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15話 天使、警戒心がないにも程がある1
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「リチャードさん?何やってるの!」
というか何時からそこに居たのか。今は夏だ、かなりじっとりしている。本来ならば正直お帰り願いたい。願いたいが、話さなければいけないと思ってヒカルの事を待っていたのであろう。この二つの選択を秤にかける。はーっとヒカルはため息を吐く。
「ほら。入ってよ」
義父が先日泊まった時に置いて行った男物の寝間着とバスタオルを押し付けて、リチャードを風呂へと放り込む。もうこの際無視してやる。ヒカルは開き直った。パソコンを開いて、大学のレポートを修正する。ぬっとリチャードが現れる。風呂から出たらしい。
「で?何の用ですか?」
自分も風呂に入り、パジャマの上にパーカーを引っ掛けてヒカルは冷たいお茶の入ったペットボトルをグラスに注いで二人分出す。ヒカルの部屋は一応ウィザードの幹部用なので2LDKである。客間用にリチャードを寝かせれいいやと思いながらダイニングキッチンにある食事用のテーブルにリチャードを座らせて、向かいに座る。
「ずっとだんまりですか!」
ヒカルはばんとテーブルを叩く。
「今日の相手は誰だ?」
ヒカルはその青の双眸を瞬かせて、頬を赤らませた。
「えーと元彼?でも高校の時の彼だからもう友達で……」
何で私は言い訳をしているのだと思いながら小声で呟く。別にリチャードに言い訳をしなくてもいいのに。
「へえ?随分と仲が良さそうだったけど」
「そんなことをいいにきたんですが……」
ヒカルは呆れるように嘆息する。一体何をしたいのだ、この人は。
「あっちに客間があります。あっちで寝てください。私はレポートがあるのでもう少ししたら寝ます」
指をさして、リチャードに行くように促す。リチャードは立ち上がらず、話を続ける。
「本当に友達なのか?」
「?」
ヒカルは振り返って、リチャードを見る。リチャードのその濃い純粋な紫の双眸はぎらぎらした獣のような光を宿していた。
一瞬、どきっとするが、見なかったことにする。うーんと考え込んで、ヒカルはため息を吐いた。
「うーんと告白された。保留にしてあるけど」
断るつもりと続ける口が塞がれた。深い口づけに息が出来ない。どんどんとリチャードの胸を叩いて止めるように意思表示をするが、煽るだけだ。角度を変えて何度も口づけられる。ぬるりとした肉厚な舌が入り込み、ヒカルの舌を吸う。段々と息が上がってくる。舌を搦められて、何度も吸われる。ヒカルはおかしな気持ちになってきた。唾液が溢れてきて、それを啜り上げるように口腔を掻きまわされる。くちゅくちゅとした音が耳を犯す。リチャードのキスに翻弄されている自分が恥ずかしくて、でも与えれた蕩けそうな快楽が欲しくて止めてほしくない。何ももう考えらない。パーカーのジッパーを下げられて、パジャマの上から長い指で胸を擦られる。立っていられなくて、必死にリチャードの寝間着を握る。
唇が離れて、リチャードの寝間着を握ったままヒカルは息を吸い込む。
「ヒカル、好きだ……。抱きたい」
囁かれる声さえ官能を感じさせる。身体が熱くて、甘ったるい。
「ん……。リチャードさん、私変……」
「どう変だ?」
「おかしな気分になって、身体が熱いの……。こんなの初めてで……」
涙が零れてくる。それをリチャードが唇で拭う。
「初めて?」
こくこくとヒカルは頷く。リチャードが嬉しそうに仄暗く笑う。胸の膨らみを上下するように擦られる。さっきよりもおかしくなりそうだ。
「どうだ?」
「ん……。何か甘くて変で身体が熱い」
「続けていいか?嫌ならやめる」
ヒカルは一瞬悩む。止めて欲しいけど、この気持ちは何だ、続けて欲しいと本能は告げていた。
「わからない……」
舌で耳を食まれる。ぴちゃぴちゃとした音が羞恥を誘う。胸の膨らみは何度も服の上から指で擦られて、尖ってきた。
「続ける?」
理性と快楽の狭間でリチャードが与えてくれる快楽に負けて、こくこくとヒカルは頷いた。
リチャードがヒカルを持ち上げて、客間のベッドに下ろした。
というか何時からそこに居たのか。今は夏だ、かなりじっとりしている。本来ならば正直お帰り願いたい。願いたいが、話さなければいけないと思ってヒカルの事を待っていたのであろう。この二つの選択を秤にかける。はーっとヒカルはため息を吐く。
「ほら。入ってよ」
義父が先日泊まった時に置いて行った男物の寝間着とバスタオルを押し付けて、リチャードを風呂へと放り込む。もうこの際無視してやる。ヒカルは開き直った。パソコンを開いて、大学のレポートを修正する。ぬっとリチャードが現れる。風呂から出たらしい。
「で?何の用ですか?」
自分も風呂に入り、パジャマの上にパーカーを引っ掛けてヒカルは冷たいお茶の入ったペットボトルをグラスに注いで二人分出す。ヒカルの部屋は一応ウィザードの幹部用なので2LDKである。客間用にリチャードを寝かせれいいやと思いながらダイニングキッチンにある食事用のテーブルにリチャードを座らせて、向かいに座る。
「ずっとだんまりですか!」
ヒカルはばんとテーブルを叩く。
「今日の相手は誰だ?」
ヒカルはその青の双眸を瞬かせて、頬を赤らませた。
「えーと元彼?でも高校の時の彼だからもう友達で……」
何で私は言い訳をしているのだと思いながら小声で呟く。別にリチャードに言い訳をしなくてもいいのに。
「へえ?随分と仲が良さそうだったけど」
「そんなことをいいにきたんですが……」
ヒカルは呆れるように嘆息する。一体何をしたいのだ、この人は。
「あっちに客間があります。あっちで寝てください。私はレポートがあるのでもう少ししたら寝ます」
指をさして、リチャードに行くように促す。リチャードは立ち上がらず、話を続ける。
「本当に友達なのか?」
「?」
ヒカルは振り返って、リチャードを見る。リチャードのその濃い純粋な紫の双眸はぎらぎらした獣のような光を宿していた。
一瞬、どきっとするが、見なかったことにする。うーんと考え込んで、ヒカルはため息を吐いた。
「うーんと告白された。保留にしてあるけど」
断るつもりと続ける口が塞がれた。深い口づけに息が出来ない。どんどんとリチャードの胸を叩いて止めるように意思表示をするが、煽るだけだ。角度を変えて何度も口づけられる。ぬるりとした肉厚な舌が入り込み、ヒカルの舌を吸う。段々と息が上がってくる。舌を搦められて、何度も吸われる。ヒカルはおかしな気持ちになってきた。唾液が溢れてきて、それを啜り上げるように口腔を掻きまわされる。くちゅくちゅとした音が耳を犯す。リチャードのキスに翻弄されている自分が恥ずかしくて、でも与えれた蕩けそうな快楽が欲しくて止めてほしくない。何ももう考えらない。パーカーのジッパーを下げられて、パジャマの上から長い指で胸を擦られる。立っていられなくて、必死にリチャードの寝間着を握る。
唇が離れて、リチャードの寝間着を握ったままヒカルは息を吸い込む。
「ヒカル、好きだ……。抱きたい」
囁かれる声さえ官能を感じさせる。身体が熱くて、甘ったるい。
「ん……。リチャードさん、私変……」
「どう変だ?」
「おかしな気分になって、身体が熱いの……。こんなの初めてで……」
涙が零れてくる。それをリチャードが唇で拭う。
「初めて?」
こくこくとヒカルは頷く。リチャードが嬉しそうに仄暗く笑う。胸の膨らみを上下するように擦られる。さっきよりもおかしくなりそうだ。
「どうだ?」
「ん……。何か甘くて変で身体が熱い」
「続けていいか?嫌ならやめる」
ヒカルは一瞬悩む。止めて欲しいけど、この気持ちは何だ、続けて欲しいと本能は告げていた。
「わからない……」
舌で耳を食まれる。ぴちゃぴちゃとした音が羞恥を誘う。胸の膨らみは何度も服の上から指で擦られて、尖ってきた。
「続ける?」
理性と快楽の狭間でリチャードが与えてくれる快楽に負けて、こくこくとヒカルは頷いた。
リチャードがヒカルを持ち上げて、客間のベッドに下ろした。
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