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26話 もう心読みの薬はいらない2※

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 レヴィはエリンをそっとベッドの上に降ろした。まるで壊れ物のように自分を扱ってくれるので、胸がときめいてしまう。エリンの茶色の長い髪を指で絡めて、口づける。

「エリン……」
 レヴィは、艶を帯びた表情でエリンを見た。
「……」
 エリンは、顔を俯かせた。頬が紅潮している。
 そして、エリンの頭の中はぐるぐる回っていた。

(ご、誤解なのに~! 私、まだしょ、処女なのに!)
「レ、レヴィ。あのね」
 流石に処女という単語を使うのは上流階級出身のエリンには口をするのにはばかられた。
 だけど。
 ここで説明しないとどっちみち結婚前に自分の純潔は失われる。
(そ、そりゃあ。レヴィがいいと思ったけど……)
 エリンは展開が早すぎて、頭が混乱している。
 
 レヴィの深紅の瞳がエリンをとらえて、その真剣な視線に動けない。レヴィはエリンの唇に己の唇を重ねた。啄むような優しい口づけを繰り返す。エリンは、柔らかなキスにうっとりして、レヴィを止めるのを忘れる。唇が離れて、我に返った。

「レヴィ、あのね。私……」
 懸命に言い募るエリンにレヴィは甘い言葉を吐く。
「エリンのこと、好きだ。愛してる……」
 エリンは顔を真っ赤に染め上げた。端正な顔の男が吐く甘言は、ダメージが大きい。顎をくいっと引かれたエリンは、叫ぶ。

「私、まだ処女なの! 誘拐犯は嘘をついたのよ! む、胸を触られただけで……」
 レヴィは、エリンの台詞に唖然とする。
「胸を触られただけ?」
 エリンはレヴィの問いかけにこくこくと頷く。
 レヴィは、顔を真っ赤にさせた。

「じゃあ。俺はとんだ勘違いをして……」
 絶句したレヴィは、黙り込んだ。本当に自分は間抜けだ、更にエリンにあんな恥ずかしい言葉を言わせてと自己嫌悪に陥る。エリンも顔を真っ赤にさせていたが、思い切って顔を上げる。
 
「でも私、後悔したの。誘拐犯に胸を触られた時に、レヴィに。その、あの……」
 必死に言葉を紡ぐエリンにレヴィは首を傾げた。
「エリン?」
「レ、レヴィが良かったって! だから今、だ、抱いて欲しいの!」
 エリンは、そう叫ぶと顔を恥ずかし気に俯かせた。顔が火照って上げられない。
 レヴィは驚いたと同時に顔を俯かせた。
 暫く二人でそうしていると、レヴィが顔を上げた。

「エリン。ごめん、恥ずかしかったよな……」
 まだ顔が赤いエリンはぶんぶんと首を左右に振った。
「わ、私。あの時レヴィじゃない人に触られて怖かったの。レヴィのこと、頭の中に思い浮かべて。レヴィがいいって……」
 被害にあった感覚を思い出して、エリンは恐怖に身体を震わせた。ぎゅっと抱き寄せられる。

「ごめん。女性にそんなこと言わせて、本当に俺駄目だな……」
 エリンはレヴィの胸の中で安堵して、泣き出した。青の瞳から零れ落ちる涙をレヴィが唇で拭う。二人の視線が出逢い、どちらからともなく唇を重ねる。レヴィの舌がエリンの唇に押し入る。歯列を辿り、口内を舐めつくした。身体の奥が疼いて、切ない。そうしていると、レヴィの舌がエリンの舌を搦めて吸い上げた。お互いの舌の区別がつかない位舌を搦め合って、思考が蕩けていく。互いの唇が離れて、銀色の唾液が糸を引いてぷつんと切れた。

 レヴィは、エリンをベッドへ押し倒す。レヴィの唇がエリンの耳朶を舌で犯しながら、ネグリジェのボタンを外していく。生温かい舌が蠢いて、気持ちいい。

「んっんっ……」
 エリンは、声を出すのを躊躇って唇を噛み締める。レヴィの舌が首筋を辿りながら鎖骨、胸元へと移動していく。ネグリジェの上のボタンが開かれて、豊かな胸が零れ落ちた。ほうとレヴィが感嘆して、まじまじとエリンの胸を凝視している。エリンは恥ずかしくて視線を逸らした。

 レヴィの舌が胸元へと辿り着き、薄桃色の突起を吸い上げた。その瞬間、甘酸っぱい痺れが身体を襲った。
「あっ、あん……」
 エリンは甘い嬌声を上げた。
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