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ニールとルーファス
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レイがユグドラへ転移魔術で帰った後、ニールの馬車の中では、ルーファスが穏やかなオレンジ色の光を魔術で灯していた。夜に目の痛くない、彼らしい優しく穏やかな明かりだ。
レヴィは一番最初の見張りのため、馬車の外に出ていた。
ニールは空間収納から毛布を出して包まると、襟元を人差し指で引っ張って寛げた。肘の下にクッションを置いて体重を預けると、空間収納から小さな酒瓶を取り出した。
「ルーファス殿もどうですか?」
ニールが小さく酒瓶をかかげた。色鮮やかな黄金眼が、オレンジ色の明かりに照らされ、深みを増している。
「この後、見張りがあるので、少しだけでしたら」
ルーファスは、砂漠で着ていた青いマントに包まると、柔らかく微笑んだ。
ニールは、おちょこのような小さなガラスの器を二つ、空間収納から取り出した。
酒瓶の中身を注ぐと、パキパキと雪の結晶のような薄い水色の模様が器に浮かび、水面上にヒュルリと細やかな氷の結晶が舞った。
「ありがとうございます。氷竜酒ですか。珍しい。最近は見かけないですよね」
ルーファスは、明かりでオレンジがかった淡い黄色の瞳を、丸く見開いた。
「ええ。ここ数年は氷竜湖の主が高齢で、材料の氷米の品質がなかなか安定しなくて、出荷を控えているそうですよ」
ニールは嘗めるように一口、器に口を付けた。
他人を寄せ付けない絶世の美貌と、艶のある色気を持つニールには、その仕草が非常によく似合っていた。
ルーファスも彼に倣って、くい、と器を傾ける。
キーンと目が冴えるほどに冷えた口当たりだが、甘みがしっかりとあり、飲み下した後は、喉の奥からぽかぽかと熱を帯びる。
「ニール様。ここ数日、レイの影属性が強まってるのですが、何かご存知ないですか?」
ルーファスはチラリと窺うように、ニールを見つめた。
影属性の魔術については、影竜王ニールの管轄だ。何かしら原因を知っているか、あるいは……
「ええ。レイは水属性が強いですからね。サハリアの記憶に随分と引き摺られていましたから、応急処置させていただきました。この土地をしばらく離れれば、落ち着くでしょう」
ニールはにこりと口角を上げた。
「そうだったんですか……」
(僕が離れている間にそんなことが……)
ルーファスは目を伏せた。少し憂いのある表情は、どこか苦しげだ。
「そういえば、レイはレックス殿のことは知ってるんですか?」
ニールは、ルーファスの様子を観察しながら尋ねた。
フッと、ルーファスが顔を上げる。
「レイは光竜の里とは関係が無いですからね。特に伝えてはいませんよ」
ルーファスは、なんでもないという風に穏やかに微笑んで答えた。
光竜王レックスは、ルーファスの双子の兄だ。
光竜の里の里長も兼任していて、光竜たちをまとめている。
「おや? そうですか……レックス殿なら、あなたが関係していることには何でも興味を持ちそうですが」
「そうですね。なので、兄の方にも伝えてませんよ。レイのことは教会関係ですから、兄には関係ないですし」
「おや? 本当にそれだけですか?」
「……というと?」
「あなたがここまで面倒をみているのです。それこそ、かなりの時間を教会から離れて。何頭も光竜を教会に派遣しているレックス殿が、不審に思わないはずはないのですが」
「…………」
「まぁ、私もレックス殿にレイのことを教えないのは賛成です。かの方は時々、いたずらが過ぎる……それに、光竜として、あまり口にしたくはないでしょうし」
ニールは、見透かすような瞳で、ルーファスを見つめた。
「……そうですね。私がこのことを口にすれば、何かしら行動を起こせば、兄がレイを見つけてしまうかもしれないですね」
ルーファスは弱みを握られるようで嫌だったが、諦めて素直に話した。
影竜王ニールは魔術が得意だ。ある程度目星はつけていたのだろうし、ランクの差を考えても隠し通すのは難しそうだ。
「確か、光竜は導きの光。希望の光。口にすることで成就するバフ、というか今回はデバフがかかってしまうということですか?」
「そういうことです。何事も叶ってしまうことが良いこととは限りませんから」
「なるほど。それはレイには伝えられないですね。光竜族のバフもこういう時には困りものですね」
ニールは同情するかのように眉を下げた。
「なので、レイにはこのことは内密でお願いします」
ルーファスは小さく頭を下げた。
あまり知られたくないことではあったが、ニールはレイの使い魔だ。彼女を傷つけるようなことはしないだろう。
「ええ、分かりました。レックス殿もあなたが絡まなければ、よき里長に見えるのですが」
「……そうですね」
ルーファスは遠い目をした。
魔物の王の証である黄金眼以外は瓜二つの兄レックスは、昔からやんちゃでいたずら好きだ。
大人になって、里長や光竜王の仕事の時は真面目にやるようになったが、それ以外の時はいたずら心が顔を覗かせる。
元々、好奇心旺盛なところがあるが、特にルーファスが絡むものには何でも首を突っ込んできた。
(……兄さん的には、家族を守りたいって気持ちが強いんだろうけど……)
竜族は総じて、力の強さに比例するかのように庇護欲が強い者が多い。特に、群れのリーダーを務める竜にはその傾向がある。
(レイを問題視して危害を加えなければいいけど……)
ルーファスは、利かん気の強い兄に、内心頭を抱えた。
「俺は、レイの世話役があなたで良かったと思ってますよ。フェリクス様の命でしたら、まず間違いはないでしょうけど。……レイに害があるなら、消して挿げ替えようかとも思っていましたが、これなら特に文句はありません」
「ハハハ……ありがとうございます」
とろりと酒に潤んだ黄金眼で見据えられ、ルーファスは引き攣った笑いしか出せなかった。
(レイ、本当に、よくこんな方と契約できたな……「優しい」って言ってたけど、騙されてない? それとも、レイは主人だから問題無いのかな?)
氷竜酒は美酒ではあるが、アルコール度数も魔力もキツめの酒だ。
珍しく溢れたニールの本音に、ルーファスはひっそりと背筋が凍りついていた。
今は大人しくなったと噂されるようになったとはいえ、二百年前には「黒の暴虐」の通り名が付くほどの暴れ竜だった男だ。滅ぼした国や街の数は、両手に余るほどだ。
(……早く、僕の番が来ないかな……)
ルーファスは戦々恐々と、自分の見張りの番が早く来ることを祈っていた。
レヴィは一番最初の見張りのため、馬車の外に出ていた。
ニールは空間収納から毛布を出して包まると、襟元を人差し指で引っ張って寛げた。肘の下にクッションを置いて体重を預けると、空間収納から小さな酒瓶を取り出した。
「ルーファス殿もどうですか?」
ニールが小さく酒瓶をかかげた。色鮮やかな黄金眼が、オレンジ色の明かりに照らされ、深みを増している。
「この後、見張りがあるので、少しだけでしたら」
ルーファスは、砂漠で着ていた青いマントに包まると、柔らかく微笑んだ。
ニールは、おちょこのような小さなガラスの器を二つ、空間収納から取り出した。
酒瓶の中身を注ぐと、パキパキと雪の結晶のような薄い水色の模様が器に浮かび、水面上にヒュルリと細やかな氷の結晶が舞った。
「ありがとうございます。氷竜酒ですか。珍しい。最近は見かけないですよね」
ルーファスは、明かりでオレンジがかった淡い黄色の瞳を、丸く見開いた。
「ええ。ここ数年は氷竜湖の主が高齢で、材料の氷米の品質がなかなか安定しなくて、出荷を控えているそうですよ」
ニールは嘗めるように一口、器に口を付けた。
他人を寄せ付けない絶世の美貌と、艶のある色気を持つニールには、その仕草が非常によく似合っていた。
ルーファスも彼に倣って、くい、と器を傾ける。
キーンと目が冴えるほどに冷えた口当たりだが、甘みがしっかりとあり、飲み下した後は、喉の奥からぽかぽかと熱を帯びる。
「ニール様。ここ数日、レイの影属性が強まってるのですが、何かご存知ないですか?」
ルーファスはチラリと窺うように、ニールを見つめた。
影属性の魔術については、影竜王ニールの管轄だ。何かしら原因を知っているか、あるいは……
「ええ。レイは水属性が強いですからね。サハリアの記憶に随分と引き摺られていましたから、応急処置させていただきました。この土地をしばらく離れれば、落ち着くでしょう」
ニールはにこりと口角を上げた。
「そうだったんですか……」
(僕が離れている間にそんなことが……)
ルーファスは目を伏せた。少し憂いのある表情は、どこか苦しげだ。
「そういえば、レイはレックス殿のことは知ってるんですか?」
ニールは、ルーファスの様子を観察しながら尋ねた。
フッと、ルーファスが顔を上げる。
「レイは光竜の里とは関係が無いですからね。特に伝えてはいませんよ」
ルーファスは、なんでもないという風に穏やかに微笑んで答えた。
光竜王レックスは、ルーファスの双子の兄だ。
光竜の里の里長も兼任していて、光竜たちをまとめている。
「おや? そうですか……レックス殿なら、あなたが関係していることには何でも興味を持ちそうですが」
「そうですね。なので、兄の方にも伝えてませんよ。レイのことは教会関係ですから、兄には関係ないですし」
「おや? 本当にそれだけですか?」
「……というと?」
「あなたがここまで面倒をみているのです。それこそ、かなりの時間を教会から離れて。何頭も光竜を教会に派遣しているレックス殿が、不審に思わないはずはないのですが」
「…………」
「まぁ、私もレックス殿にレイのことを教えないのは賛成です。かの方は時々、いたずらが過ぎる……それに、光竜として、あまり口にしたくはないでしょうし」
ニールは、見透かすような瞳で、ルーファスを見つめた。
「……そうですね。私がこのことを口にすれば、何かしら行動を起こせば、兄がレイを見つけてしまうかもしれないですね」
ルーファスは弱みを握られるようで嫌だったが、諦めて素直に話した。
影竜王ニールは魔術が得意だ。ある程度目星はつけていたのだろうし、ランクの差を考えても隠し通すのは難しそうだ。
「確か、光竜は導きの光。希望の光。口にすることで成就するバフ、というか今回はデバフがかかってしまうということですか?」
「そういうことです。何事も叶ってしまうことが良いこととは限りませんから」
「なるほど。それはレイには伝えられないですね。光竜族のバフもこういう時には困りものですね」
ニールは同情するかのように眉を下げた。
「なので、レイにはこのことは内密でお願いします」
ルーファスは小さく頭を下げた。
あまり知られたくないことではあったが、ニールはレイの使い魔だ。彼女を傷つけるようなことはしないだろう。
「ええ、分かりました。レックス殿もあなたが絡まなければ、よき里長に見えるのですが」
「……そうですね」
ルーファスは遠い目をした。
魔物の王の証である黄金眼以外は瓜二つの兄レックスは、昔からやんちゃでいたずら好きだ。
大人になって、里長や光竜王の仕事の時は真面目にやるようになったが、それ以外の時はいたずら心が顔を覗かせる。
元々、好奇心旺盛なところがあるが、特にルーファスが絡むものには何でも首を突っ込んできた。
(……兄さん的には、家族を守りたいって気持ちが強いんだろうけど……)
竜族は総じて、力の強さに比例するかのように庇護欲が強い者が多い。特に、群れのリーダーを務める竜にはその傾向がある。
(レイを問題視して危害を加えなければいいけど……)
ルーファスは、利かん気の強い兄に、内心頭を抱えた。
「俺は、レイの世話役があなたで良かったと思ってますよ。フェリクス様の命でしたら、まず間違いはないでしょうけど。……レイに害があるなら、消して挿げ替えようかとも思っていましたが、これなら特に文句はありません」
「ハハハ……ありがとうございます」
とろりと酒に潤んだ黄金眼で見据えられ、ルーファスは引き攣った笑いしか出せなかった。
(レイ、本当に、よくこんな方と契約できたな……「優しい」って言ってたけど、騙されてない? それとも、レイは主人だから問題無いのかな?)
氷竜酒は美酒ではあるが、アルコール度数も魔力もキツめの酒だ。
珍しく溢れたニールの本音に、ルーファスはひっそりと背筋が凍りついていた。
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(……早く、僕の番が来ないかな……)
ルーファスは戦々恐々と、自分の見張りの番が早く来ることを祈っていた。
18
◆関連作品
『砂漠の詩』
『雨の回廊』編の過去編スピンオフです。
『冒険者を辞めたら天職でした 〜パーティーを追放された凄腕治癒師は、大聖者と崇められる〜』
『冒険者パーティーを追放された凄腕治癒師を拾いました』編のスピンオフです。
『ジャスティンと魔法少女のステッキ』
『魔法少女』編のスピンオフです。
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