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第2章

第21話 次の展開

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 次の日、国際警察が組織のリーダーを逮捕し、芋づる式に組織の関係者が逮捕され、攫われて働かされてた女の子たちも解放された。

 そして、なんと組織にOGたちを中心にNPO法人なるボランティア団体を立ち上げ、その後売春禁止法の強化を訴えたり、解放された女の子たちの再就職のための就業支援運動が盛り上がっていったのだ。

 スタッフの中には、あの日倉庫にいた男たちもいるらしい。

 「ちょっと、ちょっと、この子またテレビ出てるわよ」

「すっかり有名人だな」

「なかなか美人だな。好みだ」

「このスケベ親父!」

 親父に向かって、そばにある大きめのクッションを思いっきり投げる。

 なんだか知らないけど、あの日以来私は実家に帰り、利子ちゃんと弁護士もうちに住み着いてしまった。

 闇の組織は退治したし、その報酬で親父の借金も完済したからもう風俗嬢を続ける必要はなくなったんだけど、店長に懇願されて私も利子ちゃんもまだあの店で働いてる。

 龍も弟の中が居心地がいいらしく、ずっと居ついてるし。

 「ときに大王さまはいつお帰りになられるのですか」

 「今はとくに仕事もないから、当分ここにいさせてもらう。まあ、もともと家はなく、宇宙の全てが住処だからな」

 なら、うちじゃなくてもいいんじゃん。はやいとこ宇宙の果てにでも帰ってほしいもんだわ。

 もう、知らなかったんだけど、この龍、すっごい酒好きで酒癖悪かったんだよねえ。


 まあ、話は元に戻って、例のOGたちが立ち上げたNPO法人はメディアで取り上げられ、かなりの人気らしい。

 今テレビに映ってる代表は、容姿がいいこともあって、発信しているSNSではかなりのフォロアーを集めているそうだ。

「すごい人気ね」

感心している私に

「なんでも、追っかけまでいるらしいわね」

と、利子ちゃんが追い情報をくれた。

「今は、推しっていうんだろ?」

「父さん、推しなんて知ってるんだ」

「なんでも、今度選挙に出るらしいよ」

 私と親父と利子ちゃんのたわいもない会話に、弁護士が新しい情報を加えてくれた。

「へえ、当選したら、この国初の元風俗嬢議員になるのかなあ」

「そうねえ、今まで聞いたことないもんね。多分初めてね」

 私の問いに利子ちゃんがクッキーを2枚重ねで食べながら答える。

「どこの党から出馬するの?」

「確か、与党を離党して新しい党を作った女党首のところ、名前なんだっけ?」

女勝党めかちどう

 また弁護士が解答。

「あっ、そうそう、元NPO法人の代表で、弁護士で、“女性の人権を守るために戦う“が売りの人。次の内閣で大臣に指名されるんじゃないかって言われてる」

 弁護士の回答に追情報を加える利子ちゃん。

「ふーん、時代はどんどん変わってるのね」

 と、この時はまったくの人ごとだと思って、テレビ見て、お菓子食べまっくてたんだよねえ







 
 



 











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