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第一部
秋の狩猟大会
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社交シーズンの終わりは、少し早めに王都を出て避暑地で過ごしたり、別荘地で過ごしたりする貴族は少なくない。
毎年あちこちで行われる狩猟大会も、余暇を楽しむために王妃様の誕生パーティ後に行われることが多い。ミッドランドの森で行われる狩猟大会は王都に近いこともあり、人気の狩猟大会の一つだ。
この日の為に私はデイヴィッドにアスコットタイを贈り、お揃いで彼の愛馬マックイーンも身につけている。
「今日は運が来てる気がするよ」
「頑張って!私も頑張ってくるから」
「うん。それじゃあ行ってくる。毛皮は期待してもいいよ!」
「怪我だけはしないでね!」
デイヴィッドにハグして送り出すと、私も息を大きく吸って気合いを入れた。狩猟大会は朝から昼までと待ち時間が長い。その間女性達はテントで過ごす。もちろん、仲のいいグループが集まることになるが、今日はマリチェッター夫人も来て、私の地位を固める予定だ。
「ステラ嬢、デイヴィッドは大丈夫でしたか?」
クラーク公爵家のテントに戻ると、すでに多くの人が集まっていた。
流石社交界をまとめ上げている女性だけあり、高位貴族の方ばかりだ。
「はい。怪我なく帰ってきてくれるといいんですけど」
狩猟大会は魔法の使用は一切禁止で、使用できるのは弓と剣のみの古典手法で行われる。魔力の強弱で結果が見えてしまうのはつまらないからだ。
「狩猟は運も必要ですからね。祈って待つしかないわね。改めてご紹介するわ。息子と婚約したイシュトハン伯爵のご令嬢のステラ嬢よ。って言ってももう顔馴染みよね」
マリチェッター夫人のお茶会は以前から何度も呼ばれていたので知らぬ顔はいない。それでも婚約者として対面するのは初めての方が多い。
「ステラ様が嫁がれるなら、これからの公爵家も安泰ですわね。」
「鎖を解かれた時はどの殿方が射止めるのかと思っておりましたら、公爵様なら納得ですわ」
「本当です。運命かのようにお似合いなお二人ですわ!」
こちらが挨拶をする隙もないほど声が上がって、夫人が着席を促してくれて、私は夫人の隣に静かに座った。公爵家のテントに集まるのは好意的な立場の方ばかりなので、皆が領地に帰る前に公爵家の人間として顔を合わるのはとても都合が良かった。これで、私は未来の公爵夫人として振舞うことができる。
「そういえば、フロージア殿下は今年は不参加ですわね。結婚式も間近で忙しくしていらっしゃるのかしら?」
「いくら皇族でも、もうすぐ皇太子妃になる方をお連れにならずに参加するのは憚られるでしょう。アルギミール侯爵もお見えになっていないようですし、それが無難な対応ですわ」
参加してもしなくても、良い話題にはならない。いくらなんでも皇室もアルギミール令嬢をもう表には出さないだろう。恥の上塗りを自らしたいと言うなら別だけど。
私は今日は無難にやり過ごすだけで良い。顔合わせが目的なので話題を無理に合わせる必要もない。ただ、失敗は許されないので、口を出すなら細心の注意が必要だ。
「そういえば、今年もフリードリヒ殿下は参加されていましたね。まだお身体は小さいですが、去年も入賞されましたから、今日も期待が高まりますわね」
「そうですわね。でもクロエ嬢はお見かけしておりませんね。ステラ嬢、お二人はどうなんですか?」
クロエは狩猟に全く興味がないし、引きこもりで社交には向かないので、皇室に入るのは心配だ。公爵家に私がいればある程度はフォローできるが、それよりも後継者に養子に入ってもらうことになり、イシュトハン家の直系ではなく母方の侯爵家の血筋になるので、本来ならば望ましいことではない。
「まだ成人も迎えていない二人ですから、陛下も配慮されて何も言わないのでしょう。でもフリードリヒ殿下は妹のことしか見えていないようですし、後は妹次第といったところなのでしょう。まだまだ妹は魔法にしか興味がなさそうなので、殿下には頑張っていただきたいですわね」
イシュトハン家の三姉妹の誰かは二人の王子どちらかと結婚すると言われていたし、皇室もそのつもりだったはずだ。貴族は今でもそのつもりでいる。フロージアと私が結婚しなかったので、妹のクロエと第二王子のフリードリヒの結婚を前提に、婚約がいつになるのかと考えているに違いない。
「そうは言っても、確かあと二年程でお二人とも成人なさいますし、アカデミー入学前にはご婚約の流れが一般的ですわよね」
私はアカデミー入学前に婚約どころか婚約者候補の発表が伸びたにも関わらずイシュトハンの後継者の位置にいたので候補にも選ばれなかった。本当に笑える話だ。
「お二人が結婚なされたら、皇室も落ち着きますのにね」
もしフリードとクロエが結婚したら、アルギミール令嬢は完全に立場を失うだろう。突出した魔力があるわけでもなく、議会の議長も務めた実績もある家だが、イシュトハンほどの歴史があるわけもない。筆頭公爵家にいる私と、最強魔力を持つクロエとずっと比べられることになる。さらには現王妃は社交界に根を張っていないどころか、イシュトハンとは嫁ぐ前からの友人関係。私だったらとても怖くてその席には座らない。
「あら、帰ってくる方が見えはじめましたね」
殆ど今の皇室の話をして私のお披露目は終わった。
「ステラ嬢、妹君の話の返しはお上手でしたわ」
マリチェッター夫人からお褒めの言葉が出たと言うことは、ここに座っていた方々の合格をもらえたと言うことだろう。
「デイヴィッド!!凄いじゃない!怪我は?どこもない?」
デイヴィッドの後ろで従者が荷車を押していた。荷台に足が出るほど大きな鹿だ。マックイーンから降りたデイヴィッドの周りを一周しながら怪我がないか確認する。
「怪我はないよ。でもほら、フリードリヒ殿下を見てみなよ。アレには勝てないな」
デイヴィッドの見つめた方を見ると、フリードも荷車で獲物が運ばれていた。大きな猪だ。重さで勝敗が決まるので、一目で優勝はないと分かった。
「フリードやるじゃない…」
「でもほら見て。ご希望のリンクスもちゃんと捕まえた」
狩猟大会は意外と大物を狙って優勝を目指すタイプと、ウサギやリンクス、狐などの毛皮を贈り物にする為に参加するタイプの二手に分かれる。
狩猟大会で得た毛皮を贈られるのはとても名誉なことだ。その中でもリンクスは希少価値が高く、狩りに成功すれば英雄扱いだ。
「えっ!凄いじゃない!しかも二匹も!?」
「タイのお礼にはなったかな?」
「もちろんよ。充分すぎるわ」
「実は前から狙いをつけてる場所があったんだ」
タイを渡しながら、リンクスが欲しいだなんて冗談で言ったのだけど、まさか本当に獲ってくるとは思ってもいなかった。自信ありげにしていたのを不思議に思っていたけど、当てがあったと聞けば納得した。
「鹿はマットにでもしよう」
狩猟大会の獲物は、解体されて領民に振る舞われる。慈善活動の一助となり、毛皮だけが返されるのだ。
「たまには格好つけてもいいだろう?」
「最高にカッコいいわ!」
優勝は当然のようにフリードが勝ち取って、デイヴィッドは三位だった。上位二人は猪だったので、体重では勝てなかった。しかし、リンクスを捕ったのは今年はデイヴィッドだけだったので、優勝したのと変わらない位話題となった。
「ステラはどうだった?」
「何とかなったわ。これで春には招待状を贈れるでしょう」
来年の社交シーズンの始まりに結婚式の招待状を送る手筈となっている為、春になってからの顔見せでは遅かった。結婚までの一つの難関を突破したと思うと肩の力が抜けた。
毎年あちこちで行われる狩猟大会も、余暇を楽しむために王妃様の誕生パーティ後に行われることが多い。ミッドランドの森で行われる狩猟大会は王都に近いこともあり、人気の狩猟大会の一つだ。
この日の為に私はデイヴィッドにアスコットタイを贈り、お揃いで彼の愛馬マックイーンも身につけている。
「今日は運が来てる気がするよ」
「頑張って!私も頑張ってくるから」
「うん。それじゃあ行ってくる。毛皮は期待してもいいよ!」
「怪我だけはしないでね!」
デイヴィッドにハグして送り出すと、私も息を大きく吸って気合いを入れた。狩猟大会は朝から昼までと待ち時間が長い。その間女性達はテントで過ごす。もちろん、仲のいいグループが集まることになるが、今日はマリチェッター夫人も来て、私の地位を固める予定だ。
「ステラ嬢、デイヴィッドは大丈夫でしたか?」
クラーク公爵家のテントに戻ると、すでに多くの人が集まっていた。
流石社交界をまとめ上げている女性だけあり、高位貴族の方ばかりだ。
「はい。怪我なく帰ってきてくれるといいんですけど」
狩猟大会は魔法の使用は一切禁止で、使用できるのは弓と剣のみの古典手法で行われる。魔力の強弱で結果が見えてしまうのはつまらないからだ。
「狩猟は運も必要ですからね。祈って待つしかないわね。改めてご紹介するわ。息子と婚約したイシュトハン伯爵のご令嬢のステラ嬢よ。って言ってももう顔馴染みよね」
マリチェッター夫人のお茶会は以前から何度も呼ばれていたので知らぬ顔はいない。それでも婚約者として対面するのは初めての方が多い。
「ステラ様が嫁がれるなら、これからの公爵家も安泰ですわね。」
「鎖を解かれた時はどの殿方が射止めるのかと思っておりましたら、公爵様なら納得ですわ」
「本当です。運命かのようにお似合いなお二人ですわ!」
こちらが挨拶をする隙もないほど声が上がって、夫人が着席を促してくれて、私は夫人の隣に静かに座った。公爵家のテントに集まるのは好意的な立場の方ばかりなので、皆が領地に帰る前に公爵家の人間として顔を合わるのはとても都合が良かった。これで、私は未来の公爵夫人として振舞うことができる。
「そういえば、フロージア殿下は今年は不参加ですわね。結婚式も間近で忙しくしていらっしゃるのかしら?」
「いくら皇族でも、もうすぐ皇太子妃になる方をお連れにならずに参加するのは憚られるでしょう。アルギミール侯爵もお見えになっていないようですし、それが無難な対応ですわ」
参加してもしなくても、良い話題にはならない。いくらなんでも皇室もアルギミール令嬢をもう表には出さないだろう。恥の上塗りを自らしたいと言うなら別だけど。
私は今日は無難にやり過ごすだけで良い。顔合わせが目的なので話題を無理に合わせる必要もない。ただ、失敗は許されないので、口を出すなら細心の注意が必要だ。
「そういえば、今年もフリードリヒ殿下は参加されていましたね。まだお身体は小さいですが、去年も入賞されましたから、今日も期待が高まりますわね」
「そうですわね。でもクロエ嬢はお見かけしておりませんね。ステラ嬢、お二人はどうなんですか?」
クロエは狩猟に全く興味がないし、引きこもりで社交には向かないので、皇室に入るのは心配だ。公爵家に私がいればある程度はフォローできるが、それよりも後継者に養子に入ってもらうことになり、イシュトハン家の直系ではなく母方の侯爵家の血筋になるので、本来ならば望ましいことではない。
「まだ成人も迎えていない二人ですから、陛下も配慮されて何も言わないのでしょう。でもフリードリヒ殿下は妹のことしか見えていないようですし、後は妹次第といったところなのでしょう。まだまだ妹は魔法にしか興味がなさそうなので、殿下には頑張っていただきたいですわね」
イシュトハン家の三姉妹の誰かは二人の王子どちらかと結婚すると言われていたし、皇室もそのつもりだったはずだ。貴族は今でもそのつもりでいる。フロージアと私が結婚しなかったので、妹のクロエと第二王子のフリードリヒの結婚を前提に、婚約がいつになるのかと考えているに違いない。
「そうは言っても、確かあと二年程でお二人とも成人なさいますし、アカデミー入学前にはご婚約の流れが一般的ですわよね」
私はアカデミー入学前に婚約どころか婚約者候補の発表が伸びたにも関わらずイシュトハンの後継者の位置にいたので候補にも選ばれなかった。本当に笑える話だ。
「お二人が結婚なされたら、皇室も落ち着きますのにね」
もしフリードとクロエが結婚したら、アルギミール令嬢は完全に立場を失うだろう。突出した魔力があるわけでもなく、議会の議長も務めた実績もある家だが、イシュトハンほどの歴史があるわけもない。筆頭公爵家にいる私と、最強魔力を持つクロエとずっと比べられることになる。さらには現王妃は社交界に根を張っていないどころか、イシュトハンとは嫁ぐ前からの友人関係。私だったらとても怖くてその席には座らない。
「あら、帰ってくる方が見えはじめましたね」
殆ど今の皇室の話をして私のお披露目は終わった。
「ステラ嬢、妹君の話の返しはお上手でしたわ」
マリチェッター夫人からお褒めの言葉が出たと言うことは、ここに座っていた方々の合格をもらえたと言うことだろう。
「デイヴィッド!!凄いじゃない!怪我は?どこもない?」
デイヴィッドの後ろで従者が荷車を押していた。荷台に足が出るほど大きな鹿だ。マックイーンから降りたデイヴィッドの周りを一周しながら怪我がないか確認する。
「怪我はないよ。でもほら、フリードリヒ殿下を見てみなよ。アレには勝てないな」
デイヴィッドの見つめた方を見ると、フリードも荷車で獲物が運ばれていた。大きな猪だ。重さで勝敗が決まるので、一目で優勝はないと分かった。
「フリードやるじゃない…」
「でもほら見て。ご希望のリンクスもちゃんと捕まえた」
狩猟大会は意外と大物を狙って優勝を目指すタイプと、ウサギやリンクス、狐などの毛皮を贈り物にする為に参加するタイプの二手に分かれる。
狩猟大会で得た毛皮を贈られるのはとても名誉なことだ。その中でもリンクスは希少価値が高く、狩りに成功すれば英雄扱いだ。
「えっ!凄いじゃない!しかも二匹も!?」
「タイのお礼にはなったかな?」
「もちろんよ。充分すぎるわ」
「実は前から狙いをつけてる場所があったんだ」
タイを渡しながら、リンクスが欲しいだなんて冗談で言ったのだけど、まさか本当に獲ってくるとは思ってもいなかった。自信ありげにしていたのを不思議に思っていたけど、当てがあったと聞けば納得した。
「鹿はマットにでもしよう」
狩猟大会の獲物は、解体されて領民に振る舞われる。慈善活動の一助となり、毛皮だけが返されるのだ。
「たまには格好つけてもいいだろう?」
「最高にカッコいいわ!」
優勝は当然のようにフリードが勝ち取って、デイヴィッドは三位だった。上位二人は猪だったので、体重では勝てなかった。しかし、リンクスを捕ったのは今年はデイヴィッドだけだったので、優勝したのと変わらない位話題となった。
「ステラはどうだった?」
「何とかなったわ。これで春には招待状を贈れるでしょう」
来年の社交シーズンの始まりに結婚式の招待状を送る手筈となっている為、春になってからの顔見せでは遅かった。結婚までの一つの難関を突破したと思うと肩の力が抜けた。
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