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ゴブリンの村

女の子は知らない間に成長する(ハート)

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 トイレは屋外にあった。当然やな。穴が掘ってあり、大瓶が埋め込まれている。
 外に開く戸が有り、掬うことが出来るようになっている。
 臭いが、それは仕方ない。思ったよりもちゃんとしている。多分野壺も有って、堆肥を作ってるな。それなら野菜とか商品作物的なものも作ってるやろ。どのくらいかわからんがこの辺が一般的な戦国~江戸のイメージなら、わりかし裕福ちゃうか。放し飼いの鶏もおるし。江戸時代は少なくとも普通にペットやったから、潰して食べるなんて特殊な地域のみで、卵すらかわいそうで食べない人が多かったような。いやそれは都会か。田舎は卵を食べるほうが多かったっけ。
 この家の奥方集というか使用人連中もあまり垢染みてないしな。むしろこざっぱりしてる方か。あんまり臭くないから、水浴びくらいしてるんちゃうか。まあ、風呂は有っても月一か……豪農なら家族はもう少し頻繁か……いや豪農というレベルではないしな。五右衛門風呂ならあるかも。薪はようさん有ったし。でもかまどにも使うやろしな……。
 飯は麦の多い雑穀で炊いた麦飯。但し米は入っていない。味噌汁は蟹の味がした。沢蟹かなんかを焼いて出汁を取っているか。それに味噌で味をつけたふろふき大根のようなもの。
納豆!大鉢に練ったものが大量に入っている。
これは、大御馳走やな。
「おはようございます。かねかつら様。」
 ゴブ父さんがにこやかに現れる。物言いたげだ。そりゃソヤな、俺も色々聞きたいしな。
「うむ。おはよう。」
 もういいよね、ゴザルはやめる、だって面倒くさいんだもの。32○。
「朝餉の後でお話したいことがございます。よろしいでしょうか?」
「ああ。わかった。」
 困ったような引き笑いを浮かべるゴブ父さんに同情の念が耐えない。草生えるww

 眷属か知らんバラエティ豊かな連中とともにいただく。昨夜と同じ席だ。つまり上座だ。
 烏さんもすごく物言いたげだ。しかしなあ。どう言えば良いやら。
 結局飯時に俺の雑談スキルは活かされなかった。

 食べ終わる前に烏天狗が意味深な眼差を残してすっと消える。納豆はゴブおばさんが杓文字で丼茶碗に掬ってくれた。美味しくいただく。親父がトウホグ出身でよかった。子供の頃の友達で納豆食えるやつは十人に一人くらいやったからな。昔は生卵入れんと食えんかったしな。それにしても文化度高いわ。もしかしたら学校とかそれに準ずるものも有るんやろか。明治に近い時代設定か。朝にたくさん食べるのはお百姓さんのノーマルやからこれが普通やとしたら、やっぱり裕福な村なのか時代なのか。そんな時代なら、ゴザルはちょっと恥ずかしかったかな。でも着物はやはり手織りっぽいし、まだ産業革命は起こってないやろ。いや昭和でも地域によっては普通に子供も着物やったからな。どうかなあ、でも活版印刷は多分まだやろ、あのドッグタグもいかにも手彫りやったしなあ。ドッグタグなんて活字刻印が標準の印象やし、身分証明なんて普免が一般化するまでどの世界でもないわけやし。それとも通行手形かなんかやったんか?それにしては鉄っぽいしなあ。そうか、農機具も見てみやんとな。これに鉄が使われてたら、産業革命以後かもしれん。
 箸は塗だ。でも他の連中はみんな竹だ。やっぱ優遇されとる。
「ご馳走様。」
 白湯をいただき、ゲップ音を殺して息を吐く。しゅっとゴブ嬢が斜め後ろに寄ってくる。
「かねかつら様。よろしいでしょうか。」
 相変わらず、ほのかに赤い顔をしている。
「うむ。」
 胡座からかっこよく立ち上がるのって難しいよな。ただでさえ浴衣みたいな着流し姿やから、立ち居振る舞いが難しいし。
 昨日びしょ濡れにした離れに案内された。
 烏天狗さんとゴブ父さんと、大きくなったゴブ娘がいた。えぇ……なんか妙に人間ぽい顔になってる。でも髪の毛がない……美人でもない……どうすりゃええんや……。
 まあ、ゴブリンやもんな。皆髪の毛なんて無いしな。ゴブ父さんも無いしな。でも男はええわな。スキンヘッドって似合ってりゃ全然有りやからな。ちょっとちゃんと突っ込まなならんな。
 アイ○ニックか!AK○のガチ○ピンか!!いや、瀬○内○聴か!!!
 あぁ、きたきた。きたで。若々しい○戸○寂○にしか見えなくなってきたで。頼むわほんま。

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