46 / 51
41話 運命が回りだす時4
しおりを挟む
リチャードが引き裂かれる思いで、ヒカルとの別れを決意したその時、ヒカルはハンガーストライキを決行していた。軟禁状態の居室から出し貰う為に光の王に会いたいと訴えたのだ。
ただ、ヒカルはこの部屋を出て、リチャードに会ってその想いを伝えたかった。それがどういう結果に転ぼうとも。リチャードは、ウィル王に内定しているのだ、ウィル神界へ帰ってしまうだろうから。お互いにもう会えないだろう、だから最後に告げたいのだ。
あなたを愛していると。
ハンガーストライキを決行して三日目。
最初は良かったが、ヒカルはあまりの空腹に意識を失った。
意識を取り戻したのは数時間後だったと思う。
目の前にコトハと光の王である祖父がいた。祖父とは、何度か顔を合わせていて、何故かヒカルを可愛がってくれていた。今なら分かる、一番可愛がっていた最初の子、ヒカリの子どもだったからだ、ヒカルが。
「……ヒカル」
コトハは泣きそうで新緑の双眸が潤んでいる。腕を引っ張ると点滴が右腕に刺さっていた。栄養剤らしい。朦朧とした意識の中、体を無理矢理起こして、コトハに頷く。
「ヒカル! ごめんね! ヒカリが独断で勝手に動いていて、私が気付くのが遅くなったの!」
コトハにぎゅうっと抱き締められる。今までウィザードの長官と予言の姫として接していたコトハは、上役としてしか話してこなかったが、こうやって親族として触れてくるのは始めてだ。
「コトハ様、おじいちゃん……」
こくりと厳しい顔をして、光の王であるチャーリーはヒカリの問いかけに頷いた。白髪の短髪にヒカルと同じ濃い青の双眸をしている。整った鼻筋に厳しい口元。元光の王国の軍人でもあったため、身長が高く逞しく厳めしい印象だ。
「すまない、ヒカル。私も気付くのが遅くてな。光の王族の一部が暴走して、今回の監禁を行ったらしい。コトハ様と手分けをして、その一派を叩いた。そこで奴らがヒカルの監禁された部屋を吐いた」
コトハは、まだ瞳を潤ませながら頷いた。
「そうなの。そこでヒカルが倒れていて……。ごめんね、ごめんね。ヒカル、私がヒカリを甘く見ていたわ。あんなにウィル神族を恨んでいたなんて思わなかったの。まだアレックス様に想いを残していたしと」
ヒカルを抱き締めながら、コトハがヒカルに謝罪する。
「うん……。わかってます、コトハ様とおじいちゃんのせいじゃないわ。私がリチャードさんとのことをお母さんに言うべきだったの。自分とリチャードさんとのことで頭が一杯で、お母さんにまで気が回らなくて……。お母さん傷ついたろうなあ」
ここまでされて、尚も母親のヒカリを気遣うヒカルにどこまで人がいいのだとコトハとチャーリーは、絶句する。
「ヒカル……」
「私ね、前にオーレリーだった時にたくさん人を傷つけた。だから、今は償いたいの」
コトハは、ヒカルを抱き締めながらはっきりと断言する。
「ヒカル、それは違うわ。それはヒカリに問題があるの。いくら過去にウィル神族に傷つけられたとはいえ、我が子とその恋人を傷つけていい訳がないわ。自分の子の犠牲の上に成り立つ正義なんてないわ」
コトハは、まだ3歳の娘がいる。同じ母親として宣言する。ヒカルは二人と話している内に安心して、お腹がぐーっとなった。二人は目が点になる。
「おじいちゃん、コトハ様、お腹すいた~!」
緊張感のないヒカルに、二人は噴き出す。オートミールを軽くヒカルは、食べてお腹を満たす。お腹が満たされて、ヒカルは、頭が正常に動き出す。ヒカルは、考え出した。リチャードは、在シルフィードのウィル神聖王国の大使館に軟禁されていると光の王族の見知らぬ輩がぺらぺらとヒカルに話したのだ。どうせ軟禁場所から出られないだろうと思われていたからだろう。
(リチャードさんに会いたい! 会って正直な気持ちを伝えないと……)
ヒカルは、両手をぎゅっと握りしめる。だが、まだ弱った身体を回復させないといけない。気を急いてはいけない。焦らないで落ち着かないと。ヒカルは呼吸を整えようとした。
「ヒカル、カーライル公爵に会いたいのね?」
ヒカルの胸の内を読んだ、コトハが言葉を紡ぐ。コトハもチャーリーも急に黙り込んだ。ヒカルは、二人の様子にリチャードに何かあったのだと察するが、首を縦に振る。コトハとチャーリーの二人は顔を見合わせて、ため息を吐いた。
「実はね、ヒカル、ヒカル宛てにカーライル公爵から手紙が届いているの……」
コトハが、鞄から手紙を取り出す。
ヒカルは手紙を受け取り、開く。流麗なリチャードの字で書かれたウィル神聖語の手紙には、こう簡単に書かれていた。前王太子の遺志を汲み取り、次期ウィル王として王太子の地位につくのでヒカルと別れると。ヒカルは、冷静に手紙を読み、閉じた。
「……ヒカル?」
自分を心配そうに視線を注ぐ祖父とコトハに、ヒカルは落ち着いた声音で返す。
「うん、多分もう二度と会えないと思っていたの。だから身体を回復させたら会いに行くわ」
ヒカルは毅然とした声ではっきりと自分の意志を告げる。
「ヒカル!」
「ヒカル……」
ヒカルは、不安そうな二人に向かって微笑む。
「大丈夫。光魔法を使って、大使館に忍び込むわ。そして、リチャードさんに別れを告げてくるわ」
ヒカルの笑みは静かで穏やかだった。
ただ、ヒカルはこの部屋を出て、リチャードに会ってその想いを伝えたかった。それがどういう結果に転ぼうとも。リチャードは、ウィル王に内定しているのだ、ウィル神界へ帰ってしまうだろうから。お互いにもう会えないだろう、だから最後に告げたいのだ。
あなたを愛していると。
ハンガーストライキを決行して三日目。
最初は良かったが、ヒカルはあまりの空腹に意識を失った。
意識を取り戻したのは数時間後だったと思う。
目の前にコトハと光の王である祖父がいた。祖父とは、何度か顔を合わせていて、何故かヒカルを可愛がってくれていた。今なら分かる、一番可愛がっていた最初の子、ヒカリの子どもだったからだ、ヒカルが。
「……ヒカル」
コトハは泣きそうで新緑の双眸が潤んでいる。腕を引っ張ると点滴が右腕に刺さっていた。栄養剤らしい。朦朧とした意識の中、体を無理矢理起こして、コトハに頷く。
「ヒカル! ごめんね! ヒカリが独断で勝手に動いていて、私が気付くのが遅くなったの!」
コトハにぎゅうっと抱き締められる。今までウィザードの長官と予言の姫として接していたコトハは、上役としてしか話してこなかったが、こうやって親族として触れてくるのは始めてだ。
「コトハ様、おじいちゃん……」
こくりと厳しい顔をして、光の王であるチャーリーはヒカリの問いかけに頷いた。白髪の短髪にヒカルと同じ濃い青の双眸をしている。整った鼻筋に厳しい口元。元光の王国の軍人でもあったため、身長が高く逞しく厳めしい印象だ。
「すまない、ヒカル。私も気付くのが遅くてな。光の王族の一部が暴走して、今回の監禁を行ったらしい。コトハ様と手分けをして、その一派を叩いた。そこで奴らがヒカルの監禁された部屋を吐いた」
コトハは、まだ瞳を潤ませながら頷いた。
「そうなの。そこでヒカルが倒れていて……。ごめんね、ごめんね。ヒカル、私がヒカリを甘く見ていたわ。あんなにウィル神族を恨んでいたなんて思わなかったの。まだアレックス様に想いを残していたしと」
ヒカルを抱き締めながら、コトハがヒカルに謝罪する。
「うん……。わかってます、コトハ様とおじいちゃんのせいじゃないわ。私がリチャードさんとのことをお母さんに言うべきだったの。自分とリチャードさんとのことで頭が一杯で、お母さんにまで気が回らなくて……。お母さん傷ついたろうなあ」
ここまでされて、尚も母親のヒカリを気遣うヒカルにどこまで人がいいのだとコトハとチャーリーは、絶句する。
「ヒカル……」
「私ね、前にオーレリーだった時にたくさん人を傷つけた。だから、今は償いたいの」
コトハは、ヒカルを抱き締めながらはっきりと断言する。
「ヒカル、それは違うわ。それはヒカリに問題があるの。いくら過去にウィル神族に傷つけられたとはいえ、我が子とその恋人を傷つけていい訳がないわ。自分の子の犠牲の上に成り立つ正義なんてないわ」
コトハは、まだ3歳の娘がいる。同じ母親として宣言する。ヒカルは二人と話している内に安心して、お腹がぐーっとなった。二人は目が点になる。
「おじいちゃん、コトハ様、お腹すいた~!」
緊張感のないヒカルに、二人は噴き出す。オートミールを軽くヒカルは、食べてお腹を満たす。お腹が満たされて、ヒカルは、頭が正常に動き出す。ヒカルは、考え出した。リチャードは、在シルフィードのウィル神聖王国の大使館に軟禁されていると光の王族の見知らぬ輩がぺらぺらとヒカルに話したのだ。どうせ軟禁場所から出られないだろうと思われていたからだろう。
(リチャードさんに会いたい! 会って正直な気持ちを伝えないと……)
ヒカルは、両手をぎゅっと握りしめる。だが、まだ弱った身体を回復させないといけない。気を急いてはいけない。焦らないで落ち着かないと。ヒカルは呼吸を整えようとした。
「ヒカル、カーライル公爵に会いたいのね?」
ヒカルの胸の内を読んだ、コトハが言葉を紡ぐ。コトハもチャーリーも急に黙り込んだ。ヒカルは、二人の様子にリチャードに何かあったのだと察するが、首を縦に振る。コトハとチャーリーの二人は顔を見合わせて、ため息を吐いた。
「実はね、ヒカル、ヒカル宛てにカーライル公爵から手紙が届いているの……」
コトハが、鞄から手紙を取り出す。
ヒカルは手紙を受け取り、開く。流麗なリチャードの字で書かれたウィル神聖語の手紙には、こう簡単に書かれていた。前王太子の遺志を汲み取り、次期ウィル王として王太子の地位につくのでヒカルと別れると。ヒカルは、冷静に手紙を読み、閉じた。
「……ヒカル?」
自分を心配そうに視線を注ぐ祖父とコトハに、ヒカルは落ち着いた声音で返す。
「うん、多分もう二度と会えないと思っていたの。だから身体を回復させたら会いに行くわ」
ヒカルは毅然とした声ではっきりと自分の意志を告げる。
「ヒカル!」
「ヒカル……」
ヒカルは、不安そうな二人に向かって微笑む。
「大丈夫。光魔法を使って、大使館に忍び込むわ。そして、リチャードさんに別れを告げてくるわ」
ヒカルの笑みは静かで穏やかだった。
0
お気に入りに追加
171
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
不器用騎士様は記憶喪失の婚約者を逃がさない
かべうち右近
恋愛
「あなたみたいな人と、婚約したくなかった……!」
婚約者ヴィルヘルミーナにそう言われたルドガー。しかし、ツンツンなヴィルヘルミーナはそれからすぐに事故で記憶を失い、それまでとは打って変わって素直な可愛らしい令嬢に生まれ変わっていたーー。
もともとルドガーとヴィルヘルミーナは、顔を合わせればたびたび口喧嘩をする幼馴染同士だった。
ずっと好きな女などいないと思い込んでいたルドガーは、女性に人気で付き合いも広い。そんな彼は、悪友に指摘されて、ヴィルヘルミーナが好きなのだとやっと気付いた。
想いに気づいたとたんに、何の幸運か、親の意向によりとんとん拍子にヴィルヘルミーナとルドガーの婚約がまとまったものの、女たらしのルドガーに対してヴィルヘルミーナはツンツンだったのだ。
記憶を失ったヴィルヘルミーナには悪いが、今度こそ彼女を口説き落して円満結婚を目指し、ルドガーは彼女にアプローチを始める。しかし、元女誑しの不器用騎士は息を吸うようにステップをすっ飛ばしたアプローチばかりしてしまい…?
不器用騎士×元ツンデレ・今素直令嬢のラブコメです。
12/11追記
書籍版の配信に伴い、WEB連載版は取り下げております。
たくさんお読みいただきありがとうございました!
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
5分前契約した没落令嬢は、辺境伯の花嫁暮らしを楽しむうちに大国の皇帝の妻になる
西野歌夏
恋愛
ロザーラ・アリーシャ・エヴルーは、美しい顔と妖艶な体を誇る没落令嬢であった。お家の窮状は深刻だ。そこに半年前に陛下から連絡があってー
私の本当の人生は大陸を横断して、辺境の伯爵家に嫁ぐところから始まる。ただ、その前に最初の契約について語らなければならない。没落令嬢のロザーラには、秘密があった。陛下との契約の背景には、秘密の契約が存在した。やがて、ロザーラは花嫁となりながらも、大国ジークベインリードハルトの皇帝選抜に巻き込まれ、陰謀と暗号にまみれた旅路を駆け抜けることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる