところに唇を降らせるデイヴィッドと既に賑やかに盛り上がっている会場へと足を踏み入れた。
「すごいな。ジュニアプロムとは桁違いの気合いの入り方だ」
デイヴィッドがそう言うのも無理はない。全員が気合の入ったドレスとスーツを着ている。男性が黒い燕尾服で参加する盛大な王宮舞踏会よりも派手やかなパーティがプロムナードだ。ジュニアプロムよりも気合の入れ方は全く異なる。
「昨年は陛下が挨拶に訪れたけど、今年はフロージアなのね…」
ステラはホールの前方でフロージアの入場の声を聞いて顔を顰めた。貴族達の卒業を祝うプロムの見届け人と言う立場なので、皇太子妃を連れる必要はないし、昨年は陛下も挨拶だけして退席しているので不自然ではない。
フロージアの高尚な挨拶の間、ホールは先程までの浮かれようが嘘のように静まり返ってフロージアの言葉を聞いた。彼らにとっては先輩であり、噂の中心の皇太子だ。
「殿下のことばかり見てないで、私を見ていればいい」
「まぁ…そうね。関わっていいことなんてないし…」
それでも、こちらが関わりたくないと思っていても、向こうにその気がなければどうしようもない場面がある。
「ステラ、少しいいかな?」
化粧直しでデイヴィッドと別れたタイミングで声をかけられたら避けられるわけもない。
「我が国の高貴なるフロージア殿下にご挨拶申し上げます」
ステラはこれ見よがしにカーテシーをとり、膝を折った。
「ステラ、いつも通りでいい」
「そう?なら、そうさせてもらおうかしら」
ステラはそう言われると分かっていたように早々に腕を組んだ。ここにいたくないという意思表示だ。
「ステラ、彼と結婚するのか?」
「そうだけど?」
どうしてそんなことをいうのだろうか。自分も結婚しておいて、私には結婚してほしくないとでも言うつもりなら、どうしてやろうか。
ステラは腕を組んだまま、真っ直ぐにフロージアを見て様子を伺う。何かあれば雷撃でも食らわせてやろうと決める。
「好きでもない男と結婚して、ステラは幸せになれるか?」
「デイヴィッドのことは貴方が思っているよりもずっと好きよ?自分でも不思議なくらいね。用がそれだけなら、私は戻るわね。デイヴィッドの晴れ舞台に影を落としたくないの。あ、そうそう。結婚おめでとう。自分の嫁くらい大切にしなさいよ」
フロージアの横を通り過ぎようとするが、それはフロージアによって阻まれた。
「ステラ!待って!本当に彼を好きなのか?」
行手を阻むように立ち塞がったフロージアは、ヒールを履いた背の高い私と目の高さは大きく変わらない。デイヴィッドなら、もう少し顎を上げたくなる。それはキスを強請るように見えるらしい。そう思い出してクスリと息が漏れた。
「クスッ…あぁ可笑しい。最初から好きじゃなかったら、彼と婚約なんてしなかったわ。そう…私、デイヴィッドが好きみたい。貴方といても彼を思い出す位」
「そうか。ならいい…」
フロージアはそのまま立ち去っていった。
「今更幼馴染に戻るなんて無理な話よ」
フロージアの背中に向かって言った後、私はデイヴィッドの元へと戻った。
「ねぇ、デイヴィッド。私のこと好き?」
「好きだよ」
「私も好きよ」
「知ってるよ」
「デイヴィッドは知らないわよ。今日までの中で一番好きなんだから」
「じゃあ明日の君が今日よりも私を好きだと言ってくれるように頑張らないといけないね」
「そうね、一日でもサボったら好きじゃなくなるかもしれないわ」
「君は一日でも二日でもサボっていいよ。怠惰な君も私は好きだと思う」
「なるほど。ならそれが本当かどうか試してみようかしら」
私たちはホールの真ん中で、抱き合いながら踊った。私はデイヴィッドの好きなように踊らされているような感覚だった。それがとても楽で、とても居心地が良かった。踊ったまま眠れそうなほどに、私の身体は彼の動きに合わせるのだ。
彼が他に誰かを好きになったら、私はまた傷付くだろう。傷付いて、殺してしまうかもしれない。そんな日が来ませんようにと、願うことしか私には出来なかった。
「あぁ…ステラ様、公爵様のお隣にお座りください。あぁ…私のデザインに命を与えてくれた方々…やはり私の目に狂いはなかった!あぁ…お二人はきっと私の服を着るために女神が与えてくれた運命…」
ずっと感嘆のため息を吐きながら、ケアリーはうるさく声を漏らし続けた。
「私、ケアリーとは仲良くなれそうもないわ」
「そうか?私は結構好きだよ。ステラと私の出会いが運命と言われたら毎回気分がいい」
デイヴィッドは私の肩を抱き寄せて、頬に唇を寄せた。本当にご機嫌なようだ。
「だけど、一緒に馬車に乗るのは今回だけだ。ステラとの時間を邪魔されたくないからね」
「はぁ~!情熱的な公爵様を見ているとアイデアが湧き上がるようです!ごちそうさまです!ありがとうございます!」
ケアリーの創作意欲を上げて、結婚式のドレスに全力を投じてもらう予定だ。他にもこれから迎える社交シーズンはドレスはいくらあってもいい。
デイヴィッドの手を取って馬車を降りると、そこは一面にミモザが咲き誇るウェステラート城だった。近くを通ったことはあっても、ほとんどの者が足を踏み入れたことがない、幻の城と呼ばれている。
「ここは祖父から相続した城だ。案内するよ」
全てが自分の身長より高く育ったミモザが綺麗に形を整えられ、垂れた黄色い枝が足元まで彩りを与えている。圧巻とも言える光景に、ステラも目を見張った。
「爽やかでいい香りだ」
「フワリと鼻をくすぐる清潔感あふれる香り…花畑にいるみたいだわ」
「ふふっ。花畑もそう間違いじゃない。ミモザだけじゃなくて、菜の花も植えてある。あとでゆっくりと庭に下りよう」
「レストランだと言っていたのに…」
「あぁ、料理人を呼んであるんだ。だから、今日はこの城は私たちのレストランになったわけだ」
前菜にはアスパラガスにミモザが添えられ、メインには菜の花のソテーが添えられていた。デザートにはレモンの香りのするミモザケーキと、黄色尽くし。
「デイヴィッド…全部が黄色いわ。私たちのドレスはブルーグレーなのに…どういう意味があるの?」
「気付かなかったか?私たちのオーラの色だ。それに、結婚を承諾してくれた感謝の意味を込めてある」
ステラは窓から見える黄色の花々に目を向けた。
「ふっ……デイヴィッド、知りませんでした?イシュトハンでのミモザの花の意味を」
「イシュトハンでは意味が異なりましたか?」
「はい。イシュトハンでミモザの花を贈るのは、気がおかしくなるほど愛しているという意味なんですけど…」
ステラは少し頬を染めながら、窓からデイヴィッドに視線を移す。
「コッコホンッ…知っていたら今日この日を結婚式にしていた」
デイヴィッドはステラから目をそらして夕方からプロムナードへ出席するのだと頭に何度も刻み込んでいた。
「そろそろ庭を案内してもらいたいのだけど?」
ステラは立ち上がると、デイヴィッドの横に立ってエスコートでもするように手を差し出した。
「ステラには敵わない」
「私もデイヴィッドには敵わないわ。味方で良かったわね」
ステラは呆れたように笑った。
「味方ではなく夫婦になるんだが?」
デイヴィッドは立ち上がると、ステラの腰に手を回してステラを見下ろすと、二人の唇は引かれ合うように重なった。
「ケアリーを帰すんじゃなかった…」
「ケアリーがいたらどうなっていたのかしら?」
「次にここに来るまでには一般的なドレスを着付けれる者を配置しておく」
「コルセットは二人いると楽なの。覚えておくといいわよ」
二人は庭に出ても四阿で甘い時を過ごした。使用人は気を遣いながらお茶のセッティングをし、未来の公爵家は安泰のようだと喜んだ。
プロムの会場は、ステラが1年ぶりに訪れるアカデミーのホールで行われる。懐かしさを感じながら、ステラは馬車を降りた。
馬車の中でもデイヴィッドに抱えられていたステラは、目が合うたびに顔のいたるところに唇を降らせるデイヴィッドと既に賑やかに盛り上がっている会場へと足を踏み入れた。
「すごいな。ジュニアプロムとは桁違いの気合いの入り方だ」
デイヴィッドがそう言うのも無理はない。全員が気合の入ったドレスとスーツを着ている。男性が黒い燕尾服で参加する盛大な王宮舞踏会よりも派手やかなパーティがプロムナードだ。ジュニアプロムよりも気合の入れ方は全く異なる。
「昨年は陛下が挨拶に訪れたけど、今年はフロージアなのね…」
ステラはホールの前方でフロージアの入場の声を聞いて顔を顰めた。貴族達の卒業を祝うプロムの見届け人と言う立場なので、皇太子妃を連れる必要はないし、昨年は陛下も挨拶だけして退席しているので不自然ではない。
フロージアの高尚な挨拶の間、ホールは先程までの浮かれようが嘘のように静まり返ってフロージアの言葉を聞いた。彼らにとっては先輩であり、噂の中心の皇太子だ。
「殿下のことばかり見てないで、私を見ていればいい」
「まぁ…そうね。関わっていいことなんてないし…」
それでも、こちらが関わりたくないと思っていても、向こうにその気がなければどうしようもない場面がある。
「ステラ、少しいいかな?」
化粧直しでデイヴィッドと別れたタイミングで声をかけられたら避けられるわけもない。
「我が国の高貴なるフロージア殿下にご挨拶申し上げます」
ステラはこれ見よがしにカーテシーをとり、膝を折った。
「ステラ、いつも通りでいい」
「そう?なら、そうさせてもらおうかしら」
ステラはそう言われると分かっていたように早々に腕を組んだ。ここにいたくないという意思表示だ。
「ステラ、彼と結婚するのか?」
「そうだけど?」
どうしてそんなことをいうのだろうか。自分も結婚しておいて、私には結婚してほしくないとでも言うつもりなら、どうしてやろうか。
ステラは腕を組んだまま、真っ直ぐにフロージアを見て様子を伺う。何かあれば雷撃でも食らわせてやろうと決める。
「好きでもない男と結婚して、ステラは幸せになれるか?」
「デイヴィッドのことは貴方が思っているよりもずっと好きよ?自分でも不思議なくらいね。用がそれだけなら、私は戻るわね。デイヴィッドの晴れ舞台に影を落としたくないの。あ、そうそう。結婚おめでとう。自分の嫁くらい大切にしなさいよ」
フロージアの横を通り過ぎようとするが、それはフロージアによって阻まれた。
「ステラ!待って!本当に彼を好きなのか?」
行手を阻むように立ち塞がったフロージアは、ヒールを履いた背の高い私と目の高さは大きく変わらない。デイヴィッドなら、もう少し顎を上げたくなる。それはキスを強請るように見えるらしい。そう思い出してクスリと息が漏れた。
「クスッ…あぁ可笑しい。最初から好きじゃなかったら、彼と婚約なんてしなかったわ。そう…私、デイヴィッドが好きみたい。貴方といても彼を思い出す位」
「そうか。ならいい…」
フロージアはそのまま立ち去っていった。
「今更幼馴染に戻るなんて無理な話よ」
フロージアの背中に向かって言った後、私はデイヴィッドの元へと戻った。
「ねぇ、デイヴィッド。私のこと好き?」
「好きだよ」
「私も好きよ」
「知ってるよ」
「デイヴィッドは知らないわよ。今日までの中で一番好きなんだから」
「じゃあ明日の君が今日よりも私を好きだと言ってくれるように頑張らないといけないね」
「そうね、一日でもサボったら好きじゃなくなるかもしれないわ」
「君は一日でも二日でもサボっていいよ。怠惰な君も私は好きだと思う」
「なるほど。ならそれが本当かどうか試してみようかしら」
私たちはホールの真ん中で、抱き合いながら踊った。私はデイヴィッドの好きなように踊らされているような感覚だった。それがとても楽で、とても居心地が良かった。踊ったまま眠れそうなほどに、私の身体は彼の動きに合わせるのだ。
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