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おにぎりの試食
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クロたちが再び透明になり、僕たちはミルさん達が試合する会場に着いた。
「ミルさん達は何試合目かな?」
壁に貼られている試合表を見てみると、四つのブロックの中、それぞれ三つにミルさん、メイさん、イヤさんがそれぞれバラバラに設置されていた。
「最初の試合は、Aブロックのイヤさんか」
「見つけたのか?」
「うん。僕、ちょっとイヤさんに会って来るよ」
「それじゃあ、私たちで席取って待ってるよ」
「ありがとう!」
僕は、これから試合する人の控え室に行ってみた。
「すみません。この先は、選手では無い人は入れません」
「あぁ、そうです、よね」
僕は、とぼとぼと帰って行くと、後ろから僕の事を呼ぶ声が聞こえた。
「おーい! イサミくん!!」
その声は、選手以外立ち入り禁止の中からだった。
「あ! イヤさん!」
「久しぶりだね!」
「久しぶりって今日の朝も会いましたし、一昨日だって会ったじゃないですか」
「・・・え? 一昨日? まぁ、いいか。ねぇ、中で話しましょう! いいでしょ?」
「僕は良いですけど、中に入れないんですよ」
チラッと、警備の人を見ると、
「と、特別良いですよ」
と、言ってくれた。
イヤさんに連れられ、控え室に入った。
「さて、何しに来たの?」
「ただ、会いに来ただけですけど、応援しに来ました」
「あはは、素直だね。ま、嬉しいけどね」
「あ、そうだ。試合前ですし、これ食べますか?」
魔力袋からおにぎりを取り出した。
「ん? これはなんだ? 初めて見る食べ物だね」
「それは、おにぎりって言います。僕の父の領地で取れたお米と言うものを使った食べ物です」
「へー、それじゃ頂きます」
イヤさんが一口パクッと食べると、その状態で固まってしまった。
「あ、あれ? お、美味しくなかったですか?」
そう聞いても、イヤさんは動かない。
と、思ったら。バクバクッ! と、いきなり食べ始めた。
「う・・・」
「う?」
「うまかぁ!!」
「・・・え?」
「あ、えっと、すっごい美味い!! こんな美味しいもの初めて食べたよ」
「そ、それは良かった」
おにぎりは喜んでもらえた。にしても、うまかぁって方言? だよね?
「あ、あのさ……今の聞かなかった事に出来る?」
「え……あ、はい。ボクハナニモキイテマセン」
そこからは、沈黙が流れたが、その後直ぐにイヤさんは試合の時間になり部屋を出て行った。
「イヤさん。上で見守ってます。頑張ってくださいね」
「……ふふ。ありがとう。頑張るね」
控え室を出て、上に戻ると丁度試合が始まる寸前だった。
「イサミ! こっちこっち」
レイドの声は人混みの中でも耳によく届く。
「はーい」
手を振り返して、そっちに向かった。
「ミルさん達は何試合目かな?」
壁に貼られている試合表を見てみると、四つのブロックの中、それぞれ三つにミルさん、メイさん、イヤさんがそれぞれバラバラに設置されていた。
「最初の試合は、Aブロックのイヤさんか」
「見つけたのか?」
「うん。僕、ちょっとイヤさんに会って来るよ」
「それじゃあ、私たちで席取って待ってるよ」
「ありがとう!」
僕は、これから試合する人の控え室に行ってみた。
「すみません。この先は、選手では無い人は入れません」
「あぁ、そうです、よね」
僕は、とぼとぼと帰って行くと、後ろから僕の事を呼ぶ声が聞こえた。
「おーい! イサミくん!!」
その声は、選手以外立ち入り禁止の中からだった。
「あ! イヤさん!」
「久しぶりだね!」
「久しぶりって今日の朝も会いましたし、一昨日だって会ったじゃないですか」
「・・・え? 一昨日? まぁ、いいか。ねぇ、中で話しましょう! いいでしょ?」
「僕は良いですけど、中に入れないんですよ」
チラッと、警備の人を見ると、
「と、特別良いですよ」
と、言ってくれた。
イヤさんに連れられ、控え室に入った。
「さて、何しに来たの?」
「ただ、会いに来ただけですけど、応援しに来ました」
「あはは、素直だね。ま、嬉しいけどね」
「あ、そうだ。試合前ですし、これ食べますか?」
魔力袋からおにぎりを取り出した。
「ん? これはなんだ? 初めて見る食べ物だね」
「それは、おにぎりって言います。僕の父の領地で取れたお米と言うものを使った食べ物です」
「へー、それじゃ頂きます」
イヤさんが一口パクッと食べると、その状態で固まってしまった。
「あ、あれ? お、美味しくなかったですか?」
そう聞いても、イヤさんは動かない。
と、思ったら。バクバクッ! と、いきなり食べ始めた。
「う・・・」
「う?」
「うまかぁ!!」
「・・・え?」
「あ、えっと、すっごい美味い!! こんな美味しいもの初めて食べたよ」
「そ、それは良かった」
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「あ、あのさ……今の聞かなかった事に出来る?」
「え……あ、はい。ボクハナニモキイテマセン」
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「イヤさん。上で見守ってます。頑張ってくださいね」
「……ふふ。ありがとう。頑張るね」
控え室を出て、上に戻ると丁度試合が始まる寸前だった。
「イサミ! こっちこっち」
レイドの声は人混みの中でも耳によく届く。
「はーい」
手を振り返して、そっちに向かった。
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