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グリムフォレスト3
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レイたちが案内されたのは、領主館の小さな応接室だった。
壁に飾られた家族の肖像画、落ち着いたグリーン色のベルベットのカーテン、魔道具ではなく、蝋燭を灯すタイプの年代物のシャンデリア。煉瓦造りの暖炉には、パチパチと小さく爆ぜる火が入れられ、部屋は暖められていた。
大きなガラス窓からは、シルルベルクの美しい街並みが望めた。
そして、年代物の長テーブルに用意されていた客人用の椅子は、一脚。
案内が終わったメイドは一礼をして、さっさと部屋から下がってしまった。
「……ふぅん、そうきたか」
ハムレットは、色鮮やかな黄金眼を眇めて、一脚しかない椅子を見つめた。
オリヴァーは無言で、眉間に険しい皺を寄せていた。
「レイには悪いけど、この椅子には私が座るよ。交渉も私がやるから、二人は軍人らしく私の後ろに立っていてもらえるかな?」
ハムレットはさっさと椅子に座って長い脚を組むと、二人に確認した。
「……分かりました」
「? 分かりました」
オリヴァーは険しい表情のまま、レイは訳が分からないままだったが、相槌を打った。
しばらくして応接室の扉がノックされ、レスタリア領の領主が入って来た。
三十代ぐらいの男性で、短いブラウン色の髪はきっちりと整えられ、隙の無い笑顔を顔に貼り付けていた。
一瞬、ハムレットの後ろに立っているオリヴァーとレイに視線を向けた時には、グレー色の瞳は剣呑な色を含んでいた。
「よくぞいらしてくださいました、ラングフォード魔術伯爵」
にこやかに、領主が挨拶をした。
「ご無沙汰しております。レスタリア卿もお元気そうで何よりです」
ハムレットも、社交的な笑みを浮かべて返す。
「早速ですが、グリムフォレストで起こった山火事の跡に、水を撒いてくださると伺ったのですが」
領主は席に着くと、口火を切った。
「ええ、魔術的な処置ですね。草木の再生を促すものです」
ハムレットは鷹揚に頷いた。
「その件についてですが、ご存知の通り、現在我が領ではここ数ヶ月雨が降っておらず、水不足でしてね。森に水を撒くというのでしたら、むしろ、街の方に融通していただけないかと」
領主は、ハムレットの出方を窺いつつ、真っ直ぐに見つめた。
「おや? 中央からは、グリムフォレストの火事跡に水を撒くよう言われて来ているのですが。それに、ティターニアからの要請です。違える訳にはいきませんよ」
「……ええ、そのようですね。ですが、水量を調整することは可能でしょう? ラングフォード魔術伯爵が水の最上位魔術師だという噂は、かねがね伺っております。多少、森に撒く水を減らして、シルルベルクの街のためにお恵みいただいても、感謝されこそすれ、誰も文句は言わないでしょう」
「レスタリア卿。私には水竜王様から賜った制約がございます。遺憾ながら、私が水魔術をこの地で使用するには、多大な制限が設けられているのです」
ハムレットは、困ったような表情を浮かべた。残念そうに、小さくふるふると首を横に振る。
(……一体、どの口が……)
レイは、わざとらしいハムレットの仕草に、思わずじと目になって、彼の後頭部を見つめた。
ふと隣を見上げれば、オリヴァーがやけに渋い顔をしていた。
「その件につきましても、ご相談したいことが。我々としては水竜王様に何ら害意は無く、かの方とは何か行き違いがあったとしか……是非とも、ラングフォード魔術伯爵には口添えしていただきたく」
「ふぅん……」
領主のへりくだった態度に、ハムレットは考え込む様子で色鮮やかな黄金眼を眇めた。
ハムレットは、表向きは水竜王と人間との間を取り持つ、水竜王の代弁者として魔術伯爵の地位を得ていた。
水竜王と交渉したい者は、必ずラングフォード魔術伯爵であるハムレットを通して行うことになる。
(……その竜が、当の水竜王様ですよ)
レイは心の中で、ささやかなツッコミを入れた。
領主が、応接室の端に控えていた侍従に視線を向けると、侍従は小さく頷いて、部屋の出入り口の扉を開けた。
「失礼します」
扉が開くと、一人の女性が入って来た。
緑色の長い髪を腰まで伸ばした、若くて綺麗な女性だ。
たれ目の優しげな顔立ちだが、グレー色の瞳は曇り空のようにどこか憂鬱そうだった。
静々と歩く姿は品が良く、彼女は領主の近くで立ち止まると、ハムレットたちの方へ向き直った。
「紹介します、妹のアルマです。教会で聖女をしていたのですが、レスタリア領が大変な状況だと知って、しばらく私の手伝いをするために戻って来てくれたのです。とても心優しい子ですよ」
領主は、にこやかにアルマのことを紹介をした。
アルマは「アルマ・レスタリアです。よろしくお願いします」と、ドレスのスカートを摘み、美しいカーテーシーを披露した。
「よろしく、アルマ嬢。ハムレット・ラングフォードです。まさか、こんな美しいお嬢さんと出会えるとは。私は果報者ですね」
ハムレットはキラキラしい笑顔を浮かべ、さらりと口説き文句を口にした。
(!? ……こ、これは! 絶対に、水竜王様に効く!!)
レイは、分かりやすく、かつ、非常に効果的な水竜王対策に、内心慄いていた。
ふと隣を見上げれば、オリヴァーが蔑んだような視線をハムレットの後頭部に投げかけていた。
「ラングフォード魔術伯爵がもしよろしければ、シルルベルクにいる間はアルマに案内をさせましょう」
「ええ、是非とも。そうしていただけるとありがたいです」
領主の提案に、ハムレットはいい笑顔で快諾していた。
レイとオリヴァーは何とも言えない表情で、ハムレットの後頭部を睨みつけていた。
***
「……さて。随分とおかしなことになっているね……」
ハムレットが、溜め息を溢した。
現在、ハムレットの部屋に、オリヴァーとレイが訪れていた。
ハムレットに用意されていたのは、貴族の来客用の上等な部屋だ。その室内に、ハムレットは入念に防音結界を敷き、会話が部屋の外に漏れ出さないようにしていた。
なお、オリヴァーとレイには、使用人向けの客室が宛てがわれていた。
「領主は、妖精自治区がレスタリア領よりも優先されているのが、気に食わないようだね。随分と仄暗い感情を持っているみたいだったよ。それに、かなりの焦りも感じたよ。まぁ、水不足が数ヶ月にも及んでいるからね、その気持ちも分からなくはないかな」
ハムレットは、客室のソファでくつろぎながら、うんざりと口にした。
「……なぜ、そのようなことがお分かりになるので?」
オリヴァーが訝しげに尋ねた。彼は腕を組み、客室の壁に背を預けていた。
「水魔力は感応を得意とするからね。普段は煩わしいからスイッチは切っているんだけど、さすがに今回は使わせてもらったよ。相手の感情を知れば、交渉を有利に進められるからね」
ハムレットはこともなげに答えた。
「それにしても、いつの間にラングフォード魔術伯爵が、グリムフォレストに水を撒くということになったのでしょうか? 私の役目のはずですよね?」
レイが、ハムレットの向かいのソファに座り、小首を傾げた。
「私は一応、この国一番の水魔術師ということになっているからね。『水を撒く』ということで、レイではなく私がやると勘違いされたのかもね。……まぁ、それはそれで良かったのかも知れないね」
ハムレットは、少し考え込むように顎先に指を載せた。
「? どうしてですか?」
レイがきょとんとして尋ねた。
「おそらく、あの領主のことだ。アルマ嬢をラングフォード魔術伯爵につけて、グリムフォレストへ向かうのを邪魔してくるだろう」
オリヴァーが、薄らと眉間に皺を寄せて答えた。
「そう。それに、あわよくばこれを機に水不足も解消したいようだしね。こんな回りくどいことはせずに、正式にラングフォード領に謝罪をすればいいのに」
ハムレットは肩をすくめた。
「そうすると、領主とアルマ嬢への対応は、ラングフォード魔術伯爵にお任せしてよろしいでしょうか? 我々はその間に、グリムフォレストへ向かいます。きっとティターニアも首を長くしてお待ちです」
「……そうだね。私もレイのそばについて行きたかったけど、今回はその方がいいかな。ゾーイを待たせるのは得策ではないし、領主たちもしつこそうだからね……」
オリヴァーが提案すると、ハムレットは残念そうに小さく息を漏らした。
「でも、アルマさんがいらっしゃった時は、とても嬉しそうにされてましたよね」
レイがじと目でハムレットを見つめた。
「おや? 妬いてくれてるのかな?」
ハムレットはレイを見つめて、嬉しそうに笑顔を綻ばせた。
レイは間髪入れずに「違います」と答えたが、ハムレットは気にすることなく続きを話し始めた。
「アルマ嬢にも何かあるみたいだね。何か決意めいたものを感じたよ。だから、一旦、彼らの策に乗ろうかな」
ハムレットはどこかいたずらっぽく笑った。
(……絶対に、それだけじゃないでしょ……)
レイは、ますます疑わしげに目を眇めた。
「それでは、我々は明日の朝早くにここを出立します。それで、大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
オリヴァーに確認され、レイはしっかりと頷いた。
ハムレットは「あぁ、私のレイが他の男とデートに行ってしまう~」と頭を抱えて嘆いていた。
レイはキッパリと「私はラングフォード魔術伯爵のものではないですし、今回のはお仕事であって、デートでもありません!」と言い残して、さっさとハムレットの部屋を出た。
壁に飾られた家族の肖像画、落ち着いたグリーン色のベルベットのカーテン、魔道具ではなく、蝋燭を灯すタイプの年代物のシャンデリア。煉瓦造りの暖炉には、パチパチと小さく爆ぜる火が入れられ、部屋は暖められていた。
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そして、年代物の長テーブルに用意されていた客人用の椅子は、一脚。
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「……分かりました」
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一瞬、ハムレットの後ろに立っているオリヴァーとレイに視線を向けた時には、グレー色の瞳は剣呑な色を含んでいた。
「よくぞいらしてくださいました、ラングフォード魔術伯爵」
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「ご無沙汰しております。レスタリア卿もお元気そうで何よりです」
ハムレットも、社交的な笑みを浮かべて返す。
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「ええ、魔術的な処置ですね。草木の再生を促すものです」
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(……一体、どの口が……)
レイは、わざとらしいハムレットの仕草に、思わずじと目になって、彼の後頭部を見つめた。
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「その件につきましても、ご相談したいことが。我々としては水竜王様に何ら害意は無く、かの方とは何か行き違いがあったとしか……是非とも、ラングフォード魔術伯爵には口添えしていただきたく」
「ふぅん……」
領主のへりくだった態度に、ハムレットは考え込む様子で色鮮やかな黄金眼を眇めた。
ハムレットは、表向きは水竜王と人間との間を取り持つ、水竜王の代弁者として魔術伯爵の地位を得ていた。
水竜王と交渉したい者は、必ずラングフォード魔術伯爵であるハムレットを通して行うことになる。
(……その竜が、当の水竜王様ですよ)
レイは心の中で、ささやかなツッコミを入れた。
領主が、応接室の端に控えていた侍従に視線を向けると、侍従は小さく頷いて、部屋の出入り口の扉を開けた。
「失礼します」
扉が開くと、一人の女性が入って来た。
緑色の長い髪を腰まで伸ばした、若くて綺麗な女性だ。
たれ目の優しげな顔立ちだが、グレー色の瞳は曇り空のようにどこか憂鬱そうだった。
静々と歩く姿は品が良く、彼女は領主の近くで立ち止まると、ハムレットたちの方へ向き直った。
「紹介します、妹のアルマです。教会で聖女をしていたのですが、レスタリア領が大変な状況だと知って、しばらく私の手伝いをするために戻って来てくれたのです。とても心優しい子ですよ」
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アルマは「アルマ・レスタリアです。よろしくお願いします」と、ドレスのスカートを摘み、美しいカーテーシーを披露した。
「よろしく、アルマ嬢。ハムレット・ラングフォードです。まさか、こんな美しいお嬢さんと出会えるとは。私は果報者ですね」
ハムレットはキラキラしい笑顔を浮かべ、さらりと口説き文句を口にした。
(!? ……こ、これは! 絶対に、水竜王様に効く!!)
レイは、分かりやすく、かつ、非常に効果的な水竜王対策に、内心慄いていた。
ふと隣を見上げれば、オリヴァーが蔑んだような視線をハムレットの後頭部に投げかけていた。
「ラングフォード魔術伯爵がもしよろしければ、シルルベルクにいる間はアルマに案内をさせましょう」
「ええ、是非とも。そうしていただけるとありがたいです」
領主の提案に、ハムレットはいい笑顔で快諾していた。
レイとオリヴァーは何とも言えない表情で、ハムレットの後頭部を睨みつけていた。
***
「……さて。随分とおかしなことになっているね……」
ハムレットが、溜め息を溢した。
現在、ハムレットの部屋に、オリヴァーとレイが訪れていた。
ハムレットに用意されていたのは、貴族の来客用の上等な部屋だ。その室内に、ハムレットは入念に防音結界を敷き、会話が部屋の外に漏れ出さないようにしていた。
なお、オリヴァーとレイには、使用人向けの客室が宛てがわれていた。
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ハムレットは、客室のソファでくつろぎながら、うんざりと口にした。
「……なぜ、そのようなことがお分かりになるので?」
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ハムレットはこともなげに答えた。
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「私は一応、この国一番の水魔術師ということになっているからね。『水を撒く』ということで、レイではなく私がやると勘違いされたのかもね。……まぁ、それはそれで良かったのかも知れないね」
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オリヴァーが、薄らと眉間に皺を寄せて答えた。
「そう。それに、あわよくばこれを機に水不足も解消したいようだしね。こんな回りくどいことはせずに、正式にラングフォード領に謝罪をすればいいのに」
ハムレットは肩をすくめた。
「そうすると、領主とアルマ嬢への対応は、ラングフォード魔術伯爵にお任せしてよろしいでしょうか? 我々はその間に、グリムフォレストへ向かいます。きっとティターニアも首を長くしてお待ちです」
「……そうだね。私もレイのそばについて行きたかったけど、今回はその方がいいかな。ゾーイを待たせるのは得策ではないし、領主たちもしつこそうだからね……」
オリヴァーが提案すると、ハムレットは残念そうに小さく息を漏らした。
「でも、アルマさんがいらっしゃった時は、とても嬉しそうにされてましたよね」
レイがじと目でハムレットを見つめた。
「おや? 妬いてくれてるのかな?」
ハムレットはレイを見つめて、嬉しそうに笑顔を綻ばせた。
レイは間髪入れずに「違います」と答えたが、ハムレットは気にすることなく続きを話し始めた。
「アルマ嬢にも何かあるみたいだね。何か決意めいたものを感じたよ。だから、一旦、彼らの策に乗ろうかな」
ハムレットはどこかいたずらっぽく笑った。
(……絶対に、それだけじゃないでしょ……)
レイは、ますます疑わしげに目を眇めた。
「それでは、我々は明日の朝早くにここを出立します。それで、大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
オリヴァーに確認され、レイはしっかりと頷いた。
ハムレットは「あぁ、私のレイが他の男とデートに行ってしまう~」と頭を抱えて嘆いていた。
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