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光竜の里3
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「……ご飯……」
レイは口元に手を当て、感動のあまり涙目になり、ふるふると震えていた。
その視線は、お椀に盛られたご飯に釘付けである。
「フンッ。涙ぐむほど嫌か。飯が出てくるだけでもありがたいと思え……痛ぇっ!」
悪態をつくルーファス似の男性の後頭部を、マーゴットがスパンッと平手で叩いた。
「坊ちゃん。女の子を攫っておいて、そんな言い種はないでしょう。せっかく攫ってきた子に嫌われでもしたら、竜の名折れですよ」
マーゴットは両腰に手を当てて、ふんっと胸を張ってお小言を言った。
「だが、マーゴット、こいつは……」
「言い訳する男は情けないですよ。ほら、ご飯が冷めてしまいますからね。どうぞ召し上がってくださいまし」
マーゴットは軽くルーファス似の男性をいなすと、レイに夕飯を勧めた。
レイの目の前には、ご飯、味噌汁、きゅうりとみょうがの漬物、焼き魚、なす田楽、かぼちゃとそぼろの煮物、ごま豆腐が、それぞれ皿に載せられて、お盆の上に置かれていた。
さらには、スプーンやフォークではなく、箸がきちんと揃えられて箸置きに置かれていた。
(……こ、これは、和食??)
レイはこれは夢ではないかと、感激のあまり、内心くらりと揺れた。
「ドラゴニアの民なら、箸の扱いも碌に分からないだろう? だが、お前は囚われの身だ。それで我慢してもらおう」
ルーファス似の男性は、底意地が悪そうに、にやりと笑った。
「坊ちゃん!」
マーゴットがすぐさま嗜める。
「……ふふふっ……」
レイは下を向くと、喜びのあまり不審な笑いを漏らし、久々の和食に武者震いを起こした。
「……どうした?」
レイのおかしな様子に、ルーファス似の男性が訝しげに片眉を上げた。
「いっただきま~す!」
レイは満面の笑みで食事を始めた。
元の世界で幼少期から使いまくって慣れていたレイの箸さばきは完璧だ。さくさくと箸の先でおかずを切り分けては摘んでいき、ご飯をかき込む。
レイの見事な箸使いに、ルーファス似の男性は、ぽかんと呆気にとられて彼女の食事風景を眺めていた。マーゴットに食事マナーを注意されるまで、そのままだった。
「おかわりっ!」
レイは空になったお椀片手に、元気よく叫んだ。
久しぶりの念願のご飯に、レイの瞳はキラキラと輝き、頬は血色良く上気していた。
「はいよ」
マーゴットはレイの食べっぷりに相好を崩して、彼女のお椀を受け取った。
ほかほかの白いご飯をよそる。
「ありがとうございます!」
レイはにっこりとお礼を言った。
「マーゴットもご飯をよそるな!」
ルーファス似の男性が、ツッコミを入れる。
「だって、すごくおいしそうに食べてくれるんですもの……つい、ね」
マーゴットが、嬉しさ半分、困ったように眉を下げた。
「それに、攫ってきた子にひもじい思いをさせるような竜に育てた覚えはありませんよ!」
マーゴットは急に恐ろしげな表情をつくると、ルーファス似の男性を嗜めた。
「ぐっ……」
ルーファス似の男性は、バツが悪そうに言葉を詰まらせた。どうやら世話係だったマーゴットには、強く出られないのだろう。
一方でレイは、久々のご飯に大興奮だ。
(いける! 今なら、ご飯何杯でもいける!!)
この世界に召喚され、積もりに積もったご飯への飢餓感と、ご飯にばっちりマッチする料理のおいしさと、マーゴットのおもてなし力の高さから、ここにフードファター・レイが誕生した。
「おかわり!!」
レイは瞳をキラキラさせて、再度、空のお椀を突き出した。
「なっ……お前、自分が今は囚われの身だと理解しているのか!? 何杯食べる気だ!!?」
「それでもご飯はおいしいんです!!」
「…………」
ルーファス似の男性の苦言に、レイはキッと彼を睨み上げてすぐさま反論した。
レイのあまりの威勢に押され、ルーファス似の男性は何も言えなくなっていた。
「はいよ。いい食べっぷりだねぇ」
「ありがとうございます!」
「マーゴットも、もうよそるなっ!!」
ルーファス似の男性のツッコミが、屋敷中に響いた。
***
「……いい加減、腹は落ち着いたか?」
ルーファス似の男性が呆れ返った声で尋ねた。
「……ごちそうさまでした……」
レイは椅子の背もたれに寄りかかりながら、ケプリと満足そうな息を吐いた。
結局、レイはご飯を三回おかわりし、味噌汁も一回おかわりをした。心ゆくまでご飯を堪能したレイには、もう悔いは無かった。
「……ルーファスは、こんな奴のどこが良かったんだ?」
「むぅ……そういえば、あなたは誰なんですか? ルーファスにそっくりですよね」
「今さら訊くのか?」
「今までそんな機会はありませんでしたよ」
ルーファス似の男性は、空いた口が塞がらない、といった表情でレイを見つめた。
レイは不服そうに頬を膨らました。お腹がいっぱいすぎて、身動きは取れない。
「俺はルーファスの兄のレックスだ。光竜王だ。敬え」
「……そうですか。私はレイです」
「知ってる。竜王だぞ? 敬え」
「人攫いを敬う趣味はないです」
(……何なの、この竜? 見た目はルーファスだけど、全然中身が違う……)
レイは胡乱な目でレックスを見つめた。
淡い金髪はさらりと輝いていて、白皙の美貌はルーファスと瓜二つだ。一点、魔物の王らしい黄金眼には微かな星の煌めきがあるが、淡い色味なので、よく見なければルーファスとの違いは分からない——姿形はまさにルーファスそのままなのだ。
……だが、表情や態度が極悪すぎる。爽やかで優しい王子様のようなルーファスとは似ても似つかなかった。
「そもそも、お前はなんで、ルーファスの加護をもらっておきながら、別の奴の匂いがそんなにベッタリ付いてるんだ! ……しかも、相当強い影竜だな」
「ニールのことですか? ニールは私の兄ですよ」
レックスにビシッと指差して指摘され、レイはあっさりと答えた。
「は?」
レックスが渋い表情のまま固まった。
「影竜王が……? なぜ?」
「王都のニールの屋敷に私の部屋を作るのに、『妹』にした方が都合が良かったんです」
「だとしてもだ。なぜ影竜王がそこまでされるんだ?」
「ニールは私の契約の竜です」
「はぁあっ!?」
レックスは驚きのあまりガタンッと席を立った。
「あの残虐非道な影竜王が……ありえない……」
「もうっ! ニールの悪口を言わないでください!」
レイは大事なニールのことを悪様に言われて、ぷっくりと頬を膨らませて剥れた。
「…………だが、兄なら、匂いが付いていてもおかしくはないのか……?」
レックスは難しそうな顔をして首を捻った。落ち着くように、カタンと椅子に腰を下ろす。
「そもそも、なんで私は攫われたんですか?」
レイはむすりと不機嫌そうに尋ねた。
「それはっ! ……お前が、ルーファスから加護をもらっておきながら、他の竜にもちょっかいを出していたのかと……」
レックスは、バツが悪そうにたどたどしく答えた。本気で悪いと思っているのか、その声はどんどんと小さくなっていく。
「それって、勘違いじゃないですか! 私、そんな理由で攫われたんですか!?」
「うっ……悪かったな……」
「それじゃあ、慰謝料としてお米を要求します!」
レイはここぞとばかりに畳み掛けた。ソウルフードである米が手に入る絶好のチャンスを逃す気はさらさらなかった。
「……米……お前はまだ食べる気なのか? どれだけ食い意地が張ってるんだ?? その小さな体に一体どこまで入るんだ???」
レックスは完全にドン引きしながら呟いた。
レイは口元に手を当て、感動のあまり涙目になり、ふるふると震えていた。
その視線は、お椀に盛られたご飯に釘付けである。
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「坊ちゃん!」
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「……ふふふっ……」
レイは下を向くと、喜びのあまり不審な笑いを漏らし、久々の和食に武者震いを起こした。
「……どうした?」
レイのおかしな様子に、ルーファス似の男性が訝しげに片眉を上げた。
「いっただきま~す!」
レイは満面の笑みで食事を始めた。
元の世界で幼少期から使いまくって慣れていたレイの箸さばきは完璧だ。さくさくと箸の先でおかずを切り分けては摘んでいき、ご飯をかき込む。
レイの見事な箸使いに、ルーファス似の男性は、ぽかんと呆気にとられて彼女の食事風景を眺めていた。マーゴットに食事マナーを注意されるまで、そのままだった。
「おかわりっ!」
レイは空になったお椀片手に、元気よく叫んだ。
久しぶりの念願のご飯に、レイの瞳はキラキラと輝き、頬は血色良く上気していた。
「はいよ」
マーゴットはレイの食べっぷりに相好を崩して、彼女のお椀を受け取った。
ほかほかの白いご飯をよそる。
「ありがとうございます!」
レイはにっこりとお礼を言った。
「マーゴットもご飯をよそるな!」
ルーファス似の男性が、ツッコミを入れる。
「だって、すごくおいしそうに食べてくれるんですもの……つい、ね」
マーゴットが、嬉しさ半分、困ったように眉を下げた。
「それに、攫ってきた子にひもじい思いをさせるような竜に育てた覚えはありませんよ!」
マーゴットは急に恐ろしげな表情をつくると、ルーファス似の男性を嗜めた。
「ぐっ……」
ルーファス似の男性は、バツが悪そうに言葉を詰まらせた。どうやら世話係だったマーゴットには、強く出られないのだろう。
一方でレイは、久々のご飯に大興奮だ。
(いける! 今なら、ご飯何杯でもいける!!)
この世界に召喚され、積もりに積もったご飯への飢餓感と、ご飯にばっちりマッチする料理のおいしさと、マーゴットのおもてなし力の高さから、ここにフードファター・レイが誕生した。
「おかわり!!」
レイは瞳をキラキラさせて、再度、空のお椀を突き出した。
「なっ……お前、自分が今は囚われの身だと理解しているのか!? 何杯食べる気だ!!?」
「それでもご飯はおいしいんです!!」
「…………」
ルーファス似の男性の苦言に、レイはキッと彼を睨み上げてすぐさま反論した。
レイのあまりの威勢に押され、ルーファス似の男性は何も言えなくなっていた。
「はいよ。いい食べっぷりだねぇ」
「ありがとうございます!」
「マーゴットも、もうよそるなっ!!」
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***
「……いい加減、腹は落ち着いたか?」
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「……ごちそうさまでした……」
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結局、レイはご飯を三回おかわりし、味噌汁も一回おかわりをした。心ゆくまでご飯を堪能したレイには、もう悔いは無かった。
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◆関連作品
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