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フェリア・マギカ2
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フェリクスとレイは、フェリア・マギカの屋台が集まる大通りに戻って来た。
さすが、世界最大の魔術用品の定期市だ。通りには魔術師の格好をしている者が多い。
通りを行き交う種族も様々だ。人間はもちろん、エルフやドワーフ、妖精も多く、さらには人型の魔物や精霊もちらほらと見受けられた。
レイたちは、あっちの店、こっちの店といろいろと巡っては、珍しい魔道具や不思議な魔術素材を見てまわった。
「そろそろ、何か食べるかい?」
「そうですね。いっぱい歩いて、少しお腹が空いてきました」
レイたちは、カパルディアのレストランに入った。
二人は、奇岩が所々に配置されたガーデンのテラス席に案内された。カラリとした雲一つ無い秋晴れに、爽やかな秋風がとても心地良い。
「ここのお店は、シルヴェスターがデザインを手伝ったらしいよ」
フェリクスがレイの耳元で、小声で教えてくれた。
レイがガーデンをぐるりと見回すと、確かに先ほどの岩竜王のアトリエの庭に雰囲気が似ていた。
枯山水のように配置された奇岩や、川のように配置された白い玉石、所々に秋薔薇がアプリコットや淡いピンク色の彩りを添えている。
「かわいらしいお庭ですね」
「そうだね。ここは料理も美味しいって、シルヴェスターもおすすめしてたよ」
フェリクスは早速、ひき肉と野菜がたっぷりのった薄焼きのピザに、特製のタレで味付けした仔羊のロースト、ひよこ豆のピラフ、レンズ豆のポタージュを注文した。
次々と料理が運ばれ、レイたちはほかほかの料理を頬張った。
「わぁ、美味しい~! ほんのりスパイシーでクセになりますね」
「ユークラスト地方の料理は、美味しくて有名なんだ」
フェリクスもにっこりと微笑んだ。
「そういえば、魔術研究所から呪いの品の解析結果の報告がきたよ」
「私はまだ聞いてないです」
「禁術については使われてなかったそうだよ。ただ、珍しい術式が使われてたって」
「珍しい術式ですか?」
「魔術国家ラ・ハイネスで使われてる術式が使われてたみたいなんだ。ラ・ハイネスは新興国でね、魔術による国の発展を掲げてるんだけど、やり方や術式がどうも強引なんだよね……できればあまり関わりたくない国かな」
「どう強引なんですか?」
「う~ん、挙げるとキリがないけど……」
二人が料理を堪能し、おしゃべりをしていると、不意に声をかけられた。
「フェリクス様! まさかこんな所でお会いできるとは!!」
とびっきりの美女だ。
彼女はほのかに頬を上気させ、瞳を潤ませてフェリクスを見つめている。
彼女の豊かな黒髪はたおやかに結い上げられ、光が当たると、その部分にピーコックグリーンやピンクの遊色が現れ、さながら黒真珠のようだ。小柄で細身だが、スタイルが抜群で、艶やかな琥珀色の肌はエキゾチックで蠱惑的だ。
ぱっちりと大きなつり目がちの目は、フェリクスのような濃厚な黄金の瞳の中に、キラキラと星のような輝きが見える。
柔らかく肌に吸い付くようなシルクの白いワンピースの上に、薄手のコートを羽織り、ゴールドの大ぶりなフープピアスや腕輪、ネックレスをじゃらりと身につけていて、非常に似合っている。
彼女は、神官服のような同じ服を着たお付きの者を三人ほど従えていた。
「ミーレイ? 久しぶりだね。元気そうで何よりだよ」
フェリクスが食事の手を止めて、ミーレイの方に向き直って微笑んだ。
「……フェリクス様、その子は……?」
フェリクスと相席をしているレイを見て、ミーレイの表情が一瞬で翳った。
「ああ、そうだね、紹介するよ。義娘のレイだ。親子契約をしたんだ。管理者で、鈴蘭の魔女だよ」
フェリクスが瞬時に防音結界を展開すると、朗らかに紹介した。
「む、む、む……義娘ぇーーー!? ……はぁ……」
ミーレイは目を剥いてそう叫ぶと、くたりと気を失ってしまった。
「ミ、ミーレイ様! お気を確かに!!」
ミーレイのお付きの者たちが、倒れ込みそうになったミーレイを抱きとめて支えた。
ガーデンは一時騒然となったが、ミーレイのお付きの者たちが素早く、彼女を抱えて撤収して行ったため、しばらくすると元の落ち着きを取り戻した。
「先ほどの方は大丈夫なのでしょうか?」
「魔王で丈夫な子だから、大丈夫かとは思うけど……心配なら後で様子を見に行くかい?」
「えっ?」
聞き捨てならぬ単語に、レイは目を大きく見開いた。
「いっ、い、今の方が魔王!?」
「うん、そうだよ。当代の魔王。表向きは、南の方の国々で信仰されてる大地の女神教団で筆頭巫女をやってるよ」
「まさか、大地の女神教団は、当代魔王を崇めてるんですか!?」
「そうだね。僕が創設した聖鳳教会を参考にしているとは聞いたかな」
レイはポカンとした。脳内の情報処理能力が追いついていない。
「ほら、早くしないと料理が冷めてしまうよ」
フェリクスに促され、料理を再び食べ始めたが、レイはびっくりしすぎて何だか料理の味が分からなくなってしまった。
***
レイたちは、淡いオレンジ色の花のミニブーケを持って、ミーレイが滞在しているホテルを訪れた。
「ミーレイの気配は強いからね、場所は分かるよ」と言うフェリクスに付いて行くと、ホテルの前でミーレイのお付きの者が待っていたのだ。
ミーレイが滞在している部屋に案内されると、彼女はまだ目が覚めていないようだった。ベッドに寝かされて、顔を顰めてうなされている。
レイは近くにいたお付きの者に、見舞いの花束を渡した。
「お見舞いのお花をありがとうございます……ミーレイ様は昔からフェリクス様を非常に慕っておいでです。憧れの方に義娘ができてしまい、相当ショックだったのでしょう」
「そうなんですね……」
ミーレイのお付きの者の言葉に、レイは申し訳ないような、それでもどうしようもないよなと思い、しおらしく眉を下げて答えた。
「仕方のない子だね。こういう所は昔から変わらないね」
フェリクスが、ミーレイの額に張り付いていた前髪を、長い指で優しく払いのけた。
ミーレイの寝顔がほんの少し、表情が和らいだ。
あまり長居するわけにもいかず、レイたちは「お大事に」とお付きの者に伝えて、早々に退出した。
「魔王はね、普通は先代の魔王を倒してその座に着くものなんだ。ただ、あの子は僕に懐いちゃってね……倒せなくなっちゃったから、魔王の仕事を引き継いで、代替わりしたんだ。この世界で初めてのことじゃないかな」
フェリクスが帰り際に、ぽつりぽつりと話してくれた。
「そうなんですね……義父さんが倒されなくて良かったです」
レイの言葉に、フェリクスはふわりと笑みを深めた。
「僕も、ミーレイの次代は、そういう子が見つかればいいなって思ってる。時々生まれてくるんだ、おそろしく強い魔物が——魔王種っていうんだけど、そういう魔王種が魔王に挑戦して、勝った方が魔王になるんだよ」
「魔王って過酷なんですね」
「うん、そうだね。僕が魔王種だった時も、魔王の追手が来て生き残るのは大変だったし、魔王になったらなったで、挑戦者がやって来るからね。魔王種は基本SSS+ランクだし、毎回本気出さないとだから、本当に大変だったなぁ……」
フェリクスが珍しく遠い目をしていた。
レイは魔王の過酷な運命を思い、義父ちちが本当に無事で良かったと、フェリクスと繋いだ手にギュッと力を込めた。
フェリクスが気づいて、ポンッとレイの頭をひと撫ですると、二人はユグドラへ帰って行った。
さすが、世界最大の魔術用品の定期市だ。通りには魔術師の格好をしている者が多い。
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レイたちは、あっちの店、こっちの店といろいろと巡っては、珍しい魔道具や不思議な魔術素材を見てまわった。
「そろそろ、何か食べるかい?」
「そうですね。いっぱい歩いて、少しお腹が空いてきました」
レイたちは、カパルディアのレストランに入った。
二人は、奇岩が所々に配置されたガーデンのテラス席に案内された。カラリとした雲一つ無い秋晴れに、爽やかな秋風がとても心地良い。
「ここのお店は、シルヴェスターがデザインを手伝ったらしいよ」
フェリクスがレイの耳元で、小声で教えてくれた。
レイがガーデンをぐるりと見回すと、確かに先ほどの岩竜王のアトリエの庭に雰囲気が似ていた。
枯山水のように配置された奇岩や、川のように配置された白い玉石、所々に秋薔薇がアプリコットや淡いピンク色の彩りを添えている。
「かわいらしいお庭ですね」
「そうだね。ここは料理も美味しいって、シルヴェスターもおすすめしてたよ」
フェリクスは早速、ひき肉と野菜がたっぷりのった薄焼きのピザに、特製のタレで味付けした仔羊のロースト、ひよこ豆のピラフ、レンズ豆のポタージュを注文した。
次々と料理が運ばれ、レイたちはほかほかの料理を頬張った。
「わぁ、美味しい~! ほんのりスパイシーでクセになりますね」
「ユークラスト地方の料理は、美味しくて有名なんだ」
フェリクスもにっこりと微笑んだ。
「そういえば、魔術研究所から呪いの品の解析結果の報告がきたよ」
「私はまだ聞いてないです」
「禁術については使われてなかったそうだよ。ただ、珍しい術式が使われてたって」
「珍しい術式ですか?」
「魔術国家ラ・ハイネスで使われてる術式が使われてたみたいなんだ。ラ・ハイネスは新興国でね、魔術による国の発展を掲げてるんだけど、やり方や術式がどうも強引なんだよね……できればあまり関わりたくない国かな」
「どう強引なんですか?」
「う~ん、挙げるとキリがないけど……」
二人が料理を堪能し、おしゃべりをしていると、不意に声をかけられた。
「フェリクス様! まさかこんな所でお会いできるとは!!」
とびっきりの美女だ。
彼女はほのかに頬を上気させ、瞳を潤ませてフェリクスを見つめている。
彼女の豊かな黒髪はたおやかに結い上げられ、光が当たると、その部分にピーコックグリーンやピンクの遊色が現れ、さながら黒真珠のようだ。小柄で細身だが、スタイルが抜群で、艶やかな琥珀色の肌はエキゾチックで蠱惑的だ。
ぱっちりと大きなつり目がちの目は、フェリクスのような濃厚な黄金の瞳の中に、キラキラと星のような輝きが見える。
柔らかく肌に吸い付くようなシルクの白いワンピースの上に、薄手のコートを羽織り、ゴールドの大ぶりなフープピアスや腕輪、ネックレスをじゃらりと身につけていて、非常に似合っている。
彼女は、神官服のような同じ服を着たお付きの者を三人ほど従えていた。
「ミーレイ? 久しぶりだね。元気そうで何よりだよ」
フェリクスが食事の手を止めて、ミーレイの方に向き直って微笑んだ。
「……フェリクス様、その子は……?」
フェリクスと相席をしているレイを見て、ミーレイの表情が一瞬で翳った。
「ああ、そうだね、紹介するよ。義娘のレイだ。親子契約をしたんだ。管理者で、鈴蘭の魔女だよ」
フェリクスが瞬時に防音結界を展開すると、朗らかに紹介した。
「む、む、む……義娘ぇーーー!? ……はぁ……」
ミーレイは目を剥いてそう叫ぶと、くたりと気を失ってしまった。
「ミ、ミーレイ様! お気を確かに!!」
ミーレイのお付きの者たちが、倒れ込みそうになったミーレイを抱きとめて支えた。
ガーデンは一時騒然となったが、ミーレイのお付きの者たちが素早く、彼女を抱えて撤収して行ったため、しばらくすると元の落ち着きを取り戻した。
「先ほどの方は大丈夫なのでしょうか?」
「魔王で丈夫な子だから、大丈夫かとは思うけど……心配なら後で様子を見に行くかい?」
「えっ?」
聞き捨てならぬ単語に、レイは目を大きく見開いた。
「いっ、い、今の方が魔王!?」
「うん、そうだよ。当代の魔王。表向きは、南の方の国々で信仰されてる大地の女神教団で筆頭巫女をやってるよ」
「まさか、大地の女神教団は、当代魔王を崇めてるんですか!?」
「そうだね。僕が創設した聖鳳教会を参考にしているとは聞いたかな」
レイはポカンとした。脳内の情報処理能力が追いついていない。
「ほら、早くしないと料理が冷めてしまうよ」
フェリクスに促され、料理を再び食べ始めたが、レイはびっくりしすぎて何だか料理の味が分からなくなってしまった。
***
レイたちは、淡いオレンジ色の花のミニブーケを持って、ミーレイが滞在しているホテルを訪れた。
「ミーレイの気配は強いからね、場所は分かるよ」と言うフェリクスに付いて行くと、ホテルの前でミーレイのお付きの者が待っていたのだ。
ミーレイが滞在している部屋に案内されると、彼女はまだ目が覚めていないようだった。ベッドに寝かされて、顔を顰めてうなされている。
レイは近くにいたお付きの者に、見舞いの花束を渡した。
「お見舞いのお花をありがとうございます……ミーレイ様は昔からフェリクス様を非常に慕っておいでです。憧れの方に義娘ができてしまい、相当ショックだったのでしょう」
「そうなんですね……」
ミーレイのお付きの者の言葉に、レイは申し訳ないような、それでもどうしようもないよなと思い、しおらしく眉を下げて答えた。
「仕方のない子だね。こういう所は昔から変わらないね」
フェリクスが、ミーレイの額に張り付いていた前髪を、長い指で優しく払いのけた。
ミーレイの寝顔がほんの少し、表情が和らいだ。
あまり長居するわけにもいかず、レイたちは「お大事に」とお付きの者に伝えて、早々に退出した。
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17
◆関連作品
『砂漠の詩』
『雨の回廊』編の過去編スピンオフです。
『冒険者を辞めたら天職でした 〜パーティーを追放された凄腕治癒師は、大聖者と崇められる〜』
『冒険者パーティーを追放された凄腕治癒師を拾いました』編のスピンオフです。
『ジャスティンと魔法少女のステッキ』
『魔法少女』編のスピンオフです。
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