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魔術修行
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バレット商会のキャラバンは、早朝にフーの街を出立した。
シルクロードに入り、数多のキャラバンや商人たちによって踏み固められた道を行く。
バレット商会の主人ニール・バレットが乗る馬車内では、昨日のフロランツァでの悪夢のC型の仕事の余波で、みんなくったりと疲れていた——睡眠が不要で疲れ知らずな聖剣レヴィを除いて。
女の子たちに揉みくちゃにされたルーファスはもとより、恋の精霊の妄想話に付き合わされたニールも目を瞑って、馬車の背もたれに寄りかかっていた。
レイも子猫サイズの琥珀と一緒にふかふかのクッションに埋もれて昼寝をしていた。
昼時になって、キャラバンの馬車が小休憩のために停まった。
レイは午前中はずっと眠っていたので、馬車の外に出ると、ぐぐーっと背伸びをした。
琥珀も彼女の隣で、背中を弓なりにして大あくびをしている。
「レイ、体調は大丈夫?」
ニールがレイの様子を窺いながら尋ねた。
「いっぱい眠れたので、かなりスッキリしました!」
レイはにっこり笑って、ニールを見上げた。
「それじゃあ、フェリクス様にもお願いされたし、魔術の練習をしようか?」
「はいっ! よろしくお願いします」
レイはぺこりとお辞儀をした。
「早速だけど、キャラバン全員分の冷たい水を出してもらおうか。氷魔術は使わずにね」
「冷たい水ですか? 魔術で水を出せば、ひんやりしてますけど……」
「水の温度を調整してから出そうか。凍らない程度に冷たい水をね」
「え゛っ……」
ニールの注文に、レイはいきなり面食らった。
(温度調整なんて、やったことないや……)
「はい」
ニールは空間収納から空のコップを取り出すと、ずいっとレイの目の前に差し出した。ここに冷たい水を入れろ、ということだ。
「えっと、どうすれば?」
「冷たい水をイメージして、魔力を流すんだ」
(……冷たい水、冷たい水……しっかりイメージしないとダメかな? 結構難しいかも……)
レイは意識を集中させて、元の世界でよく飲食店で一番最初に出されていた氷が浮かぶ冷たい水をイメージした。早速、魔力を込めて水をコップの中に出してみる。
ニールはコップの水に一口、口をつけると、
「まずまずだね」
と評価を下した。
「……ニールは、いつもこんなことを?」
「毎回ではないけど、気づいた時はやってるよ。できた方が便利だし、魔力操作の練習にもなる。慣れてくれば、意識しなくてもできるようになるよ。ほら、もう一回やり直し」
「はい……」
その後も数回チャレンジして、やっとニールから合格をもらい、レイは全員分のコップに冷たい水を入れた。
「ほぉ、すごいな。本当に冷たい」
「器用なもんだな」
「かぁーっ! 冷たい方がうまいな!」
キャラバンの商人や商隊兵は口々に褒めた。
「お嬢ちゃん、次のキャラバンにも護衛でついてくる気は……いや、何でもないです」
レイを誘おうとした商人は、ニールにぎろりと睨まれ、口をつぐんだ。
「しばらくは、これを休憩の度にやってもらおうか。氷魔術の使用は一切不可だ」
「分かりました」
ニールにビシリと言われ、レイは神妙な顔で頷いた。
(ただ水を出すだけなんだけど、すっごく集中力を使う……)
レイはしげしげと自分の手を見つめながら思った。
馬車の中では、光魔術の練習だ。
見本でルーファスが、照明魔術を披露してくれた。
光の玉の明度を眩しいぐらいに上げたり、逆にほとんどかすかに光るぐらいに下げたりした。また、光の玉の色を白っぽくしたり、オレンジ色っぽく変えたり、玉の形自体を変えたりと、自由自在に変えていった。
「ルーファス、上手ですね!」
「子供の頃、よく練習したからね」
レイが褒めると、ルーファスははにかんで答えた。
「大抵の人間は、とにかく使える魔術を増やすだけ、威力を上げるだけで満足してしまいがちだ。だが、それは魔術師としてはスタートラインに立ったに過ぎない。同じ魔術でも、そこからどれだけ細やかに操作できるか、どんな魔術をどう組み合わせていくかが魔術戦の勝敗に関わってくる。力押しで、威力だけで勝つこともできなくはないが、それはあくまで力量差がある場合にのみ可能だ。Aランクを超えてくるような奴らはそれじゃ効かない」
ニールが説明を始めた。
魔術で竜の第二席にまでのし上がった者の言葉には、重みがあった。
レイは静かに相槌を打った。
「なんだか、威力を上げたり、抑えたりすることよりも難しい気がするのですが……」
「そうだね。威力は魔力量に依存するから、案外単純なんだ。流し込む魔力量を調整すればいいだけだからね。逆に、水魔術の温度を調整したり、光魔術の明るさや色を変えたりすることは、魔術そのものの性質をいじることになるから、より細やかな魔力操作能力が必要になる」
「より難易度が高いんですね」
レイは目を丸くした。リリスの加護で精度補正がついているはずなのだが、今回習っている魔力操作とはまた性質が違ったもののようだ。
(……魔術って、奥が深い……)
「じゃあ、早速やってみようか。魔力操作のコツは、慣れることだよ」
にっこりと、ニールが艶然と笑った。
(ヒィ! エルネスト並みのスパルタ!)
レイは内心、戦々恐々としながら、照明魔術の練習を始めた。
まだ日も傾かないうちに、本日の野営地に着いた。
少し開けた空き地に、次々とキャラバンの馬車が停まっていく。
どうやら、バレット商会について来た他の商人やキャラバンも、ここで野営をするようだ。
野営の準備がひと段落すると、レヴィが声をかけてきた。
「レイ、少し体を動かしますか?」
「……うん、そうだね。ずっと同じような姿勢だったし、軽く運動しようかな」
レヴィの誘いに、レイは軽く頷いた。
「たまには手合わせしますか?」
「えっ?」
「レイはずっと真面目に剣術修行を積んできました。たまには口寄せせずに手合わせをすることで、今の状態がわかりますし、何より今日は魔術ばかり練習してます。少し、気晴らししませんか?」
「それもそうだね。よろしくお願いします、レヴィ教官!」
レイは少しだけ茶化して、サハリアの訓練兵のようにレヴィのことを呼んだ。軽くサハリアの敬礼の姿勢をとる。
レイは木刀を空間収納から取り出すと、レヴィに手渡した。
どちらからともなく、打ち合いを始めた。カンカンカンと木刀の打ちつけ合う音が空き地に響いた。
「へぇ……」
「あの歳でなかなかの腕前だな」
「ほぉ。ただ守られてるだけのお嬢さんってわけじゃないんだな」
バレット商会の商人や商隊兵たちも、馬の世話や作業の手を止めて、レイたちの手合わせを眺めていた。
「はぁ~~~っ! もうダメ!!」
先に音を上げたのは、もちろん、レイだった。
両足を放り出すようにして座り込む。息もかなり上がっている。
「以前に比べて体力がつきましたね。それに良い剣筋です」
レヴィが淡々と褒めた。もちろん、こちらは息一つ上がっていない。
「ふふっ。ありがとうございます」
(レヴィに認められると、なんだかお墨付きが貰えたみたいで、嬉しいかも)
レイは嬉しそうに、彼に笑いかけた。
「レイはまだ小さいので、力やスピードはまだこれからですね。魔術の練習もありますが、剣術の練習も今まで通り行いましょう」
「はい、レヴィ教官!」
レヴィのアドバイスに、レイは元気よく返事をした。
「レイは剣術も練習してるのかな?」
ニールが、彼女の隣に腰かけた。瞬時に防音結界を展開する。
「冒険者をやるなら、できた方が安全かな、って思いまして」
(……自分が当代剣聖だってこともあるけど……)
レイは少しだけ視線を泳がせた。ニールには、ずっと伝え忘れていたことだ。
「そうだね。聖剣もあるし、使えるに越したことはないね」
「えっ……あれ? ニールにレヴィのこと、言いましたっけ?」
「レヴィとは契約してるんだろう?」
「そうですけど……」
(あれ? どこかで話したっけ?)
レイは内心、首を捻った。ニールと出会ってからのことを思い返してみたが、それらしいことを話した覚えはなかった。
ただ、ニールは魔術が得意だ。レヴィとの間の魔術契約を見て、推測されたのかと考えた。それ以外に思い当たる節はなかった。
「周りにはレイが魔術師だということにしておいて、剣のことは護身用って伝えてるんだろう?」
「そうです」
「誰も彼もが、当然のように当代剣聖は『男』だと思い込んでる。面倒なことに巻き込まれないようにするには、今のスタンスを維持した方がいいね」
ニールは防音結界があるというのに、声を潜めて、レイの耳元で囁いた。
レイはドキドキしつつ、こくりと静かに頷いた。
その時、コンコンッと防音結界が叩かれた。
ルーファスが心配そうに、レイたちを見ていた。
「ニール様、レイ、レヴィ。夕飯だそうですよ。みんなもう集まってます」
「分かりました。すぐに向かいます」
ニールは防音結界を解除すると、サッと立ち上がった。
レイに手を差し伸べて起き上がらせると、連れ立ってキャラバンのメンバーの元へ向かった。
シルクロードに入り、数多のキャラバンや商人たちによって踏み固められた道を行く。
バレット商会の主人ニール・バレットが乗る馬車内では、昨日のフロランツァでの悪夢のC型の仕事の余波で、みんなくったりと疲れていた——睡眠が不要で疲れ知らずな聖剣レヴィを除いて。
女の子たちに揉みくちゃにされたルーファスはもとより、恋の精霊の妄想話に付き合わされたニールも目を瞑って、馬車の背もたれに寄りかかっていた。
レイも子猫サイズの琥珀と一緒にふかふかのクッションに埋もれて昼寝をしていた。
昼時になって、キャラバンの馬車が小休憩のために停まった。
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琥珀も彼女の隣で、背中を弓なりにして大あくびをしている。
「レイ、体調は大丈夫?」
ニールがレイの様子を窺いながら尋ねた。
「いっぱい眠れたので、かなりスッキリしました!」
レイはにっこり笑って、ニールを見上げた。
「それじゃあ、フェリクス様にもお願いされたし、魔術の練習をしようか?」
「はいっ! よろしくお願いします」
レイはぺこりとお辞儀をした。
「早速だけど、キャラバン全員分の冷たい水を出してもらおうか。氷魔術は使わずにね」
「冷たい水ですか? 魔術で水を出せば、ひんやりしてますけど……」
「水の温度を調整してから出そうか。凍らない程度に冷たい水をね」
「え゛っ……」
ニールの注文に、レイはいきなり面食らった。
(温度調整なんて、やったことないや……)
「はい」
ニールは空間収納から空のコップを取り出すと、ずいっとレイの目の前に差し出した。ここに冷たい水を入れろ、ということだ。
「えっと、どうすれば?」
「冷たい水をイメージして、魔力を流すんだ」
(……冷たい水、冷たい水……しっかりイメージしないとダメかな? 結構難しいかも……)
レイは意識を集中させて、元の世界でよく飲食店で一番最初に出されていた氷が浮かぶ冷たい水をイメージした。早速、魔力を込めて水をコップの中に出してみる。
ニールはコップの水に一口、口をつけると、
「まずまずだね」
と評価を下した。
「……ニールは、いつもこんなことを?」
「毎回ではないけど、気づいた時はやってるよ。できた方が便利だし、魔力操作の練習にもなる。慣れてくれば、意識しなくてもできるようになるよ。ほら、もう一回やり直し」
「はい……」
その後も数回チャレンジして、やっとニールから合格をもらい、レイは全員分のコップに冷たい水を入れた。
「ほぉ、すごいな。本当に冷たい」
「器用なもんだな」
「かぁーっ! 冷たい方がうまいな!」
キャラバンの商人や商隊兵は口々に褒めた。
「お嬢ちゃん、次のキャラバンにも護衛でついてくる気は……いや、何でもないです」
レイを誘おうとした商人は、ニールにぎろりと睨まれ、口をつぐんだ。
「しばらくは、これを休憩の度にやってもらおうか。氷魔術の使用は一切不可だ」
「分かりました」
ニールにビシリと言われ、レイは神妙な顔で頷いた。
(ただ水を出すだけなんだけど、すっごく集中力を使う……)
レイはしげしげと自分の手を見つめながら思った。
馬車の中では、光魔術の練習だ。
見本でルーファスが、照明魔術を披露してくれた。
光の玉の明度を眩しいぐらいに上げたり、逆にほとんどかすかに光るぐらいに下げたりした。また、光の玉の色を白っぽくしたり、オレンジ色っぽく変えたり、玉の形自体を変えたりと、自由自在に変えていった。
「ルーファス、上手ですね!」
「子供の頃、よく練習したからね」
レイが褒めると、ルーファスははにかんで答えた。
「大抵の人間は、とにかく使える魔術を増やすだけ、威力を上げるだけで満足してしまいがちだ。だが、それは魔術師としてはスタートラインに立ったに過ぎない。同じ魔術でも、そこからどれだけ細やかに操作できるか、どんな魔術をどう組み合わせていくかが魔術戦の勝敗に関わってくる。力押しで、威力だけで勝つこともできなくはないが、それはあくまで力量差がある場合にのみ可能だ。Aランクを超えてくるような奴らはそれじゃ効かない」
ニールが説明を始めた。
魔術で竜の第二席にまでのし上がった者の言葉には、重みがあった。
レイは静かに相槌を打った。
「なんだか、威力を上げたり、抑えたりすることよりも難しい気がするのですが……」
「そうだね。威力は魔力量に依存するから、案外単純なんだ。流し込む魔力量を調整すればいいだけだからね。逆に、水魔術の温度を調整したり、光魔術の明るさや色を変えたりすることは、魔術そのものの性質をいじることになるから、より細やかな魔力操作能力が必要になる」
「より難易度が高いんですね」
レイは目を丸くした。リリスの加護で精度補正がついているはずなのだが、今回習っている魔力操作とはまた性質が違ったもののようだ。
(……魔術って、奥が深い……)
「じゃあ、早速やってみようか。魔力操作のコツは、慣れることだよ」
にっこりと、ニールが艶然と笑った。
(ヒィ! エルネスト並みのスパルタ!)
レイは内心、戦々恐々としながら、照明魔術の練習を始めた。
まだ日も傾かないうちに、本日の野営地に着いた。
少し開けた空き地に、次々とキャラバンの馬車が停まっていく。
どうやら、バレット商会について来た他の商人やキャラバンも、ここで野営をするようだ。
野営の準備がひと段落すると、レヴィが声をかけてきた。
「レイ、少し体を動かしますか?」
「……うん、そうだね。ずっと同じような姿勢だったし、軽く運動しようかな」
レヴィの誘いに、レイは軽く頷いた。
「たまには手合わせしますか?」
「えっ?」
「レイはずっと真面目に剣術修行を積んできました。たまには口寄せせずに手合わせをすることで、今の状態がわかりますし、何より今日は魔術ばかり練習してます。少し、気晴らししませんか?」
「それもそうだね。よろしくお願いします、レヴィ教官!」
レイは少しだけ茶化して、サハリアの訓練兵のようにレヴィのことを呼んだ。軽くサハリアの敬礼の姿勢をとる。
レイは木刀を空間収納から取り出すと、レヴィに手渡した。
どちらからともなく、打ち合いを始めた。カンカンカンと木刀の打ちつけ合う音が空き地に響いた。
「へぇ……」
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「ほぉ。ただ守られてるだけのお嬢さんってわけじゃないんだな」
バレット商会の商人や商隊兵たちも、馬の世話や作業の手を止めて、レイたちの手合わせを眺めていた。
「はぁ~~~っ! もうダメ!!」
先に音を上げたのは、もちろん、レイだった。
両足を放り出すようにして座り込む。息もかなり上がっている。
「以前に比べて体力がつきましたね。それに良い剣筋です」
レヴィが淡々と褒めた。もちろん、こちらは息一つ上がっていない。
「ふふっ。ありがとうございます」
(レヴィに認められると、なんだかお墨付きが貰えたみたいで、嬉しいかも)
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「レイはまだ小さいので、力やスピードはまだこれからですね。魔術の練習もありますが、剣術の練習も今まで通り行いましょう」
「はい、レヴィ教官!」
レヴィのアドバイスに、レイは元気よく返事をした。
「レイは剣術も練習してるのかな?」
ニールが、彼女の隣に腰かけた。瞬時に防音結界を展開する。
「冒険者をやるなら、できた方が安全かな、って思いまして」
(……自分が当代剣聖だってこともあるけど……)
レイは少しだけ視線を泳がせた。ニールには、ずっと伝え忘れていたことだ。
「そうだね。聖剣もあるし、使えるに越したことはないね」
「えっ……あれ? ニールにレヴィのこと、言いましたっけ?」
「レヴィとは契約してるんだろう?」
「そうですけど……」
(あれ? どこかで話したっけ?)
レイは内心、首を捻った。ニールと出会ってからのことを思い返してみたが、それらしいことを話した覚えはなかった。
ただ、ニールは魔術が得意だ。レヴィとの間の魔術契約を見て、推測されたのかと考えた。それ以外に思い当たる節はなかった。
「周りにはレイが魔術師だということにしておいて、剣のことは護身用って伝えてるんだろう?」
「そうです」
「誰も彼もが、当然のように当代剣聖は『男』だと思い込んでる。面倒なことに巻き込まれないようにするには、今のスタンスを維持した方がいいね」
ニールは防音結界があるというのに、声を潜めて、レイの耳元で囁いた。
レイはドキドキしつつ、こくりと静かに頷いた。
その時、コンコンッと防音結界が叩かれた。
ルーファスが心配そうに、レイたちを見ていた。
「ニール様、レイ、レヴィ。夕飯だそうですよ。みんなもう集まってます」
「分かりました。すぐに向かいます」
ニールは防音結界を解除すると、サッと立ち上がった。
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◆関連作品
『砂漠の詩』
『雨の回廊』編の過去編スピンオフです。
『冒険者を辞めたら天職でした 〜パーティーを追放された凄腕治癒師は、大聖者と崇められる〜』
『冒険者パーティーを追放された凄腕治癒師を拾いました』編のスピンオフです。
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