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第1章
第9話 何者?
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倒れた男をUFOらしき物体に全員移動させた後、弁護士は説明しなければいけないがどう説明したらいいのか、という表情でしばらく私を見つめていた。
その間、利子ちゃんは縛られていた女の子の縄をほどき、ほどいた後は泣いている子を労わるのに集中していた。
「僕たちは宇宙警察地球支所の捜査員です。そして、僕たちはこの星の売春人身売買組織壊滅チームのメンバーです」
「宇宙警察? 宇宙人なんですか」
「うーん、宇宙人でもあり、地球人でもあります」
「悪いけど、人間の言語で説明できるレベルの話じゃないのよ。あなたは協力者に指名されたの。」
(はあ? もう人間の脳内で処理できるレベルじゃない状況になってますけどお!で、なんで勝手に指名してくれてんのお? 協力者って何するのお?)
と、動揺している私をよそにさっきより小さいUFOらしき物体が頭上に現れ、中から看護婦のビジュアルのアンドロイドっぽい面々が光の階段から降りてきた。
「あ、あの子たちどうなるんですか」
「心を癒して、記憶を入れ替えて家に戻すのよ」
あまりにも普通じゃないことを普通に言われ、普通じゃないことが起きている。もう完全にSFの世界にいる私は、このままSFの主人公になってしまってもいいかもと、脳がパニックでやけくそを起こしている。
「そもそもですけど、これはどういう状況ですか」
2人が肩を並べて、肩を落としながら、同時に無音でため息をついた。確かに説明が困難な状況ではあるが、そこに強制的に身を侵されてしまった私の困惑を解消してもらいたい。
で、二人が交互に難しい言葉を交えて説明してくれた話を要約するとこういうことらしい。
1. 2人は宇宙警察の捜査員で地球の日本の担当で、売春の人身売買の壊滅プロジェクトチームのメンバー。
2. 地球人に化けて、捜査をしている。
3. 利子ちゃんが店に入ったのは捜査のため。
4. 利子ちゃんは店に入った時から協力者に最適と私に目を付けていた
5. 利子ちゃんのお客の中に、売春人身売買の関係者がいて、会話の中から今回の人身売買計画を探り出し、弁護士
と共同で確保するつもりだったけど、事態が急変してひとりで潜り込んだ。
理解して受け入れろというのが無理な話だけど、目の前の状況を見るに信じるしかないらしい。
「2人って恋人同士だったんですよね。」
「まあ、最初は作戦のための演技だったんですけど、だんだん盛り上がって、なんとなく。僕らには恋愛っていう概念がないので、この星で人間になって恋愛してたら楽しくなって。はは・・・」
「作戦のために、いつも私を指名してくれてたんですね」
「まあ、本当はそうなんで、別の目的は実行する必要ないんだけど、僕も今は体は男なんで反応しちゃうっていうか、そっちのほうの概念も元々僕らにはないので好奇心が勝った感じで」
あっ、最初の1回のことを言ってるんだ。あれはアクシデントというか理性が負けたわけね。
「にしても一人で潜り込むなんて無謀だな」
「しょうがなかったのよ。事態が急変してね。実行の予定が相手国の都合で1週間早まったって情報が入って、連絡しようとしてたら、目の前で女の子が攫われて追いかけてたらここに辿り着いて、次々にさらわれた子たちがここに連れてこられてたから、わざと捕まって潜り込んだのよ。」
となんとか、ことの顛末を飲み込んだところで、UFOから男たちが帰ってきた。
さっきとはなんだか目つきが変わってる。さっきは怖いような悲しいような眼をしてたけど、今はすごく穏やかな感じ。
男たちが何かに導かれるように一列に並ぶと、利子ちゃんが順番に背中に手のひらを当てて軽く叩く。叩かれた男は操られるように歩きだし、どこかへ去っていった。
その間、利子ちゃんは縛られていた女の子の縄をほどき、ほどいた後は泣いている子を労わるのに集中していた。
「僕たちは宇宙警察地球支所の捜査員です。そして、僕たちはこの星の売春人身売買組織壊滅チームのメンバーです」
「宇宙警察? 宇宙人なんですか」
「うーん、宇宙人でもあり、地球人でもあります」
「悪いけど、人間の言語で説明できるレベルの話じゃないのよ。あなたは協力者に指名されたの。」
(はあ? もう人間の脳内で処理できるレベルじゃない状況になってますけどお!で、なんで勝手に指名してくれてんのお? 協力者って何するのお?)
と、動揺している私をよそにさっきより小さいUFOらしき物体が頭上に現れ、中から看護婦のビジュアルのアンドロイドっぽい面々が光の階段から降りてきた。
「あ、あの子たちどうなるんですか」
「心を癒して、記憶を入れ替えて家に戻すのよ」
あまりにも普通じゃないことを普通に言われ、普通じゃないことが起きている。もう完全にSFの世界にいる私は、このままSFの主人公になってしまってもいいかもと、脳がパニックでやけくそを起こしている。
「そもそもですけど、これはどういう状況ですか」
2人が肩を並べて、肩を落としながら、同時に無音でため息をついた。確かに説明が困難な状況ではあるが、そこに強制的に身を侵されてしまった私の困惑を解消してもらいたい。
で、二人が交互に難しい言葉を交えて説明してくれた話を要約するとこういうことらしい。
1. 2人は宇宙警察の捜査員で地球の日本の担当で、売春の人身売買の壊滅プロジェクトチームのメンバー。
2. 地球人に化けて、捜査をしている。
3. 利子ちゃんが店に入ったのは捜査のため。
4. 利子ちゃんは店に入った時から協力者に最適と私に目を付けていた
5. 利子ちゃんのお客の中に、売春人身売買の関係者がいて、会話の中から今回の人身売買計画を探り出し、弁護士
と共同で確保するつもりだったけど、事態が急変してひとりで潜り込んだ。
理解して受け入れろというのが無理な話だけど、目の前の状況を見るに信じるしかないらしい。
「2人って恋人同士だったんですよね。」
「まあ、最初は作戦のための演技だったんですけど、だんだん盛り上がって、なんとなく。僕らには恋愛っていう概念がないので、この星で人間になって恋愛してたら楽しくなって。はは・・・」
「作戦のために、いつも私を指名してくれてたんですね」
「まあ、本当はそうなんで、別の目的は実行する必要ないんだけど、僕も今は体は男なんで反応しちゃうっていうか、そっちのほうの概念も元々僕らにはないので好奇心が勝った感じで」
あっ、最初の1回のことを言ってるんだ。あれはアクシデントというか理性が負けたわけね。
「にしても一人で潜り込むなんて無謀だな」
「しょうがなかったのよ。事態が急変してね。実行の予定が相手国の都合で1週間早まったって情報が入って、連絡しようとしてたら、目の前で女の子が攫われて追いかけてたらここに辿り着いて、次々にさらわれた子たちがここに連れてこられてたから、わざと捕まって潜り込んだのよ。」
となんとか、ことの顛末を飲み込んだところで、UFOから男たちが帰ってきた。
さっきとはなんだか目つきが変わってる。さっきは怖いような悲しいような眼をしてたけど、今はすごく穏やかな感じ。
男たちが何かに導かれるように一列に並ぶと、利子ちゃんが順番に背中に手のひらを当てて軽く叩く。叩かれた男は操られるように歩きだし、どこかへ去っていった。
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