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第1章
第19話 闇の龍と戦うよ
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「モハ、フゥファアアア、だあれだあ、気持ちよく寝ていたのに起こしおって
ええ、お仕置きしてやるうっ」
変な声のあくびとともに、真っ黒い龍が上半身(龍の上半身ってどこだ?)を起こして、しっぽを大きく揺らした。
「わあ、落ちるううううううう」
尻尾の振りに合わせて、こっちの龍が空中をぐるぐる回ってる。
「わあん、目が回るよおおお」
「しっかり捕まってろ!」
「ふぁっふぁっふぁあああああああああ! 私の快眠を邪魔した罰じゃ」
と言いながら、龍が尻尾を高速で回し始めた。尻尾の高速に合わせて、大王も私を乗せたまま高速で空中で回転する。
「きゃああああああああ、どういうことおおおおおお?」
「まずい、このまま朝になると世界中が闇に包まれてしまう」
「なんですってえええええええええ! そんなこと絶対にさせないわよおおおおお!」
必死に体制を立て直そうとするけど、まったく抵抗できない。そんな私たちを 嘲笑いながら、黒い龍が尻尾を大きく縦や横に振っている。
「ははは、どうだ、楽しいかあ?」
黒い龍は高い笑いしながら尻尾を振り続ける。
「ほおれ、ほおれ、まだやるか? 降参してその剣をこっちに渡したら許してやるぞ」
「ダメだ、絶対に渡すな」
「言われなくても渡さないわよ。だけど、何か方法ないの?」
「あいつの首の星のマークをその大剣でつけば消滅するんじゃが、どうにも近づけん」
「あいつも飲み込んで光に変えられないの?」
「無理だ、光が闇に飲み込まれる」
「もう、情けないわね。大王なのにあんなちっちゃいのより弱いの?」
「闇のエネルギーは固くて冷たい。光のエネルギーは柔らかくて暖かいから、冷やされやすいし、切られやすい」
「それ、めっちゃ弱いってこと?」
「人間を見てれば分かるだろう? 心の弱い人間は犯罪に手を染めやすかったり、人を傷つけたり」
「でも、犯罪しない人間のほうが圧倒的に多いし、人を傷つけることもあるけど、人を助けたり癒したりするのも人間よ。光が闇より弱いなんて思いこみよ」
「何をごちゃごちゃ言ってるんだ。剣を渡すのが嫌なら、俺の女になれ。そうしたら許してやる」
「うん、それはいいな」
って龍がちっちゃい声で呟いてるんですけど?
「いや、何がそれはいいなよ。絶対嫌に決まってるでしょ」
「そうか、そうしてくれると闇と光が統合してバランスが取れるんだけどなあ」
「はあ、なんのバランスよ。死んでも嫌よ」
「そうか、残念だなあ」
「残念なのは、あんたたちの脳みそよ。もう、こうなったらこのまま突進してあいつの喉を一突きするわよお」
「き、危険だ!」
「こうなったら相打ちよ! 前進」
「い、いや、でも」
「うるさいわね。このプロジェクトのリーダーは私よ、命令に従いなさい!」
「は、はい」
龍が旋回しながら、黒い龍に突進していく。首、首はどこ、星のマーク、あ、あった。
「うるさい蠅だな、叩き潰してやる!」
龍が私の顏めがけて尻尾を大きく振る。もう、だめだ、ぶつかる! 尻尾の先が鼻に当たったと思ったら、黒い龍が悲鳴を上げた。
「ひい、い、いたいいいいいいいいいいいいいい!」
見ると額から血を流して、身もだえている。
「今だ!」
龍の合図で私が大剣を黒龍の首の星に突き刺す。
「ぐわあああああああああああああああ!」
地の底まで響きそうな叫び声とともに黒い龍が霧になって消えた。
「やったああああああああああああああ!」
龍と私は空中で勝利のダンスを踊って、全身で喜びを爆発させた。
「だけど、なんであの龍、急に苦しみだしたの?」
「ああ、あれは正義たちが遠隔で攻撃したんだ。スコープで戦いを透視して、絶体絶命の時には攻撃する手はずになってたんだ」
「えっ、遠隔で攻撃できたの? だったら、最初から一緒に攻撃してくれればよかったじゃん」
「いや、まだ未完成の武器でな。地球ではまだテストもしてなかったんで、誤作動を起こすかもしれないから、いざというときだけ使う手はずになってたんだ」
なんか、そんなんばっかり。まどろっこしいわあ。
「あっ、闇が消えて」
黒い龍が消えて、私たちは光の空間の中にいた。そして空間に何重にも虹がかかっていた。
ええ、お仕置きしてやるうっ」
変な声のあくびとともに、真っ黒い龍が上半身(龍の上半身ってどこだ?)を起こして、しっぽを大きく揺らした。
「わあ、落ちるううううううう」
尻尾の振りに合わせて、こっちの龍が空中をぐるぐる回ってる。
「わあん、目が回るよおおお」
「しっかり捕まってろ!」
「ふぁっふぁっふぁあああああああああ! 私の快眠を邪魔した罰じゃ」
と言いながら、龍が尻尾を高速で回し始めた。尻尾の高速に合わせて、大王も私を乗せたまま高速で空中で回転する。
「きゃああああああああ、どういうことおおおおおお?」
「まずい、このまま朝になると世界中が闇に包まれてしまう」
「なんですってえええええええええ! そんなこと絶対にさせないわよおおおおお!」
必死に体制を立て直そうとするけど、まったく抵抗できない。そんな私たちを 嘲笑いながら、黒い龍が尻尾を大きく縦や横に振っている。
「ははは、どうだ、楽しいかあ?」
黒い龍は高い笑いしながら尻尾を振り続ける。
「ほおれ、ほおれ、まだやるか? 降参してその剣をこっちに渡したら許してやるぞ」
「ダメだ、絶対に渡すな」
「言われなくても渡さないわよ。だけど、何か方法ないの?」
「あいつの首の星のマークをその大剣でつけば消滅するんじゃが、どうにも近づけん」
「あいつも飲み込んで光に変えられないの?」
「無理だ、光が闇に飲み込まれる」
「もう、情けないわね。大王なのにあんなちっちゃいのより弱いの?」
「闇のエネルギーは固くて冷たい。光のエネルギーは柔らかくて暖かいから、冷やされやすいし、切られやすい」
「それ、めっちゃ弱いってこと?」
「人間を見てれば分かるだろう? 心の弱い人間は犯罪に手を染めやすかったり、人を傷つけたり」
「でも、犯罪しない人間のほうが圧倒的に多いし、人を傷つけることもあるけど、人を助けたり癒したりするのも人間よ。光が闇より弱いなんて思いこみよ」
「何をごちゃごちゃ言ってるんだ。剣を渡すのが嫌なら、俺の女になれ。そうしたら許してやる」
「うん、それはいいな」
って龍がちっちゃい声で呟いてるんですけど?
「いや、何がそれはいいなよ。絶対嫌に決まってるでしょ」
「そうか、そうしてくれると闇と光が統合してバランスが取れるんだけどなあ」
「はあ、なんのバランスよ。死んでも嫌よ」
「そうか、残念だなあ」
「残念なのは、あんたたちの脳みそよ。もう、こうなったらこのまま突進してあいつの喉を一突きするわよお」
「き、危険だ!」
「こうなったら相打ちよ! 前進」
「い、いや、でも」
「うるさいわね。このプロジェクトのリーダーは私よ、命令に従いなさい!」
「は、はい」
龍が旋回しながら、黒い龍に突進していく。首、首はどこ、星のマーク、あ、あった。
「うるさい蠅だな、叩き潰してやる!」
龍が私の顏めがけて尻尾を大きく振る。もう、だめだ、ぶつかる! 尻尾の先が鼻に当たったと思ったら、黒い龍が悲鳴を上げた。
「ひい、い、いたいいいいいいいいいいいいいい!」
見ると額から血を流して、身もだえている。
「今だ!」
龍の合図で私が大剣を黒龍の首の星に突き刺す。
「ぐわあああああああああああああああ!」
地の底まで響きそうな叫び声とともに黒い龍が霧になって消えた。
「やったああああああああああああああ!」
龍と私は空中で勝利のダンスを踊って、全身で喜びを爆発させた。
「だけど、なんであの龍、急に苦しみだしたの?」
「ああ、あれは正義たちが遠隔で攻撃したんだ。スコープで戦いを透視して、絶体絶命の時には攻撃する手はずになってたんだ」
「えっ、遠隔で攻撃できたの? だったら、最初から一緒に攻撃してくれればよかったじゃん」
「いや、まだ未完成の武器でな。地球ではまだテストもしてなかったんで、誤作動を起こすかもしれないから、いざというときだけ使う手はずになってたんだ」
なんか、そんなんばっかり。まどろっこしいわあ。
「あっ、闇が消えて」
黒い龍が消えて、私たちは光の空間の中にいた。そして空間に何重にも虹がかかっていた。
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