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第1章 テールマルク編
第22話 研究と物作り
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ダンジョンからギルドに戻ってきた翌日。俺は、ルカ爺とティスミラを呼び出した。
「2人とも、今日の予定を空けてくれてありがとうな」
「いえ、昨日の時点で特に予定なかったので大丈夫です」
「儂も同じじゃな」
ちょっと悲しくなったが、咳払いをして話を続けた。
「今日は、2人に色々教えたくて呼んだんだよ」
「教えるって、何をですか?」
「何をって、2人に教えるんだ。研究するものと、鍛治の仕方を教えるんだよ。ま、鍛治はスキルを使えば勝手に身につくから、それまでの間だけどな」
そのまま、地下に移動した俺たちは最初にルカ爺の研究室に来た。
「今、ルカ爺は何の研究をしているんだ?」
「儂は、回復薬に解毒薬とかそんな物を研究しているぞ」
「それは助かるな。何か、必要なものとかあるか? もしあるなら、手に入れるぞ」
「そうですな。特に無いですな。ここにきた時点で研究に必要な物は全部揃ってたしの。強いて言うなら、薬草とかその他諸々の素材が欲しいの。色々な薬を研究したいからの」
「了解。それじゃ、まずはこの素材をあげるよ」
俺は、ダンジョンでゲットした素材たちをルカ爺に渡した。
「おー、ありがとうな。これなら、解毒薬が作れるぞ」
「作ったものはミルド達が使うと思うから、これからよろしくな」
「もちろんじゃ」
「この後は、ティスミラの工房に行こうと思うが、ルカ爺も来るか?」
「うむ。儂も行くぞ。良いものが見れそうだからな」
「そうか? ま、行こうか」
すぐ近くにあるティスミラの工房に来た。
「俺が渡した鉱石とか覚えたか?」
「はい! 鉱石を見るのも触るのも楽しくて、最近はずっと鉱石触って楽しんでますよ」
「そ、そうか。それは良かった。それで、自分のスキルは使ったか?」
「使いはしたんですけど、ちょっとよく分からないんですよね」
「ちょっと、ステータスを見せてくれないか?」
「はい。ちょっと待ってて下さいね」
ティスミラはステータスを見せてくれた。
□□□□□
名前:ティスミラ
年齢:14
職業:鍛治師
スキル:鉱物鑑定・植物鑑定・武器鑑定・溶解・成型
□□□□□
「うーん、普通だな。鉱物鑑定くらい使わなかったのか?」
「いえ、使わなかったです。と言うよりも、一回だけ使ったんですけど、レイクさんから貰ったあの本よりも制度が低かったんですよ」
「あー、だったらそれ没収な」
「え、ちょっと待って下さい!! あ、ああ、そんなー」
ティスミラは少ししょぼんとしてしまった。
「まぁまぁ。今日からは、熟練度を上げるために使い続けろよ」
「は、はい」
「それじゃ、まずは俺が作ってみるから見てろよ」
俺は、そこで一つのナイフを作ることにした。そして、この間渡していた鉱石を使う事にした。
「ここの火はずっと付いてるから、火つけはまた今度教えるとして、ちょっと見てろよ。スキル:鍛治師[ナイフ]」
「「え?」」
2人は少し困惑していた。が、俺はそれを無視して続けた。
スキルのお陰もあり数十分後にはナイフが完成した。
「どうだ?」
「凄い。こんなに速く出来上がるんですね。それに、すごく綺麗」
「こんな武器、初めて見たわい」
「ティスミラ」
「何ですか?」
「武器鑑定のスキルを使ってみてくれ」
「は、はい。スキル:武器鑑定」
ティスミラに見えたそのステータスは驚く物だった。
「これ、何ですか? 武器ランクSSSって見たことないですよ」
「いずれは、ティスミラにもこれと同じような物を作ってもらう気だよ」
「ぼ、僕がですか!?」
「そうだぞ。ま、最初はこんな武器は出来ないと思うからこの武器を目標に頑張れよ」
「は、はい!」
「あ、悪いけどこのナイフは俺が持ってくぞ」
「え、い、良いですけど。僕の目標は?」
「そうだな。これとかどうだ?」
「え、今何処から出しました?」
「ま、いいから、武器鑑定」
「あ、はい。スキル:武器鑑定」
そこに映ったのは、さっきの武器よりは劣るが、武器ランクSSの剣だった。
「それじゃ、まずはこの鉄でナイフを一本作ってくれ。作り終わったら、俺の部屋に持ってきてくれるか?」
「わ、分かりました!」
「ルカ爺は、どうしますか?」
「そうじゃな、儂は研究室に行ってるぞ。面白いものも見れたからな」
「そうですか。では」
俺は、そう言って自室に戻った。
「これは、今度あげるか。よし、ライナ出てきてくれ」
「ん、どうしたのご主人? 戦い?」
「違うよ。今度遊ぼって約束しただろ」
「あ、遊んでくれるの!?」
「そうだよ。何したい?」
「えっとね、えっとね。ご主人と戦いたい!」
「ああ、いいぞ。それじゃ、場所を変えるか」
と、言うことで自室のドアに張り紙をして俺とライナは練習場にやって来た。
「ちょうど誰もいないみたいだな」
「え、ここで戦っても大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。だって、俺が作ったんだから」
「あ、そっか。じゃ、心置きなく出来るね」
「あぁ」
「行くよ!」
ライナは、自身の小さな体に雷を纏わせた。
「全力か」
「当たり前でしょ! 本気出しても死なない相手なんてご主人だけなのよ。それに、本気出さないと、こっちが殺されるかもしれないじゃない!」
「ま、良いじゃないか。んじゃ、行くぞ」
今回俺は、魔法のみで戦う事にした。理由は楽しそうだったからだ。
ライナは纏っている雷をこちらに飛ばしながら攻撃してくる。光の速度で飛んでくる雷を、俺は避けながら攻撃を放つ。
手に魔力を集め、風のイメージを持つと、その魔力が風に変わった。俺はさらにその風に防壁のイメージを持つ。すると、ライナの雷を風の防壁で防いだ。
「やっぱりそうなるよね。でもね、これはどう!!」
「ん? まじ?」
ライナは今まで遠くから攻撃する、後衛タイプだった。しかし今回の攻撃は今までとは違った、型を破った攻撃だった。
「雷で剣の形を作るとは、良い考え方したな」
「ふん!」
だが、型を破ったとしても、剣を今まで使ってこなかったライナは、剣に振られるだけであまり良い攻撃とは言えなかった。
「そんなんじゃ、誰も倒せないぞ!」
「う、うるさい! まだまだこれからなんだから!!」
「それにな、こっちも気付いてるぞ」
「あ、そっちは!!」
手に魔力を集中させ、魔法を消すイメージを持つ。そして、それを俺の向いている右後ろに投げる。すると、それが見えない何かに当たり、弾け飛んだ。
「まだまだ、隠蔽が甘いな」
「あーもう! なんでバレるのよ」
「さ、もうそんな酷い剣術の真似なんて辞めちまえ」
「これでバレたのか。ずるい!!」
そう言うと、ライナは周り一帯に雷を降らせた。
「お前、バカ!」
「うるさいうるさい!」
「大人気ないなぁ。ったく、もう終わりだ!」
「え?」
レイクは、雷が雨のように降る場所をすり抜けてライナのすぐ側に近づいた。そしてーー
「眠れ。スキル:スリープ」
ライナは可愛い寝息をたてながら寝た。
「えっと、お前たち大丈夫か?」
途中で俺とライナの戦いを見学していた、ミルドとティスミラとデールの3人の方を振り向いた。
「……あ、はい。大丈夫だよ」
「そうか。良かった。それで、ティスミラ、ナイフ出来たか?」
「はい。出来ました」
「おし、見せてくれ」
「ちょっと待った!!」
「ん、なんだよデール?」
「なんだよじゃないでしょ! 色々と聞きたいことがあるんですけど!! 今の戦いは何とか、その精霊は何とか、最後のやつをどうやって避けたのかとか、もう訳わかんない!」
「えー、そんな怒るなよ。一つづつ答えるから。今の戦いはただの戯れ。こいつは俺の、なんだろ? 俺が召喚した精霊だな。名前はライナだ、仲良くしてくれよ。んで、最後のはこう、ばばばって避けた」
「ん、んん? よく分からないわ。ちょっと、寝てくる」
「お、おう。お休み。じゃ、ティスミラ、ナイフを見せてくれ」
「切り替え早いですね。レイクさん」
そして、作ってもらったナイフを見ると、初めてとは思えない出来だった。
「凄いな。初めてで、武器ランクCのナイフを使ったのかよ」
「え、凄いんですか?」
「あぁ、凄いぞ。俺なんて、初めて作った武器は、武器ランクFだったんだぞ。ティスミラは、誰よりも凄い武器鍛治師になれるぞ」
「ほ、本当!!??」
「あぁ、本当だ。ティスミラのこれからが、楽しみだな!!」
「ふ、ふへへ」
ティスミラは顔を赤くして、嬉しそうにしていた。
翌日。俺はダンジョンに挑むためにダンジョンに向かった。ついに、テールマルクダンジョンを攻略するのだ。
「2人とも、今日の予定を空けてくれてありがとうな」
「いえ、昨日の時点で特に予定なかったので大丈夫です」
「儂も同じじゃな」
ちょっと悲しくなったが、咳払いをして話を続けた。
「今日は、2人に色々教えたくて呼んだんだよ」
「教えるって、何をですか?」
「何をって、2人に教えるんだ。研究するものと、鍛治の仕方を教えるんだよ。ま、鍛治はスキルを使えば勝手に身につくから、それまでの間だけどな」
そのまま、地下に移動した俺たちは最初にルカ爺の研究室に来た。
「今、ルカ爺は何の研究をしているんだ?」
「儂は、回復薬に解毒薬とかそんな物を研究しているぞ」
「それは助かるな。何か、必要なものとかあるか? もしあるなら、手に入れるぞ」
「そうですな。特に無いですな。ここにきた時点で研究に必要な物は全部揃ってたしの。強いて言うなら、薬草とかその他諸々の素材が欲しいの。色々な薬を研究したいからの」
「了解。それじゃ、まずはこの素材をあげるよ」
俺は、ダンジョンでゲットした素材たちをルカ爺に渡した。
「おー、ありがとうな。これなら、解毒薬が作れるぞ」
「作ったものはミルド達が使うと思うから、これからよろしくな」
「もちろんじゃ」
「この後は、ティスミラの工房に行こうと思うが、ルカ爺も来るか?」
「うむ。儂も行くぞ。良いものが見れそうだからな」
「そうか? ま、行こうか」
すぐ近くにあるティスミラの工房に来た。
「俺が渡した鉱石とか覚えたか?」
「はい! 鉱石を見るのも触るのも楽しくて、最近はずっと鉱石触って楽しんでますよ」
「そ、そうか。それは良かった。それで、自分のスキルは使ったか?」
「使いはしたんですけど、ちょっとよく分からないんですよね」
「ちょっと、ステータスを見せてくれないか?」
「はい。ちょっと待ってて下さいね」
ティスミラはステータスを見せてくれた。
□□□□□
名前:ティスミラ
年齢:14
職業:鍛治師
スキル:鉱物鑑定・植物鑑定・武器鑑定・溶解・成型
□□□□□
「うーん、普通だな。鉱物鑑定くらい使わなかったのか?」
「いえ、使わなかったです。と言うよりも、一回だけ使ったんですけど、レイクさんから貰ったあの本よりも制度が低かったんですよ」
「あー、だったらそれ没収な」
「え、ちょっと待って下さい!! あ、ああ、そんなー」
ティスミラは少ししょぼんとしてしまった。
「まぁまぁ。今日からは、熟練度を上げるために使い続けろよ」
「は、はい」
「それじゃ、まずは俺が作ってみるから見てろよ」
俺は、そこで一つのナイフを作ることにした。そして、この間渡していた鉱石を使う事にした。
「ここの火はずっと付いてるから、火つけはまた今度教えるとして、ちょっと見てろよ。スキル:鍛治師[ナイフ]」
「「え?」」
2人は少し困惑していた。が、俺はそれを無視して続けた。
スキルのお陰もあり数十分後にはナイフが完成した。
「どうだ?」
「凄い。こんなに速く出来上がるんですね。それに、すごく綺麗」
「こんな武器、初めて見たわい」
「ティスミラ」
「何ですか?」
「武器鑑定のスキルを使ってみてくれ」
「は、はい。スキル:武器鑑定」
ティスミラに見えたそのステータスは驚く物だった。
「これ、何ですか? 武器ランクSSSって見たことないですよ」
「いずれは、ティスミラにもこれと同じような物を作ってもらう気だよ」
「ぼ、僕がですか!?」
「そうだぞ。ま、最初はこんな武器は出来ないと思うからこの武器を目標に頑張れよ」
「は、はい!」
「あ、悪いけどこのナイフは俺が持ってくぞ」
「え、い、良いですけど。僕の目標は?」
「そうだな。これとかどうだ?」
「え、今何処から出しました?」
「ま、いいから、武器鑑定」
「あ、はい。スキル:武器鑑定」
そこに映ったのは、さっきの武器よりは劣るが、武器ランクSSの剣だった。
「それじゃ、まずはこの鉄でナイフを一本作ってくれ。作り終わったら、俺の部屋に持ってきてくれるか?」
「わ、分かりました!」
「ルカ爺は、どうしますか?」
「そうじゃな、儂は研究室に行ってるぞ。面白いものも見れたからな」
「そうですか。では」
俺は、そう言って自室に戻った。
「これは、今度あげるか。よし、ライナ出てきてくれ」
「ん、どうしたのご主人? 戦い?」
「違うよ。今度遊ぼって約束しただろ」
「あ、遊んでくれるの!?」
「そうだよ。何したい?」
「えっとね、えっとね。ご主人と戦いたい!」
「ああ、いいぞ。それじゃ、場所を変えるか」
と、言うことで自室のドアに張り紙をして俺とライナは練習場にやって来た。
「ちょうど誰もいないみたいだな」
「え、ここで戦っても大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。だって、俺が作ったんだから」
「あ、そっか。じゃ、心置きなく出来るね」
「あぁ」
「行くよ!」
ライナは、自身の小さな体に雷を纏わせた。
「全力か」
「当たり前でしょ! 本気出しても死なない相手なんてご主人だけなのよ。それに、本気出さないと、こっちが殺されるかもしれないじゃない!」
「ま、良いじゃないか。んじゃ、行くぞ」
今回俺は、魔法のみで戦う事にした。理由は楽しそうだったからだ。
ライナは纏っている雷をこちらに飛ばしながら攻撃してくる。光の速度で飛んでくる雷を、俺は避けながら攻撃を放つ。
手に魔力を集め、風のイメージを持つと、その魔力が風に変わった。俺はさらにその風に防壁のイメージを持つ。すると、ライナの雷を風の防壁で防いだ。
「やっぱりそうなるよね。でもね、これはどう!!」
「ん? まじ?」
ライナは今まで遠くから攻撃する、後衛タイプだった。しかし今回の攻撃は今までとは違った、型を破った攻撃だった。
「雷で剣の形を作るとは、良い考え方したな」
「ふん!」
だが、型を破ったとしても、剣を今まで使ってこなかったライナは、剣に振られるだけであまり良い攻撃とは言えなかった。
「そんなんじゃ、誰も倒せないぞ!」
「う、うるさい! まだまだこれからなんだから!!」
「それにな、こっちも気付いてるぞ」
「あ、そっちは!!」
手に魔力を集中させ、魔法を消すイメージを持つ。そして、それを俺の向いている右後ろに投げる。すると、それが見えない何かに当たり、弾け飛んだ。
「まだまだ、隠蔽が甘いな」
「あーもう! なんでバレるのよ」
「さ、もうそんな酷い剣術の真似なんて辞めちまえ」
「これでバレたのか。ずるい!!」
そう言うと、ライナは周り一帯に雷を降らせた。
「お前、バカ!」
「うるさいうるさい!」
「大人気ないなぁ。ったく、もう終わりだ!」
「え?」
レイクは、雷が雨のように降る場所をすり抜けてライナのすぐ側に近づいた。そしてーー
「眠れ。スキル:スリープ」
ライナは可愛い寝息をたてながら寝た。
「えっと、お前たち大丈夫か?」
途中で俺とライナの戦いを見学していた、ミルドとティスミラとデールの3人の方を振り向いた。
「……あ、はい。大丈夫だよ」
「そうか。良かった。それで、ティスミラ、ナイフ出来たか?」
「はい。出来ました」
「おし、見せてくれ」
「ちょっと待った!!」
「ん、なんだよデール?」
「なんだよじゃないでしょ! 色々と聞きたいことがあるんですけど!! 今の戦いは何とか、その精霊は何とか、最後のやつをどうやって避けたのかとか、もう訳わかんない!」
「えー、そんな怒るなよ。一つづつ答えるから。今の戦いはただの戯れ。こいつは俺の、なんだろ? 俺が召喚した精霊だな。名前はライナだ、仲良くしてくれよ。んで、最後のはこう、ばばばって避けた」
「ん、んん? よく分からないわ。ちょっと、寝てくる」
「お、おう。お休み。じゃ、ティスミラ、ナイフを見せてくれ」
「切り替え早いですね。レイクさん」
そして、作ってもらったナイフを見ると、初めてとは思えない出来だった。
「凄いな。初めてで、武器ランクCのナイフを使ったのかよ」
「え、凄いんですか?」
「あぁ、凄いぞ。俺なんて、初めて作った武器は、武器ランクFだったんだぞ。ティスミラは、誰よりも凄い武器鍛治師になれるぞ」
「ほ、本当!!??」
「あぁ、本当だ。ティスミラのこれからが、楽しみだな!!」
「ふ、ふへへ」
ティスミラは顔を赤くして、嬉しそうにしていた。
翌日。俺はダンジョンに挑むためにダンジョンに向かった。ついに、テールマルクダンジョンを攻略するのだ。
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