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黒竜討伐2
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黒竜討伐の作戦日当日、まだ夜も明け切らぬうちに、レイたちは冒険者ギルド前に集合していた。
すでに討伐に参加する冒険者が三十名ほど集まっており、緩やかにパーティーや知り合いごとに分かれていた。
「よく集まってくれた。みんなには王国騎士団や魔術師団が黒竜討伐に専念できるように、それ以外の魔物の排除をしてもらいたい。それから、負傷者の救助と介抱だ。重傷者は優先的に治癒院の方に、軽傷者は関所かギルドの方に運んで欲しい」
ギルドマスターのティルソンが冒険者たちの前に出て、本日の役割を説明してくれた。
次に各パーティーのリーダーだけが呼ばれ、近隣の地図を挟んで持ち場の確認となった。
下手に合同パーティーを作って付け焼き刃の連携をさせるより、慣れたパーティーごとに持ち場を与えて、自由に行動させるようだ。
今回の討伐対象はAランクの竜だ。下手な連携は却って足を引っ張る原因となり、命取りにもなりかねない。
「僕たちの持ち場は、この街に一番近い場所になったよ。王国騎士の方に魔物が行かないようにするのもそうだけど、街の方にも魔物が近づかないように気をつけて欲しいって」
ルーファスが、レイとレヴィの元に戻って来ると、地図を広げて持ち場の説明を始めた。
街の近くは、特に優秀なパーティーや実績のあるパーティーが任されているようだ。
「さすがにAランクの竜が暴れると、森が荒れるからね。ランクの高さに関係なく魔物の移動が起こるから、いつも以上に魔物の動きには気をつけないと。どこから飛び出して来るか分からないからね」
ルーファスの言葉に、レイとレヴィは静かに深く頷いた。
「それじゃあ、各自持ち場へ散ってくれ! 討伐した魔物は、別途、買い取りもするぞ!」
ティルソンの言葉に、冒険者の「オォ!」という野太い歓声が上がった。
冒険者たちの士気は上々だった。
***
黒竜は巨大な木の下で眠りについていた。
大きすぎる羽を器用に折りたたみ、岩石のようにゴツゴツとした鎧鱗は、呼吸に合わせて健やかに上下している。
黒竜は夢を見ていた。
先日会った男——いや、竜の夢だった。
黒竜がいつも通り、金目のものを旅の商人たちから奪おうと、とあるキャラバンに狙いを定めたところ、その馬車の中から一人の男が出てきた。いや、人間の姿をしていたが、竜が変身している姿だと、黒竜には直感的に分かった。
人の姿をした竜は、黒竜をギロリと睨み上げた。手出しするなら容赦しない、と。
黒竜は、ひと睨みで力量差を分からされた。絶望的なほどだった。
本能的な恐れで、背筋が凍りつくように痺れ、竜だというのに鱗に鳥肌が立つ思いだった。
今まで出会った中でも、最も強い竜だと感じた。
「やばい! アレと関わってはいけない!! 命がない!!」と慌てて飛んで逃げた先には、人間の関所があった。
武装している人間たちがギャーギャーと騒いでいたが、先ほどの恐怖で体が縮こまっていることもあり、相手をするのも億劫でそのまま素通りした。
森の中に安全そうな場所を見つけて、地面に降りた。その時は、恐れの余韻でまだ手足がぶるぶると震えていた。
眠りから意識が上昇する。
黒竜はここ数日は、何度も同じ夢を見ては、うなされるように起きていた。——あの人の姿をした竜に睨まれたのが、相当に堪えたようだ。それほど本能に訴えかけるような恐怖だった。
不意に、黒竜は微かだが風に混じる殺気を感じた。ワイバーンの父から受け継いだ力だ。
敵はじわりじわりと黒竜を囲い込むように、近づいて来ている。おそらく人間のようだが、かなりの手練れだ。
黒竜が気づいて身動きしたことで、先ほどの殺気はすっかり鳴りを潜め、掻き消されてしまった。
黒竜は寝ぼけて強張った身体を、伸びをして叩き起こした。
悪夢の余韻を、大きな頭を振って落とす。
敵は手練れのようだが、所詮は人間だ。最近成長期でメキメキと力をつけた黒竜にとって、敵ではなかった。
憂さ晴らしでもするか、と黒竜は探索魔術をかけて、敵の位置と人数を確認した。
近場に六十、少し離れて三十。さらに離れた所にも気配はたくさんあるが、別の魔物を狩っているようだ。
まずは、一番近くにまで迫っていたグループに、黒竜から攻撃を仕掛けた。
「ギャオォオオオッ!!!」
黒竜は雄叫びを上げ、木々を薙ぎ倒し、一気に突っ込んで行った。頑丈な身体は岩竜の母親譲りだ。
黒竜には、人間が二人吹き飛ぶのが見えた。みんな揃いの赤い服を着ている。
上手く避けて黒竜に斬りかかってくる人間もいた。岩竜特有の岩石状の鎧鱗がガキィンッと大きな音を立てて欠けた。
黒竜は、滅多にいない鎧鱗を砕く者にびっくりした。ぐるりとその場で回転して、そいつらをしっぽで薙ぎ払った。
トドメを刺そうと向きを変えた瞬間、黒竜の背中に衝撃が走った。
魔術師たちの連携魔術ロックバレットだ。
大岩の礫に、黒竜の身体はぐらりと揺れた。
鎧鱗はかなりの防御力を誇るが、何枚か剥がれ落ちた。
黒竜は、純粋な岩竜とは違う大きな翼を広げた。
「ゲギャギャッ!」
黒竜が咆哮を上げると、大きなかまいたちが四方八方に飛び、森の木々も岩も地面も抉り、敵がいる場所に物凄い速さで斬り込んでいく。
黒竜はひと暴れして満足すると、その大きな翼を羽ばたかせて、大空へと舞った。
後には惨状が広がっていた。
森の木々は薙ぎ倒され、地面や岩は削り取られ、あちこちから負傷者のうめき声がしていた。
***
銀の不死鳥は、関所のある街の近く、黒竜からは離れた場所で後方支援をしていた。
持ち場に着くと、レイとルーファスは瞬時に探索魔術を展開した。次の瞬間——
ギャオォオオオッ……!
森が揺れ、遠くから竜の咆哮が聞こえてきた。
「始まったみたいだね」
ルーファスは声がした方を振り向いて見上げた。
「……来ます!」
レイは、いくつもの細々とした気配がこちらに逃げて来るのに、身構えた。ショートソードを握り締め、心の中で十一代目剣聖を口寄せした。
レヴィも、いつでも動けるように剣を構える。
はじめは鼠やうさぎ、鳥やリスなどの小動物が駆けて来た。
そのうち、いたちや狐、鹿など、中型や大型の動物が混じるようになった。
「レイ、レヴィ。ボアとウルフだ」
ルーファスが、グルル……と低い竜の警告音混じりに告げた。
小型のマッドボアが二頭、茂みから飛び出して来た。
レイもレヴィもするりとマッドボアの突進を避け、すり抜けざまに首を刎ねた。
ボアを後追いするように、ウォーウルフたちが飛び出して来る。
「ライトニングアロー」
ルーファスが放った光の矢が、正確にウォーウルフたちの眉間を撃ち抜いていった。
ゲギャギャッ……!
森の奥で、また竜の咆哮が上がった。
「!? まずい! レイ、結界だ!!」
「はいっ!!」
ルーファスの呼びかけに、レイは瞬時に大型の結界を張った。
強風と共に、切り刻まれた草木や岩などが容赦なく吹き飛んで来た。レイが張った結界に、ガンガンガンッと大きな音を立てて叩きつけられていく。
「きゃっ!」
結界で防がれてはいるが、レイはびっくりして、反射的に身をすくめて目を瞑った。
すかさずルーファスがレイを安心させるように、彼女の肩と頭を、片腕で抱え込んだ。
「……もう終わったよ」
ルーファスにゆっくりと解放されて、レイが目を開けると、そこはさっきまでの風景とはガラリと変わっていた。
結界の前には、木の幹や岩や土などが堆積して、その先が見えなくなっていた。
「黒っぽい竜は、もう別の場所に飛んで行ったみたい。血の匂いもするし、救助に向かわないと」
「……はい……」
レイはルーファスに支えられながら立っていた。
自然災害と言っても過言でないようなあまりの変わり具合に、レイはガツンとショックを受けていた。
(もし結界を張れてなかったら、結界を張るタイミングが遅かったら、かなりヤバかったかも……)
「動けそう?」
「……どうにか……」
ルーファスが心配して尋ねると、レイはぼんやりと答えた。
「レイ。もう黒っぽい竜はいないです。早く行かないと、助かる人も助けられないです」
レヴィが淡々と伝えた。彼の剣らしい少し人間味の足りない言葉は、却ってレイを冷静にさせた。
「そ、そうだよね! しっかりしなきゃ!」
レイはパーンッと自分の両頬を叩くと、負傷者の救助に向かった。
すでに討伐に参加する冒険者が三十名ほど集まっており、緩やかにパーティーや知り合いごとに分かれていた。
「よく集まってくれた。みんなには王国騎士団や魔術師団が黒竜討伐に専念できるように、それ以外の魔物の排除をしてもらいたい。それから、負傷者の救助と介抱だ。重傷者は優先的に治癒院の方に、軽傷者は関所かギルドの方に運んで欲しい」
ギルドマスターのティルソンが冒険者たちの前に出て、本日の役割を説明してくれた。
次に各パーティーのリーダーだけが呼ばれ、近隣の地図を挟んで持ち場の確認となった。
下手に合同パーティーを作って付け焼き刃の連携をさせるより、慣れたパーティーごとに持ち場を与えて、自由に行動させるようだ。
今回の討伐対象はAランクの竜だ。下手な連携は却って足を引っ張る原因となり、命取りにもなりかねない。
「僕たちの持ち場は、この街に一番近い場所になったよ。王国騎士の方に魔物が行かないようにするのもそうだけど、街の方にも魔物が近づかないように気をつけて欲しいって」
ルーファスが、レイとレヴィの元に戻って来ると、地図を広げて持ち場の説明を始めた。
街の近くは、特に優秀なパーティーや実績のあるパーティーが任されているようだ。
「さすがにAランクの竜が暴れると、森が荒れるからね。ランクの高さに関係なく魔物の移動が起こるから、いつも以上に魔物の動きには気をつけないと。どこから飛び出して来るか分からないからね」
ルーファスの言葉に、レイとレヴィは静かに深く頷いた。
「それじゃあ、各自持ち場へ散ってくれ! 討伐した魔物は、別途、買い取りもするぞ!」
ティルソンの言葉に、冒険者の「オォ!」という野太い歓声が上がった。
冒険者たちの士気は上々だった。
***
黒竜は巨大な木の下で眠りについていた。
大きすぎる羽を器用に折りたたみ、岩石のようにゴツゴツとした鎧鱗は、呼吸に合わせて健やかに上下している。
黒竜は夢を見ていた。
先日会った男——いや、竜の夢だった。
黒竜がいつも通り、金目のものを旅の商人たちから奪おうと、とあるキャラバンに狙いを定めたところ、その馬車の中から一人の男が出てきた。いや、人間の姿をしていたが、竜が変身している姿だと、黒竜には直感的に分かった。
人の姿をした竜は、黒竜をギロリと睨み上げた。手出しするなら容赦しない、と。
黒竜は、ひと睨みで力量差を分からされた。絶望的なほどだった。
本能的な恐れで、背筋が凍りつくように痺れ、竜だというのに鱗に鳥肌が立つ思いだった。
今まで出会った中でも、最も強い竜だと感じた。
「やばい! アレと関わってはいけない!! 命がない!!」と慌てて飛んで逃げた先には、人間の関所があった。
武装している人間たちがギャーギャーと騒いでいたが、先ほどの恐怖で体が縮こまっていることもあり、相手をするのも億劫でそのまま素通りした。
森の中に安全そうな場所を見つけて、地面に降りた。その時は、恐れの余韻でまだ手足がぶるぶると震えていた。
眠りから意識が上昇する。
黒竜はここ数日は、何度も同じ夢を見ては、うなされるように起きていた。——あの人の姿をした竜に睨まれたのが、相当に堪えたようだ。それほど本能に訴えかけるような恐怖だった。
不意に、黒竜は微かだが風に混じる殺気を感じた。ワイバーンの父から受け継いだ力だ。
敵はじわりじわりと黒竜を囲い込むように、近づいて来ている。おそらく人間のようだが、かなりの手練れだ。
黒竜が気づいて身動きしたことで、先ほどの殺気はすっかり鳴りを潜め、掻き消されてしまった。
黒竜は寝ぼけて強張った身体を、伸びをして叩き起こした。
悪夢の余韻を、大きな頭を振って落とす。
敵は手練れのようだが、所詮は人間だ。最近成長期でメキメキと力をつけた黒竜にとって、敵ではなかった。
憂さ晴らしでもするか、と黒竜は探索魔術をかけて、敵の位置と人数を確認した。
近場に六十、少し離れて三十。さらに離れた所にも気配はたくさんあるが、別の魔物を狩っているようだ。
まずは、一番近くにまで迫っていたグループに、黒竜から攻撃を仕掛けた。
「ギャオォオオオッ!!!」
黒竜は雄叫びを上げ、木々を薙ぎ倒し、一気に突っ込んで行った。頑丈な身体は岩竜の母親譲りだ。
黒竜には、人間が二人吹き飛ぶのが見えた。みんな揃いの赤い服を着ている。
上手く避けて黒竜に斬りかかってくる人間もいた。岩竜特有の岩石状の鎧鱗がガキィンッと大きな音を立てて欠けた。
黒竜は、滅多にいない鎧鱗を砕く者にびっくりした。ぐるりとその場で回転して、そいつらをしっぽで薙ぎ払った。
トドメを刺そうと向きを変えた瞬間、黒竜の背中に衝撃が走った。
魔術師たちの連携魔術ロックバレットだ。
大岩の礫に、黒竜の身体はぐらりと揺れた。
鎧鱗はかなりの防御力を誇るが、何枚か剥がれ落ちた。
黒竜は、純粋な岩竜とは違う大きな翼を広げた。
「ゲギャギャッ!」
黒竜が咆哮を上げると、大きなかまいたちが四方八方に飛び、森の木々も岩も地面も抉り、敵がいる場所に物凄い速さで斬り込んでいく。
黒竜はひと暴れして満足すると、その大きな翼を羽ばたかせて、大空へと舞った。
後には惨状が広がっていた。
森の木々は薙ぎ倒され、地面や岩は削り取られ、あちこちから負傷者のうめき声がしていた。
***
銀の不死鳥は、関所のある街の近く、黒竜からは離れた場所で後方支援をしていた。
持ち場に着くと、レイとルーファスは瞬時に探索魔術を展開した。次の瞬間——
ギャオォオオオッ……!
森が揺れ、遠くから竜の咆哮が聞こえてきた。
「始まったみたいだね」
ルーファスは声がした方を振り向いて見上げた。
「……来ます!」
レイは、いくつもの細々とした気配がこちらに逃げて来るのに、身構えた。ショートソードを握り締め、心の中で十一代目剣聖を口寄せした。
レヴィも、いつでも動けるように剣を構える。
はじめは鼠やうさぎ、鳥やリスなどの小動物が駆けて来た。
そのうち、いたちや狐、鹿など、中型や大型の動物が混じるようになった。
「レイ、レヴィ。ボアとウルフだ」
ルーファスが、グルル……と低い竜の警告音混じりに告げた。
小型のマッドボアが二頭、茂みから飛び出して来た。
レイもレヴィもするりとマッドボアの突進を避け、すり抜けざまに首を刎ねた。
ボアを後追いするように、ウォーウルフたちが飛び出して来る。
「ライトニングアロー」
ルーファスが放った光の矢が、正確にウォーウルフたちの眉間を撃ち抜いていった。
ゲギャギャッ……!
森の奥で、また竜の咆哮が上がった。
「!? まずい! レイ、結界だ!!」
「はいっ!!」
ルーファスの呼びかけに、レイは瞬時に大型の結界を張った。
強風と共に、切り刻まれた草木や岩などが容赦なく吹き飛んで来た。レイが張った結界に、ガンガンガンッと大きな音を立てて叩きつけられていく。
「きゃっ!」
結界で防がれてはいるが、レイはびっくりして、反射的に身をすくめて目を瞑った。
すかさずルーファスがレイを安心させるように、彼女の肩と頭を、片腕で抱え込んだ。
「……もう終わったよ」
ルーファスにゆっくりと解放されて、レイが目を開けると、そこはさっきまでの風景とはガラリと変わっていた。
結界の前には、木の幹や岩や土などが堆積して、その先が見えなくなっていた。
「黒っぽい竜は、もう別の場所に飛んで行ったみたい。血の匂いもするし、救助に向かわないと」
「……はい……」
レイはルーファスに支えられながら立っていた。
自然災害と言っても過言でないようなあまりの変わり具合に、レイはガツンとショックを受けていた。
(もし結界を張れてなかったら、結界を張るタイミングが遅かったら、かなりヤバかったかも……)
「動けそう?」
「……どうにか……」
ルーファスが心配して尋ねると、レイはぼんやりと答えた。
「レイ。もう黒っぽい竜はいないです。早く行かないと、助かる人も助けられないです」
レヴィが淡々と伝えた。彼の剣らしい少し人間味の足りない言葉は、却ってレイを冷静にさせた。
「そ、そうだよね! しっかりしなきゃ!」
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◆関連作品
『砂漠の詩』
『雨の回廊』編の過去編スピンオフです。
『冒険者を辞めたら天職でした 〜パーティーを追放された凄腕治癒師は、大聖者と崇められる〜』
『冒険者パーティーを追放された凄腕治癒師を拾いました』編のスピンオフです。
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