大統領は風俗嬢(全37話)

一郎丸ゆう子

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第2章

第36話 ここはどこ?

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 いや、そこは場所と言っていいのか、体が宙に浮いているような、水に浮かんでいるような不思議な感覚。そして、いつの間にか、あの鎧を着ている。

 「だ、大王様、ここは一体」

「ここは、この国の人間の集合意識を具現化した、意識の海」

「意識の海? なんか、不安になるけど、揺るぎない安心感も感じる。闇も深いけど、小さな光がいっぱい」

「闇は、この国の人間の心の中にある恐怖や不安、怒りや苦しみ。光は喜びや希望。宇宙にはこんな海が無数にある。この海を全部光に変えるのが宇宙警察の最終目標だ」

「は? そんな壮大な計画があるなら、うちで呑気に毎晩晩酌してる場合じゃないじゃん!」

「まあ、それも喜びの光だ。ははは」

 はははじゃないよ。ほんと、誘惑に弱い宇宙大王だね。

「で、どうするんですか」

『まず、星を一か所に集めて』

利子ちゃんの声がする。遠隔で声も聞こえるようになったんだ。

「あれから、遠隔の技術もすごく上がってるからな、今回は最初から利子と正義も加勢してくれる」

 来る前に私たちが揉めてる横で呑気にゲームしてやがると思ってたけど、弁護士はこの遠隔操作のシミュレーションをしてたらしい。

 『それから、大剣で闇を切って。そこから小さな星がたくさん出て来るから、それを集めた光にどんどん当てて』

「当てたら、どうなるの」

『光が拡大する。とにかく言う通りにやって』

「集めるってどうやるの」

『集まれって念じるのよ』

(ええ、そんな簡単にできるわけなくない?)

『できるって信じればできる。さあ、はやく』

(光よ集まれ)

 わっ、本当に光が私と龍に一気に近寄ってきて、私たちを取り囲んで輪を作ったよ。

 『大剣を宙に向かって、振りかざして』

 言われたとおりにすると、闇に切れ目ができてそこからたくさんの小さな星が滝みたいにでてきた。

 『星を大剣に当てて、それを光の輪にぶつけて』

 えっ、難しくない? よくわかんないけど大剣を星の滝に突っ込んで光の輪の方向に思いっきり振ったよ。

 そしたら、本当に光の輪がどんどん大きくなって、私たちも光の中に入っちゃった。

 眩しい。眩しくて見えない。

「眩しい。眩しくて見えないよ」

『貴方自身が光になるのよ。光の輪と一体になるの。自分を信じれば出来るわ』

 すごく難しいことを簡単に言われて、なんか腹が立ってきたので、おもいっきり大剣を振り回した。
 
 そうしたら、光の中に花の道が出来て、私と龍を見えない力が抱き上げて花の道の上に乗せてくれた。

 そして、周りを見ると、光の輪と闇がマーブル模様になってぐるぐる回り、小さな星が闇の中で点滅してる。

 「ど、どういうこと」

 



 
















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