45 / 151
ウミの家庭教師
しおりを挟む
妾は今、王妃様の娘の家庭教師をやっている。
「まずは、何から教えたら良いんだ?」
「そうね。魔法と護身術程度の剣と短剣の使い方。それと、出来れば勉強もお願いしたいわ」
「うむ。分かった。では、一度ご主人に話をしてくる」
「分かったわ。あ、報酬は弾むわよ」
「はは、楽しみにしてるぞ」
妾は久し振りにご主人のいる宿屋に帰った。
「た、ただいま」
部屋の扉を開けると、ご主人達が寝ていた。
「うわっ、羨ましい」
妾は、その光景に我慢出来ずに一緒に横になった。
「はぁ、久しぶりのご主人の匂いだ」
ご主人の匂いを近くで堪能していると、すぐ側から声が聞こえた。
「お帰り」
「っ!? ご主人。……起きてたのか……聞いてた?」
「えっとー、うん、まぁ」
「///恥ずかしい!」
尻尾で顔を隠すと、ご主人達が笑い出した。
「なっ!? みんな起きてたのか!?」
「まぁね」
「ご主人、良い匂い!」
「可愛かったよ。ウミ」
「うー、お姉ちゃんまでそんな事言わないでよ」
みんなでひとしきり笑いあった。
「そうだ。帰ってきていきなりだけど、明日から王宮に泊まりきりで王妃様の娘の家庭教師を請け負う事になった。報酬は弾むらしい」
「あー、そうなんだ。分かった。楽しんで来てね」
「うむ。終わったらすぐに帰ってくるからな。今日は、一緒に寝てくれないか?」
「まったく、可愛いな。良いよ。一緒に寝ようか」
その日の夜は、妾の尻尾をご主人が抱き枕にして寝ていた。
「……ご主人」
妾は、ご主人のサラサラした髪を撫でてやると、嬉しそうにご主人は、はにかんでいた。
「これからも、よろしくね。ご主人」
次の日から妾は、王宮に住み着いた。
「良いか? 魔法はイメージで放つ事が出来る。それは分かってるな?」
「はい。分かってます」
「それじゃ、君の一番適性の高い魔法を出して見なさい」
「は、はい」
その娘の周りに水が現れた。
「おー、流石王家の娘だね。こんなに強い適性は中々無いぞ」
「どうかな?」
「うん。流石だぞ! それじゃ、次は一番苦手な魔法をやってみて」
「……は、はい」
そして、その娘の目の前に、ちっちゃい炎がちょこっと生まれた。
「なるほどな。これで、適性が全部5/5か」
この娘の魔法適性が全て5/5なのだ。それを見たときは驚いたが、王家の一族という事で自分を納得させた。
「それで、これを全部の魔法を同じ程度の威力で出せるように、か。これは、大変だぞー」
そして、今日からウミの家庭教師生活が幕を開けた。
「まずは、何から教えたら良いんだ?」
「そうね。魔法と護身術程度の剣と短剣の使い方。それと、出来れば勉強もお願いしたいわ」
「うむ。分かった。では、一度ご主人に話をしてくる」
「分かったわ。あ、報酬は弾むわよ」
「はは、楽しみにしてるぞ」
妾は久し振りにご主人のいる宿屋に帰った。
「た、ただいま」
部屋の扉を開けると、ご主人達が寝ていた。
「うわっ、羨ましい」
妾は、その光景に我慢出来ずに一緒に横になった。
「はぁ、久しぶりのご主人の匂いだ」
ご主人の匂いを近くで堪能していると、すぐ側から声が聞こえた。
「お帰り」
「っ!? ご主人。……起きてたのか……聞いてた?」
「えっとー、うん、まぁ」
「///恥ずかしい!」
尻尾で顔を隠すと、ご主人達が笑い出した。
「なっ!? みんな起きてたのか!?」
「まぁね」
「ご主人、良い匂い!」
「可愛かったよ。ウミ」
「うー、お姉ちゃんまでそんな事言わないでよ」
みんなでひとしきり笑いあった。
「そうだ。帰ってきていきなりだけど、明日から王宮に泊まりきりで王妃様の娘の家庭教師を請け負う事になった。報酬は弾むらしい」
「あー、そうなんだ。分かった。楽しんで来てね」
「うむ。終わったらすぐに帰ってくるからな。今日は、一緒に寝てくれないか?」
「まったく、可愛いな。良いよ。一緒に寝ようか」
その日の夜は、妾の尻尾をご主人が抱き枕にして寝ていた。
「……ご主人」
妾は、ご主人のサラサラした髪を撫でてやると、嬉しそうにご主人は、はにかんでいた。
「これからも、よろしくね。ご主人」
次の日から妾は、王宮に住み着いた。
「良いか? 魔法はイメージで放つ事が出来る。それは分かってるな?」
「はい。分かってます」
「それじゃ、君の一番適性の高い魔法を出して見なさい」
「は、はい」
その娘の周りに水が現れた。
「おー、流石王家の娘だね。こんなに強い適性は中々無いぞ」
「どうかな?」
「うん。流石だぞ! それじゃ、次は一番苦手な魔法をやってみて」
「……は、はい」
そして、その娘の目の前に、ちっちゃい炎がちょこっと生まれた。
「なるほどな。これで、適性が全部5/5か」
この娘の魔法適性が全て5/5なのだ。それを見たときは驚いたが、王家の一族という事で自分を納得させた。
「それで、これを全部の魔法を同じ程度の威力で出せるように、か。これは、大変だぞー」
そして、今日からウミの家庭教師生活が幕を開けた。
0
お気に入りに追加
241
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
私のお父様とパパ様
棗
ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。
婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。
大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。
※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。
追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。
捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~
伽羅
ファンタジー
物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。
本編完結しました!
おまけをちょこちょこ更新しています。
第12回BL大賞、奨励賞をいただきました、読んでくださった方、応援してくださった方、投票してくださった方のおかげです、ほんとうにありがとうございました!
【完結】天候を操れる程度の能力を持った俺は、国を富ませる事が最優先!~何もかもゼロスタートでも挫けずめげず富ませます!!~
うどん五段
ファンタジー
幼い頃から心臓の悪かった中村キョウスケは、親から「無駄金使い」とののしられながら病院生活を送っていた。
それでも勉強は好きで本を読んだりニュースを見たりするのも好きな勤勉家でもあった。
唯一の弟とはそれなりに仲が良く、色々な遊びを教えてくれた。
だが、二十歳までしか生きられないだろうと言われていたキョウスケだったが、医療の進歩で三十歳まで生きることができ、家での自宅治療に切り替わったその日――階段から降りようとして両親に突き飛ばされ命を落とす。
――死んだ日は、土砂降りの様な雨だった。
しかし、次に目が覚めた時は褐色の肌に銀の髪をした5歳くらいの少年で。
自分が転生したことを悟り、砂漠の国シュノベザール王国の第一王子だと言う事を知る。
飢えに苦しむ国民、天候に恵まれないシュノベザール王国は常に飢えていた。だが幸いな事に第一王子として生まれたシュライは【天候を操る程度の能力】を持っていた。
その力は凄まじく、シュライは自国を豊かにするために、時に鬼となる事も持さない覚悟で成人と認められる15歳になると、頼れる弟と宰相と共に内政を始める事となる――。
※小説家になろう・カクヨムにも掲載中です。
無断朗読・無断使用・無断転載禁止。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる