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魔法少女3
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「ねぇ。そういえば、どんな条件で『選ばれし者』になるの? 三年前の私でも無理だったし、騎士団でも魔術師団でもかなりの人数を確認したのよね?」
エヴァが不意に尋ねた。
ジャスティンもその条件は気になっていたようで、真剣に耳を傾ける。
「魔法少女は、十五歳以下の女の子限定だにゃん!」
にゃんタローの一言で、その場にいた全員がザッとエヴァに視線を向けた。
「何よ! 私は当時十六だったのよ! 無理に決まってるでしょ!?」
エヴァは顔を真っ赤にして、反論をした。
(……今の私の見た目が十五歳以下だから、変身できちゃったんだ……)
レイは、ドキドキと鳴る胸をこっそり押さえた。
「レイ。特殊魔術の確認をしたいのだが。何か魔術を撃ってくれないか?」
ジャスティンが研究者らしく、確認してきた。
「特殊魔術……どうやるんでしょうか?」
レイは小首を傾げた。
ドリルなピンクのポニーテールが、ゆらゆらと揺れる。
「魔法少女が撃てるのは、必殺技だけにゃんよ! ステッキを掲げて、秘密の呪文を唱えるにゃん!」
にゃんタローは、レイが持っている魔法少女のステッキの周りをくるりと飛んだ。
「秘密の呪文って言われても……」
「実際にやってみれば分かるにゃん! 魔法少女にマニュアルは無いにゃん! 全部実地で身につけてもらうにゃん!」
たじろぐレイに、にゃんタローは明るい声で念を押した。
(……確かにそうだけど……)
レイは、元の世界の魔法少女たちは、かなり過酷でブラックな業務に就いていたのだと、改めてしみじみと思った。
レイはとりあえず、ステッキを天に向けて掲げてみた。
すぐさま彼女の脳内に直接、呪文の言葉が流れ込んでくる。
(な、何これ!? これでいいのかな……!?)
「ウィッシングシャイン⭐︎希望と幸福のマジカルステッキ!!!」
次の瞬間には、レイは自動で秘密の呪文を叫んでいた。
レイが上空に向けたステッキの先から、キラキラと虹色の光が噴水のように溢れ出る。
レイがステッキの先を上空に向けていたためか、天に向かってその場に巨大な水柱が立った。
水柱の中を、マジカルでミラクルそうな色とりどりの光が、天に向かって走っていく。
そして上空から、パラパラと大玉の水飛沫が、辺り一面に降り注いできた。
「!? きゃあっ!!」
「嘘でしょ!?」
「うわっ!!?」
レイたちは、急に降り注いできた大量の水にびっくりして、叫び声を上げた。
「冷てっ!! さっさと消せ!!!」
ライデッカーが慌てて、エヴァとレイを両脇に抱えて、水のかからない上空へと転移した。
「で、でも! これってどうやって消せば!? き、消えてぇえ!!」
レイはびしょ濡れになりながら、パニックを起こした。
適当にぶんぶんとステッキを振ると、パッと水の柱が消えた。
「クシュン! せっかく風邪が治ったばかりだったのに……」
エヴァは思いっきりくしゃみをした。ぷるりと震えて、小さく鼻も啜る。
「ほお。その人物が一番得意な魔力特性の大技を撃つのか。この杖固有の効果としては、美麗エフェクトと、魔術発動のサポート、それから最大限の魔力を絞り出すことか……ふむ」
ジャスティンも上空へと避難していた。冷静に分析してメモをとっている。
「にゃあ! 今度の子は、水魔術の子にゃん!!」
にゃんタローだけは、レイの必殺技を見て、嬉しそうにはしゃいでいた。
「……はぁ。ごめんなさい……みんな、乾かしますね」
ライデッカーが地面に降り立つと、レイはびしょ濡れになってしまったメンバーを魔術で乾かそうとした。
「……ん? あれ? 魔術が発動しない???」
レイは小首を傾げた。
ピンクのポニーテールは、水に濡れてもドリルをキープしたまま揺れていた。
「魔法少女は、さっきの必殺技しか魔術は撃てないにゃん。変身を解くまでは、他の魔術は使用禁止にゃん!」
「そんなぁ……」
にゃんタローの一言に、レイはガックリと肩を落とした。
「俺が乾かそう」
ジャスティンの一言で、その場の全員の服や髪、靴などが全て乾いた。魔術で乾かしてくれたようだ。
「どうにゃん、魔法少女は? すっごい魔術が撃てるにゃん? それに、魔法少女特典で、必殺技を撃ってもすぐに魔力が回復するにゃんよ! ねぇ、ボクと本契約しにゃい?」
にゃんタローは、誘うようにくるりくるりとレイの周りを飛び回った。
「え? 私、魔法少女やらなくてもいいんですか?」
レイはきょとんとして尋ねた。
「まだ魔法少女のお試し期間中で、仮契約にゃん。これから本契約して、一緒に世界の平和を守ろうにゃん!」
にゃんタローは一際明るい声で、元気よく誘った。
「それなら、私は魔法少女をやりません!」
レイはキッパリとお断りをした。腕もクロスさせて、大きくバツ印を作った。
「えぇ~~~! ボクと契約して魔法少女になろーにゃーん!! それで続編の『魔法少女になろう物語』を作るにゃん!!」
にゃんタローは必死になってレイの周りを高速で飛び回った。淡い黄色の光が、激しく明滅する。
「魔法少女特典はまだいろいろあるにゃん! ピュア限定だけど、恋愛運だってゴリッゴリにアップするにゃん! それから——」
にゃんタローがさらに言い募ろうとした時——
「にゃんタロー、ちょっとこっち来て」
「にゃに?」
レイはみんなから少し離れた所に行くと、にゃんタローを手招きした。にゃんタローがふわふわと近寄って行くと、レイは瞬時に、彼女とにゃんタローだけが入る小さな防音結界を張った。
にゃんタローは光の玉なのでどこに耳があるのかレイには分からなかったが、内緒話をするように口元を近づけて、両手で覆った。
「ごめんね、私には魔法少女はできないの。実は私ね、〇〇歳なの」
レイは爆弾発言を投下した。
「……かはっ……!?」
にゃんタローは苦しげに咳き込むと、ポテンと地面に落ちた。そしてぴくりとも動かなくなった。
「レイちゃん!? 何したの!? にゃんタローが血反吐を吐いて真っ白になっちゃったじゃない!!」
エヴァがびっくりして駆け寄って来た。おそるおそる、真っ白に燃え尽きたにゃんタローを両手のひらで拾い上げる。
(……まさか、ここまで効くとは……それにしても、女性の年齢を聞いて失神するだなんて、失礼すぎる……)
レイは、ぽかーんと呆気にとられていた。
「あ、元に戻った……」
ファンシーでかわいらしい魔法少女の衣装から、元の軍服風のワンピース姿に戻って、レイはほっと安堵の息を吐いた。髪の毛に手を回して見てみれば、真っ直ぐな黒髪のポニーテールに戻っていた。
***
にゃんタローは、小一時間ほどショックのあまり失神したままだった。
そして、ジャスティンの研究室で目を覚ますと、しょんぼりと決意を語った。
「……ボクは、新たな魔法少女を探しに行くにゃんよ……」
にゃんタローは、魔法少女のステッキの所までフラフラと飛んで行った。
にゃんタローがステッキにくっ付くと、フッとステッキが消えた——どうやら、空間収納にしまったようだ。
「いや、待て。蒐集品が無くなったら困る……!」
珍しく、ジャスティンが慌て始めた。
「さよーならにゃ~ん!」
にゃんタローは止めようとしたジャスティンの腕をするりとすり抜けて、窓から外へとふわりと飛んで出た。
「待て! 逃すか!!」
ジャスティンは窓の外へ身を乗り出して、にゃんタローを捕まえようと腕を振った。
しかし、にゃんタローは煙のようにパッと消えてしまった。
「チッ。転移魔術か。一体どこへ……」
ジャスティンが悔しそうに呟いた。
「人騒がせな精霊だったね」
エヴァが、にゃんタローが消えていった空を見上げた。
「もう二度とお目にかかりたくないです」
レイは遠い目をして呟いた。
——魔法少女がドラゴニアの王都を騒がすのは、また別のお話。
エヴァが不意に尋ねた。
ジャスティンもその条件は気になっていたようで、真剣に耳を傾ける。
「魔法少女は、十五歳以下の女の子限定だにゃん!」
にゃんタローの一言で、その場にいた全員がザッとエヴァに視線を向けた。
「何よ! 私は当時十六だったのよ! 無理に決まってるでしょ!?」
エヴァは顔を真っ赤にして、反論をした。
(……今の私の見た目が十五歳以下だから、変身できちゃったんだ……)
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「秘密の呪文って言われても……」
「実際にやってみれば分かるにゃん! 魔法少女にマニュアルは無いにゃん! 全部実地で身につけてもらうにゃん!」
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(……確かにそうだけど……)
レイは、元の世界の魔法少女たちは、かなり過酷でブラックな業務に就いていたのだと、改めてしみじみと思った。
レイはとりあえず、ステッキを天に向けて掲げてみた。
すぐさま彼女の脳内に直接、呪文の言葉が流れ込んでくる。
(な、何これ!? これでいいのかな……!?)
「ウィッシングシャイン⭐︎希望と幸福のマジカルステッキ!!!」
次の瞬間には、レイは自動で秘密の呪文を叫んでいた。
レイが上空に向けたステッキの先から、キラキラと虹色の光が噴水のように溢れ出る。
レイがステッキの先を上空に向けていたためか、天に向かってその場に巨大な水柱が立った。
水柱の中を、マジカルでミラクルそうな色とりどりの光が、天に向かって走っていく。
そして上空から、パラパラと大玉の水飛沫が、辺り一面に降り注いできた。
「!? きゃあっ!!」
「嘘でしょ!?」
「うわっ!!?」
レイたちは、急に降り注いできた大量の水にびっくりして、叫び声を上げた。
「冷てっ!! さっさと消せ!!!」
ライデッカーが慌てて、エヴァとレイを両脇に抱えて、水のかからない上空へと転移した。
「で、でも! これってどうやって消せば!? き、消えてぇえ!!」
レイはびしょ濡れになりながら、パニックを起こした。
適当にぶんぶんとステッキを振ると、パッと水の柱が消えた。
「クシュン! せっかく風邪が治ったばかりだったのに……」
エヴァは思いっきりくしゃみをした。ぷるりと震えて、小さく鼻も啜る。
「ほお。その人物が一番得意な魔力特性の大技を撃つのか。この杖固有の効果としては、美麗エフェクトと、魔術発動のサポート、それから最大限の魔力を絞り出すことか……ふむ」
ジャスティンも上空へと避難していた。冷静に分析してメモをとっている。
「にゃあ! 今度の子は、水魔術の子にゃん!!」
にゃんタローだけは、レイの必殺技を見て、嬉しそうにはしゃいでいた。
「……はぁ。ごめんなさい……みんな、乾かしますね」
ライデッカーが地面に降り立つと、レイはびしょ濡れになってしまったメンバーを魔術で乾かそうとした。
「……ん? あれ? 魔術が発動しない???」
レイは小首を傾げた。
ピンクのポニーテールは、水に濡れてもドリルをキープしたまま揺れていた。
「魔法少女は、さっきの必殺技しか魔術は撃てないにゃん。変身を解くまでは、他の魔術は使用禁止にゃん!」
「そんなぁ……」
にゃんタローの一言に、レイはガックリと肩を落とした。
「俺が乾かそう」
ジャスティンの一言で、その場の全員の服や髪、靴などが全て乾いた。魔術で乾かしてくれたようだ。
「どうにゃん、魔法少女は? すっごい魔術が撃てるにゃん? それに、魔法少女特典で、必殺技を撃ってもすぐに魔力が回復するにゃんよ! ねぇ、ボクと本契約しにゃい?」
にゃんタローは、誘うようにくるりくるりとレイの周りを飛び回った。
「え? 私、魔法少女やらなくてもいいんですか?」
レイはきょとんとして尋ねた。
「まだ魔法少女のお試し期間中で、仮契約にゃん。これから本契約して、一緒に世界の平和を守ろうにゃん!」
にゃんタローは一際明るい声で、元気よく誘った。
「それなら、私は魔法少女をやりません!」
レイはキッパリとお断りをした。腕もクロスさせて、大きくバツ印を作った。
「えぇ~~~! ボクと契約して魔法少女になろーにゃーん!! それで続編の『魔法少女になろう物語』を作るにゃん!!」
にゃんタローは必死になってレイの周りを高速で飛び回った。淡い黄色の光が、激しく明滅する。
「魔法少女特典はまだいろいろあるにゃん! ピュア限定だけど、恋愛運だってゴリッゴリにアップするにゃん! それから——」
にゃんタローがさらに言い募ろうとした時——
「にゃんタロー、ちょっとこっち来て」
「にゃに?」
レイはみんなから少し離れた所に行くと、にゃんタローを手招きした。にゃんタローがふわふわと近寄って行くと、レイは瞬時に、彼女とにゃんタローだけが入る小さな防音結界を張った。
にゃんタローは光の玉なのでどこに耳があるのかレイには分からなかったが、内緒話をするように口元を近づけて、両手で覆った。
「ごめんね、私には魔法少女はできないの。実は私ね、〇〇歳なの」
レイは爆弾発言を投下した。
「……かはっ……!?」
にゃんタローは苦しげに咳き込むと、ポテンと地面に落ちた。そしてぴくりとも動かなくなった。
「レイちゃん!? 何したの!? にゃんタローが血反吐を吐いて真っ白になっちゃったじゃない!!」
エヴァがびっくりして駆け寄って来た。おそるおそる、真っ白に燃え尽きたにゃんタローを両手のひらで拾い上げる。
(……まさか、ここまで効くとは……それにしても、女性の年齢を聞いて失神するだなんて、失礼すぎる……)
レイは、ぽかーんと呆気にとられていた。
「あ、元に戻った……」
ファンシーでかわいらしい魔法少女の衣装から、元の軍服風のワンピース姿に戻って、レイはほっと安堵の息を吐いた。髪の毛に手を回して見てみれば、真っ直ぐな黒髪のポニーテールに戻っていた。
***
にゃんタローは、小一時間ほどショックのあまり失神したままだった。
そして、ジャスティンの研究室で目を覚ますと、しょんぼりと決意を語った。
「……ボクは、新たな魔法少女を探しに行くにゃんよ……」
にゃんタローは、魔法少女のステッキの所までフラフラと飛んで行った。
にゃんタローがステッキにくっ付くと、フッとステッキが消えた——どうやら、空間収納にしまったようだ。
「いや、待て。蒐集品が無くなったら困る……!」
珍しく、ジャスティンが慌て始めた。
「さよーならにゃ~ん!」
にゃんタローは止めようとしたジャスティンの腕をするりとすり抜けて、窓から外へとふわりと飛んで出た。
「待て! 逃すか!!」
ジャスティンは窓の外へ身を乗り出して、にゃんタローを捕まえようと腕を振った。
しかし、にゃんタローは煙のようにパッと消えてしまった。
「チッ。転移魔術か。一体どこへ……」
ジャスティンが悔しそうに呟いた。
「人騒がせな精霊だったね」
エヴァが、にゃんタローが消えていった空を見上げた。
「もう二度とお目にかかりたくないです」
レイは遠い目をして呟いた。
——魔法少女がドラゴニアの王都を騒がすのは、また別のお話。
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◆関連作品
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『雨の回廊』編の過去編スピンオフです。
『冒険者を辞めたら天職でした 〜パーティーを追放された凄腕治癒師は、大聖者と崇められる〜』
『冒険者パーティーを追放された凄腕治癒師を拾いました』編のスピンオフです。
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