52 / 151
強引
しおりを挟む
海の街カイガランスは、漁で栄えた街だ。
「磯の香りが良いなぁ」
「君たち、この街は初めてか?」
「はい。そうですが……」
話しかけて来たのは、1人のおじさんだった。
「貴方は?」
「私は、この街で漁師をやってるケダンだ。よろしく」
「あ、よろしくお願いします」
「にしても、君も凄い変な仲間を持ってるんだな」
そっか、僕はもうずっとこの仲間たちと一緒に居るけど、他の人たちから見たら獣揃いの変な奴って見えるのか。
「そうですか? 僕は慣れちゃいましたけど……」
「ははは! 君面白いな。よし、君この街に来てまだ宿屋とか見つけてないだろ? 私の家に来なさい!」
「……え? な、なんで?」
「なんでって、気に入ったからさ! さ、行くぞ!」
「え、ちょっ、待っ!!」
僕の手を握ってドシドシと歩いて行く。
「ご主人」
「どうした?」
「悪い奴じゃ無いから、付いていって良いと思うぞ」
お? クロがそんな事を言うなんて珍しい。
「そうか。分かった」
そのまま、僕は通信スキルでクロ達と話しながら連れられて行く。
「おーい! 居るかー? お客を連れて来たぞ!」
ドアを開けて、家の中に向かって大声をあげた。
「うるさいなぁ」
めんどくさそうに、頭をかきながら出て来たのは、1人の女性だった。
「おう! ただいま! お客だぞ」
「……は? お前がお客を連れてきただぁ? バカな事を言うんじゃ無いよ。どうせ、無理矢理連れて来たんだろ? なぁ?」
「あ、はは、ははは」
「ほらぁ。乾いた笑いだよ。全くお前は……」
そう言って、僕の目の前にやって来た。
「悪かったね。お詫びに、今日の朝に取れた魚を捌いてやるから、そこに座って待ってな」
有無を言わさずに、女性はキッチンに向かった。
「ほれ、そこに座ってろ。君たちも、ゆっくりして行ってくれ」
「わ、分かりました」
言われた通りに座り、机を挟んで向かい側にケダンさんが座った。
「そうだ。君の名前を聞いてなかったな。なんて名前だ?」
「あ、はい。僕はイサミって言います。この猫がクロで、こっちのもふもふの塊がモフラで、そっちのシルバーウルフがルルで、こっちの九尾がウミって言います。みんな、僕の家族です」
「そうか。みんな、よろしくな!」
それから、ケダンさんの漁での楽しかった事とか、怖かった話を聞きながら、魚を待っていた。
「磯の香りが良いなぁ」
「君たち、この街は初めてか?」
「はい。そうですが……」
話しかけて来たのは、1人のおじさんだった。
「貴方は?」
「私は、この街で漁師をやってるケダンだ。よろしく」
「あ、よろしくお願いします」
「にしても、君も凄い変な仲間を持ってるんだな」
そっか、僕はもうずっとこの仲間たちと一緒に居るけど、他の人たちから見たら獣揃いの変な奴って見えるのか。
「そうですか? 僕は慣れちゃいましたけど……」
「ははは! 君面白いな。よし、君この街に来てまだ宿屋とか見つけてないだろ? 私の家に来なさい!」
「……え? な、なんで?」
「なんでって、気に入ったからさ! さ、行くぞ!」
「え、ちょっ、待っ!!」
僕の手を握ってドシドシと歩いて行く。
「ご主人」
「どうした?」
「悪い奴じゃ無いから、付いていって良いと思うぞ」
お? クロがそんな事を言うなんて珍しい。
「そうか。分かった」
そのまま、僕は通信スキルでクロ達と話しながら連れられて行く。
「おーい! 居るかー? お客を連れて来たぞ!」
ドアを開けて、家の中に向かって大声をあげた。
「うるさいなぁ」
めんどくさそうに、頭をかきながら出て来たのは、1人の女性だった。
「おう! ただいま! お客だぞ」
「……は? お前がお客を連れてきただぁ? バカな事を言うんじゃ無いよ。どうせ、無理矢理連れて来たんだろ? なぁ?」
「あ、はは、ははは」
「ほらぁ。乾いた笑いだよ。全くお前は……」
そう言って、僕の目の前にやって来た。
「悪かったね。お詫びに、今日の朝に取れた魚を捌いてやるから、そこに座って待ってな」
有無を言わさずに、女性はキッチンに向かった。
「ほれ、そこに座ってろ。君たちも、ゆっくりして行ってくれ」
「わ、分かりました」
言われた通りに座り、机を挟んで向かい側にケダンさんが座った。
「そうだ。君の名前を聞いてなかったな。なんて名前だ?」
「あ、はい。僕はイサミって言います。この猫がクロで、こっちのもふもふの塊がモフラで、そっちのシルバーウルフがルルで、こっちの九尾がウミって言います。みんな、僕の家族です」
「そうか。みんな、よろしくな!」
それから、ケダンさんの漁での楽しかった事とか、怖かった話を聞きながら、魚を待っていた。
0
お気に入りに追加
241
あなたにおすすめの小説
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ボッチはハズレスキル『状態異常倍加』の使い手
Outlook!
ファンタジー
経緯は朝活動始まる一分前、それは突然起こった。床が突如、眩い光が輝き始め、輝きが膨大になった瞬間、俺を含めて30人のクラスメイト達がどこか知らない所に寝かされていた。
俺達はその後、いかにも王様っぽいひとに出会い、「七つの剣を探してほしい」と言われた。皆最初は否定してたが、俺はこの世界に残りたいがために今まで閉じていた口を開いた。
そしてステータスを確認するときに、俺は驚愕する他なかった。
理由は簡単、皆の授かった固有スキルには強スキルがあるのに対して、俺が授かったのはバットスキルにも程がある、状態異常倍加だったからだ。
※不定期更新です。ゆっくりと投稿していこうと思いますので、どうかよろしくお願いします。
カクヨム、小説家になろう、エブリスタにも投稿しています。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件
フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。
だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!?
体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる