2 / 61
第一章
[第1話]サフォーネ
しおりを挟む
異端の天使。
それを知られてしまった以上、その存在を畏れる村に戻れる筈はなかった。
飛べない赤髪の天使を抱きかかえ、丘に降り立った青年は黒い翼を背に格納すると、脱ぎ捨てた甲冑を拾い上げた。
甲冑に取り付けてある外套を外し、装着する。
その外套を、上衣を失くしたことで震えていた赤髪の天使に羽織らせた。
痩せ細った肩。
その軽い身体を簡単に担ぎ上げると、馬の後ろに乗せ、自らも跨った。
丘に集結した村人たちは、その行動をただ黙って見守っていた。
去って行こうとする者たちをこれ以上追い立てる必要はなかった。
青年は馬に歩くよう横腹に合図を送ると、麦の丘を後にする。
村より先、しばらく野宿ができる場所がないことを、旅慣れた青年は知っていた。
やむなく、夜中の間は移動を続ける。
赤髪の天使は、外套に包まれる温かさに安心したか、青年の背にしがみつくようにして眠り始めていた。
その背にかかる寝息を感じながら、振り落とさないよう、青年は馬を静かに歩ませていく。
やがて夜が明けた。
陽が顔を全て出す頃には、以前に立ち寄ったことのある、小さな森まで辿り着いていた。
丘の方では木々も色づいてきてはいたが、この森にはまだ緑が多く残っている。
ここで休憩がとれる。そう青年が安堵した時、背中で身じろぐ感触があった。
赤髪の天使が目を覚ましたのは、頬を掠めた蝶の羽根を感じたからだった。
辺りを見渡すと季節が逆戻りしたのではないかという緑の中、昼の高さになった陽の光が草むらに木漏れ日を落としている。
美しい景色に見とれていると、目の前に蝶が舞い戻ってきた。
飛び交うそれを捕まえようと、馬の上でバランスを崩しそうになりながら、赤髪の天使は手を伸ばす。
その顔は昨夜の事など全く覚えていない、というように、笑顔で溢れ、ただただその光景を楽しんでいるようだった。
青年はその様子を一瞥し、「ふぅ」と深い溜息を落とすと、休める場所を探した。
「確かこの先に…」
記憶の中にあった通り、森の中央に小さな湖が見えてきた。
そこまでくると青年は馬の足を止め、馬上から滑り降りると、赤髪の天使に手を差し伸べた。
「ここで少し休憩をとろう。まず、その汚れた格好を何とかしないとな」
あと数日も移動すれば、青年がかつて身を寄せていた町がある。
立ち寄るつもりは無かったが、赤髪の天使を救ったことで事情が変わってしまった。
その町で、この天使の今後をどうするか考えたいと思い始めたのだが、目の前の天使はお世辞にも人前に出せるほどの身なりではない。
町に入る前に少々身支度を整えてやろうと思ったのだ。
赤髪の天使は恐る恐る上体を傾けて、青年に寄りかかるようにして馬を下りると、初めて来た場所が珍しいのか、きょろきょろと辺りを見渡した。
山の方に比べれば気温も暖かく、借りていた外套を脱ぎ捨てると、湖の方へと駆け寄っていった。
湖は綺麗な丸い形をしており、向かい岸まで恐らく50歩足らずで行けるのではないかという小さいものだった。
赤髪の天使はその淵にしゃがんで水面を覗き込む。
すると、乱雑に切られたぼさぼさの髪をした自分と目があった。
その状況が理解できなかったのか、小首をかしげながらも、好奇心で湖の水に手を触れる。
途端に目を見開いたのは、湖の水が少し温かかったからであり、それが心地よく、腕を水に突っ込んだままバシャバシャと音を立ててかきまぜた。
外套を拾い上げ、軽く畳みながらその様子を見ていた青年は、赤髪の天使に声をかけた。
「ここは近くに温泉が湧いていて、この湖にもそれが流れてきている。この辺がまだ緑なのは、水が温かいからだろうな。…ちょうどいい温度だろ?さぁ服を脱いで、身体を洗うんだ。俺の言ってることは分かるか?」
最初は、これまで受けたひどい仕打ちが原因で、口を閉ざしているのかと思っていたが、ひょっとして、言葉そのものが理解できないのかもしれない。
青年は確認するために多くの言葉を並べ立ててみた。
赤髪の天使はその声に振り返った。
そして、青年の言葉を全部飲み込んだか、ひとつ大きく頷くと立ち上がり、ためらいもなく服を脱ぎ捨てると、威勢よく湖に飛び込んでいった。
立ち昇る飛沫を避けながら、青年は脱ぎ捨てられた衣服を拾いあげ苦笑する。
「一縷の望みもなかったか…が、言葉は理解できるようだな」
正真正銘の男子であると、赤髪の天使の性別を認識したところで、着ていた服を確認する。
服というよりも、大きな布地を適当に折って雑に縫い合わせただけのものは、さすがにもう着せられるものではなかった。
青年は馬に乗せていた荷物から、自分の着替え用の上着を取り出した。
「町に行くまで、俺の服でしばらくは我慢してもらうか」
湖の中で気持ちよさそうに漂っている赤髪の天使を横目で見ながら、青年は火を起こし、簡単な食事の支度を始めていった。
昨夜の物々しい騒ぎが夢であったかのような穏やかな空気が流れる。
赤髪の天使は程よい温度の湖に浸かりながら瞳を閉じた。
瞼の裏にちらちらとした陽の光が降り注がれる。
耳には森に棲む小動物の声や、鳥たちの囁きが聞こえてくる。
何もかもが心地良かった。
その柔らかい感覚に包み込まれ、夢の世界に落ちかけたところ、青年が用意する食事の香りに現に戻された。
鼻を掠める脂の匂いは胃を刺激し、空腹だったことを思い出させる。
赤髪の天使は体を洗うのもそこそこに天然の湯槽から出ようとした。
「あぁ、ちょっと待て。仕方ないな…羽根の手入れ、したことないのか?」
湖から出ようとする天使を見咎めると、青年は焚火を弱め、その淵に歩み寄った。
水に浸かったままの天使の傍にしゃがみ、背を向けるように促す。
赤髪の天使は不思議そうな顔をしながらも、素直に応じて青年に背を向けた。
本来なら真っ白な羽根であろう翼は、一度も手入れをされた様子はない。
ずっと放置されている状態で薄汚れており、抜けかけの羽根もそのままに、球になっている部分もあった。
青年は片手で湖の水を掬いながら、天使の羽根を丁寧に梳き始めた。
「お前、自分が天使…というか、『羽根人』だという自覚はあるのか?」
この世界において、翼を持つ者は『羽根人』と呼ばれていた。
羽根人は特殊な能力を持つ者が多く、その力を祖人や他の種族に貢献することで、特別な地位を得ているのだ。
『天使』とは、「特異な力を持つ羽根人は神の使いである」と信じる人たちが呼ぶ俗称であった。
「翼は気の力で自由に操れるんだが…」
翼を放出したり格納したりすることは、羽根人なら当然できることなのだが、青年は途中で口ごもった。
それは本能でできるものではなく、親からのしつけや教育で身につくものだからだ。
それができない、ということは、まだ幼いうちに親に捨てられた可能性が高い。
手の止まってしまった青年の様子に気が付いて、少し後ろを振り返った天使は、もう片方の翼を青年がやったのと同じように手入れを始めた。
初めて羽根を手入れすることを楽しんでいるのか、瞳をきらきらとさせ、口元には笑みを浮かべている。
その顔には何一つ曇りはない。
青年が想像するような暗い過去を背負っているようには到底見えなかった。
そして、改めて見れば、赤髪の天使は美しかった。
その少女を思わせる笑顔にふと我に返り、青年も再び手を動かし始める。
二人掛かりで手入れを行えば、それはあっという間に終わった。
羽根が綺麗になったおかげで翼が動かしやすくなったのか、赤髪の天使は湖から出ると、あまり慣れていない仕草で、背中に携わるそれを不器用に動かしてみた。
水滴が羽根の上をはじけて転がっていく。
それは赤髪の天使にとって、味わったことのない清々しい感触であった。
着替えを持ってきた青年が、大きめの乾いた布で水滴が残る身体を軽く拭ってやると、その二の腕に痣があることに気が付いた。
昨夜、村人たちに物を投げつけられた時に付いたものなのか、よく見れば他にも数ヶ所、そんな痕を見つけた。中には昨夜以前のものではないだろうか、という変色した古い痣もある。
「…酷いことをされてきたな…」
青年はその痕にそっと指を伸ばしたが、触れられなかった。
触れたら痛むかもしれない、という恐れよりも、その痛みを共有できる覚悟がなかった。
人々に虐げられ、蔑まれ、かつては自分も味わったその苦しみを再び受け入れる勇気がなかった。
赤髪の天使は、そこで初めてその痣に気がついたように、反対の手でその場所を摩った。
くすんだ紫の色が取れないことを不思議に思うように一度首を傾げたが、青年に笑顔を向けた。
その笑顔にどきりとする。
「お前…悔しくないのか?」
ただ、他人から蔑まされることに、この天使は憤りも悲しみも感じないのだろうか…。
その笑顔は、人の憎悪や罪を受け止め、全てを赦す慈愛の微笑みにも見えた。
目の前の天使は、自分と同じ羽根人などではなく、本物の天使なのではないか…?
青年は、助け出した赤髪の天使に、畏怖の念のようなものを抱き始め、戸惑いを覚えた。
赤髪の天使は青年から着替え用の上着を受け取ると、物珍しい様子でしばらく手に取って眺めていたが、丸首の襟に頭を通してそれを被った。
羽根人の服は背の部分に翼が出し入れできるように切れ込みが入っているのだが、翼をたためない天使にとってはそこに翼を通すのも一苦労で、青年が結局手伝う羽目になった。
当然、服は大きく、丸い襟ぐりは細い肩から片方がずり落ちるほどで、丈も膝上くらいにまで届いたため、予備の手綱を腰に巻いて固定した。
「町に着いたら、お前が着られそうな服を買ってやるから、それまではこれで我慢してくれ」
青年の話を聞いているのかいないのか、初めて服らしい服でも着たかのように、赤髪の天使は肌触りのいい布地の服を眺めては、後ろもよく見ようとくるくると回転したが、『ぐぅ』となった腹の虫にはっとなり、その場にしゃがみ込んだ。
その様子は何の変哲もない、普通の子供だ。
珍しい服への好奇心。空腹で鳴る腹の音。
慈愛に満ちた本物の天使、などという面影は皆無だった。
青年は可笑しさがこみあげてくるのを堪えながら、焚火の様子を見る。
「こっちにこい。食事にしよう」
青年が用意したのは、乾燥させ、焼き固められた堅めのパンとチーズ。
本来、自分だけならこれで済ますところだが、赤髪の天使のために保存用の干し肉も取り出した。
いずれも火を使わずに非常食として食べるものだったが、普段ろくなものを食べていないのではないか、というほどの天使の華奢な体つきを見て、食べやすいよう改めて火を通し、パンとチーズは水と合わせてスープ状に調理してみた。
青年がそれらを木の椀に盛って差し出すと、これまでこんなごちそう見たことがない、と言わんばかりの輝かせた表情で、赤髪の天使はそれを覗き込んだ。
「熱いから気を付けろよ?」
その言葉を合図と受け取った天使は、息を吹きかけ、冷ましながらスープを口へと運んでいく。
その様子を見守りながら、青年も食事を口にした。
昨日は夜通し歩かせてしまった愛馬のシェルドナも、森の草を食みながらのんびりしている。
やっとひと段落ついた、といったところだろう。
食事の手を休め、青年は徐に口を開いた。
「お前、名前はあるのか?」
聞いたところで、喋れないのではどう伝えてもらったらよいのだろうか。
そんな疑問を抱きながらも、これからのことを考えれば呼べる名が必要だと思い、赤髪の天使に問いかけた。
スープを飲み干した椀を、名残惜しそうに見つめていた天使が、青年の問いかけに顔を上げる。
一瞬考えたように青年の顔をまっすぐ見たが、そのあとはふるふると顔を横に振った。
「そうか…」
名前がない、ということは、やはり親に捨てられたのかもしれない、そう考えると、それ以上は何も聞けなかったが…。
「…なら、俺がつけてやろうか?」
思わずそう口にしていた。
その言葉にきょとんしている赤髪の天使を見澄まし、青年は考え巡らすように森の中に視線を彷徨わせる。
そして、湖のほとりの一角に咲き揃う赤い花たちが目に止まった。
その花の名は『サフォネリア』。
真っ赤な大きな花びらが五枚、その内側に黄色の小さな花びらが五枚重なる多年草の花で、自然の中に群生する野草だ。
目の前にいる天使の髪と瞳が、まさしくその花を思わせるほどで…。
「サフォ…サフォーネ…」
青年が口にしたその『音』を聞いて、天使は瞳を見開いた。
「あそこにある『サフォネリア』は、この季節に咲く美しい花だ。災いの色として嫌う人もいるが、雪の中に咲くこともあるほど生命力が強くて、俺は結構好きなんだ」
語りながら青年は、幼き日を思い出していた。
あれは、目の前の天使と同じくらいに幼かった頃か…。
ひとつの過ちから、取り返しのつかない罪を犯してしまった。
逃れられない翼の色が、それを責め立てる。
背負ってしまったその重さに耐えられず、自暴自棄になり、晩秋の森を彷徨った。
寒さに倒れ、いっそこのまま命を亡くしても…そう思った時に、目の前に咲いていたこの花に救われたのだ。
忌み嫌われることなど全く関係ない、ただ生きるために咲いていたその花に…。
青年の説明を聞いているのかいないのか、赤髪の天使は、その響きで頭がいっぱいになってしまったように呆けている。
――サフォーネ――
――サフォーネ――
――サフォーネ――
その様子を訝し気に目を細めて、青年はもう一度尋ねる。
「サフォーネ、っていう名前…どうだ?」
問われて、頭の中で何かがはじけた気がした。
天使はそれが自分の名前だと確信すると、こくこくと何度も頷き、嬉しさのあまり、空になった椀を投げ出して青年に飛びついた。
「おい、危ないだろ…。…でも、どうやら気に入ってくれたようだな」
屈託のない無邪気な様子に、青年も自然に笑みがこぼれ、はっとなる。
笑う、などということはどれくらいぶりだろうか…。
そのサフォーネと名付けた天使が何かを訴えるような瞳を向けてきて一瞬困惑したが、不思議と何を伝えたいのかが分かった青年はその問いに答えた。
「俺の名前か?俺はデューク。そしてあの馬は、シェルドナだ」
デューク、シェルドナ、その名前を呼ぼうと、サフォーネは口をパクパクと動かしてみるが、音にはならなかった。
声に出せずに少し落ち込んだ様子のサフォーネを見て、デュークは告げる。
「この先にクエナという町がある。そこに、俺の恩人でもある医者がいるはずだ。その人にお前を診てもらおう」
それはデュークが幼少期を過ごした場所。
自分を支えてくれた育ての『父親』の住む町だった。
当時は、異端の天使に関して偏見を持つ人は少なく、それ故にデューク自身も暮らせた場所ではあったが…あれから町も少し変わってしまった。
異端の天使が現れたとなると、ひと騒動になる恐れもあったが、その医者に頼るしかないと思った。
食事の片づけをしながら、町までの道のりを思い出す。
デュークにとって、気がかりなのはサフォーネの背中の翼だった。
「やはり、念には念を入れておくか…サフォーネ!」
放っておけば好奇心のままどこかへ行こうとするサフォーネを呼び止める。
すると、名前を呼ばれたのがとてつもなく嬉しいのか、その喜びを最大限に表現する満面の笑みを浮かべ、サフォーネはデュークの元へ小走りに駆け寄ってきた。
その速さはまるで、主人に尽くす牧羊犬。
もっと名前を呼んで欲しいのか、それともどんな用事があるのか、それを待ちわびる顔は、きらきらと輝いている。瞳を凝らせば、ちぎれんばかりに振っている尾があるのではないかと思えるほどだ。
「…いや、いいんだが…少し落ち着いた方がいいな」
邪心の欠片もない、純粋な笑顔を向けられるのは慣れていない。
デュークは戸惑いながらも、サフォーネを己の向かいに座らせた。
「町に到着するまでに覚えるのは難しいかもしれないが、自分の翼を操れないと将来的にも困るからな…これから町につくまで毎日、翼を操る練習をするぞ。いいな?」
デュークの言葉の意味を飲み込むまでに時間がかかったのか、ちょっとの間をおいて、サフォーネは頷いた。
草むらの上にきちんと正座をすると、真剣な瞳をデュークに向ける。
「……」
デュークは一瞬たじろいだ。
言ってはみたものの、何から伝えればいいのか…。
親からの語り掛けや周囲との環境で言葉を自然と覚えるように、翼の操作も日常の中から覚えていくものなのだ。
面と向かって教えるなど、まだ子供を持ったことのないデュークにとっては、試練のようなものであった。
「まず…えーっとだな、背中に……気持ちを集中するようにして、あとは呼吸の『間』で…」
思いつく限りの言葉を並べたデュークの指導を受けながら、サフォーネはこれから町までの道のりを過ごしていくことになるのだろう。
その夜は、そのまま湖の傍で野宿することにした。
草むらに敷いた外套の上で安心したように眠るサフォーネの存在を、デュークは我ながら不思議そうに見つめる。
あのまま放って於けず、連れ出した羽根人。
名前を持たないその少年に名前を授け、親の代わりに翼の扱いまで教え、今はこうして隣に眠らせている…。
人と関わることなど殆ど縁の無かったデュークにとっては、考えられない出来事が続いていた。
「俺は…どうして…。いや、こいつをどうしたいんだ…?」
自問自答するように小さく呟く。
その赤い髪と瞳は異端。それは己を映し出す鏡。
一緒に居れば、否が応でも封じたい記憶を呼び覚まされる。
いつの間にか、周囲には小さな灯虫が数匹飛び交っていた。
その灯が湖の上で反射し、暗闇の中、仄かに景色を照らし出している。
その美しい光景を見ていると、デュークは心が洗われるように、これから行く町のことだけを思った。
世話になった医者の教えがふいに頭をよぎる。
「人を恨むな」
「己を責めるな」
「ありのままを受け入れろ」
「全ては自然の赴くままに」
知らずに口元に笑みが浮かぶ。
サフォーネの髪に炎が移った時、何も考えずにそのまま飛び出した自分を思い出した。
「確かにこいつは俺と同じだが…それを俺が責めることなどできるはずもない。助けたいと思った。連れ出したいと思った。…それだけで、理由は充分なのかもしれないな…」
ひとつの答えが出ると、デュークは安心したように瞳を閉じ、眠りについた。
~つづく~
それを知られてしまった以上、その存在を畏れる村に戻れる筈はなかった。
飛べない赤髪の天使を抱きかかえ、丘に降り立った青年は黒い翼を背に格納すると、脱ぎ捨てた甲冑を拾い上げた。
甲冑に取り付けてある外套を外し、装着する。
その外套を、上衣を失くしたことで震えていた赤髪の天使に羽織らせた。
痩せ細った肩。
その軽い身体を簡単に担ぎ上げると、馬の後ろに乗せ、自らも跨った。
丘に集結した村人たちは、その行動をただ黙って見守っていた。
去って行こうとする者たちをこれ以上追い立てる必要はなかった。
青年は馬に歩くよう横腹に合図を送ると、麦の丘を後にする。
村より先、しばらく野宿ができる場所がないことを、旅慣れた青年は知っていた。
やむなく、夜中の間は移動を続ける。
赤髪の天使は、外套に包まれる温かさに安心したか、青年の背にしがみつくようにして眠り始めていた。
その背にかかる寝息を感じながら、振り落とさないよう、青年は馬を静かに歩ませていく。
やがて夜が明けた。
陽が顔を全て出す頃には、以前に立ち寄ったことのある、小さな森まで辿り着いていた。
丘の方では木々も色づいてきてはいたが、この森にはまだ緑が多く残っている。
ここで休憩がとれる。そう青年が安堵した時、背中で身じろぐ感触があった。
赤髪の天使が目を覚ましたのは、頬を掠めた蝶の羽根を感じたからだった。
辺りを見渡すと季節が逆戻りしたのではないかという緑の中、昼の高さになった陽の光が草むらに木漏れ日を落としている。
美しい景色に見とれていると、目の前に蝶が舞い戻ってきた。
飛び交うそれを捕まえようと、馬の上でバランスを崩しそうになりながら、赤髪の天使は手を伸ばす。
その顔は昨夜の事など全く覚えていない、というように、笑顔で溢れ、ただただその光景を楽しんでいるようだった。
青年はその様子を一瞥し、「ふぅ」と深い溜息を落とすと、休める場所を探した。
「確かこの先に…」
記憶の中にあった通り、森の中央に小さな湖が見えてきた。
そこまでくると青年は馬の足を止め、馬上から滑り降りると、赤髪の天使に手を差し伸べた。
「ここで少し休憩をとろう。まず、その汚れた格好を何とかしないとな」
あと数日も移動すれば、青年がかつて身を寄せていた町がある。
立ち寄るつもりは無かったが、赤髪の天使を救ったことで事情が変わってしまった。
その町で、この天使の今後をどうするか考えたいと思い始めたのだが、目の前の天使はお世辞にも人前に出せるほどの身なりではない。
町に入る前に少々身支度を整えてやろうと思ったのだ。
赤髪の天使は恐る恐る上体を傾けて、青年に寄りかかるようにして馬を下りると、初めて来た場所が珍しいのか、きょろきょろと辺りを見渡した。
山の方に比べれば気温も暖かく、借りていた外套を脱ぎ捨てると、湖の方へと駆け寄っていった。
湖は綺麗な丸い形をしており、向かい岸まで恐らく50歩足らずで行けるのではないかという小さいものだった。
赤髪の天使はその淵にしゃがんで水面を覗き込む。
すると、乱雑に切られたぼさぼさの髪をした自分と目があった。
その状況が理解できなかったのか、小首をかしげながらも、好奇心で湖の水に手を触れる。
途端に目を見開いたのは、湖の水が少し温かかったからであり、それが心地よく、腕を水に突っ込んだままバシャバシャと音を立ててかきまぜた。
外套を拾い上げ、軽く畳みながらその様子を見ていた青年は、赤髪の天使に声をかけた。
「ここは近くに温泉が湧いていて、この湖にもそれが流れてきている。この辺がまだ緑なのは、水が温かいからだろうな。…ちょうどいい温度だろ?さぁ服を脱いで、身体を洗うんだ。俺の言ってることは分かるか?」
最初は、これまで受けたひどい仕打ちが原因で、口を閉ざしているのかと思っていたが、ひょっとして、言葉そのものが理解できないのかもしれない。
青年は確認するために多くの言葉を並べ立ててみた。
赤髪の天使はその声に振り返った。
そして、青年の言葉を全部飲み込んだか、ひとつ大きく頷くと立ち上がり、ためらいもなく服を脱ぎ捨てると、威勢よく湖に飛び込んでいった。
立ち昇る飛沫を避けながら、青年は脱ぎ捨てられた衣服を拾いあげ苦笑する。
「一縷の望みもなかったか…が、言葉は理解できるようだな」
正真正銘の男子であると、赤髪の天使の性別を認識したところで、着ていた服を確認する。
服というよりも、大きな布地を適当に折って雑に縫い合わせただけのものは、さすがにもう着せられるものではなかった。
青年は馬に乗せていた荷物から、自分の着替え用の上着を取り出した。
「町に行くまで、俺の服でしばらくは我慢してもらうか」
湖の中で気持ちよさそうに漂っている赤髪の天使を横目で見ながら、青年は火を起こし、簡単な食事の支度を始めていった。
昨夜の物々しい騒ぎが夢であったかのような穏やかな空気が流れる。
赤髪の天使は程よい温度の湖に浸かりながら瞳を閉じた。
瞼の裏にちらちらとした陽の光が降り注がれる。
耳には森に棲む小動物の声や、鳥たちの囁きが聞こえてくる。
何もかもが心地良かった。
その柔らかい感覚に包み込まれ、夢の世界に落ちかけたところ、青年が用意する食事の香りに現に戻された。
鼻を掠める脂の匂いは胃を刺激し、空腹だったことを思い出させる。
赤髪の天使は体を洗うのもそこそこに天然の湯槽から出ようとした。
「あぁ、ちょっと待て。仕方ないな…羽根の手入れ、したことないのか?」
湖から出ようとする天使を見咎めると、青年は焚火を弱め、その淵に歩み寄った。
水に浸かったままの天使の傍にしゃがみ、背を向けるように促す。
赤髪の天使は不思議そうな顔をしながらも、素直に応じて青年に背を向けた。
本来なら真っ白な羽根であろう翼は、一度も手入れをされた様子はない。
ずっと放置されている状態で薄汚れており、抜けかけの羽根もそのままに、球になっている部分もあった。
青年は片手で湖の水を掬いながら、天使の羽根を丁寧に梳き始めた。
「お前、自分が天使…というか、『羽根人』だという自覚はあるのか?」
この世界において、翼を持つ者は『羽根人』と呼ばれていた。
羽根人は特殊な能力を持つ者が多く、その力を祖人や他の種族に貢献することで、特別な地位を得ているのだ。
『天使』とは、「特異な力を持つ羽根人は神の使いである」と信じる人たちが呼ぶ俗称であった。
「翼は気の力で自由に操れるんだが…」
翼を放出したり格納したりすることは、羽根人なら当然できることなのだが、青年は途中で口ごもった。
それは本能でできるものではなく、親からのしつけや教育で身につくものだからだ。
それができない、ということは、まだ幼いうちに親に捨てられた可能性が高い。
手の止まってしまった青年の様子に気が付いて、少し後ろを振り返った天使は、もう片方の翼を青年がやったのと同じように手入れを始めた。
初めて羽根を手入れすることを楽しんでいるのか、瞳をきらきらとさせ、口元には笑みを浮かべている。
その顔には何一つ曇りはない。
青年が想像するような暗い過去を背負っているようには到底見えなかった。
そして、改めて見れば、赤髪の天使は美しかった。
その少女を思わせる笑顔にふと我に返り、青年も再び手を動かし始める。
二人掛かりで手入れを行えば、それはあっという間に終わった。
羽根が綺麗になったおかげで翼が動かしやすくなったのか、赤髪の天使は湖から出ると、あまり慣れていない仕草で、背中に携わるそれを不器用に動かしてみた。
水滴が羽根の上をはじけて転がっていく。
それは赤髪の天使にとって、味わったことのない清々しい感触であった。
着替えを持ってきた青年が、大きめの乾いた布で水滴が残る身体を軽く拭ってやると、その二の腕に痣があることに気が付いた。
昨夜、村人たちに物を投げつけられた時に付いたものなのか、よく見れば他にも数ヶ所、そんな痕を見つけた。中には昨夜以前のものではないだろうか、という変色した古い痣もある。
「…酷いことをされてきたな…」
青年はその痕にそっと指を伸ばしたが、触れられなかった。
触れたら痛むかもしれない、という恐れよりも、その痛みを共有できる覚悟がなかった。
人々に虐げられ、蔑まれ、かつては自分も味わったその苦しみを再び受け入れる勇気がなかった。
赤髪の天使は、そこで初めてその痣に気がついたように、反対の手でその場所を摩った。
くすんだ紫の色が取れないことを不思議に思うように一度首を傾げたが、青年に笑顔を向けた。
その笑顔にどきりとする。
「お前…悔しくないのか?」
ただ、他人から蔑まされることに、この天使は憤りも悲しみも感じないのだろうか…。
その笑顔は、人の憎悪や罪を受け止め、全てを赦す慈愛の微笑みにも見えた。
目の前の天使は、自分と同じ羽根人などではなく、本物の天使なのではないか…?
青年は、助け出した赤髪の天使に、畏怖の念のようなものを抱き始め、戸惑いを覚えた。
赤髪の天使は青年から着替え用の上着を受け取ると、物珍しい様子でしばらく手に取って眺めていたが、丸首の襟に頭を通してそれを被った。
羽根人の服は背の部分に翼が出し入れできるように切れ込みが入っているのだが、翼をたためない天使にとってはそこに翼を通すのも一苦労で、青年が結局手伝う羽目になった。
当然、服は大きく、丸い襟ぐりは細い肩から片方がずり落ちるほどで、丈も膝上くらいにまで届いたため、予備の手綱を腰に巻いて固定した。
「町に着いたら、お前が着られそうな服を買ってやるから、それまではこれで我慢してくれ」
青年の話を聞いているのかいないのか、初めて服らしい服でも着たかのように、赤髪の天使は肌触りのいい布地の服を眺めては、後ろもよく見ようとくるくると回転したが、『ぐぅ』となった腹の虫にはっとなり、その場にしゃがみ込んだ。
その様子は何の変哲もない、普通の子供だ。
珍しい服への好奇心。空腹で鳴る腹の音。
慈愛に満ちた本物の天使、などという面影は皆無だった。
青年は可笑しさがこみあげてくるのを堪えながら、焚火の様子を見る。
「こっちにこい。食事にしよう」
青年が用意したのは、乾燥させ、焼き固められた堅めのパンとチーズ。
本来、自分だけならこれで済ますところだが、赤髪の天使のために保存用の干し肉も取り出した。
いずれも火を使わずに非常食として食べるものだったが、普段ろくなものを食べていないのではないか、というほどの天使の華奢な体つきを見て、食べやすいよう改めて火を通し、パンとチーズは水と合わせてスープ状に調理してみた。
青年がそれらを木の椀に盛って差し出すと、これまでこんなごちそう見たことがない、と言わんばかりの輝かせた表情で、赤髪の天使はそれを覗き込んだ。
「熱いから気を付けろよ?」
その言葉を合図と受け取った天使は、息を吹きかけ、冷ましながらスープを口へと運んでいく。
その様子を見守りながら、青年も食事を口にした。
昨日は夜通し歩かせてしまった愛馬のシェルドナも、森の草を食みながらのんびりしている。
やっとひと段落ついた、といったところだろう。
食事の手を休め、青年は徐に口を開いた。
「お前、名前はあるのか?」
聞いたところで、喋れないのではどう伝えてもらったらよいのだろうか。
そんな疑問を抱きながらも、これからのことを考えれば呼べる名が必要だと思い、赤髪の天使に問いかけた。
スープを飲み干した椀を、名残惜しそうに見つめていた天使が、青年の問いかけに顔を上げる。
一瞬考えたように青年の顔をまっすぐ見たが、そのあとはふるふると顔を横に振った。
「そうか…」
名前がない、ということは、やはり親に捨てられたのかもしれない、そう考えると、それ以上は何も聞けなかったが…。
「…なら、俺がつけてやろうか?」
思わずそう口にしていた。
その言葉にきょとんしている赤髪の天使を見澄まし、青年は考え巡らすように森の中に視線を彷徨わせる。
そして、湖のほとりの一角に咲き揃う赤い花たちが目に止まった。
その花の名は『サフォネリア』。
真っ赤な大きな花びらが五枚、その内側に黄色の小さな花びらが五枚重なる多年草の花で、自然の中に群生する野草だ。
目の前にいる天使の髪と瞳が、まさしくその花を思わせるほどで…。
「サフォ…サフォーネ…」
青年が口にしたその『音』を聞いて、天使は瞳を見開いた。
「あそこにある『サフォネリア』は、この季節に咲く美しい花だ。災いの色として嫌う人もいるが、雪の中に咲くこともあるほど生命力が強くて、俺は結構好きなんだ」
語りながら青年は、幼き日を思い出していた。
あれは、目の前の天使と同じくらいに幼かった頃か…。
ひとつの過ちから、取り返しのつかない罪を犯してしまった。
逃れられない翼の色が、それを責め立てる。
背負ってしまったその重さに耐えられず、自暴自棄になり、晩秋の森を彷徨った。
寒さに倒れ、いっそこのまま命を亡くしても…そう思った時に、目の前に咲いていたこの花に救われたのだ。
忌み嫌われることなど全く関係ない、ただ生きるために咲いていたその花に…。
青年の説明を聞いているのかいないのか、赤髪の天使は、その響きで頭がいっぱいになってしまったように呆けている。
――サフォーネ――
――サフォーネ――
――サフォーネ――
その様子を訝し気に目を細めて、青年はもう一度尋ねる。
「サフォーネ、っていう名前…どうだ?」
問われて、頭の中で何かがはじけた気がした。
天使はそれが自分の名前だと確信すると、こくこくと何度も頷き、嬉しさのあまり、空になった椀を投げ出して青年に飛びついた。
「おい、危ないだろ…。…でも、どうやら気に入ってくれたようだな」
屈託のない無邪気な様子に、青年も自然に笑みがこぼれ、はっとなる。
笑う、などということはどれくらいぶりだろうか…。
そのサフォーネと名付けた天使が何かを訴えるような瞳を向けてきて一瞬困惑したが、不思議と何を伝えたいのかが分かった青年はその問いに答えた。
「俺の名前か?俺はデューク。そしてあの馬は、シェルドナだ」
デューク、シェルドナ、その名前を呼ぼうと、サフォーネは口をパクパクと動かしてみるが、音にはならなかった。
声に出せずに少し落ち込んだ様子のサフォーネを見て、デュークは告げる。
「この先にクエナという町がある。そこに、俺の恩人でもある医者がいるはずだ。その人にお前を診てもらおう」
それはデュークが幼少期を過ごした場所。
自分を支えてくれた育ての『父親』の住む町だった。
当時は、異端の天使に関して偏見を持つ人は少なく、それ故にデューク自身も暮らせた場所ではあったが…あれから町も少し変わってしまった。
異端の天使が現れたとなると、ひと騒動になる恐れもあったが、その医者に頼るしかないと思った。
食事の片づけをしながら、町までの道のりを思い出す。
デュークにとって、気がかりなのはサフォーネの背中の翼だった。
「やはり、念には念を入れておくか…サフォーネ!」
放っておけば好奇心のままどこかへ行こうとするサフォーネを呼び止める。
すると、名前を呼ばれたのがとてつもなく嬉しいのか、その喜びを最大限に表現する満面の笑みを浮かべ、サフォーネはデュークの元へ小走りに駆け寄ってきた。
その速さはまるで、主人に尽くす牧羊犬。
もっと名前を呼んで欲しいのか、それともどんな用事があるのか、それを待ちわびる顔は、きらきらと輝いている。瞳を凝らせば、ちぎれんばかりに振っている尾があるのではないかと思えるほどだ。
「…いや、いいんだが…少し落ち着いた方がいいな」
邪心の欠片もない、純粋な笑顔を向けられるのは慣れていない。
デュークは戸惑いながらも、サフォーネを己の向かいに座らせた。
「町に到着するまでに覚えるのは難しいかもしれないが、自分の翼を操れないと将来的にも困るからな…これから町につくまで毎日、翼を操る練習をするぞ。いいな?」
デュークの言葉の意味を飲み込むまでに時間がかかったのか、ちょっとの間をおいて、サフォーネは頷いた。
草むらの上にきちんと正座をすると、真剣な瞳をデュークに向ける。
「……」
デュークは一瞬たじろいだ。
言ってはみたものの、何から伝えればいいのか…。
親からの語り掛けや周囲との環境で言葉を自然と覚えるように、翼の操作も日常の中から覚えていくものなのだ。
面と向かって教えるなど、まだ子供を持ったことのないデュークにとっては、試練のようなものであった。
「まず…えーっとだな、背中に……気持ちを集中するようにして、あとは呼吸の『間』で…」
思いつく限りの言葉を並べたデュークの指導を受けながら、サフォーネはこれから町までの道のりを過ごしていくことになるのだろう。
その夜は、そのまま湖の傍で野宿することにした。
草むらに敷いた外套の上で安心したように眠るサフォーネの存在を、デュークは我ながら不思議そうに見つめる。
あのまま放って於けず、連れ出した羽根人。
名前を持たないその少年に名前を授け、親の代わりに翼の扱いまで教え、今はこうして隣に眠らせている…。
人と関わることなど殆ど縁の無かったデュークにとっては、考えられない出来事が続いていた。
「俺は…どうして…。いや、こいつをどうしたいんだ…?」
自問自答するように小さく呟く。
その赤い髪と瞳は異端。それは己を映し出す鏡。
一緒に居れば、否が応でも封じたい記憶を呼び覚まされる。
いつの間にか、周囲には小さな灯虫が数匹飛び交っていた。
その灯が湖の上で反射し、暗闇の中、仄かに景色を照らし出している。
その美しい光景を見ていると、デュークは心が洗われるように、これから行く町のことだけを思った。
世話になった医者の教えがふいに頭をよぎる。
「人を恨むな」
「己を責めるな」
「ありのままを受け入れろ」
「全ては自然の赴くままに」
知らずに口元に笑みが浮かぶ。
サフォーネの髪に炎が移った時、何も考えずにそのまま飛び出した自分を思い出した。
「確かにこいつは俺と同じだが…それを俺が責めることなどできるはずもない。助けたいと思った。連れ出したいと思った。…それだけで、理由は充分なのかもしれないな…」
ひとつの答えが出ると、デュークは安心したように瞳を閉じ、眠りについた。
~つづく~
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。
アズやっこ
恋愛
私は旦那様を愛していました。
今日は三年目の結婚記念日。帰らない旦那様をそれでも待ち続けました。
私は旦那様を愛していました。それでも旦那様は私を愛してくれないのですね。
これはお別れではありません。役目が終わったので交代するだけです。役立たずの妻で申し訳ありませんでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる