296 / 347
新人演習9
しおりを挟む
「うっ、頭がガンガンする……何だか熱っぽいかも……」
新人演習四日目の朝。テントの中で、エヴァは顔色も悪く唸っていた。
「ど、どうしましょう!? ここは野営地だし……」
「う~ん……落ち着いて。こういう時こそ、教会の後方支援部隊よ。たぶん、風邪とか解熱用の魔術薬があるはずだわ」
レイを落ち着けるように、エヴァは声をかけた。
エヴァの顔色は青白く、瞼は怠そうにとろんと垂れていた。
「食欲はありますか? 朝ご飯は……?」
「全然無いわ。でも、何か食べないとよね……」
「スープとかがあればもらって来ましょうか?」
「うん、お願いできる?」
「はいっ!」
レイは、エヴァの上に自分が使っていた分の毛布をかけて温かくすると、すぐさま朝食をもらいにテントを出て行った。
***
レイはエヴァに付き添って、聖鳳教会の後方支援部隊のキャンプへと来ていた。
エヴァは朝食のスープを食べた後もやはり体調が悪いままで、今日の戦闘訓練は休もうということになった。
「レイ。それにエヴァ嬢も。どうしたんだい?」
後方支援部隊のキャンプ地に着くと、すぐにフェルが出て来た。
蜂蜜のように濃い黄金眼は、驚いたように丸く見開かれていた。
「フェルさん! エヴァが風邪を引いてしまったみたいなんです」
レイは、具合の悪いエヴァの代わりに説明をした。
「うん、それならこっちだね」
フェルに案内され、レイとエヴァは病人用の大きなテントへと向かった。
病人用のテント内には、いくつも簡易ベッドが置かれ、癒し属性の神官や聖女が何人も控えていた。
エヴァは簡単に診察を受けると、魔術薬を処方され、しばらくベッドで寝ているように指示された。
「レイちゃん、悪いんだけど、今日は私はこっちで休んでるわね。所長とライデッカーがいるはずだから、二人に指示を仰いでね」
「分かりました。お大事にしてください、エヴァ」
エヴァにぐったりとした様子で言われ、レイは素直に頷いた。
「僕もレイと一緒の班になるから大丈夫だよ」
「……ゔっ、それが一番心配です……」
フェルがさも当然というようにのほほんと言うと、エヴァは頭痛を堪えるように顔を顰めた。
——その時、テントの入り口付近がざわざわと騒がしくなった。
先日難癖をつけてきたエヴァの義妹——ミア・ダルトン——が、テントの入り口で「すみません、熱っぽいので休ませてください」と言って、堂々とテント内に入ろうとしていた。
彼女の血色は良く、とても元気そうで、胡桃色の髪は演習中だというのに、街にお出掛けにでも行くかのように綺麗にくるりと巻かれていた。
入り口付近にいた神官がすぐに気づいて、「あなた仮病でしょう? 訓練に出てください」と言って、ミアを追い返そうとした。
ミアは「あなたには分からないでしょうけど、私は体調が悪いのよ! 早く案内しなさいよ!」とすぐさま反論して、押し問答を始めた。
テント内にいた他の癒し属性の神官や聖女たちは、「また来たよ」とこそこそと話し合っていた。
それらを見たエヴァが、小さく「チクショウ」と呟き、ますます顔を激しく顰めた。
「あっ! お義姉様!? あの女こそ仮病じゃないの!?」
ミアがエヴァに気付き、止めようとする神官を押し退けて、ツカツカと近寄って来た。
「……あなた、いつもこんな所でサボってたのね。教会にまで迷惑をかけるだなんて……」
エヴァが怠そうにベッドから上半身を起こした。どうやら迎え打つようだ。
「何よ! 私は体調が悪いのよ! 休んで当たり前だわ! それよりお義姉様の顔を見たら余計に気持ち悪くなったから、このまま休むわ」
ミアのとんでもない主張に、エヴァは「はぁあっ!?」と激昂した。そして、義姉妹の口喧嘩のゴングが鳴り響いた。
「あなたね、今は演習中なのよ!? さっさと戻って、真面目に仕事しなさいよ!!」
「何よ! こんな所で先に休んでるお義姉様には言われたくないわよ!! それに、私はお義姉様に何かを言われる筋合いは無いわ!!」
「私は本当に体調が悪くてここに来たのよ! あなたとは違ってね!!」
「私が仮病だとでも言うの!? ……あら、これだけ煩くあーだこーだ言えるんですもの、お義姉様の方が元気じゃなくって? 本当は仮病なんでしょ?」
「話をすり替えるんじゃありません!!」
エヴァとミアの激しい口喧嘩を、テント内にいた全ての人が、呆気にとられて眺めていた。
誰も彼もが、どう止めに入ろうか考えあぐねていた時——
「君の名前は何ていうのかな?」
フェルがミアの肩を叩き、名前を尋ねた。
急にイケメンな青年に声をかけられ、口喧嘩とは全く違った高い声のトーンで、ミアは答えた。
「ミア・ダルトン、十九歳です!」
ミアはもちろん、自分が一番かわいく見える角度で、フェルを見上げた。
「うん、教会から正式に王宮側に苦情を入れさせてもらうよ。迷惑だからね」
フェルは聖職者らしい微笑みを顔に貼り付けたまま、淡々と言い放った。
逆上したミアが「何ですってぇ!!?」と、フェルに掴み掛かろうとし、いつの間にか来ていたアルバン聖騎士に取り押さえられていた。
ミアは「ちょっと! 何するのよ!?」と手足をばたつかせて、騒ぎ散らかしている。
テント内にいた神官や聖女たちは「おぉ……」と感嘆の声をあげ、フェルにささやかな拍手を送っていた。
「レイは戦闘訓練に出るんだろう? 先に行っておいで。僕も後から向かうから」
「……分かりました……」
フェルに優しく気遣われ、レイは呆気にとられつつも、こくりと頷いた。
(……義父さんが、いろんな意味で強すぎる……)
レイの中で、義父の株が急上昇した瞬間だった。
***
「……ということで、エヴァは今日は風邪でお休みです。それから、後で教会から王宮に苦情が入るかと思います」
レイは、テオドールとライデッカーに先ほど起こったことを報告をした。
テオドールの元を訪れていた魔術師団副団長のユルゲンは、非常に沈痛な面持ちで、レイの話を聞いていた。
彼からは、薄らと怒りの魔力が漏れ出ていた。
第一騎士団団長のイシュガルは、テオドールの護衛を兼ねているため背後に控えていたが、それでも驚いた表情をしていた。
「……そうか、分かった……」
テオドールは眉間を揉み込むように抑え、そう答えるだけで精一杯のようだった。
「義姉妹してなんてことしてくれてるんだ!!」
テオドールの隣では、ライデッカーが頭を抱えて吠えていた。
「それで、ミア・ダルトンはどこに?」
ユルゲンが非常に低い声で、レイに尋ねた。彼の目は据わっていた。
「アルバンさんに取り押さえられていたので、たぶんまだ後方支援キャンプにいるかと……」
レイは正直に伝えた。
(ユルゲン副団長が、ものすごく怒ってる……)
魔力圧は感じない方ではあるが、レイは小さくぷるりと震えた。
「殿下。本日は此度の不始末のため、教会への対応をさせていただきたく……」
「分かった。ユルゲンはそちらに集中してくれ」
「はっ。失礼いたします」
ユルゲンはテオドールに許可を取ると、荒々しく大股で後方支援キャンプへと向かった。
ユルゲンが去ると、誰ともなく疲れたような溜め息が、その場に漏れた。
「エヴァ嬢は風邪か……」
テオドールが朝から疲れた表情で、ぽつりと呟いた。
「それならレイちゃん、今日は俺たちと一緒に行く? 今日は、第三騎士団は一班だけ魔術師が足りないらしいんだ」
ライデッカーが、レイを自分たちの班に誘った。
「分かりました! よろしくお願いします!」
レイはにこりと微笑んで答えた。
新人演習四日目の朝。テントの中で、エヴァは顔色も悪く唸っていた。
「ど、どうしましょう!? ここは野営地だし……」
「う~ん……落ち着いて。こういう時こそ、教会の後方支援部隊よ。たぶん、風邪とか解熱用の魔術薬があるはずだわ」
レイを落ち着けるように、エヴァは声をかけた。
エヴァの顔色は青白く、瞼は怠そうにとろんと垂れていた。
「食欲はありますか? 朝ご飯は……?」
「全然無いわ。でも、何か食べないとよね……」
「スープとかがあればもらって来ましょうか?」
「うん、お願いできる?」
「はいっ!」
レイは、エヴァの上に自分が使っていた分の毛布をかけて温かくすると、すぐさま朝食をもらいにテントを出て行った。
***
レイはエヴァに付き添って、聖鳳教会の後方支援部隊のキャンプへと来ていた。
エヴァは朝食のスープを食べた後もやはり体調が悪いままで、今日の戦闘訓練は休もうということになった。
「レイ。それにエヴァ嬢も。どうしたんだい?」
後方支援部隊のキャンプ地に着くと、すぐにフェルが出て来た。
蜂蜜のように濃い黄金眼は、驚いたように丸く見開かれていた。
「フェルさん! エヴァが風邪を引いてしまったみたいなんです」
レイは、具合の悪いエヴァの代わりに説明をした。
「うん、それならこっちだね」
フェルに案内され、レイとエヴァは病人用の大きなテントへと向かった。
病人用のテント内には、いくつも簡易ベッドが置かれ、癒し属性の神官や聖女が何人も控えていた。
エヴァは簡単に診察を受けると、魔術薬を処方され、しばらくベッドで寝ているように指示された。
「レイちゃん、悪いんだけど、今日は私はこっちで休んでるわね。所長とライデッカーがいるはずだから、二人に指示を仰いでね」
「分かりました。お大事にしてください、エヴァ」
エヴァにぐったりとした様子で言われ、レイは素直に頷いた。
「僕もレイと一緒の班になるから大丈夫だよ」
「……ゔっ、それが一番心配です……」
フェルがさも当然というようにのほほんと言うと、エヴァは頭痛を堪えるように顔を顰めた。
——その時、テントの入り口付近がざわざわと騒がしくなった。
先日難癖をつけてきたエヴァの義妹——ミア・ダルトン——が、テントの入り口で「すみません、熱っぽいので休ませてください」と言って、堂々とテント内に入ろうとしていた。
彼女の血色は良く、とても元気そうで、胡桃色の髪は演習中だというのに、街にお出掛けにでも行くかのように綺麗にくるりと巻かれていた。
入り口付近にいた神官がすぐに気づいて、「あなた仮病でしょう? 訓練に出てください」と言って、ミアを追い返そうとした。
ミアは「あなたには分からないでしょうけど、私は体調が悪いのよ! 早く案内しなさいよ!」とすぐさま反論して、押し問答を始めた。
テント内にいた他の癒し属性の神官や聖女たちは、「また来たよ」とこそこそと話し合っていた。
それらを見たエヴァが、小さく「チクショウ」と呟き、ますます顔を激しく顰めた。
「あっ! お義姉様!? あの女こそ仮病じゃないの!?」
ミアがエヴァに気付き、止めようとする神官を押し退けて、ツカツカと近寄って来た。
「……あなた、いつもこんな所でサボってたのね。教会にまで迷惑をかけるだなんて……」
エヴァが怠そうにベッドから上半身を起こした。どうやら迎え打つようだ。
「何よ! 私は体調が悪いのよ! 休んで当たり前だわ! それよりお義姉様の顔を見たら余計に気持ち悪くなったから、このまま休むわ」
ミアのとんでもない主張に、エヴァは「はぁあっ!?」と激昂した。そして、義姉妹の口喧嘩のゴングが鳴り響いた。
「あなたね、今は演習中なのよ!? さっさと戻って、真面目に仕事しなさいよ!!」
「何よ! こんな所で先に休んでるお義姉様には言われたくないわよ!! それに、私はお義姉様に何かを言われる筋合いは無いわ!!」
「私は本当に体調が悪くてここに来たのよ! あなたとは違ってね!!」
「私が仮病だとでも言うの!? ……あら、これだけ煩くあーだこーだ言えるんですもの、お義姉様の方が元気じゃなくって? 本当は仮病なんでしょ?」
「話をすり替えるんじゃありません!!」
エヴァとミアの激しい口喧嘩を、テント内にいた全ての人が、呆気にとられて眺めていた。
誰も彼もが、どう止めに入ろうか考えあぐねていた時——
「君の名前は何ていうのかな?」
フェルがミアの肩を叩き、名前を尋ねた。
急にイケメンな青年に声をかけられ、口喧嘩とは全く違った高い声のトーンで、ミアは答えた。
「ミア・ダルトン、十九歳です!」
ミアはもちろん、自分が一番かわいく見える角度で、フェルを見上げた。
「うん、教会から正式に王宮側に苦情を入れさせてもらうよ。迷惑だからね」
フェルは聖職者らしい微笑みを顔に貼り付けたまま、淡々と言い放った。
逆上したミアが「何ですってぇ!!?」と、フェルに掴み掛かろうとし、いつの間にか来ていたアルバン聖騎士に取り押さえられていた。
ミアは「ちょっと! 何するのよ!?」と手足をばたつかせて、騒ぎ散らかしている。
テント内にいた神官や聖女たちは「おぉ……」と感嘆の声をあげ、フェルにささやかな拍手を送っていた。
「レイは戦闘訓練に出るんだろう? 先に行っておいで。僕も後から向かうから」
「……分かりました……」
フェルに優しく気遣われ、レイは呆気にとられつつも、こくりと頷いた。
(……義父さんが、いろんな意味で強すぎる……)
レイの中で、義父の株が急上昇した瞬間だった。
***
「……ということで、エヴァは今日は風邪でお休みです。それから、後で教会から王宮に苦情が入るかと思います」
レイは、テオドールとライデッカーに先ほど起こったことを報告をした。
テオドールの元を訪れていた魔術師団副団長のユルゲンは、非常に沈痛な面持ちで、レイの話を聞いていた。
彼からは、薄らと怒りの魔力が漏れ出ていた。
第一騎士団団長のイシュガルは、テオドールの護衛を兼ねているため背後に控えていたが、それでも驚いた表情をしていた。
「……そうか、分かった……」
テオドールは眉間を揉み込むように抑え、そう答えるだけで精一杯のようだった。
「義姉妹してなんてことしてくれてるんだ!!」
テオドールの隣では、ライデッカーが頭を抱えて吠えていた。
「それで、ミア・ダルトンはどこに?」
ユルゲンが非常に低い声で、レイに尋ねた。彼の目は据わっていた。
「アルバンさんに取り押さえられていたので、たぶんまだ後方支援キャンプにいるかと……」
レイは正直に伝えた。
(ユルゲン副団長が、ものすごく怒ってる……)
魔力圧は感じない方ではあるが、レイは小さくぷるりと震えた。
「殿下。本日は此度の不始末のため、教会への対応をさせていただきたく……」
「分かった。ユルゲンはそちらに集中してくれ」
「はっ。失礼いたします」
ユルゲンはテオドールに許可を取ると、荒々しく大股で後方支援キャンプへと向かった。
ユルゲンが去ると、誰ともなく疲れたような溜め息が、その場に漏れた。
「エヴァ嬢は風邪か……」
テオドールが朝から疲れた表情で、ぽつりと呟いた。
「それならレイちゃん、今日は俺たちと一緒に行く? 今日は、第三騎士団は一班だけ魔術師が足りないらしいんだ」
ライデッカーが、レイを自分たちの班に誘った。
「分かりました! よろしくお願いします!」
レイはにこりと微笑んで答えた。
13
◆関連作品
『砂漠の詩』
『雨の回廊』編の過去編スピンオフです。
『冒険者を辞めたら天職でした 〜パーティーを追放された凄腕治癒師は、大聖者と崇められる〜』
『冒険者パーティーを追放された凄腕治癒師を拾いました』編のスピンオフです。
『ジャスティンと魔法少女のステッキ』
『魔法少女』編のスピンオフです。
『砂漠の詩』
『雨の回廊』編の過去編スピンオフです。
『冒険者を辞めたら天職でした 〜パーティーを追放された凄腕治癒師は、大聖者と崇められる〜』
『冒険者パーティーを追放された凄腕治癒師を拾いました』編のスピンオフです。
『ジャスティンと魔法少女のステッキ』
『魔法少女』編のスピンオフです。
お気に入りに追加
161
あなたにおすすめの小説

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
私の入る余地なんてないことはわかってる。だけど……。
さくしゃ
恋愛
キャロルは知っていた。
許嫁であるリオンと、親友のサンが互いを想い合っていることを。
幼い頃からずっと想ってきたリオン、失いたくない大切な親友であるサン。キャロルは苦悩の末に、リオンへの想いを封じ、身を引くと決めていた——はずだった。
(ああ、もう、)
やり過ごせると思ってた。でも、そんなことを言われたら。
(ずるいよ……)
リオンはサンのことだけを見ていると思っていた。けれど——違った。
こんな私なんかのことを。
友情と恋情の狭間で揺れ動くキャロル、リオン、サンの想い。
彼らが最後に選ぶ答えとは——?
⚠️好みが非常に分かれる作品となっております。

夫の隠し子を見付けたので、溺愛してみた。
辺野夏子
恋愛
セファイア王国王女アリエノールは八歳の時、王命を受けエメレット伯爵家に嫁いだ。それから十年、ずっと仮面夫婦のままだ。アリエノールは先天性の病のため、残りの寿命はあとわずか。日々を穏やかに過ごしているけれど、このままでは生きた証がないまま短い命を散らしてしまう。そんなある日、アリエノールの元に一人の子供が現れた。夫であるカシウスに生き写しな見た目の子供は「この家の子供になりにきた」と宣言する。これは夫の隠し子に間違いないと、アリエノールは継母としてその子を育てることにするのだが……堅物で不器用な夫と、余命わずかで卑屈になっていた妻がお互いの真実に気が付くまでの話。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界で婚活したら、とんでもないのが釣れちゃった?!
家具付
恋愛
五年前に、異世界に落っこちてしまった少女スナゴ。受け入れてくれた村にすっかりなじんだ頃、近隣の村の若い人々が集まる婚活に誘われる。一度は行ってみるべきという勧めを受けて行ってみたそこで出会ったのは……?
多種多様な獣人が暮らす異世界でおくる、のんびりほのぼのな求婚ライフ!の、はずだったのに。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる