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魔法少女キララ 登場!
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「きゃあああ! 助けてぇ!!」
とある王国の王都の片隅で、若い女性の悲鳴が響いた。
女性は路地裏に逃げ込み、行き止まりで身を守るように小さくなって震えていた。
彼女のつぶらな瞳には、薄らと涙が浮かんでいた。
「へっへっへ。もう逃げ場はないぜ」
「大人しくついて来てもらおうか」
二人組の男達がゲスい笑みを浮かべて、女性を壁際に追い詰めていた。
のっぽと小太りの二人組の悪党だ。
「まっちなさーい!!」
その時、少女の気合の入った声が高らかに響いた。
「ぬっ!?」
「何者だ!?」
男達はキョロキョロと辺りを見回した。
だが、ここは路地の行き止まり。どこにも先ほどの声の主は見当たらなかった。
「私はここよ! とうっ! 愛と拳の魔法少女キララ、参上!!」
路地裏の家の屋根から、少女が華麗に舞い降りて来た。
彼女は危なげなく地面にシュタッと着地すると、キュピーーーン⭐︎と決めポーズをとった。
少女が着ているのは、見たこともない白とオレンジ色を基調としたファンシーな衣装で、丈の短いキュロットスカートからは、長くて健康そうな脚が伸びている。衣装の胸元や腰に飾られた大きなリボンは、風になびいてゆらゆらと揺れている。
少女の明るく元気そうなオレンジブラウン色の髪はツインテールにまとめられ、意志の強そうな栗色の瞳は、悪党達をキリッと睨みつけていた。
「な、なんだコイツは!?」
「でも、よく見りゃ結構可愛い顔してんじゃねぇか。コイツも連れて行こうぜ!」
悪党達は驚きつつも、獲物が増えたとばかりに、ニヤリと更にゲスい笑みを深めた。
「キララ! 必殺技を使うにゃん!」
突然、握り拳大の大きさの光の玉がふわりと現れ、可愛らしい声でキララに向かって叫んだ。
光の玉には、きゅるきゅると涙がちな丸いお目々と、子猫のようなマズルが付いていた。そして、光に埋もれて、小さな垂れ耳まで付いている。
「分かったわ、にゃんタロー! マッスルシャイン⭐︎愛と拳のマジカルステッキ!!!」
キララは、オレンジ色に光る魔石がてっぺんに付いたファンシーなステッキを天に掲げた。
ステッキの先から、キラキラと虹色の光が溢れ出る。
その虹色の光は、キララの両手の拳にリボンのようにくるくるとまとわり付いていった。
そして、まるで光のグローブのように、彼女の拳をキラキラと覆う。
キララは、さっきまで掲げていたステッキを腰にあるホルダーに納めた。
「結局ステッキとやらは使わねぇのかよっ!!?」
のっぽな方の悪党が、勢いよくツッコミを入れた。
「キララの怪力じゃ、ステッキの方がもたないにゃん!」
光の玉は、空中でくるりと回って自慢げに言った。
「にゃんタロー! 勝手に乙女の秘密をバラさないで!! 後でしばくわよ!」
キララは光の玉を叱った。
「に゛ゃー!!」
にゃんタローと呼ばれた光の玉は、盛大にビビッて、慌てて物陰に隠れてしまった。
「チッ! かまわねぇ、やっちまおうぜ!!」
小太りの方の悪党が叫んだ。拳を振り上げて、キララに襲いかかる。
のっぽな方の悪党も「おうっ!」と答えて、それに続く。
キララは口から細く長く息を吐き、まるで何か奥義を発動させるかのように、ゆら~りと腕を大きく円を描くように回した。彼女の拳を彩る虹色の輝きも、キラキラと煌めいて残像を残していく。
キララはスッと腰を落とすと、ゆっくりと流れるようにファイティングポーズをとった。
そして、カッと栗色の瞳を大きく見開いた。
「はぁあっ!! キララ⭐︎スマッシュ!!!」
キララの爆裂拳が炸裂した。重く素早い拳が、悪党達のボディや顔面へとクリーンヒットしていく。
ヒットするたびに、虹色の輝きが、キラキラ⭐︎バチバチと彼女の拳から放たれた。
「魔法少女キララの必殺技にゃ! 虹色に輝く素手喧嘩で悪党どもをノック・アウトにゃ!」
にゃんタローは、いつの間にか物陰から出て来ていた。キララに声援を送るように声をあげる。
「ラッシュ⭐︎ラッシュ⭐︎ウララララァッ!!!」
キララは最後に華麗にアッパーカットを決めた。
悪党達は綺麗に弧を描くように宙を舞い、次の瞬間にはドシャッと地面に沈んだ。
そして、虹色の光が爆発するようにドォーン⭐︎と空に向かって立ち上がった。
「やったぁ! 魔法少女キララの勝利にゃあ!!」
にゃんタローは、可愛い声で勝鬨をあげた。
「大丈夫ですか?」
キララは、壁際で怯えていた女性に手を差し伸べた。
「……え、ええ。ありがとうございます……」
女性はおそるおそる、キララの方に手を伸ばした。
——その時、
「待て!」
男性の低く鋭い声が響いた。
「何者っ!?」
キララは声がした方を振り返った。そして、見惚れてしまった。
そこには、軍服風の真っ黒な制服をキリッと着こなした男性が立っていた。
彼の魔術師のように長く伸ばされたヘーゼル色の髪は、緩やかな三つ編みにされ、夜の風に優雅になびいていた。
男性は、鼻筋のスッと通った端正な顔立ちで、気難しそうに眉を顰めてキララ達を見つめていた。
(……か、かっこいい……)
何かがズキュン⭐︎と、キララの小さな胸を撃ち抜いた。
「その杖は置いていってもらおうか」
その男性は気難しそうな表情のまま、ゆっくりと大きな手を伸ばしてきた。
「げぇ! アイツはヤバいにゃん! キララ、逃げるにゃん!! にゃにゃっ!!!」
「えっ? にゃんタロー!?」
にゃんタローが慌ててポイポイッと玉型の魔道具を投げると、それが破裂してモクモクと大量の煙が舞い上がった。
辺りが煙に包まれると、にゃんタローはキララを連れて転移していた。
「くっ! 魔術煙幕か!?」
男性の悔しそうな呟きが、煙に巻かれて流されていった。
とある王国の王都の片隅で、若い女性の悲鳴が響いた。
女性は路地裏に逃げ込み、行き止まりで身を守るように小さくなって震えていた。
彼女のつぶらな瞳には、薄らと涙が浮かんでいた。
「へっへっへ。もう逃げ場はないぜ」
「大人しくついて来てもらおうか」
二人組の男達がゲスい笑みを浮かべて、女性を壁際に追い詰めていた。
のっぽと小太りの二人組の悪党だ。
「まっちなさーい!!」
その時、少女の気合の入った声が高らかに響いた。
「ぬっ!?」
「何者だ!?」
男達はキョロキョロと辺りを見回した。
だが、ここは路地の行き止まり。どこにも先ほどの声の主は見当たらなかった。
「私はここよ! とうっ! 愛と拳の魔法少女キララ、参上!!」
路地裏の家の屋根から、少女が華麗に舞い降りて来た。
彼女は危なげなく地面にシュタッと着地すると、キュピーーーン⭐︎と決めポーズをとった。
少女が着ているのは、見たこともない白とオレンジ色を基調としたファンシーな衣装で、丈の短いキュロットスカートからは、長くて健康そうな脚が伸びている。衣装の胸元や腰に飾られた大きなリボンは、風になびいてゆらゆらと揺れている。
少女の明るく元気そうなオレンジブラウン色の髪はツインテールにまとめられ、意志の強そうな栗色の瞳は、悪党達をキリッと睨みつけていた。
「な、なんだコイツは!?」
「でも、よく見りゃ結構可愛い顔してんじゃねぇか。コイツも連れて行こうぜ!」
悪党達は驚きつつも、獲物が増えたとばかりに、ニヤリと更にゲスい笑みを深めた。
「キララ! 必殺技を使うにゃん!」
突然、握り拳大の大きさの光の玉がふわりと現れ、可愛らしい声でキララに向かって叫んだ。
光の玉には、きゅるきゅると涙がちな丸いお目々と、子猫のようなマズルが付いていた。そして、光に埋もれて、小さな垂れ耳まで付いている。
「分かったわ、にゃんタロー! マッスルシャイン⭐︎愛と拳のマジカルステッキ!!!」
キララは、オレンジ色に光る魔石がてっぺんに付いたファンシーなステッキを天に掲げた。
ステッキの先から、キラキラと虹色の光が溢れ出る。
その虹色の光は、キララの両手の拳にリボンのようにくるくるとまとわり付いていった。
そして、まるで光のグローブのように、彼女の拳をキラキラと覆う。
キララは、さっきまで掲げていたステッキを腰にあるホルダーに納めた。
「結局ステッキとやらは使わねぇのかよっ!!?」
のっぽな方の悪党が、勢いよくツッコミを入れた。
「キララの怪力じゃ、ステッキの方がもたないにゃん!」
光の玉は、空中でくるりと回って自慢げに言った。
「にゃんタロー! 勝手に乙女の秘密をバラさないで!! 後でしばくわよ!」
キララは光の玉を叱った。
「に゛ゃー!!」
にゃんタローと呼ばれた光の玉は、盛大にビビッて、慌てて物陰に隠れてしまった。
「チッ! かまわねぇ、やっちまおうぜ!!」
小太りの方の悪党が叫んだ。拳を振り上げて、キララに襲いかかる。
のっぽな方の悪党も「おうっ!」と答えて、それに続く。
キララは口から細く長く息を吐き、まるで何か奥義を発動させるかのように、ゆら~りと腕を大きく円を描くように回した。彼女の拳を彩る虹色の輝きも、キラキラと煌めいて残像を残していく。
キララはスッと腰を落とすと、ゆっくりと流れるようにファイティングポーズをとった。
そして、カッと栗色の瞳を大きく見開いた。
「はぁあっ!! キララ⭐︎スマッシュ!!!」
キララの爆裂拳が炸裂した。重く素早い拳が、悪党達のボディや顔面へとクリーンヒットしていく。
ヒットするたびに、虹色の輝きが、キラキラ⭐︎バチバチと彼女の拳から放たれた。
「魔法少女キララの必殺技にゃ! 虹色に輝く素手喧嘩で悪党どもをノック・アウトにゃ!」
にゃんタローは、いつの間にか物陰から出て来ていた。キララに声援を送るように声をあげる。
「ラッシュ⭐︎ラッシュ⭐︎ウララララァッ!!!」
キララは最後に華麗にアッパーカットを決めた。
悪党達は綺麗に弧を描くように宙を舞い、次の瞬間にはドシャッと地面に沈んだ。
そして、虹色の光が爆発するようにドォーン⭐︎と空に向かって立ち上がった。
「やったぁ! 魔法少女キララの勝利にゃあ!!」
にゃんタローは、可愛い声で勝鬨をあげた。
「大丈夫ですか?」
キララは、壁際で怯えていた女性に手を差し伸べた。
「……え、ええ。ありがとうございます……」
女性はおそるおそる、キララの方に手を伸ばした。
——その時、
「待て!」
男性の低く鋭い声が響いた。
「何者っ!?」
キララは声がした方を振り返った。そして、見惚れてしまった。
そこには、軍服風の真っ黒な制服をキリッと着こなした男性が立っていた。
彼の魔術師のように長く伸ばされたヘーゼル色の髪は、緩やかな三つ編みにされ、夜の風に優雅になびいていた。
男性は、鼻筋のスッと通った端正な顔立ちで、気難しそうに眉を顰めてキララ達を見つめていた。
(……か、かっこいい……)
何かがズキュン⭐︎と、キララの小さな胸を撃ち抜いた。
「その杖は置いていってもらおうか」
その男性は気難しそうな表情のまま、ゆっくりと大きな手を伸ばしてきた。
「げぇ! アイツはヤバいにゃん! キララ、逃げるにゃん!! にゃにゃっ!!!」
「えっ? にゃんタロー!?」
にゃんタローが慌ててポイポイッと玉型の魔道具を投げると、それが破裂してモクモクと大量の煙が舞い上がった。
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