人間歴五十余年の人間観察記

自分がやらなくていい理由と他の人がやるべき理由

　人はなぜか、自分がやらなくていい理由と他の人がやるべき理由を思いつくのが得意だ。

　例えば、俺は外で働いてるんだから家事は出来ない、お前は女だから家事をやらなきゃいけない。

　私は失業中だからお金を払わなくていい、あなたは給料が高いんだから奢るべきだ。

　長男・長女だから親の面倒をみるべき、こっちは次女・次男だから家のことはやらなくていい。

　新人だから電話は一番に取るべき、私はベテランで他の仕事が忙しいから電話はとれない。

　などいろいろある。

　自分がやりたくないから、他にやってくれそうな人を見つけて“やるべき人認定”をしてしまう。みんなやりたくないから1人やるべき認定者がピックアップされると、ほかの“やらなくていい人証書”を欲しい人たちが一斉にピックアップされた人にラベルを貼りだし、多勢に無勢でもうやらざるを得ないという状況に追い込まれる。

　これを避けるには、自分が好きなこと得意なことで“私はこれをやる人ですラベル”を自分でさっさと全身に貼って、ほかのラベルを貼る余地をなくしてしまうのが得策だ。

　そうすると、嫌なことでやる人認定をされる可能性をかなり減らすことができるだろう。

　それでも貼られてしまう場合や、もしくはどっちもやりたくない場合は、覚悟を持って孤立することをお勧めする。