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ユグドラ花祭り6
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「いいか、敵はどんな手を使ってでも描画を止めようとしてくる。気を抜くなよ! 気を抜けば即刻死が待っていると思え!!」
ヴェロニカが壇上に上がり、指揮官のごとく演説をしている。
動きやすい紺色の軍服の格好をしたヴェロニカは、宝塚の男役のような見た目も相俟って、非常に凛々しく様になっている。
「今から防護魔道具と、妖精払いの魔道具を配布しま~す! 今回の妖精たちは防御結界に穴を開けたと報告が来てるので、きつめの妖精払いにしてあります。誤って吸い込まないよう注意してくださいね~!」
ポリーは補給班の班長だ。珍しくいつものふわふわしたスカート姿ではなく、キリッとした紺色の軍服姿だ。腕に班長の印である腕章をつけている。
レイたちは、まだ日も明けきらぬ早朝に、ユグドラの樹前の広場に集合している。
描画を行う魔術師以外にも、その魔術師たちを守るために、防御壁部隊から隊員が二十名ほど、借り出されている。
レイが所属する描画班は、魔術師十名で構成されていて、班長と班長補佐以外は二人一組で描画を行う。
班長と班長補佐は、敵勢力を牽制しつつ、場合によっては描画のフォローも行う。
「僕はレイとペアを組みたかったな~」
描画班班長補佐のアイザックが肩をガックリと下げ、残念そうに呟いた。
「まあ、まあ。今年の敵勢力はかなり本気みたいだからね。アイザックが参戦してくれて良かった」
描画班班長のダンカンが、アイザックの肩をポンッと軽く叩いて言った。
ダンカンはユグドラのおかん、ことアニータの弟で、シェリーの叔父だ。
長いストレートの小麦色の髪を一つにまとめた、ひょろりと背の高いエルフだ。緑色の瞳の目元は、やはりアニータやシェリーによく似ている。
(……なんだか、思ってたのと違う……)
レイは、呼吸缶が左右に付いた顔全面を覆うガスマスクと、強固な防御魔術が付与された白衣を渡され、描画作業が自分が想像していたよりも百倍危険な状況だということに気づいた。
レイは魔術に秀でた班長と班長補佐を見た。管理者である。
一方、実際に描画する人員は魔術に長けているとはいえ、管理者ほどの腕前ではないユグドラの住民だ。
この布陣、防御壁部隊が引っ張り出されていることも含め、描画自体よりも防衛の方に力がかけられている。
(……祭りってもしかして……)
不安そうなレイの顔色に気づいたのか、アイザックが優しく声をかけてきた。
「レイ、心配になっちゃった? 大丈夫! 僕が何があっても君を守るから!!」
レイはアイザックの言葉に、ギギギと首が錆び付いたかのようにぎこちなく彼の方を振り向いた。言葉は非常に麗しいが、前提からしてそもそもおかしい。
「……『何があっても』って、何が起こるんですか?」
「君は花祭りは初めてだったね。『何が』っていうのは、ユグドラの花祭りを終わらせたくない妖精・精霊・魔物たちと、祝祭の儀を執り行いたい我々の全面対決だ!」
ダンカンはこれから運動会の騎馬戦でも始まるかのように、わくわくとやや興奮気味に言い放った。
***
ダンカンが防御結界をユグドラの樹周辺に展開したことを皮切りに、その戦いの火蓋は斬って落とされた。
「「「「「うおおおおお!!!」」」」」
結界に穴をあけようと、大量の妖精や魔物たちが躍り出てきた。
すかさず補給班の助けを借りて、防御壁部隊が妖精払いの魔道具を展開した。もくもくと大量の煙が結界の外側に広がった。レイがチラリとそちらを見やると、ふと目に入ったその魔道具は、どこかで見たことがあるようなぐるぐる巻きの蚊取り線香であった。
(……今は、描画に集中しよう……)
ツッコミたいのは山々だが、レイは今やるべきことに注力することにした。現実的なレイは、こんな戦いはさっさと終わらせて、残りの祭りを楽しみたいのだ。
「五十年前は、地の精霊に地面をボコボコにされて、魔術陣が描けないようにされたからね。地中二十メートルぐらいまでは結界を張った。安心して陣を描いてくれ」
ガスマスクに白衣姿のダンカンが、くぐもった声で描画班に伝えてきた。
レイはペアになった魔術師と東側の魔術陣を描き始めた。
半分近くまで描き上げた時、その事件は起こった。
バキンッと何かが折れるような音がユグドラの樹周辺にしたかと思うと、妖精払いの煙がもくもくと結界内に入ってきたのだ。
煙が入ってきた元を目でたどれば、全長十メートルはあろうかという巨大なイグアナ型の魔物が結界の天井の上に乗り、その鋭い爪で穴を開けていた。
「僕が行くよ!」
アイザックが颯爽と結界上に転移して、サーペント型に戻った。首元と尻尾の先だけ墨絵のようにモノトーンの蛇柄が入った、純白のサーペントだ。
結界上で、サーペント対巨大イグアナの怪獣大戦争が勃発した。ミシミシと結界が悲鳴をあげ、穴が空いた部分から、さらに結界に亀裂が広がっていく。
「おお……Sランク同士の戦い、すげぇ……」
「あいつ昨日、花合戦に負けて、彼女に『ダサい』って言われて振られてたよな」
「新入りのレヴィに負けたんだっけか」
「昨日のやけ酒で、花祭り中に挽回するとか豪語してたな」
防御壁部隊員の巨大イグアナの補足情報に、レイは心中穏やかではなくなった。
レヴィの行動が周りにまわって、こんなところに影響してきている——完全に持ち主の監督不行届である。
「ダンカン、追加で結界を張れるか!?」
ヴェロニカが確認しに結界内に飛び込んで来た。両脇には先程捕まえたと思しき魔物を抱えている。
「これだけの強度と範囲の結界だ。一旦、今の結界を解除しないと張り直せない。あいつらが退かないと無理だ!」
ダンカンが悔しそうに怪獣大戦争を見上げている。
こうしている間にも結界の亀裂が更に広がってきている。
「レヴィ、来なさい!!」
レイは徐に立ち上がると、レヴィを召喚した。
レイの前に白く輝く召喚陣が展開されると、召喚陣の光の中からスッとレヴィが現れた。ピンチの時はいつでもレヴィを呼び出せるように、予め魔術を仕掛けておいたのだ。
「レイ、どうかしました?」
レヴィが不思議そうにレイを見つめた。
急に召喚されたレヴィに、周りの者たちはざわざわとして、遠目から見ている。
「あの巨大イグアナに花玉をぶつけて、結界の上から退かしてください」
レイは結界上の巨大イグアナを指差して命令した。
「あれ? フランクリン、あんな所で何してるんです? でも、怪我させちゃいけないんですよね?」
「それは限定的に解除します。描画の邪魔をしてる悪者ですから」
「かしこまりました」
レヴィは雪玉を作るように、ユグドラの花を集めると、拳大の大きさの花玉を作った。もちろん、魔力もぎゅうぎゅうに込めている。
レヴィが振りかぶって上空へ投げると、豪速球が結界を突き破って巨大イグアナの顎下にゴッと鈍い音を立てて当たった。
その衝撃でイグアナの巨体がふわりと浮き、背中側からユグドラの樹北側の訓練場の方へどうっと落ちていくのが見えた。
その様子をぼーっと見ていたアイザックも、ハッと気づいて、慌てて訓練場の方へにょろりと降りて行った。
「ダンカン、今のうちです! 結界の張り直しを!!」
レイはダンカンの方を振り向いて叫んだ。
ぽかんと成り行きを見ていたダンカンはハッとすると、一瞬で結界を消して、張り直した。
「助かったよ、レイ」
ダンカンは結界を張り直した後、レイの頭を撫でてきた。
「レイ、ありがとう」
ヴェロニカも近寄って来て礼を言った。
「レヴィ、やっぱお前すごいな、防御壁部隊に来ないか?」
「レイの護衛があるので、ダメです」
レヴィは防御壁部隊員達に、バシバシと肩や背中を叩かれていた。
レイもうむ、と一仕事したかのようにしっかり頷くと、また描画作業に戻っていった。
ヴェロニカが壇上に上がり、指揮官のごとく演説をしている。
動きやすい紺色の軍服の格好をしたヴェロニカは、宝塚の男役のような見た目も相俟って、非常に凛々しく様になっている。
「今から防護魔道具と、妖精払いの魔道具を配布しま~す! 今回の妖精たちは防御結界に穴を開けたと報告が来てるので、きつめの妖精払いにしてあります。誤って吸い込まないよう注意してくださいね~!」
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班長と班長補佐は、敵勢力を牽制しつつ、場合によっては描画のフォローも行う。
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「まあ、まあ。今年の敵勢力はかなり本気みたいだからね。アイザックが参戦してくれて良かった」
描画班班長のダンカンが、アイザックの肩をポンッと軽く叩いて言った。
ダンカンはユグドラのおかん、ことアニータの弟で、シェリーの叔父だ。
長いストレートの小麦色の髪を一つにまとめた、ひょろりと背の高いエルフだ。緑色の瞳の目元は、やはりアニータやシェリーによく似ている。
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レイは、呼吸缶が左右に付いた顔全面を覆うガスマスクと、強固な防御魔術が付与された白衣を渡され、描画作業が自分が想像していたよりも百倍危険な状況だということに気づいた。
レイは魔術に秀でた班長と班長補佐を見た。管理者である。
一方、実際に描画する人員は魔術に長けているとはいえ、管理者ほどの腕前ではないユグドラの住民だ。
この布陣、防御壁部隊が引っ張り出されていることも含め、描画自体よりも防衛の方に力がかけられている。
(……祭りってもしかして……)
不安そうなレイの顔色に気づいたのか、アイザックが優しく声をかけてきた。
「レイ、心配になっちゃった? 大丈夫! 僕が何があっても君を守るから!!」
レイはアイザックの言葉に、ギギギと首が錆び付いたかのようにぎこちなく彼の方を振り向いた。言葉は非常に麗しいが、前提からしてそもそもおかしい。
「……『何があっても』って、何が起こるんですか?」
「君は花祭りは初めてだったね。『何が』っていうのは、ユグドラの花祭りを終わらせたくない妖精・精霊・魔物たちと、祝祭の儀を執り行いたい我々の全面対決だ!」
ダンカンはこれから運動会の騎馬戦でも始まるかのように、わくわくとやや興奮気味に言い放った。
***
ダンカンが防御結界をユグドラの樹周辺に展開したことを皮切りに、その戦いの火蓋は斬って落とされた。
「「「「「うおおおおお!!!」」」」」
結界に穴をあけようと、大量の妖精や魔物たちが躍り出てきた。
すかさず補給班の助けを借りて、防御壁部隊が妖精払いの魔道具を展開した。もくもくと大量の煙が結界の外側に広がった。レイがチラリとそちらを見やると、ふと目に入ったその魔道具は、どこかで見たことがあるようなぐるぐる巻きの蚊取り線香であった。
(……今は、描画に集中しよう……)
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「五十年前は、地の精霊に地面をボコボコにされて、魔術陣が描けないようにされたからね。地中二十メートルぐらいまでは結界を張った。安心して陣を描いてくれ」
ガスマスクに白衣姿のダンカンが、くぐもった声で描画班に伝えてきた。
レイはペアになった魔術師と東側の魔術陣を描き始めた。
半分近くまで描き上げた時、その事件は起こった。
バキンッと何かが折れるような音がユグドラの樹周辺にしたかと思うと、妖精払いの煙がもくもくと結界内に入ってきたのだ。
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「僕が行くよ!」
アイザックが颯爽と結界上に転移して、サーペント型に戻った。首元と尻尾の先だけ墨絵のようにモノトーンの蛇柄が入った、純白のサーペントだ。
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「レイ、どうかしました?」
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レヴィが振りかぶって上空へ投げると、豪速球が結界を突き破って巨大イグアナの顎下にゴッと鈍い音を立てて当たった。
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「助かったよ、レイ」
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「レイ、ありがとう」
ヴェロニカも近寄って来て礼を言った。
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