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王都〜出発〜
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今私は東門にいて、商人さんと私と一緒の護衛の人を待っていた。
「やぁ、お待たせして申し訳ない。今回の護衛のリーダーをする、クラン金の爪のゴロクだ。よろしくな」
「同じく、金の爪のスズよ、よろしくね。「キュウ~」この子は、従魔のニャー子よ」
「ぼ、僕はルキと、申します。よ、よろしく」
「私は、カレンと言います。今回限りですが、よろしくお願いします」
それから、お互いに何を扱うのかを話し、上から順に、大剣、弓&従魔、杖&魔法といった感じだ。私は、ダガーが二本ともヒビが入り、壊したく無いし、使いたく無いので、今回は刀で参戦する。そのため、腰に吊るしてある。
「皆さん、もう集まっていますね」
「今日は、お願いします」
そう言って、馬車を3台引っ張り現れたのは、ショーンさんだった。
「あれ? ショーンさん?」
「やぁ、カレンさん。昨日ぶりですね」
「もしかして、このこと知ってたんですか?」
「昨日の夜、どんな護衛の人たちがいるのかを見てたら、カレンさんがいましてね、そこで知ったんですよ」
「な、なるほど」
「それでは、皆さん、護衛の方はよろしくお願いします」
それから、3台ある中で、私は1番前のショーンさんと同じ馬車に乗っている。金の爪の人たちは、ゴロクさんとルキさんが2番目の馬車に、スズさんと、ニャー子は3番目の馬車に乗っている。ニャー子は、ケルベロスの子供で、銀色の毛並みでとてもフサフサしていて、とても癒される。怪我しているところを介抱してあげたら、懐かれたらしい。
「それにしても、カレンさんが護衛でとても助かりましたよ」
「そうですか?」
「そうですよ。なんたって、この街の英雄様なんですからね」
「その呼び方は、やめてくださいよ。恥ずかしいです。そういえば、アランちゃんと、リサさんは?」
「2人は、家でゆっくりしてますよ。今回は、私だけで出荷してるんですよ」
アランちゃんは家に居るらしい。残念だ。
それから少し経ち、太陽が中天まで昇り、お腹が空いてきた。
「皆さん、ここで少し昼食を食べましょう」
「はぁ、今日も干し肉か」
私は、スズさんのそんなつぶやきが聞こえ、頭に「?」が浮かんだ。
「皆さん、干し肉食べるんですか?」
「そうだが。何か変か?」
「今から、昼食を作ろうかなと思ったんですが、一緒にどうですか?」
その言葉を聞き、金の爪の人たちと、ショーンさんまでもが、驚いていた。
「食材なんて持ってないのに、どうやって作るのよ」
私は、亜空間から昼食の食材と、鍋などを出した。
それを見て、また驚いていた。
「い、今、どこから出しました? ま、まさか、亜空間を使えるのですか?」
「そうですよ」
亜空間は、誰でも使える魔法だが、実際に使えるのは10万人に1人と言われている。なぜ、そこまで少ないのかと聞かれれば、習得の難しさが挙げられる。1つは、亜空間を空けるために必要なイメージが曖昧で、亜空間を空けることすらできない人が大半。亜空間を空けられても、魔力が足りず、使い物にならない大きさになる人が少数。この2つの理由から、誰でも使えるが、みんな使えない亜空間が出来上がるのだ。
それから、食材をみんなで切り、ワイワイと昼食を食べていた。そこで、ルキさんが、私にこう言った。
「あ、あの! ぼ、僕に、亜空間を教えてもらえませか!?」
「それは、いいですけど、色々と大丈夫ですか?」
「は、はい。ぼ、僕は、魔力は足りていて、い、イメージが出来れば、亜空間を使えると、い、言われたので」
「なら、移動中に教えますよ。ゴロクさん、今だけ、私と場所交換しませか?」
「おう! いいぜ」
それから、すぐに出発して、ルキさんに亜空間を教えた。
「では、ルキさん、教えますが覚悟はよろしいでしょうか?」
「は、はい! お、お願いします」
「まず、この世界とは違う世界、それが難しければ、この世界に繋がっていない部屋を想像して見てください。出来れば、大きい亜空間にしたいので、部屋も、出来るだけ大きくしてください」
「わ、わかりました」
☆☆☆
僕は今、カレンさんから亜空間を教えてもらっている。昔、挑戦したが魔力は足りている。後は、イメージだけだ! と言われていた。昔の亜空間を教えてくれた人も、よく分からないが、偶然やってみたら出来た人で、先生としては不十分だった。
しかし、そこに亜空間を意図的に使えるようになったと言っている、カレンさんに出会った。そこで僕は、チャンスだと思った。今まで、やりたくても出来なかった亜空間を習得できるのではないかと思ったから。
「まず、この世界とは違う世界、それが難しければ、この世界に繋がっていない部屋を想像して見てください。出来れば、大きい亜空間にしたいので、部屋も、出来るだけ大きくしてください」
「わ、わかりました」
この世界とは違う世界? 言っている意味がよく分からなかった。僕は今まで、この世界が唯一無二の存在だと思っていたのに、いきなり、違う世界と言われても、分かるはずがない。
でも、諦めることができない理由が僕にはあった。僕には、魔力があったが、昔から、固い、真面目すぎと、言われてきていた。魔法使いにとってはとても不向きな性格をしていた。そのせいで、型にハマった魔法しか使えなかった。そこで、出会ったのが、ゴロクさんとスズさんだった。この2人にはとても救われた。それを恩返しするために、僕は、やらないといけないんだ!
☆☆☆
違う世界。それは、何も存在していない草原。
「イメージ出来ました」
「出来たら、そこに繋がる穴を想像してみてください。そこにある空間をこじ開ける、又は、捻じ曲げるように空けてみてください」
そこにある壁を空けるように。ゆっくりとゆっくりと、壊れないように、穴を空ける。
ポチャン、キュイン!
そんな、音が聞こえ、今まで閉じていた目を開けた。すると、隣に出来上がってた。
「おめでとうございます! 亜空間、習得出来ましたよ!」
「これが、亜空間」
「試しに、何か入れてみてください。そこに何が入っているのかが分かるはずですよ」
そう言われて、近くにあった銅貨を1枚入れた。すると、亜空間を想像すると、銅貨が入っていることが、なんとなくわかった。
「すごい、本当にわかるようになってる。カレンさん! ありがとうございます」
「どういたしまして。それにしても、話し方変わりましたね?」
「はい。多分ですけど、今までは自分に自信が無かったからあんな喋り方だったんだと思います。今はそんなことがないので、喋り方が変わったんだと思います」
「それで、どのくらいの大きさの亜空間になりましたか?」
「地平線まで見える草原を想像しました」
私は、出来ても、部屋1部屋ほどだと思っていたのだ。それが、教えてみたら、ほぼ無限の容量の亜空間を習得していた。
「それは、凄いですね。でも、その条件だともしかしたら、亜空間の時間を止めることもできるかもしれませんね」
「やってみます」
「はぁ、出来ませんでした」
「それは、また今度ですね。自己練習で出来るように頑張ってくださいね」
「はい! 師匠!」
「えっ? 師匠?」
それから、師匠呼びをどうかしようとしたが、無理だった。
ルキさんの亜空間を習得し終わったのは日が傾き、沈みかけていた時だったので。夕食になった。
「やぁ、お待たせして申し訳ない。今回の護衛のリーダーをする、クラン金の爪のゴロクだ。よろしくな」
「同じく、金の爪のスズよ、よろしくね。「キュウ~」この子は、従魔のニャー子よ」
「ぼ、僕はルキと、申します。よ、よろしく」
「私は、カレンと言います。今回限りですが、よろしくお願いします」
それから、お互いに何を扱うのかを話し、上から順に、大剣、弓&従魔、杖&魔法といった感じだ。私は、ダガーが二本ともヒビが入り、壊したく無いし、使いたく無いので、今回は刀で参戦する。そのため、腰に吊るしてある。
「皆さん、もう集まっていますね」
「今日は、お願いします」
そう言って、馬車を3台引っ張り現れたのは、ショーンさんだった。
「あれ? ショーンさん?」
「やぁ、カレンさん。昨日ぶりですね」
「もしかして、このこと知ってたんですか?」
「昨日の夜、どんな護衛の人たちがいるのかを見てたら、カレンさんがいましてね、そこで知ったんですよ」
「な、なるほど」
「それでは、皆さん、護衛の方はよろしくお願いします」
それから、3台ある中で、私は1番前のショーンさんと同じ馬車に乗っている。金の爪の人たちは、ゴロクさんとルキさんが2番目の馬車に、スズさんと、ニャー子は3番目の馬車に乗っている。ニャー子は、ケルベロスの子供で、銀色の毛並みでとてもフサフサしていて、とても癒される。怪我しているところを介抱してあげたら、懐かれたらしい。
「それにしても、カレンさんが護衛でとても助かりましたよ」
「そうですか?」
「そうですよ。なんたって、この街の英雄様なんですからね」
「その呼び方は、やめてくださいよ。恥ずかしいです。そういえば、アランちゃんと、リサさんは?」
「2人は、家でゆっくりしてますよ。今回は、私だけで出荷してるんですよ」
アランちゃんは家に居るらしい。残念だ。
それから少し経ち、太陽が中天まで昇り、お腹が空いてきた。
「皆さん、ここで少し昼食を食べましょう」
「はぁ、今日も干し肉か」
私は、スズさんのそんなつぶやきが聞こえ、頭に「?」が浮かんだ。
「皆さん、干し肉食べるんですか?」
「そうだが。何か変か?」
「今から、昼食を作ろうかなと思ったんですが、一緒にどうですか?」
その言葉を聞き、金の爪の人たちと、ショーンさんまでもが、驚いていた。
「食材なんて持ってないのに、どうやって作るのよ」
私は、亜空間から昼食の食材と、鍋などを出した。
それを見て、また驚いていた。
「い、今、どこから出しました? ま、まさか、亜空間を使えるのですか?」
「そうですよ」
亜空間は、誰でも使える魔法だが、実際に使えるのは10万人に1人と言われている。なぜ、そこまで少ないのかと聞かれれば、習得の難しさが挙げられる。1つは、亜空間を空けるために必要なイメージが曖昧で、亜空間を空けることすらできない人が大半。亜空間を空けられても、魔力が足りず、使い物にならない大きさになる人が少数。この2つの理由から、誰でも使えるが、みんな使えない亜空間が出来上がるのだ。
それから、食材をみんなで切り、ワイワイと昼食を食べていた。そこで、ルキさんが、私にこう言った。
「あ、あの! ぼ、僕に、亜空間を教えてもらえませか!?」
「それは、いいですけど、色々と大丈夫ですか?」
「は、はい。ぼ、僕は、魔力は足りていて、い、イメージが出来れば、亜空間を使えると、い、言われたので」
「なら、移動中に教えますよ。ゴロクさん、今だけ、私と場所交換しませか?」
「おう! いいぜ」
それから、すぐに出発して、ルキさんに亜空間を教えた。
「では、ルキさん、教えますが覚悟はよろしいでしょうか?」
「は、はい! お、お願いします」
「まず、この世界とは違う世界、それが難しければ、この世界に繋がっていない部屋を想像して見てください。出来れば、大きい亜空間にしたいので、部屋も、出来るだけ大きくしてください」
「わ、わかりました」
☆☆☆
僕は今、カレンさんから亜空間を教えてもらっている。昔、挑戦したが魔力は足りている。後は、イメージだけだ! と言われていた。昔の亜空間を教えてくれた人も、よく分からないが、偶然やってみたら出来た人で、先生としては不十分だった。
しかし、そこに亜空間を意図的に使えるようになったと言っている、カレンさんに出会った。そこで僕は、チャンスだと思った。今まで、やりたくても出来なかった亜空間を習得できるのではないかと思ったから。
「まず、この世界とは違う世界、それが難しければ、この世界に繋がっていない部屋を想像して見てください。出来れば、大きい亜空間にしたいので、部屋も、出来るだけ大きくしてください」
「わ、わかりました」
この世界とは違う世界? 言っている意味がよく分からなかった。僕は今まで、この世界が唯一無二の存在だと思っていたのに、いきなり、違う世界と言われても、分かるはずがない。
でも、諦めることができない理由が僕にはあった。僕には、魔力があったが、昔から、固い、真面目すぎと、言われてきていた。魔法使いにとってはとても不向きな性格をしていた。そのせいで、型にハマった魔法しか使えなかった。そこで、出会ったのが、ゴロクさんとスズさんだった。この2人にはとても救われた。それを恩返しするために、僕は、やらないといけないんだ!
☆☆☆
違う世界。それは、何も存在していない草原。
「イメージ出来ました」
「出来たら、そこに繋がる穴を想像してみてください。そこにある空間をこじ開ける、又は、捻じ曲げるように空けてみてください」
そこにある壁を空けるように。ゆっくりとゆっくりと、壊れないように、穴を空ける。
ポチャン、キュイン!
そんな、音が聞こえ、今まで閉じていた目を開けた。すると、隣に出来上がってた。
「おめでとうございます! 亜空間、習得出来ましたよ!」
「これが、亜空間」
「試しに、何か入れてみてください。そこに何が入っているのかが分かるはずですよ」
そう言われて、近くにあった銅貨を1枚入れた。すると、亜空間を想像すると、銅貨が入っていることが、なんとなくわかった。
「すごい、本当にわかるようになってる。カレンさん! ありがとうございます」
「どういたしまして。それにしても、話し方変わりましたね?」
「はい。多分ですけど、今までは自分に自信が無かったからあんな喋り方だったんだと思います。今はそんなことがないので、喋り方が変わったんだと思います」
「それで、どのくらいの大きさの亜空間になりましたか?」
「地平線まで見える草原を想像しました」
私は、出来ても、部屋1部屋ほどだと思っていたのだ。それが、教えてみたら、ほぼ無限の容量の亜空間を習得していた。
「それは、凄いですね。でも、その条件だともしかしたら、亜空間の時間を止めることもできるかもしれませんね」
「やってみます」
「はぁ、出来ませんでした」
「それは、また今度ですね。自己練習で出来るように頑張ってくださいね」
「はい! 師匠!」
「えっ? 師匠?」
それから、師匠呼びをどうかしようとしたが、無理だった。
ルキさんの亜空間を習得し終わったのは日が傾き、沈みかけていた時だったので。夕食になった。
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