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祝祭準備
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ドラゴニア王国第五の都市ディアロバード——ここには聖鳳教会本部がある。
フェニックスの祝祭が近づいてきていたある日、聖鳳教会内にあるライオネル教皇の執務室で、秘密の会議が開かれていた。
参加者は、教皇ライオネル、光の大司教ルーファス、聖騎士アルバン、フェリクスの宿舎を取り仕切る執事長マルコム、そして上級神官ザックの計五名だ。
ザックは、急に教皇の執務室に呼ばれ戦々恐々としていたが、さらにそこに集まったメンバーの顔ぶれを見て、「俺、場違いじゃね?」とただただ縮こまっていた。
「本日皆に集まってもらったのは理由がある——今年のフェニックスの祝祭についてだ」
教皇ライオネルが、徐に切り出した。
獅子を思わせる黄金色の髪は緩やかにウェーブがかかっており、肩口までに切り揃えられている。男らしい精悍な顔つきで、赤く鋭い瞳は、今回の会議の参加者をぐるりと見回していた。
「今年も、レイがフェニックスの祝祭に参加してくれることになった」
「「「「!!?」」」」
ライオネルの一言に、その場の全員が息を飲んだ。
「お嬢様がいらっしゃるとなれば、宿舎の方も準備せねば……お部屋を綺麗に整えて、おもてなしの準備を進めなければいけませんね。ああ、美食家のお嬢様のことですから、シェフにも伝えておかないといけませんね。シェフも普段とは違った料理を作れることを、楽しみにしてますから」
マルコムは好々爺のようにくしゃりと顔面に皺を寄せ、にこりと微笑んだ。
本日も見事な白髪をオールバックに撫で付けていて、きっちりと執事服を着こなしている。
なお、聖属性の大司教フェリクス専用の宿舎は、「宿舎」というよりも「離宮」と表現した方が正確な、白大理石の建物だ。
先代魔王フェリクスに、魔王の隠居生活を心地良く過ごしてもらいたかった側近たちが、頑張ってしまったためだ。
「レイに会うのは、ラングフォードから戻って来た時ぶりだね。ほんの一、二ヶ月前のことなのに、懐かしく感じるよ」
光の大司教のルーファスが、物語の中の王子様のような爽やかな微笑みを浮かべた。淡い黄色の瞳は、再会への期待にキラリと煌めいている。
「昨年は襲撃を許してしまったからな。今年は警備に力を入れなければ……レイお嬢様がいらっしゃるということは、レヴィも来るのか?」
アルバンは太い腕を組み、難しい顔で尋ねた。
聖騎士らしく、アルバンは一際大柄だ。さっぱりと整えられた淡いグレーの髪は、清潔感に溢れていて、鋭い三白眼は濃い紫色だ。
「……あの、私が今年も教育係兼護衛ですか……? あの子、俺よりもずっと魔術が上手ですよね? しかも結構強いですよね?」
ザックは若干口角をひくつかせながら尋ねた。
銀色の癖毛は簡単に一つにまとめていて、短い無精髭を生やしている。着ている神官服は、ずいぶんとくたびれている。
昨年は、ザックがレイの教育係を務めていた。そして、レイ本人には告げられていなかったが、彼は護衛役も担っていた。
昨年の祝祭日には、ザックは襲撃に遭ったレイを守り、横腹に風穴が空いたのだった。そのため、あまり良い思い出は無かった。
「残念だが、レヴィは今年は仕事があって、祝祭には参加できないそうだ」
ライオネルは、いかにも残念そうに小さく首を振った。
「えっ!?」
「……レヴィが仕事?」
ザックは驚いて声をあげ、アルバンは訝しげに片眉を上げた。
レイとレヴィの二人はセットだと見做していたため、まさかレヴィが他に仕事を入れてしまうとは考えられなかったのだ。
「今年から、レイは特殊魔術研究所の魔術師に、レヴィは王国騎士団に入団した。レイの方は休暇が取れたようなのだが、レヴィは新人ということもあって難しかったようだ」
ライオネルが簡潔に経緯を説明した。
これにはアルバンもザックも、「そうか」と頷くしかなかった。
「今年はレイの護衛を、レヴィに頼れない。それに、昨年の浄化の儀は、浄化の花が咲いて大盛況に終わったからな……今年は特に浄化希望者の予約が増えて、祝祭期間中の来訪者数が増えそうなんだ。今年はさすがに、見回りや警備の聖騎士を増やす予定だ」
ライオネルは、淡々と決定事項を伝えた。
