天使の依頼

一郎丸ゆう子

文字の大きさ
上 下
65 / 77
第2章 必殺引き上げ人 全24話

12バレンタインデーの翌日

しおりを挟む
 天使に後押しされたから、1日過ぎちゃったけど、チョコレート作って来人君に渡すことにしたよ。


「遅れてすいませーん。あたなみたいな人結構多くて、中級者もほとんど出払ってたんで初級キューピットしか手配できませんでしたけど、まあ、本人の思い入れが一番ですから、頑張ってください」


「ふうん、中級と初級って何が違うの?」


「命中率の差です」


「どれくらい違うの?」


「中級が75パーセントで、初級が60パーセントです。ちなみに上級だと99パーセントです」


「ええ、やっぱ上級がよかった」


「まあ、まあ、善は急げ、思い立ったが吉日。棚から牡丹餅です」


「最後、ちょっと違う気がするけど」


「あっ、着ましたよ」


「どうも、毎度ありがとうございます」


(なんか、チャラいな)


「じゃあ、早く渡してください。いいタイミングでキューピットが矢を射ってくれますから。頑張って」


 と、天使に促されてチョコレートを渡したよ。


「うーん、惜しい」


 なんか、耳元に天使の声が聞こえたんだけど、やな予感。とりあえずチョコは渡せたけど。


 チョコを渡しおわって、来人君がいなくなったところに天使が帰ってきた。


「キューピットの矢って当たったの?」


「うーん、真ん中には当たらなかったけど、ハートの内側には当たったので、あとは努力しだいですかね」


「何、それ、意味あるの? っていうかキューピットは?」


「次の依頼があるので帰りましたよ」


(次の依頼者に幸あらんことを。アーメン)

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

性転換マッサージ2

廣瀬純一
ファンタジー
性転換マッサージに通う夫婦の話

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

エロ・ファンタジー

フルーツパフェ
大衆娯楽
 物事は上手くいかない。  それは異世界でも同じこと。  夢と好奇心に溢れる異世界の少女達は、恥辱に塗れた現実を味わうことになる。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

処理中です...