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閑話 きのことつるはし
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「ヘぇ~、もうあのダンジョンに潜ったんだね? ノームは大丈夫だったかい? とにかく、無事に帰って来てくれて良かったよ」
きのこの帽子亭のおかみさんが、今夜の夕食をテーブルに運びながら言った。
今夜のメニューは、きのことチキンのマカロニグラタン、きのこのマリネ、きのことかぼちゃのクリームスープだ。
マカロニグラタンは焼きたてのようで、まだポコポコと沸騰していて、チーズもこんがりときつね色になっている。
「わぁ! 今夜もおいしそうですね! ……ノームというか、ノームが魔術で作ったっぽい土人形には遭遇しましたよ」
レイは今夜の料理に瞳を輝かせつつ、答えた。目線はずっとマカロニグラタンに釘付けだ。
「妖精払いの術符を持って行ったので、撃退はしましたよ。クリスタンロッキーの子供たちはどうやってノーム対策をしてるんですか?」
ルーファスが器を受け取りながら尋ねた。
「う~ん、まぁ、妖精払いの術符を持つぐらいだね。ノームたちにも好みがあるみたいでさ、かわいい子の中でも、特に毛色の変わった子を里に招待したいみたいなんだよね」
おかみさんは、困ったように眉を下げて答えた。
♫ソラノシタは恋の憧れ~
空に恋して空色に染まる~
きののきのっこきのこ~
「あ。またあの歌だ」
レイは食事の手を止めた。
「あれは旦那の歌だよ。『歌唱』のスキル持ちなんだ。旦那は子供の頃にノームの里に連れ攫われてね。その時に得意な歌を披露したら、ノームたちにかなり気に入られたらしくて、祝福をもらったんだって」
おかみさんは苦笑いを浮かべて言った。
「ノームの祝福ですか? 珍しいですね。どんな祝福なんですか?」
ルーファスが淡い黄色の瞳を丸くしつつ、尋ねた。
「あのきのこの歌がそうだよ」
「「えっ?」」
レイとルーファスの驚く声が揃った。
——その時、
「マリアーナ。次のグラタンが焼けたよ。取りに来てくれ」
厨房の方から顔を覗かせたのは、巨大なきのこ——ではなく、見事なマッシュルームヘアの、この宿の亭主兼料理長だ。
艶々のオレンジ色の髪は、緩やかに絶妙な曲線を描いていて、立派なきのこの傘が頭に載っているようにしか見えない。
噂の亭主の登場に、レイは驚愕の表情で固まった。
彼女の前の席には、全く同じ表情で固まってしまっているルーファスもいる。
二人が考えていることは同じだ。
((きのこだ……))
「あ、きの……」
レヴィが何かを言いかけて、ルーファスとレイが神速でレヴィの口を手で塞いだ。
「おや? マリアーナ、お客さんと喋ってたのかい? いかがですか、うちの宿は?」
巨大きのこ——いや、亭主が朗らかに尋ねてきた。
「り、料理がとってもおいしいです!!」
「宿の部屋も綺麗ですね! 心地よく過ごせてますよ!」
レイとルーファスは愛想笑いを浮かべつつ、慌てて答えた。
「さっきね、きのこの歌のくだりをお客さんに話してたんだよ。それにほら、この子。特にノームに好かれそうだろう?」
おかみさんは、レイの肩に手をポンッと載せた。
「ああ。ノームは普通とはちょっと違った子を好むからね。私もどうも、この髪型が気に入られたみたいでね。何回か連れ攫われましたよ。攫われる度に、きのこの歌の祝福が増えていくんですよ」
亭主はハハハッと笑いつつ、ポンッとマッシュルームヘアを叩いた。
マッシュルームヘアは叩かれた衝撃で、レイの元の世界でのシャンプーのCMに出てくる女優ばりにしっとり艶やかに揺れ、一分の乱れも隙も無いキッチリとしたきのこの傘をまた形成した。
あまりの衝撃的な瞬間に立ち会ったルーファスとレイは、ただただマッシュルームヘアに見入っていた。
「本当にきの……」
レヴィがまた何かを言いかけていたので、問答無用に、ルーファスとレイはその口を手で塞いだ。
「そ、そうなると、今はいくつ祝福の歌があるんですか?」
レイは誤魔化すように、宿の亭主に質問をした。
「きのこの歌は二十九番までありますよ」
亭主はのほほんと答えた。
(『アル◯ス一万尺』かっ!!?)
レイは心の中で思わずツッコミを入れた。
「かなりの回数をノームに攫われたんですね……」
ルーファスも別の意味で衝撃を受けていた。
「そうですね。私がこのきのこの歌を歌うと、きのこ料理がおいしくなるんですよ。それから、この歌を聞いた方にランダムでバフが付くみたいなんです」
「「ええっ!!?」」
ルーファスとレイは衝撃的な祝福の内容に、目を瞠った。
「だからうちの宿は冒険者に人気なんですよ。バフのついた状態で依頼を受けられるので、成功率が上がるそうですよ」
おかみさんが、にっこりと嬉しそうに話した。
「最近は私の『歌唱』スキルの方もレベルが上がったみたいでして、私のきのこの歌を脳内でリフレインすると、直接歌を聴くほどではなくとも、多少バフが付くみたいです。ただそれをやると、三日間ぐらい脳内に強制的にきのこの歌が流れるそうなんですが……」
「常連の冒険者さんには、『祝福なのか呪いなのか最近分からなくなってきた』って言われてるねぇ……」
亭主とおかみさんは、そっくりの困り顔で話していた。
「そんな追加効果もあるんですね」
レヴィが淡々と相槌を打った。
『そういうスキルとか祝福ってあるんですか……?』
『相当なレアだと思うよ。スキルと祝福の相性もあるだろうし。そもそも祝福って滅多にもらえるものじゃないし……』
呆気にとられつつ、レイとルーファスはこっそり念話を飛ばし合った。
『亭主さん、きのこにそっくりですね』
レヴィが声に出しては言えなかったことを念話で伝えると、不意をつかれたルーファスとレイは、「ガフッ」「ゴフッ」と二人して吹き出した。
***
「そういえば、もう一人、この街にノームの祝福をもらった人がいるんです」
おかみさんがマカロニグラタンを取りに厨房に行ってしまった後、ぽつりと亭主が呟いた。
「そんな珍しい方が他にもいらっしゃるんですね」
クリームスープまで平らげたレイは、お腹をさすりながら目を丸くした。
「随分珍しいですね。ここら辺のノームは、人間によく祝福を授けるんですか?」
ルーファスが尋ねると、
「いえ、その人も少し変わった人でして……見事なモヒカンヘアなんです」
「ガフッ」
「ゴフッ」
亭主の想定外な言葉に不意をつかれたルーファスとレイは、激しく咽せた。
もうこれ以上吹き出さないようにと下を向き、小刻みに震えている。
「その立派なモヒカンが、ノームたちにはつるはしの頭の部分に見えたみたいで、つるはしを強化する祝福をもらったみたいですね。今は『金のつるはし亭』という宿屋を営んでますよ。そっちの方は鉱夫や鉱山系のダンジョンに潜りたい冒険者に人気ですよ」
亭主はにこにこと語った。
「ハハハ……ここら辺のノームは面白いですね……」
ルーファスは少し息苦しそうに、答えていた。
「レイ。絶対にノームに攫われないようにね。変な祝福をもらっても、困るよね?」
亭主が厨房に戻った後、ルーファスが念を押すようにレイに言った。
「……私、元々ノームに攫われる気はないんですが……」
「レイの髪型なら、どんな祝福になるのでしょうか?」
「えっ、レヴィも? しかも、ノームから祝福がもらえることが前提なの? 髪型が本当にそこまで関係してるの?」
レイは戸惑いがちにルーファスとレヴィを交互に見つめた。
「この前の術符は強力だったけど、一回きりだったね。枚数を用意するにしても、結構いい値段だったから、かなりの出費になっちゃうね……」
ルーファスが、普段は王子様のように優しげな美貌を顰めて、深く溜め息を吐いた。
「実技試験までに、ノーム対策を考えておこうか?」
「そうですね……」
ルーファスの思い悩む姿に、レイはただただ相槌を打った。
きのこの帽子亭のおかみさんが、今夜の夕食をテーブルに運びながら言った。
今夜のメニューは、きのことチキンのマカロニグラタン、きのこのマリネ、きのことかぼちゃのクリームスープだ。
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「あのきのこの歌がそうだよ」
「「えっ?」」
レイとルーファスの驚く声が揃った。
——その時、
「マリアーナ。次のグラタンが焼けたよ。取りに来てくれ」
厨房の方から顔を覗かせたのは、巨大なきのこ——ではなく、見事なマッシュルームヘアの、この宿の亭主兼料理長だ。
艶々のオレンジ色の髪は、緩やかに絶妙な曲線を描いていて、立派なきのこの傘が頭に載っているようにしか見えない。
噂の亭主の登場に、レイは驚愕の表情で固まった。
彼女の前の席には、全く同じ表情で固まってしまっているルーファスもいる。
二人が考えていることは同じだ。
((きのこだ……))
「あ、きの……」
レヴィが何かを言いかけて、ルーファスとレイが神速でレヴィの口を手で塞いだ。
「おや? マリアーナ、お客さんと喋ってたのかい? いかがですか、うちの宿は?」
巨大きのこ——いや、亭主が朗らかに尋ねてきた。
「り、料理がとってもおいしいです!!」
「宿の部屋も綺麗ですね! 心地よく過ごせてますよ!」
レイとルーファスは愛想笑いを浮かべつつ、慌てて答えた。
「さっきね、きのこの歌のくだりをお客さんに話してたんだよ。それにほら、この子。特にノームに好かれそうだろう?」
おかみさんは、レイの肩に手をポンッと載せた。
「ああ。ノームは普通とはちょっと違った子を好むからね。私もどうも、この髪型が気に入られたみたいでね。何回か連れ攫われましたよ。攫われる度に、きのこの歌の祝福が増えていくんですよ」
亭主はハハハッと笑いつつ、ポンッとマッシュルームヘアを叩いた。
マッシュルームヘアは叩かれた衝撃で、レイの元の世界でのシャンプーのCMに出てくる女優ばりにしっとり艶やかに揺れ、一分の乱れも隙も無いキッチリとしたきのこの傘をまた形成した。
あまりの衝撃的な瞬間に立ち会ったルーファスとレイは、ただただマッシュルームヘアに見入っていた。
「本当にきの……」
レヴィがまた何かを言いかけていたので、問答無用に、ルーファスとレイはその口を手で塞いだ。
「そ、そうなると、今はいくつ祝福の歌があるんですか?」
レイは誤魔化すように、宿の亭主に質問をした。
「きのこの歌は二十九番までありますよ」
亭主はのほほんと答えた。
(『アル◯ス一万尺』かっ!!?)
レイは心の中で思わずツッコミを入れた。
「かなりの回数をノームに攫われたんですね……」
ルーファスも別の意味で衝撃を受けていた。
「そうですね。私がこのきのこの歌を歌うと、きのこ料理がおいしくなるんですよ。それから、この歌を聞いた方にランダムでバフが付くみたいなんです」
「「ええっ!!?」」
ルーファスとレイは衝撃的な祝福の内容に、目を瞠った。
「だからうちの宿は冒険者に人気なんですよ。バフのついた状態で依頼を受けられるので、成功率が上がるそうですよ」
おかみさんが、にっこりと嬉しそうに話した。
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ルーファスが尋ねると、
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亭主の想定外な言葉に不意をつかれたルーファスとレイは、激しく咽せた。
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◆関連作品
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『冒険者パーティーを追放された凄腕治癒師を拾いました』編のスピンオフです。
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