24 / 45
聖女と栞屋
しおりを挟む
「シャーロット、そろそろ起きないとあいつが来る頃だぞ?」
「ユリエルが来たら起こして…」
最近、聖女の栞屋の滞在時間が増えに増えた。理由の一つは、側近中の側近である直属の補佐官がシャーロットの元を去ったからだ。
騎士団長も頭を抱えながら小言を言っているが、全く聞く耳を持たない。
「お前仕事はいいのかよ…」
「仕事は帰ったらやります」
「もう日も暮れてるが!?」
今日は月明かりがあるから書類に目を通すのも容易いし、冬なので暖炉もあるだろうが、蝋燭だけに頼る灯りの中、幾つもの書類に目を通すのはかなり疲れる。
「神殿は石油ランプだから夜でも意外と明るい」
「そういう問題じゃなくてだな…」
つい最近まで、日が沈めばベッドに横になる生活をしていた聖女が、日が暮れてからも平民の家から帰らないのは、外聞が悪いと思うのだが、聖女は全く聞く耳を持たなかった。
「森の夜は危険だ。騎士達も可哀想だろう?」
「加護があるので襲われる心配はゼロです」
そうだった。そのチートのおかげで大陸中から流行り病が消え、動物に襲われることがなくなった。一件も野獣による被害がないというのは王都だけで見ても、歴史上聖女の加護がある時だけ。まさに奇跡。
「エリアス、お腹空いきました」
「俺が作っても食べれねぇんだろう?」
「エリアスがこの間、毒味係がいれば問題ないと言ったのを私は覚えています」
「エリアス、ちょっとおじさんと話そうか?」
聖女が余計なことを言うから、騎士団長のルーファスに怒られる羽目になった。俺もお腹は空いたし、いい加減帰って欲しい。
ーーカランカランッカラン
「聖女様、お迎えにあがりました」
補佐官様は、自ら志願して聖人アンドリューの補佐官として日中を過ごしているという。その聖女の弟が寝てから、今度は聖女の子守りをする毎日らしい。
これまで、聖女の向かい側の部屋を改装しながら、見習いの頃からずっと変わらず向かいの部屋を使っていたらしいが、アンドリューの補佐官となってからは、私室は聖母の家の近くの教会本部の一室となり、聖女の部屋のフロアは階段側の部屋を騎士団長が使っているのみで、常時四人体制で安全を守るようになったらしい。
「ユリエル抱っこ」
ハンモックに横になって先ほどまで完全に寝ていた聖女は、補佐官様が来ると両手を広げた。自ら下りる気もないらしい。
「なぁ、アレで結婚する意思がないとか本気か?」
「二人ともアホなんだ。俺は知らん。だが、こうでもしないとユリエルに会えないと考えてる聖女様も可愛いがすぎるよな」
ルーファスが至極真面目な顔で言うので、俺はもう何も言わないことにした。平民となった俺が聖女とどうこうなれるとは思ってもいない。烏滸がましい考えがよぎることもあるが、こうして暮らせているので、これ以上を望むつもりはない。
エリアスと名乗ればいいと平民としての名前をつけてくれたのは聖女だった。エリオットという名前の起源となるのがエリアスという名前で、俺に愛称をつける奴がいれば、エリオットと呼ばれる可能性すらある名前だったが、聖女のつけた名前を神殿側は否定することはなかった。
「エリアス、おやすみなさい」
「あぁ、気を付けて帰れよ」
俺は暗くなった森で夕食を作り始める。
◇ ◇ ◇
俺の今日の仕事は、お姫様の外食のアシスタントだ。貴族でも王族でも貴族街での食事を禁じられることはほぼないが、聖女という立場ではつまみ食いも許されないのは少し可哀想に思えて共犯者に名乗り出た。
「キャーーハハハッ」
「どうだ?人混みを抜けると簡単だろう?」
人の多い時間帯を狙い街に出て、人通りの多い通りを抜けた。そこに広がるのは、馬車の通れる貴族街ではなく、平民街だ。
「俺のおすすめは焼きトウモロコシだ」
「いっ…いらっしゃい…」
さっきまで大声で客を呼び込みながらトウモロコシを焼いていたのに、マントを被っても明らかに聖女と分かる客が来て、屋台の店主が驚いている。
「おじさん、二本ください」
「金はこれで」
「エリアス、後でお金はもらってね」
硬貨を持ち歩いたこともない聖女様が、こうして抜け出して屋台で食事が出来ることはないだろう。
「はいはい。トウモロコシ位平民でも買えるんで心配は不要ですよっと。熱いから気を付けろよ?」
「味見をしてください。はい」
「うん。問題ない。遅毒性の毒だとわかんねぇけどな」
「問題ありません。父に聞いたら、神の子は強い加護があるから毒になるものはないと言っていました」
「じゃあなんで今食べさせたんだよ…」
「毒味をすれば問題ないと言ったのはエリアスですよ?」
聖女は俺の齧ったトウモロコシを何の抵抗もなく齧り付いていた。意識した俺の方が顔が火照る。意識してしまえば、トウモロコシを齧って頬張る小さな口から目が離せなくなってしまう。
「こら!見つけたぞ!おおっと…聖女様…ついにやってしまいましたね」
「うん!美味しい!」
人通りが多くなり、騎士団長が安全を確保しようと指示を出し始めた隙を狙っての反抗だったが、あっという間に見つかってしまったし、聖女は満足気に軽く返事をしただけでトウモロコシに夢中だった。三つ位は店を回ろうと思っていたが予定はここで終了のようだ。
「聖女様には毒は通用しないらしいぜ?毒味はしっかりさせられたけど…」
「いい大人になってからこんなことをするとは思わなかった…いいか、今日のことはユリエル様には内緒だ。それから料理長にも絶対に秘密だ。料理長の今までの努力を理解してやれ」
神殿の料理長のことは知らなかったが、聖女と聖母の口にする物全ての責任を負っているというのは聞いたことがあった。
聖母は警備を掻い潜り街に出掛けるのも常態化しているが、決して許されているわけじゃない。
「騎士団長も一緒に食べましょう」
「……次からは事前申告としてください。買いに行くのは俺らでやりますから。俺は警備担当ですから多少は見逃せますが、今日のように逃げ出すのはなしです」
「騎士団長、お金を出してください」
「全然聞いてない…栞屋…お前が出せ!今日は全部お前の奢りだ」
「聖なる騎士団長という立場で、平民に金を出せとはいかがなものでしょう?」
「グッ…聖女様のお金は使用用途を記載しなければなりません。俺が奢りましょう」
「騎士団長って意外と真面目ですよね」
結局、聖女の願望は叶えられた。聖女のやりたいことの手伝いが出来るなら、まぁ少しくらい子供の頃のような悪さをするのも悪くはなかった。
「ユリエルが来たら起こして…」
最近、聖女の栞屋の滞在時間が増えに増えた。理由の一つは、側近中の側近である直属の補佐官がシャーロットの元を去ったからだ。
騎士団長も頭を抱えながら小言を言っているが、全く聞く耳を持たない。
「お前仕事はいいのかよ…」
「仕事は帰ったらやります」
「もう日も暮れてるが!?」
今日は月明かりがあるから書類に目を通すのも容易いし、冬なので暖炉もあるだろうが、蝋燭だけに頼る灯りの中、幾つもの書類に目を通すのはかなり疲れる。
「神殿は石油ランプだから夜でも意外と明るい」
「そういう問題じゃなくてだな…」
つい最近まで、日が沈めばベッドに横になる生活をしていた聖女が、日が暮れてからも平民の家から帰らないのは、外聞が悪いと思うのだが、聖女は全く聞く耳を持たなかった。
「森の夜は危険だ。騎士達も可哀想だろう?」
「加護があるので襲われる心配はゼロです」
そうだった。そのチートのおかげで大陸中から流行り病が消え、動物に襲われることがなくなった。一件も野獣による被害がないというのは王都だけで見ても、歴史上聖女の加護がある時だけ。まさに奇跡。
「エリアス、お腹空いきました」
「俺が作っても食べれねぇんだろう?」
「エリアスがこの間、毒味係がいれば問題ないと言ったのを私は覚えています」
「エリアス、ちょっとおじさんと話そうか?」
聖女が余計なことを言うから、騎士団長のルーファスに怒られる羽目になった。俺もお腹は空いたし、いい加減帰って欲しい。
ーーカランカランッカラン
「聖女様、お迎えにあがりました」
補佐官様は、自ら志願して聖人アンドリューの補佐官として日中を過ごしているという。その聖女の弟が寝てから、今度は聖女の子守りをする毎日らしい。
これまで、聖女の向かい側の部屋を改装しながら、見習いの頃からずっと変わらず向かいの部屋を使っていたらしいが、アンドリューの補佐官となってからは、私室は聖母の家の近くの教会本部の一室となり、聖女の部屋のフロアは階段側の部屋を騎士団長が使っているのみで、常時四人体制で安全を守るようになったらしい。
「ユリエル抱っこ」
ハンモックに横になって先ほどまで完全に寝ていた聖女は、補佐官様が来ると両手を広げた。自ら下りる気もないらしい。
「なぁ、アレで結婚する意思がないとか本気か?」
「二人ともアホなんだ。俺は知らん。だが、こうでもしないとユリエルに会えないと考えてる聖女様も可愛いがすぎるよな」
ルーファスが至極真面目な顔で言うので、俺はもう何も言わないことにした。平民となった俺が聖女とどうこうなれるとは思ってもいない。烏滸がましい考えがよぎることもあるが、こうして暮らせているので、これ以上を望むつもりはない。
エリアスと名乗ればいいと平民としての名前をつけてくれたのは聖女だった。エリオットという名前の起源となるのがエリアスという名前で、俺に愛称をつける奴がいれば、エリオットと呼ばれる可能性すらある名前だったが、聖女のつけた名前を神殿側は否定することはなかった。
「エリアス、おやすみなさい」
「あぁ、気を付けて帰れよ」
俺は暗くなった森で夕食を作り始める。
◇ ◇ ◇
俺の今日の仕事は、お姫様の外食のアシスタントだ。貴族でも王族でも貴族街での食事を禁じられることはほぼないが、聖女という立場ではつまみ食いも許されないのは少し可哀想に思えて共犯者に名乗り出た。
「キャーーハハハッ」
「どうだ?人混みを抜けると簡単だろう?」
人の多い時間帯を狙い街に出て、人通りの多い通りを抜けた。そこに広がるのは、馬車の通れる貴族街ではなく、平民街だ。
「俺のおすすめは焼きトウモロコシだ」
「いっ…いらっしゃい…」
さっきまで大声で客を呼び込みながらトウモロコシを焼いていたのに、マントを被っても明らかに聖女と分かる客が来て、屋台の店主が驚いている。
「おじさん、二本ください」
「金はこれで」
「エリアス、後でお金はもらってね」
硬貨を持ち歩いたこともない聖女様が、こうして抜け出して屋台で食事が出来ることはないだろう。
「はいはい。トウモロコシ位平民でも買えるんで心配は不要ですよっと。熱いから気を付けろよ?」
「味見をしてください。はい」
「うん。問題ない。遅毒性の毒だとわかんねぇけどな」
「問題ありません。父に聞いたら、神の子は強い加護があるから毒になるものはないと言っていました」
「じゃあなんで今食べさせたんだよ…」
「毒味をすれば問題ないと言ったのはエリアスですよ?」
聖女は俺の齧ったトウモロコシを何の抵抗もなく齧り付いていた。意識した俺の方が顔が火照る。意識してしまえば、トウモロコシを齧って頬張る小さな口から目が離せなくなってしまう。
「こら!見つけたぞ!おおっと…聖女様…ついにやってしまいましたね」
「うん!美味しい!」
人通りが多くなり、騎士団長が安全を確保しようと指示を出し始めた隙を狙っての反抗だったが、あっという間に見つかってしまったし、聖女は満足気に軽く返事をしただけでトウモロコシに夢中だった。三つ位は店を回ろうと思っていたが予定はここで終了のようだ。
「聖女様には毒は通用しないらしいぜ?毒味はしっかりさせられたけど…」
「いい大人になってからこんなことをするとは思わなかった…いいか、今日のことはユリエル様には内緒だ。それから料理長にも絶対に秘密だ。料理長の今までの努力を理解してやれ」
神殿の料理長のことは知らなかったが、聖女と聖母の口にする物全ての責任を負っているというのは聞いたことがあった。
聖母は警備を掻い潜り街に出掛けるのも常態化しているが、決して許されているわけじゃない。
「騎士団長も一緒に食べましょう」
「……次からは事前申告としてください。買いに行くのは俺らでやりますから。俺は警備担当ですから多少は見逃せますが、今日のように逃げ出すのはなしです」
「騎士団長、お金を出してください」
「全然聞いてない…栞屋…お前が出せ!今日は全部お前の奢りだ」
「聖なる騎士団長という立場で、平民に金を出せとはいかがなものでしょう?」
「グッ…聖女様のお金は使用用途を記載しなければなりません。俺が奢りましょう」
「騎士団長って意外と真面目ですよね」
結局、聖女の願望は叶えられた。聖女のやりたいことの手伝いが出来るなら、まぁ少しくらい子供の頃のような悪さをするのも悪くはなかった。
0
お気に入りに追加
602
あなたにおすすめの小説
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
本当の聖女は私です〜偽物聖女の結婚式のどさくさに紛れて逃げようと思います〜
桜町琴音
恋愛
「見て、マーガレット様とアーサー王太子様よ」
歓声が上がる。
今日はこの国の聖女と王太子の結婚式だ。
私はどさくさに紛れてこの国から去る。
本当の聖女が私だということは誰も知らない。
元々、父と妹が始めたことだった。
私の祖母が聖女だった。その能力を一番受け継いだ私が時期聖女候補だった。
家のもの以外は知らなかった。
しかし、父が「身長もデカく、気の強そうな顔のお前より小さく、可憐なマーガレットの方が聖女に向いている。お前はマーガレットの後ろに隠れ、聖力を使う時その能力を使え。分かったな。」
「そういうことなの。よろしくね。私の為にしっかり働いてね。お姉様。」
私は教会の柱の影に隠れ、マーガレットがタンタンと床を踏んだら、私は聖力を使うという生活をしていた。
そして、マーガレットは戦で傷を負った皇太子の傷を癒やした。
マーガレットに惚れ込んだ王太子は求婚をし結ばれた。
現在、結婚パレードの最中だ。
この後、二人はお城で式を挙げる。
逃げるなら今だ。
※間違えて皇太子って書いていましたが王太子です。
すみません
その聖女、娼婦につき ~何もかもが遅すぎた~
ノ木瀬 優
恋愛
卒業パーティーにて、ライル王太子は、レイチェルに婚約破棄を突き付ける。それを受けたレイチェルは……。
「――あー、はい。もう、そういうのいいです。もうどうしようもないので」
あっけらかんとそう言い放った。実は、この国の聖女システムには、ある秘密が隠されていたのだ。
思い付きで書いてみました。全2話、本日中に完結予定です。
設定ガバガバなところもありますが、気楽に楽しんで頂けたら幸いです。
R15は保険ですので、安心してお楽しみ下さい。
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
妹が真の聖女だったので、偽りの聖女である私は追放されました。でも、聖女の役目はものすごく退屈だったので、最高に嬉しいです【完結】
小平ニコ
ファンタジー
「お姉様、よくも私から夢を奪ってくれたわね。絶対に許さない」
私の妹――シャノーラはそう言うと、計略を巡らし、私から聖女の座を奪った。……でも、私は最高に良い気分だった。だって私、もともと聖女なんかになりたくなかったから。
退職金を貰い、大喜びで国を出た私は、『真の聖女』として国を守る立場になったシャノーラのことを思った。……あの子、聖女になって、一日の休みもなく国を守るのがどれだけ大変なことか、ちゃんと分かってるのかしら?
案の定、シャノーラはよく理解していなかった。
聖女として役目を果たしていくのが、とてつもなく困難な道であることを……
【完結】虐待された少女が公爵家の養女になりました
鈴宮ソラ
ファンタジー
オラルト伯爵家に生まれたレイは、水色の髪と瞳という非凡な容姿をしていた。あまりに両親に似ていないため両親は彼女を幼い頃から不気味だと虐待しつづける。
レイは考える事をやめた。辛いだけだから、苦しいだけだから。心を閉ざしてしまった。
十数年後。法官として勤めるエメリック公爵によって伯爵の罪は暴かれた。そして公爵はレイの並外れた才能を見抜き、言うのだった。
「私の娘になってください。」
と。
養女として迎えられたレイは家族のあたたかさを知り、貴族の世界で成長していく。
前題 公爵家の養子になりました~最強の氷魔法まで授かっていたようです~
【完結】聖女を害した公爵令嬢の私は国外追放をされ宿屋で住み込み女中をしております。え、偽聖女だった? ごめんなさい知りません。
藍生蕗
恋愛
かれこれ五年ほど前、公爵令嬢だった私───オリランダは、王太子の婚約者と実家の娘の立場の両方を聖女であるメイルティン様に奪われた事を許せずに、彼女を害してしまいました。しかしそれが王太子と実家から不興を買い、私は国外追放をされてしまいます。
そうして私は自らの罪と向き合い、平民となり宿屋で住み込み女中として過ごしていたのですが……
偽聖女だった? 更にどうして偽聖女の償いを今更私がしなければならないのでしょうか? とりあえず今幸せなので帰って下さい。
※ 設定は甘めです
※ 他のサイトにも投稿しています
婚約破棄され、聖女を騙った罪で国外追放されました。家族も同罪だから家も取り潰すと言われたので、領民と一緒に国から出ていきます。
SHEILA
ファンタジー
ベイリンガル侯爵家唯一の姫として生まれたエレノア・ベイリンガルは、前世の記憶を持つ転生者で、侯爵領はエレノアの転生知識チートで、とんでもないことになっていた。
そんなエレノアには、本人も家族も嫌々ながら、国から強制的に婚約を結ばされた婚約者がいた。
国内で領地を持つすべての貴族が王城に集まる「豊穣の宴」の席で、エレノアは婚約者である第一王子のゲイルに、異世界から転移してきた聖女との真実の愛を見つけたからと、婚約破棄を言い渡される。
ゲイルはエレノアを聖女を騙る詐欺師だと糾弾し、エレノアには国外追放を、ベイリンガル侯爵家にはお家取り潰しを言い渡した。
お読みいただき、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる