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奇抜な魔物
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遺跡に入っていくと、中は洞窟のようになっていた。
「薄暗いな~。何故か明るいってやつがあるわけじゃないのか」
その遺跡はダンジョンではなかったので、周りが全く見えない暗さだった。
『カレン。明るくしてちょうだい』
「無理よ。私今魔法使えないんだから」
『あ、そうだった。忘れてたわ』
ヒューが少し唸り声をあげて、魔法を使った。
『これで、明るくなったでしょう』
「流石ヒュー。私より強いだけあるね」
中に入り直ぐ。学校の多目的ホールほどの大きさの空間に出た。そこには巨大な百足が居た。
「ひっ!」
『キモ!!』
カレンとヒューが悲鳴をあげた。
百足が足を動かすたびにギシギシと音が鳴り、常に鳥肌が止まらない。
「う~。今すぐ逃げたい」
『何言ってるの? 今戦わないと、この先あんな魔物が出てきたら戦えないわよ』
「分かってるけど、生理的に受け付けない訳じゃないないけど、気持ち悪いんだよ」
『そんなの、私も一緒だよ』
「それじゃ、この気持ち悪さを半分にして、一瞬で終わらせましょうか~」
そんなことを言っていると、百足がこっちに粘着糸を吐き出してきた。
「うわっ!? 何あいつ! 糸吐くとか百足じゃないじゃん!!」
『あれは、百足グモね』
「なに、冷静に分析しているのよ!?」
『あれよ、私よりパニクってる人を見ると逆に冷静になるあれよ』
「まぁ、分かるけどさ」
ヒューの言葉でカレンは落ち着きを取り戻した。
「百足と蜘蛛の合成か。火に弱そうね」
カレンが持ち出したのは、双剣の片方、火の双剣だ。
「さ、あの魔物を焼き尽くすわよ!」
魔力付与ができない今、双剣の元々の属性を頼ることにした。
『寒さにも弱そうね。私があの足を凍らせるからカレンは頭を切り裂いてちょうだい』
「了解!」
これじゃあ、どっちが従者か分からないな。
ヒューは氷のブレスを百足の足元に向かって放った。しかし、それを百足は糸を吐いて防いだ。
『まさか、あの糸にあんな使い方があるとは思わなかったわ』
「ちょっと、ヒューの氷が要なんだからね。ちゃんとやってよね」
『もー、分かってるわよ』
ヒューが全速力で百足グモの周りを飛び回る。百足グモは、それを目で追えずに、身体がぐるぐるに絡まってしまった。
『やりたい事とは違ったけど、これでいい?』
「最高!」
カレンが絡まった百足グモの頭めがけて剣を振り下ろす。
ザシュッと音が鳴った後、頭がゴロッと落ちた。
「ふー。これでこいつは終わりよね。遺跡もこれで終わればいいのに」
カレンがそんなことを独り言で言っているとヒューが遠くからカレンを呼んでいた。
『おーい! カレーン、こっちに道が出てきたわよ。行きましょう!!』
「うわっ、まじですか? もう、いやや~」
そんなことをカレンが言っていてもヒューが背中を押してくる為、家に帰る選択肢がなくなっている。
『早く行って家に帰りましょう!』
「も~。分かったよ。行きますよ~」
カレンたちは奥に続く道を進んでいく。
奥に進むと次は体育館ぐらいの大きさの広間に出てきた。
「なんか、ボスラッシュみたいな構造ね」
『なに、それ?』
「強力な個体が一体一体用意されていて、それを順番に倒していくものだよ」
『疲れるね。それ』
そして、今回のボスは背中に甲羅をつけたクマのようだ。
「薄暗いな~。何故か明るいってやつがあるわけじゃないのか」
その遺跡はダンジョンではなかったので、周りが全く見えない暗さだった。
『カレン。明るくしてちょうだい』
「無理よ。私今魔法使えないんだから」
『あ、そうだった。忘れてたわ』
ヒューが少し唸り声をあげて、魔法を使った。
『これで、明るくなったでしょう』
「流石ヒュー。私より強いだけあるね」
中に入り直ぐ。学校の多目的ホールほどの大きさの空間に出た。そこには巨大な百足が居た。
「ひっ!」
『キモ!!』
カレンとヒューが悲鳴をあげた。
百足が足を動かすたびにギシギシと音が鳴り、常に鳥肌が止まらない。
「う~。今すぐ逃げたい」
『何言ってるの? 今戦わないと、この先あんな魔物が出てきたら戦えないわよ』
「分かってるけど、生理的に受け付けない訳じゃないないけど、気持ち悪いんだよ」
『そんなの、私も一緒だよ』
「それじゃ、この気持ち悪さを半分にして、一瞬で終わらせましょうか~」
そんなことを言っていると、百足がこっちに粘着糸を吐き出してきた。
「うわっ!? 何あいつ! 糸吐くとか百足じゃないじゃん!!」
『あれは、百足グモね』
「なに、冷静に分析しているのよ!?」
『あれよ、私よりパニクってる人を見ると逆に冷静になるあれよ』
「まぁ、分かるけどさ」
ヒューの言葉でカレンは落ち着きを取り戻した。
「百足と蜘蛛の合成か。火に弱そうね」
カレンが持ち出したのは、双剣の片方、火の双剣だ。
「さ、あの魔物を焼き尽くすわよ!」
魔力付与ができない今、双剣の元々の属性を頼ることにした。
『寒さにも弱そうね。私があの足を凍らせるからカレンは頭を切り裂いてちょうだい』
「了解!」
これじゃあ、どっちが従者か分からないな。
ヒューは氷のブレスを百足の足元に向かって放った。しかし、それを百足は糸を吐いて防いだ。
『まさか、あの糸にあんな使い方があるとは思わなかったわ』
「ちょっと、ヒューの氷が要なんだからね。ちゃんとやってよね」
『もー、分かってるわよ』
ヒューが全速力で百足グモの周りを飛び回る。百足グモは、それを目で追えずに、身体がぐるぐるに絡まってしまった。
『やりたい事とは違ったけど、これでいい?』
「最高!」
カレンが絡まった百足グモの頭めがけて剣を振り下ろす。
ザシュッと音が鳴った後、頭がゴロッと落ちた。
「ふー。これでこいつは終わりよね。遺跡もこれで終わればいいのに」
カレンがそんなことを独り言で言っているとヒューが遠くからカレンを呼んでいた。
『おーい! カレーン、こっちに道が出てきたわよ。行きましょう!!』
「うわっ、まじですか? もう、いやや~」
そんなことをカレンが言っていてもヒューが背中を押してくる為、家に帰る選択肢がなくなっている。
『早く行って家に帰りましょう!』
「も~。分かったよ。行きますよ~」
カレンたちは奥に続く道を進んでいく。
奥に進むと次は体育館ぐらいの大きさの広間に出てきた。
「なんか、ボスラッシュみたいな構造ね」
『なに、それ?』
「強力な個体が一体一体用意されていて、それを順番に倒していくものだよ」
『疲れるね。それ』
そして、今回のボスは背中に甲羅をつけたクマのようだ。
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