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6ジュリア様 出陣!
ジュリアとはかくありき
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「出所おめでとう。悲劇の英雄さん」
眩しげに目を細めるルディに、ジュリアはにやにやと笑ってそう告げる。そうして戸惑った様子のルディの目の前で笑顔で手を広げて見せた。
「どう、これがジュリアよ。可愛らしく泣き寝入りなんてしないし、ずるいことをして力ずくでも勝つの。金と権力と地位と、ついでに人民の感情を利用してね」
にやり、とその真っ赤な唇が吊り上がり、悪役のような不穏な笑みを形作る。
「これでも、私のことを好きかしら」
その笑顔をいまだに眩しそうに、何か途方もなく美しいものを見るかのように目を細めて見つめたままで、ルディはぽつりと呟いた。
「惚れ直しました」
その返答にジュリアはわざと作っていた表情を崩し、晴れ渡る空のように素直に破顔した。
その放たれた言葉のなんて素直なことだろう! 要するに、ジュリアはこの男のその純粋さにほだされてしまったのだ。
こんなのは敗北だ。完敗した。
「貴方には敵わないわ!」
ジュリアの言葉に、ルディはどこまでも不思議そうだ。
けれど彼になら、負けても良いと思った。
その時点でもう、ジュリアの心は決まってしまったのだ。
「負けたから、貴方の願いを叶えてあげる」
手を差し出す。彼はきょとんとそれを眺めた。
その察しの悪さにジュリアは吹き出す。
「ずっと一緒にいると、今、誓いなさい。私は誓うわ。私に負けない貴方が好きよ」
そこでやっとジュリアの意図に気づいたのか、彼は赤面すると俯いた。
そしていそいそとその場に跪き、ジュリアの手を取ると恭しく口づけを一つ。
「愛しています、ジュリア。貴方が許してくださるのならば、この命のある限り貴方のそばにいることを誓います」
翡翠の瞳が、興奮に潤んでジュリアを真摯に見つめた。
「俺と、結婚してください」
「かまわないわ」
偉そうに踏ん反り返って、ジュリアは頷いてキスをした。
眩しげに目を細めるルディに、ジュリアはにやにやと笑ってそう告げる。そうして戸惑った様子のルディの目の前で笑顔で手を広げて見せた。
「どう、これがジュリアよ。可愛らしく泣き寝入りなんてしないし、ずるいことをして力ずくでも勝つの。金と権力と地位と、ついでに人民の感情を利用してね」
にやり、とその真っ赤な唇が吊り上がり、悪役のような不穏な笑みを形作る。
「これでも、私のことを好きかしら」
その笑顔をいまだに眩しそうに、何か途方もなく美しいものを見るかのように目を細めて見つめたままで、ルディはぽつりと呟いた。
「惚れ直しました」
その返答にジュリアはわざと作っていた表情を崩し、晴れ渡る空のように素直に破顔した。
その放たれた言葉のなんて素直なことだろう! 要するに、ジュリアはこの男のその純粋さにほだされてしまったのだ。
こんなのは敗北だ。完敗した。
「貴方には敵わないわ!」
ジュリアの言葉に、ルディはどこまでも不思議そうだ。
けれど彼になら、負けても良いと思った。
その時点でもう、ジュリアの心は決まってしまったのだ。
「負けたから、貴方の願いを叶えてあげる」
手を差し出す。彼はきょとんとそれを眺めた。
その察しの悪さにジュリアは吹き出す。
「ずっと一緒にいると、今、誓いなさい。私は誓うわ。私に負けない貴方が好きよ」
そこでやっとジュリアの意図に気づいたのか、彼は赤面すると俯いた。
そしていそいそとその場に跪き、ジュリアの手を取ると恭しく口づけを一つ。
「愛しています、ジュリア。貴方が許してくださるのならば、この命のある限り貴方のそばにいることを誓います」
翡翠の瞳が、興奮に潤んでジュリアを真摯に見つめた。
「俺と、結婚してください」
「かまわないわ」
偉そうに踏ん反り返って、ジュリアは頷いてキスをした。
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