「ですが、それでは聖騎士の人手が足りないのでは? 聖騎士見習いたちの受け入れもありますし……」
アルバンが質問をした。
祝祭期間中は、神官や聖騎士希望の子供たちを見習いとして受け入れ、優秀な者をスカウトしたり、子供たちに将来の進路の参考にさせたりしているのだ。
特に聖騎士見習いには、毎年聖騎士が直接訓練や指導を行なっており、交代で聖騎士と一緒に聖堂の見回りの仕事も手伝わせている。
「だから、今年は聖騎士見習いも、鍛錬よりも積極的に見回りに当てようかと考えている。今までは鍛錬を優先して、素質を見るようにしていたからな。特に見込みのある者は、護衛業務も手伝ってもらおうかと思う。……まぁ、フェリクス様の確認は必要だがな」
ライオネルが説明をした。
「分かりました。昨年スカウトした聖騎士見習いに、何人か骨のありそうなのがいます。その者たちを護衛に加えても良いか、フェリクス様に確認いたします」
アルバンは心得たとばかりに、大きく頷いた。
「ああ、それから、ザック上級神官は、今年もレイの教育係兼護衛を頼む。レイがよく懐いていたからな。レイは今年も詠唱役として参加してくれるそうだ。昨年の浄化の儀最終日に、浄化の花を咲かせたのは、フェリクス様とレイだ。今年も咲かせてもらえるかは分からないが、咲けば信徒たちも喜ぶだろう。今年も、レイの指導と護衛を頼む」
ライオネルは今度は、ザックに視線を向け、指示を出した。
浄化の花を咲かせられるのは、聖属性の魔力適性が「極」の者だけだ。
そして、浄化の花を発動させるために必要な魔力量も多く、難易度の高い上級魔術に該当する。
「…………かしこまりました」
ザックは肩を落とし、観念して頷いた。
ザックは「それって、俺が教育する必要なくない? レイの方が俺よりも聖属性の適性高いじゃん」とは決して口にはできない、しがない雇われ神官なのだった。
フェニックスの祝祭が近づいてきていたある日、聖鳳教会内にあるライオネル教皇の執務室で、秘密の会議が開かれていた。
参加者は、教皇ライオネル、光の大司教ルーファス、聖騎士アルバン、フェリクスの宿舎を取り仕切る執事長マルコム、そして上級神官ザックの計五名だ。
ザックは、急に教皇の執務室に呼ばれ戦々恐々としていたが、さらにそこに集まったメンバーの顔ぶれを見て、「俺、場違いじゃね?」とただただ縮こまっていた。
「本日皆に集まってもらったのは理由がある——今年のフェニックスの祝祭についてだ」
教皇ライオネルが、徐に切り出した。
獅子を思わせる黄金色の髪は緩やかにウェーブがかかっており、肩口までに切り揃えられている。男らしい精悍な顔つきで、赤く鋭い瞳は、今回の会議の参加者をぐるりと見回していた。
「今年も、レイがフェニックスの祝祭に参加してくれることになった」
「「「「!!?」」」」
ライオネルの一言に、その場の全員が息を飲んだ。
「お嬢様がいらっしゃるとなれば、宿舎の方も準備せねば……お部屋を綺麗に整えて、おもてなしの準備を進めなければいけませんね。ああ、美食家のお嬢様のことですから、シェフにも伝えておかないといけませんね。シェフも普段とは違った料理を作れることを、楽しみにしてますから」
マルコムは好々爺のようにくしゃりと顔面に皺を寄せ、にこりと微笑んだ。
本日も見事な白髪をオールバックに撫で付けていて、きっちりと執事服を着こなしている。
なお、聖属性の大司教フェリクス専用の宿舎は、「宿舎」というよりも「離宮」と表現した方が正確な、白大理石の建物だ。
先代魔王フェリクスに、魔王の隠居生活を心地良く過ごしてもらいたかった側近たちが、頑張ってしまったためだ。
「レイに会うのは、ラングフォードから戻って来た時ぶりだね。ほんの一、二ヶ月前のことなのに、懐かしく感じるよ」
光の大司教のルーファスが、物語の中の王子様のような爽やかな微笑みを浮かべた。淡い黄色の瞳は、再会への期待にキラリと煌めいている。
「昨年は襲撃を許してしまったからな。今年は警備に力を入れなければ……レイお嬢様がいらっしゃるということは、レヴィも来るのか?」
アルバンは太い腕を組み、難しい顔で尋ねた。
聖騎士らしく、アルバンは一際大柄だ。さっぱりと整えられた淡いグレーの髪は、清潔感に溢れていて、鋭い三白眼は濃い紫色だ。
「……あの、私が今年も教育係兼護衛ですか……? あの子、俺よりもずっと魔術が上手ですよね? しかも結構強いですよね?」
ザックは若干口角をひくつかせながら尋ねた。
銀色の癖毛は簡単に一つにまとめていて、短い無精髭を生やしている。着ている神官服は、ずいぶんとくたびれている。
昨年は、ザックがレイの教育係を務めていた。そして、レイ本人には告げられていなかったが、彼は護衛役も担っていた。
昨年の祝祭日には、ザックは襲撃に遭ったレイを守り、横腹に風穴が空いたのだった。そのため、あまり良い思い出は無かった。
「残念だが、レヴィは今年は仕事があって、祝祭には参加できないそうだ」
ライオネルは、いかにも残念そうに小さく首を振った。
「えっ!?」
「……レヴィが仕事?」
ザックは驚いて声をあげ、アルバンは訝しげに片眉を上げた。
レイとレヴィの二人はセットだと見做していたため、まさかレヴィが他に仕事を入れてしまうとは考えられなかったのだ。
「今年から、レイは特殊魔術研究所の魔術師に、レヴィは王国騎士団に入団した。レイの方は休暇が取れたようなのだが、レヴィは新人ということもあって難しかったようだ」
ライオネルが簡潔に経緯を説明した。
これにはアルバンもザックも、「そうか」と頷くしかなかった。
「今年はレイの護衛を、レヴィに頼れない。それに、昨年の浄化の儀は、浄化の花が咲いて大盛況に終わったからな……今年は特に浄化希望者の予約が増えて、祝祭期間中の来訪者数が増えそうなんだ。今年はさすがに、見回りや警備の聖騎士を増やす予定だ」
ライオネルは、淡々と決定事項を伝えた。
「ですが、それでは聖騎士の人手が足りないのでは? 聖騎士見習いたちの受け入れもありますし……」
アルバンが質問をした。
祝祭期間中は、神官や聖騎士希望の子供たちを見習いとして受け入れ、優秀な者をスカウトしたり、子供たちに将来の進路の参考にさせたりしているのだ。
特に聖騎士見習いには、毎年聖騎士が直接訓練や指導を行なっており、交代で聖騎士と一緒に聖堂の見回りの仕事も手伝わせている。
「だから、今年は聖騎士見習いも、鍛錬よりも積極的に見回りに当てようかと考えている。今までは鍛錬を優先して、素質を見るようにしていたからな。特に見込みのある者は、護衛業務も手伝ってもらおうかと思う。……まぁ、フェリクス様の確認は必要だがな」
ライオネルが説明をした。
「分かりました。昨年スカウトした聖騎士見習いに、何人か骨のありそうなのがいます。その者たちを護衛に加えても良いか、フェリクス様に確認いたします」
アルバンは心得たとばかりに、大きく頷いた。
「ああ、それから、ザック上級神官は、今年もレイの教育係兼護衛を頼む。レイがよく懐いていたからな。レイは今年も詠唱役として参加してくれるそうだ。昨年の浄化の儀最終日に、浄化の花を咲かせたのは、フェリクス様とレイだ。今年も咲かせてもらえるかは分からないが、咲けば信徒たちも喜ぶだろう。今年も、レイの指導と護衛を頼む」
ライオネルは今度は、ザックに視線を向け、指示を出した。
浄化の花を咲かせられるのは、聖属性の魔力適性が「極」の者だけだ。
そして、浄化の花を発動させるために必要な魔力量も多く、難易度の高い上級魔術に該当する。
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ザックは「それって、俺が教育する必要なくない? レイの方が俺よりも聖属性の適性高いじゃん」とは決して口にはできない、しがない雇われ神官なのだった。
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◆関連作品
『砂漠の詩』
『雨の回廊』編の過去編スピンオフです。
『冒険者を辞めたら天職でした 〜パーティーを追放された凄腕治癒師は、大聖者と崇められる〜』
『冒険者パーティーを追放された凄腕治癒師を拾いました』編のスピンオフです。
『ジャスティンと魔法少女のステッキ』
『魔法少女』編のスピンオフです。
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『冒険者を辞めたら天職でした 〜パーティーを追放された凄腕治癒師は、大聖者と崇められる〜』
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