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剣術指南
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サハリア王国の王宮の敷地内には、兵士の訓練場がある。
高い塀に囲まれた訓練場には、整然と兵士たちが並んでいた。
彼らの前には、教官の他、レヴィと、レイが変身した姿のアルメダが並んで立っていた。
訓練場の端では、ダズがアッバスと一緒にその様子を眺めていた。
「……ということで、ダズ第七王子殿下が、旅の途中で出会った手練れの剣士に、剣術の指南役をしばらく務めてもらうことになった。レヴィは二年目以降の上級兵や士官に、アルメダは新兵の剣術指南に当たってもらう。皆、よく学ぶように!」
「はっ!」
教官の説明の後、総勢八十名の兵士たちが、きりりと敬礼をした。
「アルメダ!」
「はいっ!」
新しい指南役の紹介が終わると、ダズにちょいちょいと手招きをして呼ばれ、アルメダは小走りで彼に近寄った。
「もし、しつこく言い寄ってくるような奴がいたら、すぐに言え。こっちで相応の対応をさせてもらう」
ダズが内緒の相談をするように、アルメダの耳元で囁いた。
「襲われそうになったら、十一代目剣聖だっけか? ガツンとお見舞いしてやれ……とにかく、指南役は兵士に舐められたら負けだ。少しやり過ぎぐらいでちょうどいい」
「分かりました」
アルメダはハキハキと答えて頷いた。
兵士たちは、ダズ第七王子殿下とアルメダの親密そうな雰囲気に、早くもがっくりと肩を落としている者が何人かいた——もちろん、これもダズたちの策略の一つだ——アルメダを兵士たちの毒牙から守り、ルーファスに叱られないためにも、必要なことなのだ。
「アルメダ、訓練の時間です。行きましょうか」
「う、うん」
レヴィは、アルメダを呼びに来たかと思うと、彼女の肩に腕を回して、訓練へと促した。
((レヴィーーーッ!! それは、やり過ぎだぁ!!!))
ダズとアッバスは、声にならない声で叫んだ。
「……あいつ、作戦をちゃんと分かってるのか……??」
「人型になったのは初めてだから、加減が分かってないんだ、あいつは!!」
アッバスとダズは、こそこそと話し合った。
早くも、ダズ第七王子殿下と新しい指南役の三角関係模様を目撃してしまった兵士たちは、ある者はスキャンダルの匂いにギラリと目を光らせ、ある者は「アルメダ遊び人説」の期待に胸を膨らませ、そしてまたある者は「訓練にそんなもの、持ち込むなよ」と引いていた。
***
「……すげぇ。ダズ殿下が連れてきたことはあるな……」
古参兵の一人が、ごくりと唾を呑んだ。
上級兵の剣術訓練では、すでにレヴィが十人抜きをしていた。
完璧に打ち負かした後には、指南役らしく的確に長所・短所・改善点を淡々と伝えてくるためか、負けた兵士も呆然とただただレヴィの説明を聞いていた。
「次は誰ですか?」
レヴィが、まだ試合をしていない上級兵たちの方を振り向いた。
真面目そうな面立ちは涼やかで、まだまだ余裕がありそうだ。
「まだいけるのかよ……」
「……息一つ乱れてねぇな……」
上級兵たちが、新たな鬼教官に出会った瞬間であった。
***
「おっと、すまねぇ……ぎゃっ!!」
「気をつけなさい」
「「「「「「おおっ!」」」」」」
アルメダは、わざと彼女に寄り掛かろうとしていた兵士をするりと躱わすと、軽く足を掛けて投げ飛ばしていた。——本日、すでに三度目である。
(……十一代目様が優秀すぎる。トドメを刺したがるのは難点だけど……)
昨日、レイは鉄竜の鱗の拠点で、猛特訓をさせられた。——十一代目剣聖の体術を使った、痴漢撃退訓練である。
暗部だった十一代目剣聖は、もちろん体術も修めていた。それは、いつ何時、敵に襲われても、ほぼ自動で反応して、機械的に反撃できるほど、洗練されていた。
鉄竜の鱗メンバーが痴漢役で、時間や場所を問わず急にレイに襲いかかるのだが、レイが瞬時に十一代目剣聖を口寄せして、それに対抗する、という訓練だった。
口寄せ時間は一瞬のため、レイの負荷も少なめだ。
もし万が一、ダズもアッバスもレヴィもいない時に襲われた場合を想定した訓練だったが、早くもその成果が現れていた。
アルメダが軽々と反撃していく度、新兵たちからどよめきが起こった。
だんだんと、アルメダが只者ではないと、新兵たちは認識し始めていた。
「さぁ、訓練を始めましょうか」
アルメダはにこりと笑って、開始の合図をした。
***
レイたちは、鉄竜の鱗の拠点の中庭に、大判の絨毯を敷いて、本日の訓練について反省会を開いていた。
「初日にしては、評判は上々だな。まさか、レヴィが四十人全員を倒しちまうのは想定外だったが……」
「まだまだいけましたよ」
「いや、あのくらいで勘弁してやってくれ……」
レヴィは、ダズの期待通り、中堅や古参の兵士を完膚なきまでに打ち負かした。
ある程度実力があり、訓練にも慣れてダレていた彼らにとって、恐ろしく強い新しい指南役は、良い刺激になったようだ。
「レヴィも淡々としてるから、余計に恐ろしいみたいで、『鬼教官誕生だ!』って、兵士たちが震え上がってたぞ」
アッバスが半分笑いながら、兵士たちの噂話を披露してくれた。
「よしっ。この調子で、他の部隊にもテコ入れするか。軍部と相談だな」
ダズはいたずらを思いついたかのように、赤い瞳をキラキラさせて、次の犠牲者についての相談を決めていた。
「アルメダの方も評判良かったぞ」
ダズは、今度はレイの方を振り向いた。
「そうなんですね。良かったです」
「剣筋が良くて見本にもなるし、指導も的確だったからな」
アッバスもにっこりと、レイの指導を褒めた。
「十七代目様のおかげです。口寄せすると、なぜか分かるんです」
「不思議だよな~。口寄せ魔術でそんなことまで分かるのか」
レイは本日はもうお疲れなのか、失礼を承知で、ごろりと横になっていた——体力は、やっぱりまだまだお子様なのだ。
子猫サイズの琥珀がレイの背中に乗って、マッサージするように踏み踏みしてくれている。
「それに、特訓の成果も出てたな」
ダズが両方の眉を下げて、苦笑した。
「……まさか訓練中に、堂々とアルメダに手出ししようとするとはな……」
アッバスは、兵士たちに呆れ返っていた。
「本っ当に、特訓しといて良かったです……」
レイは、ムスッとして頬を膨らませた。
「まぁ、触られずに、全員のしたんだろ?」
「そうですけど……あまりいい気はしません!」
「後であいつらには、厳重注意と、ペナルティを課しとくからな。さらに酷くなるようなら言ってくれ。俺たちが近くにいるなら、すぐに助けを呼んでくれて構わない」
「……分かりました」
レイはごろりと仰向けに寝転がった。
琥珀もぴょんっと跳ねて、レイのお腹側に回る。
レイは唇を尖らせながらも、ぐりぐりと琥珀の顔周りを撫でて、ちょっぴり憂さ晴らしだ。
琥珀はゴロゴロと鳴いて、かまってもらえて嬉しそうだ。
「筋肉痛の方は大丈夫か? 明日はクリフの方だろう?」
ダズは、寝転がるレイを覗き込んだ。
「う~ん……以前に比べたら、マシです。今日は午前の訓練だけでしたし。早めに休めば、明日は大丈夫かもです」
「じゃあ、今日は早めに休んでくれ」
「は~い」
レイたちが中庭でリラックスしていると、
「お客様だよー!」
と、シャマラが中庭に客人を連れて入って来た。
「やあ。第七王子と新しい剣の指南役が恋仲だって噂を聞いたんだけど、どういうことかな?」
妙にきらきらしい笑顔のルーファスが、早くも噂を聞きつけて、鉄竜の鱗の拠点に現れた。
「「…………っ!!?」」
「あ、ルーファス!」
「お疲れさまです」
にこやかに挨拶をするレイとレヴィをよそに、ダズとアッバスは「マズいっ!!」といった表情で、氷像のように凍りついていた。
高い塀に囲まれた訓練場には、整然と兵士たちが並んでいた。
彼らの前には、教官の他、レヴィと、レイが変身した姿のアルメダが並んで立っていた。
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「アルメダ、訓練の時間です。行きましょうか」
「う、うん」
レヴィは、アルメダを呼びに来たかと思うと、彼女の肩に腕を回して、訓練へと促した。
((レヴィーーーッ!! それは、やり過ぎだぁ!!!))
ダズとアッバスは、声にならない声で叫んだ。
「……あいつ、作戦をちゃんと分かってるのか……??」
「人型になったのは初めてだから、加減が分かってないんだ、あいつは!!」
アッバスとダズは、こそこそと話し合った。
早くも、ダズ第七王子殿下と新しい指南役の三角関係模様を目撃してしまった兵士たちは、ある者はスキャンダルの匂いにギラリと目を光らせ、ある者は「アルメダ遊び人説」の期待に胸を膨らませ、そしてまたある者は「訓練にそんなもの、持ち込むなよ」と引いていた。
***
「……すげぇ。ダズ殿下が連れてきたことはあるな……」
古参兵の一人が、ごくりと唾を呑んだ。
上級兵の剣術訓練では、すでにレヴィが十人抜きをしていた。
完璧に打ち負かした後には、指南役らしく的確に長所・短所・改善点を淡々と伝えてくるためか、負けた兵士も呆然とただただレヴィの説明を聞いていた。
「次は誰ですか?」
レヴィが、まだ試合をしていない上級兵たちの方を振り向いた。
真面目そうな面立ちは涼やかで、まだまだ余裕がありそうだ。
「まだいけるのかよ……」
「……息一つ乱れてねぇな……」
上級兵たちが、新たな鬼教官に出会った瞬間であった。
***
「おっと、すまねぇ……ぎゃっ!!」
「気をつけなさい」
「「「「「「おおっ!」」」」」」
アルメダは、わざと彼女に寄り掛かろうとしていた兵士をするりと躱わすと、軽く足を掛けて投げ飛ばしていた。——本日、すでに三度目である。
(……十一代目様が優秀すぎる。トドメを刺したがるのは難点だけど……)
昨日、レイは鉄竜の鱗の拠点で、猛特訓をさせられた。——十一代目剣聖の体術を使った、痴漢撃退訓練である。
暗部だった十一代目剣聖は、もちろん体術も修めていた。それは、いつ何時、敵に襲われても、ほぼ自動で反応して、機械的に反撃できるほど、洗練されていた。
鉄竜の鱗メンバーが痴漢役で、時間や場所を問わず急にレイに襲いかかるのだが、レイが瞬時に十一代目剣聖を口寄せして、それに対抗する、という訓練だった。
口寄せ時間は一瞬のため、レイの負荷も少なめだ。
もし万が一、ダズもアッバスもレヴィもいない時に襲われた場合を想定した訓練だったが、早くもその成果が現れていた。
アルメダが軽々と反撃していく度、新兵たちからどよめきが起こった。
だんだんと、アルメダが只者ではないと、新兵たちは認識し始めていた。
「さぁ、訓練を始めましょうか」
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***
レイたちは、鉄竜の鱗の拠点の中庭に、大判の絨毯を敷いて、本日の訓練について反省会を開いていた。
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「……分かりました」
レイはごろりと仰向けに寝転がった。
琥珀もぴょんっと跳ねて、レイのお腹側に回る。
レイは唇を尖らせながらも、ぐりぐりと琥珀の顔周りを撫でて、ちょっぴり憂さ晴らしだ。
琥珀はゴロゴロと鳴いて、かまってもらえて嬉しそうだ。
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ダズは、寝転がるレイを覗き込んだ。
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「じゃあ、今日は早めに休んでくれ」
「は~い」
レイたちが中庭でリラックスしていると、
「お客様だよー!」
と、シャマラが中庭に客人を連れて入って来た。
「やあ。第七王子と新しい剣の指南役が恋仲だって噂を聞いたんだけど、どういうことかな?」
妙にきらきらしい笑顔のルーファスが、早くも噂を聞きつけて、鉄竜の鱗の拠点に現れた。
「「…………っ!!?」」
「あ、ルーファス!」
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