転生を繰り返した最強は5つのダンジョンを制覇する

海月 結城

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第1章 テールマルク編

第20話 攻略間際

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祝20話!
ーーーーー、
 7階層に来たレイクは次々と襲いかかってくる魔物達と戦いながら、点々と歩くボスを探していた。

「ここまで雑魚が多いとめんどくさいな。よし、これからはボスだけを倒すか。スキル:隠密」

 隠密スキルを使った俺は、雑魚が目の前で湧いてもバレることは無かった。
 それでも、一つ気になることがあった。それはーー

「あのスライム。紫色?」

 そう、スライムの色が水色から紫色に変わったのだ。

「って、ことはあれは毒スライムか」

 スライムは色によって特徴が違う。今回のは紫色で毒スライムだったが、他にも、赤色だったら液を飛ばしたところ又は赤スライムが通った道に炎が上がる。など、色々な効果を持ったのがスライムだ。

 それから、数十分後。ボスを見つけた。

「うわ、毒スライムの大きい奴がボスか」

 ただ単に毒スライムが大きくなっただけじゃ無い。

「あいつ、分裂し始めやがった」

 大きいスライムは分裂をする事で、全ての核を壊さないと行けないのだ。

「スキル:投擲:双子」

 俺は、魔力を手に集めて固めたものを毒スライムに向かって投げた。そこで、双子のスキルが発動した。投げたものが二つに分裂を始めた。それも、一回だけじゃない。毒スライムに当たる寸前まで分裂していたのだ。その数、16384個の魔力に分裂していた。そして、その全てが毒スライムに降り注ぐ。

「あちゃー、やっちまったな」

 それが当たった地面はボコボコに凹凸ができ、毒スライムは跡形もなく消え去った。

「よし、階段探すか」

 それから直ぐに階段を見つけた。

「にしても、攻略者の数減ってきたな」

 今まで、階段を降りた先にはいくつかのキャンプ地が設置してあり、人もいたのだが、8階層になると人も減りキャンプ地の数も減っていた。
 そんな中、3人が俺の近くにやって来た。

「お疲れ。君は、新顔だね?」
「あ、お疲れ様です。最近攻略者になったので」
「ははは、そうかそうか」

 その人は、強面な感じのちょっと怖い感じの人かと思ったが、そうでもなく愉快な人だった。

「俺は、スカイルだ。こっちの2人は俺の仲間だ」
「僕は、ソーアだ。よろしくね」
「俺は、オランだよ。仲良くしようね」
「はい。俺は、レイクです。よろしくお願いします」
「ん、レイク?」
「レイクって言えば……」
「ペインスロードを解散させた、あのレイク?」
「え、えっと、まぁ、ははは」

 そう言うと、スカイルとソーアとオランは少し離れた所で少し話した後、戻って来た。

「「「ありがとう」」」

 戻って来て最初の一言目がそれだった。

「本当にありがとう。君のおかげでこの都市は救われた」
「そ、そんな事ないですよ」
「いーや、君はこの都市の英雄なんだ。そこで礼を受け取らないのは、酷いってもんだ」
「そ、そうですね。では、有り難くお礼を受け取ります」
「はっひ、君は面白いな! はっひ!」
「っ!?」
「すまんな、オランの笑い方は可笑しいんだよ」
「おいこら、スカイル。仲間とは言えそんな事ないだろ。なぁ、レイクもそう思うだろ」
「え、えっと、あ、あはは、はは」

 その後3人とは仲良くなり、俺は先を行くことにした。

「スキル:階層探知」

 もう、夕方になりかけている時間だったので、最短で階段を探すことにした。

「……見つけた」

 見つけたのは、毒スライムとコボルトの4パーティーだった。今回のボスはこいつららしい。
 反応のあった場所にでは、既に戦闘が起きていた。俺は、別のところで探そうとしたが。

「これ危なくねぇか?」

 先に戦っている人たちは怪我人を庇いながら戦っていたのだ。

「助けないと」

 俺は、ハンマーの形をいつもの剣の形に変えて走り出した。

「クソっ!」
「……俺は……もう……いい……逃げ……ろ……」
「何馬鹿なこと言ってるんだ! みんなで助かるんだ!!」
「で、でも、これどうするの……」
「一体、どうすれば……」

 もう、諦めかけているその時だった。

「伏せろ!!」

 その声に俺たちの身体は直ぐに反応し、身体を伏せさせると頭の上を何かが通過していった。その直後、目の前にいたコボルトから血が出て来た。

「え……?」
「……なにが、起きたの?」
(あいつ、怪我してるんだよな)
「スキル:回復」

 俺が、怪我人に回復スキルを使うと、その人の傷口がみるみる回復していった。

「お前たちは、そいつを安全な所まで連れて行け」
「あ、ありがとう」
「いいよ。んじゃ、また逢おうな。スキル:斬撃」

 俺が走って来た道には既に毒スライムとコボルトが立ち塞がっていたので、斬撃スキルで斬撃を飛ばして、強引に道を作り出した。

「さ、行け」
「恩にきる」

 そいつはそれだけを言うと走って消えていった。

「んじゃ、時間もないのでね。悪く思わないでくれよ」

 俺は、目を閉じた。

「スキル:集中・感知・斬撃・追尾・強化」

 一緒に使えるスキル数は5つが最大。それを最大限に使い、斬撃スキルを放つ。それを放った瞬間。俺は、斬撃を操り、全ての毒スライムとコボルトを消し去った。

「つっっっっっっっかれた! もう、幾分かは使いたくないな。これ疲れるんだよな。はぁ、後ポータル作って帰ろ」

 そして、俺は帰路に着いた。
 地上に戻ると、ダール達が俺の事を待っていてくれた。

「もう、遅いですよ」
「日が暮れちゃいますよ。レイクさん、帰りましょう」
「おう、そうだな……みんな、待っててくれてありがとうな」

 俺の、素直なお礼にみんなキョトンとしていた。

「当たり前ですよ」
「そうです~。当たり前ですよ~」

 俺は、みんなの暖かい視線に少し嬉しくなっていた。

 その翌日。俺はDGCsに来て、昨日のドロップ品を換金した。

「ありがとうね」
「こんな量を頼まれたのは久しぶりだよ。ま、次も待ってるよ」

 ギルドに戻り、みんなを集めた。

「みんなに、渡したい物がある」
「何ですか?」
「1人ずつ、来てくれ」

 1人ずつ並ばせ、俺はさっき換金して来たお金を手渡した。

「これ、何ですか?」
「それは、お小遣いだな。俺のギルドは契約書通り月払いだけど、それは、俺のギルドに入ってくれたお礼のお金でもある。大事に使ってくれよ」

 みんな、それぞれの喜び方をしてくれたので、俺にとっても嬉しい出来事だった。

「それじゃ、今日からは自由に行動してくれて構わない。鍛錬するもよし、遊びに行くのも良し。ダンジョンに行くのも良い。けど、ダンジョンには1人で入らないように。これは、必ず守ってくれよ。それと、これを君たち全員にプレゼントする。ミルドには渡したが、これからは自由行動だからな。何か危ない自体が起きた時、自分の身に何か起きた時それに向かって叫べ。いいな?」
「「「ありがとうございます!」」」

 それが、その後の人生でキーになるとは、みんな知らなかった。

 私は、ユウト様の命により地上に来た、クインナーだ。今は、情報を得るために酒場に来ていた。

「何それ、美味しい!!」
「そうか? ありがとうな。あんたの美味しそうに食う顔はいいな。良し、これはおまけだ」
「い、いいのか!?」
「あぁ、勿論だ」
「おお!! これも美味しい!!」
「ははは! そうかそうか!!」

 地上のご飯は美味しい。
ーーーーー
台風。気をつけて下さいね。
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