23 / 45
聖女と家族
しおりを挟む
今日はアンドリューにプレゼントを買ってきました。なんと、キリンの形をしたらぬいぐるみです!キリンというのは首が長く、黄色くて、大きくて、顔は馬のようなとても変わった生き物のようです。南の暑い国にいるそうです。初めてこの動物のぬいぐるみを見た時に一目惚れをしてしまいました。
「うぃうぃうぃ」
「アンドリュー!お姉ちゃんですよ!ぬいぐるみをプレゼントします!」
「おや、結局アンディとは呼ばないのかい?」
「アンドリューが自分の名前を覚えてから愛称で呼ぶのがいいと思います。母もアンディと呼ぶのはまだ早いです」
「ううん一理あるね。でも小さいうちはアンディって覚えてても問題ないだろう。シャーロットも「ロッティはお腹が空いた」ってよく言っていたよ?」
「私にも愛称があったのですか!?」
衝撃の事実でした。栞屋が言うには、貴族の中では確かにファーストネームを呼ぶのは相手の許可がいるが、時と場合によっては名前で呼ぶ方が分かりやすい時があると。だから、絶対にファーストネームを呼ばせないわけではないし、もっと気軽に仲良くなれば名前で呼ばれるのだそうだ。だけど、愛称で相手を呼べるのは、本当に親しい家族や恋人だけなのだという。私が特別だと思っていたのは名前ではなく、愛称の間違いだったのです。なので、栞屋のことも許してあげました。私の大事な愛称はまだ、誰にも呼ばれていないのですから。
「小さい頃はシャーロットのことはロッティと呼んでいたし、シャーロット自身も自分のことをロッティと呼んでいて可愛かったんだよ」
「ロッティ…確かに響はかわいいですね…なら、アンディでもいいかもしれません。家族だから愛称で呼ぶのはおかしくないのですよね?」
「あぁ!私は小さい頃レイって呼ばれてたしね」
全てのことを本から学ぼうと思うととても難しいものです。淑女教育本には、ファーストネームでは呼ばせないと書いてありましたし、愛称というのは一欠片も記載はありません。アン様や栞屋と話すようになってから、私は本当に多くのことを学んでいます。
アン様も領地に帰り、寒くなってきたのを肌で感じる季節です。アンディはプニプニとして丸く、柔らかく、何時間見ても飽きません。
「聖女様、お時間ですが、森へ行かれますか?」
「はい。アンディ、また来ますね!母もたくさん寝てくださいね!」
「はいよ。夜は乳母が診てくれるから心配いらないよ。夜になるとわんさか人が来るんだ」
「それは良かったですね。安心して寝ることが出来ます」
私はそろそろ決断を迫られています。ユリエルをアンドリューにつけるか。ですが、教王補佐に別の人がつくことになるのは、やはり想像もつきません。
「馬車がご用意できております」
「はい。ユリエルは…いえ、今日はついてきてください」
「よろしいんですか!?」
「はい」
ユリエルを連れて森へ行くのは初めてのことです。神殿にユリエルを残す方法を考える日々からの解放の日でした。きっと、栞屋に名前を与えられる日も近いです。
「え、入ってもいいんですか?」
栞屋に着いて、騎士団長に何も声をかけずにいると、騎士団長も驚いていました。二人とも今まで不審には思っていたと思うのに、何も聞かないでくれたことにはとても感謝しています。
「こんにちは栞屋。今日は二人はいないのですか?」
今日は馬車の音に気付いて出迎えてくれる子供達は出てきませんでした。
「あぁ、あいつらは日が短くなると朝一番で森に来るんだ。取れる木の実が変わるんだよ」
「なるほど。でもちょうどよかったかもしれませんね!」
栞屋は戸惑いながらも子供達と話す時のようにフランクに話してくれます。私が希望したので、失礼なことは何もありません。
「ユリエル、騎士団長、彼は栞屋の王子です」
私が紹介すると、栞屋は立ち上がってフードを取りました。私もフードを取ったところを見るのは初めてですが、無精髭を生やしたまま髪も後ろに括って伸ばしたい放題です。栞屋は髪の毛は短い方が似合うと思いました。
「王子とはまさか!」
「まさか…」
「皇太子殿下だった人ですよ?」
隠していただけあって、バレていなかったようです。来週には神殿長と会う予定があるので、そろそろ話しておかなければなりませんでした。
「聖女様、少しこちらへ」
ユリエルはまだ信じられないとでも言うように、私を呼び寄せます。
「王子だと言うことは理解できました。が!!!どうするおつもりですか?婚約破棄された方とだなんて…流石に私は反対ですよ?」
「聖女様、俺も考え直した方がいいと思いますぜ?俺はあいつの護衛なんてお断りです」
二人は怖い顔をして詰め寄ってきますが、話が全く理解できません。
「シャーロット、お前は言葉が「シャーロット!?だと!?」」
初めてユリエルがこんなに話しているのを見たなと思いながら、止まらない二人の話を聞いていました。右から左へ、上から下へ聞き流し垂れ流し、口を挟む隙すらもないので、落ち着くのを待つのが賢明です。時には体を揺さぶられながらも私はじっと目を瞑りました。
「栞屋のことは嫌いではありませんが、結婚をする予定はありません。どうしてそんなことを考えたのですか?」
ため息すら出る非常事態です。私は無実の罪で怒られていたのですから。
「家族に紹介したいと…」
「紹介なんて私は一言も…会わせたいと言ったのでは?覚えてないですけど」
こうして私はプリプリと怒りながらも状況を説明しました。王子は国王や王妃だった人たちが死んでいると思っていたこと、逃走したあの日から森で十年生活していること、捕まったら殺されると誤解していたこと、分からないことは王子からも直接話してもらいました。
「人を殺したわけでもなく、善良な領民である栞屋です」
「いやでもしかし、国民が許さないでしょう。国王ヘリエスと王妃カレンティアは隣国で監視されながら見習い神官として神に仕えています。聖女信仰だと言って聖女様を悪に仕立てる組織もいるのに、野放しにはできません」
ユリエスはとても頭が硬いのです。確かに対立勢力となれば争いの種になりますが、森で生活していたというのは島流し…とは違い環境が甘いですが、同じような罰だったとも言えます。税が上がり、国民が国王や皇太子を認めなかったのも事実です。しかし…
「行いを改める者に神は赦しを与えます。私も、すでに赦しを与えているのです」
その日では話はまとまりませんでした。神官長や神殿長も交えて極秘の話し合いを何日も、何時間も行い、王子が神殿に来て正式に彼が元皇太子のエリオットであると確認されました。
それから一ヶ月後の雪の降る中、エリオットは父親と母親との対面を果たしました。私は成人していましたが、当時、彼はまだ十五歳の誕生日を迎えていなかったので、大人になってから初めて親と会ったのです。
「ユリエル、親子とはいいものですね」
孤児院には親に捨てられてしまった子、親が死んでしまった子、色々な事情で親と会えない子供がいます。親がいるのに会えないのはとても悲しいことなのです。
「はい。この親子に限っては、こちらも仕事をした甲斐があったと思えます」
「自分の子供というのは、弟や他の子供とは何が違うのでしょう」
「難しいですね。いつか分かる日が来るのかもしれません」
元王子はそのまま死亡が確認されたと、正式に記録されることになりました。エリオットは死に、居住地の報告の義務が課せられましたし、定期的な居住確認もあるそうですが、特別に王領内での居住が許されました。
抱き合う親子を見たあと、私はアンドリューと母の元に駆けた。
「うぃうぃうぃ」
「アンドリュー!お姉ちゃんですよ!ぬいぐるみをプレゼントします!」
「おや、結局アンディとは呼ばないのかい?」
「アンドリューが自分の名前を覚えてから愛称で呼ぶのがいいと思います。母もアンディと呼ぶのはまだ早いです」
「ううん一理あるね。でも小さいうちはアンディって覚えてても問題ないだろう。シャーロットも「ロッティはお腹が空いた」ってよく言っていたよ?」
「私にも愛称があったのですか!?」
衝撃の事実でした。栞屋が言うには、貴族の中では確かにファーストネームを呼ぶのは相手の許可がいるが、時と場合によっては名前で呼ぶ方が分かりやすい時があると。だから、絶対にファーストネームを呼ばせないわけではないし、もっと気軽に仲良くなれば名前で呼ばれるのだそうだ。だけど、愛称で相手を呼べるのは、本当に親しい家族や恋人だけなのだという。私が特別だと思っていたのは名前ではなく、愛称の間違いだったのです。なので、栞屋のことも許してあげました。私の大事な愛称はまだ、誰にも呼ばれていないのですから。
「小さい頃はシャーロットのことはロッティと呼んでいたし、シャーロット自身も自分のことをロッティと呼んでいて可愛かったんだよ」
「ロッティ…確かに響はかわいいですね…なら、アンディでもいいかもしれません。家族だから愛称で呼ぶのはおかしくないのですよね?」
「あぁ!私は小さい頃レイって呼ばれてたしね」
全てのことを本から学ぼうと思うととても難しいものです。淑女教育本には、ファーストネームでは呼ばせないと書いてありましたし、愛称というのは一欠片も記載はありません。アン様や栞屋と話すようになってから、私は本当に多くのことを学んでいます。
アン様も領地に帰り、寒くなってきたのを肌で感じる季節です。アンディはプニプニとして丸く、柔らかく、何時間見ても飽きません。
「聖女様、お時間ですが、森へ行かれますか?」
「はい。アンディ、また来ますね!母もたくさん寝てくださいね!」
「はいよ。夜は乳母が診てくれるから心配いらないよ。夜になるとわんさか人が来るんだ」
「それは良かったですね。安心して寝ることが出来ます」
私はそろそろ決断を迫られています。ユリエルをアンドリューにつけるか。ですが、教王補佐に別の人がつくことになるのは、やはり想像もつきません。
「馬車がご用意できております」
「はい。ユリエルは…いえ、今日はついてきてください」
「よろしいんですか!?」
「はい」
ユリエルを連れて森へ行くのは初めてのことです。神殿にユリエルを残す方法を考える日々からの解放の日でした。きっと、栞屋に名前を与えられる日も近いです。
「え、入ってもいいんですか?」
栞屋に着いて、騎士団長に何も声をかけずにいると、騎士団長も驚いていました。二人とも今まで不審には思っていたと思うのに、何も聞かないでくれたことにはとても感謝しています。
「こんにちは栞屋。今日は二人はいないのですか?」
今日は馬車の音に気付いて出迎えてくれる子供達は出てきませんでした。
「あぁ、あいつらは日が短くなると朝一番で森に来るんだ。取れる木の実が変わるんだよ」
「なるほど。でもちょうどよかったかもしれませんね!」
栞屋は戸惑いながらも子供達と話す時のようにフランクに話してくれます。私が希望したので、失礼なことは何もありません。
「ユリエル、騎士団長、彼は栞屋の王子です」
私が紹介すると、栞屋は立ち上がってフードを取りました。私もフードを取ったところを見るのは初めてですが、無精髭を生やしたまま髪も後ろに括って伸ばしたい放題です。栞屋は髪の毛は短い方が似合うと思いました。
「王子とはまさか!」
「まさか…」
「皇太子殿下だった人ですよ?」
隠していただけあって、バレていなかったようです。来週には神殿長と会う予定があるので、そろそろ話しておかなければなりませんでした。
「聖女様、少しこちらへ」
ユリエルはまだ信じられないとでも言うように、私を呼び寄せます。
「王子だと言うことは理解できました。が!!!どうするおつもりですか?婚約破棄された方とだなんて…流石に私は反対ですよ?」
「聖女様、俺も考え直した方がいいと思いますぜ?俺はあいつの護衛なんてお断りです」
二人は怖い顔をして詰め寄ってきますが、話が全く理解できません。
「シャーロット、お前は言葉が「シャーロット!?だと!?」」
初めてユリエルがこんなに話しているのを見たなと思いながら、止まらない二人の話を聞いていました。右から左へ、上から下へ聞き流し垂れ流し、口を挟む隙すらもないので、落ち着くのを待つのが賢明です。時には体を揺さぶられながらも私はじっと目を瞑りました。
「栞屋のことは嫌いではありませんが、結婚をする予定はありません。どうしてそんなことを考えたのですか?」
ため息すら出る非常事態です。私は無実の罪で怒られていたのですから。
「家族に紹介したいと…」
「紹介なんて私は一言も…会わせたいと言ったのでは?覚えてないですけど」
こうして私はプリプリと怒りながらも状況を説明しました。王子は国王や王妃だった人たちが死んでいると思っていたこと、逃走したあの日から森で十年生活していること、捕まったら殺されると誤解していたこと、分からないことは王子からも直接話してもらいました。
「人を殺したわけでもなく、善良な領民である栞屋です」
「いやでもしかし、国民が許さないでしょう。国王ヘリエスと王妃カレンティアは隣国で監視されながら見習い神官として神に仕えています。聖女信仰だと言って聖女様を悪に仕立てる組織もいるのに、野放しにはできません」
ユリエスはとても頭が硬いのです。確かに対立勢力となれば争いの種になりますが、森で生活していたというのは島流し…とは違い環境が甘いですが、同じような罰だったとも言えます。税が上がり、国民が国王や皇太子を認めなかったのも事実です。しかし…
「行いを改める者に神は赦しを与えます。私も、すでに赦しを与えているのです」
その日では話はまとまりませんでした。神官長や神殿長も交えて極秘の話し合いを何日も、何時間も行い、王子が神殿に来て正式に彼が元皇太子のエリオットであると確認されました。
それから一ヶ月後の雪の降る中、エリオットは父親と母親との対面を果たしました。私は成人していましたが、当時、彼はまだ十五歳の誕生日を迎えていなかったので、大人になってから初めて親と会ったのです。
「ユリエル、親子とはいいものですね」
孤児院には親に捨てられてしまった子、親が死んでしまった子、色々な事情で親と会えない子供がいます。親がいるのに会えないのはとても悲しいことなのです。
「はい。この親子に限っては、こちらも仕事をした甲斐があったと思えます」
「自分の子供というのは、弟や他の子供とは何が違うのでしょう」
「難しいですね。いつか分かる日が来るのかもしれません」
元王子はそのまま死亡が確認されたと、正式に記録されることになりました。エリオットは死に、居住地の報告の義務が課せられましたし、定期的な居住確認もあるそうですが、特別に王領内での居住が許されました。
抱き合う親子を見たあと、私はアンドリューと母の元に駆けた。
0
お気に入りに追加
613
あなたにおすすめの小説

本当の聖女は私です〜偽物聖女の結婚式のどさくさに紛れて逃げようと思います〜
桜町琴音
恋愛
「見て、マーガレット様とアーサー王太子様よ」
歓声が上がる。
今日はこの国の聖女と王太子の結婚式だ。
私はどさくさに紛れてこの国から去る。
本当の聖女が私だということは誰も知らない。
元々、父と妹が始めたことだった。
私の祖母が聖女だった。その能力を一番受け継いだ私が時期聖女候補だった。
家のもの以外は知らなかった。
しかし、父が「身長もデカく、気の強そうな顔のお前より小さく、可憐なマーガレットの方が聖女に向いている。お前はマーガレットの後ろに隠れ、聖力を使う時その能力を使え。分かったな。」
「そういうことなの。よろしくね。私の為にしっかり働いてね。お姉様。」
私は教会の柱の影に隠れ、マーガレットがタンタンと床を踏んだら、私は聖力を使うという生活をしていた。
そして、マーガレットは戦で傷を負った皇太子の傷を癒やした。
マーガレットに惚れ込んだ王太子は求婚をし結ばれた。
現在、結婚パレードの最中だ。
この後、二人はお城で式を挙げる。
逃げるなら今だ。
※間違えて皇太子って書いていましたが王太子です。
すみません

聖女に巻き込まれた、愛されなかった彼女の話
下菊みこと
恋愛
転生聖女に嵌められた現地主人公が幸せになるだけ。
主人公は誰にも愛されなかった。そんな彼女が幸せになるためには過去彼女を愛さなかった人々への制裁が必要なのである。
小説家になろう様でも投稿しています。

「お前は聖女ではない!」と妹に吹き込まれた王子に婚約破棄されました。はい、聖女ではなく、『大聖女』ですが何か?
つくも
恋愛
王国リンカーンの王女であるセシリア。セシリアは聖女として王国を支えてきました。しかし、腹違いの妹に「本当の聖女ではない」と吹き込まれた婚約者の王子に婚約破棄をされ、追放されてしまうのです。
そんな時、隣国の王宮にセシリアは『大聖女』としてスカウトされます。そう、セシリアはただの聖女を超えた存在『大聖女』だったのです。
王宮でセシリアは王子に溺愛され、『大聖女』として皆から慕われます。小国はセシリアの力によりどんどん発展していき、大国に成長するのです。
一方、その頃、聖女として代わりの仕事を担うはずだった妹は失敗の連続。彼女にセシリアの代わりは荷が重すぎたようです。次第に王国は衰えていき、婚約者の王子からは婚約破棄され、最後には滅亡していくのです。
これは聖女ではないと追放されたセシリアが、ホワイトな王宮で大聖女として皆から慕われ、幸せになるお話です。

(完結)お荷物聖女と言われ追放されましたが、真のお荷物は追放した王太子達だったようです
しまうま弁当
恋愛
伯爵令嬢のアニア・パルシスは婚約者であるバイル王太子に突然婚約破棄を宣言されてしまうのでした。
さらにはアニアの心の拠り所である、聖女の地位まで奪われてしまうのでした。
訳が分からないアニアはバイルに婚約破棄の理由を尋ねましたが、ひどい言葉を浴びせつけられるのでした。
「アニア!お前が聖女だから仕方なく婚約してただけだ。そうでなけりゃ誰がお前みたいな年増女と婚約なんかするか!!」と。
アニアの弁明を一切聞かずに、バイル王太子はアニアをお荷物聖女と決めつけて婚約破棄と追放をさっさと決めてしまうのでした。
挙句の果てにリゼラとのイチャイチャぶりをアニアに見せつけるのでした。
アニアは妹のリゼラに助けを求めましたが、リゼラからはとんでもない言葉が返ってきたのでした。
リゼラこそがアニアの追放を企てた首謀者だったのでした。
アニアはリゼラの自分への悪意を目の当たりにして愕然しますが、リゼラは大喜びでアニアの追放を見送るのでした。
信じていた人達に裏切られたアニアは、絶望して当てもなく宿屋生活を始めるのでした。
そんな時運命を変える人物に再会するのでした。
それはかつて同じクラスで一緒に学んでいた学友のクライン・ユーゲントでした。
一方のバイル王太子達はアニアの追放を喜んでいましたが、すぐにアニアがどれほどの貢献をしていたかを目の当たりにして自分達こそがお荷物であることを思い知らされるのでした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
全25話執筆済み 完結しました


【ショートショート/完結】ふわふわした聖獣様とそのご家族と追放されかかっている聖女のわたし
雪野原よる
恋愛
聖獣さまを(文字通り)胸元に住まわせた私は、王子さまに婚約破棄されてしまいました。ですが、特に困ることは無いようなのです……
さらっと書いたもふもふネタです。
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。

婚約破棄の上に家を追放された直後に聖女としての力に目覚めました。
三葉 空
恋愛
ユリナはバラノン伯爵家の長女であり、公爵子息のブリックス・オメルダと婚約していた。しかし、ブリックスは身勝手な理由で彼女に婚約破棄を言い渡す。さらに、元から妹ばかり可愛がっていた両親にも愛想を尽かされ、家から追放されてしまう。ユリナは全てを失いショックを受けるが、直後に聖女としての力に目覚める。そして、神殿の神職たちだけでなく、王家からも丁重に扱われる。さらに、お祈りをするだけでたんまりと給料をもらえるチート職業、それが聖女。さらに、イケメン王子のレオルドに見初められて求愛を受ける。どん底から一転、一気に幸せを掴み取った。その事実を知った元婚約者と元家族は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる