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2部 1章
邪鬼現る……。
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ギルドでの騒動の後、私達は森へと足を運んでいた。
何が起きたのかわからないこの状況でこの行動は軽率かもしれない。
傍から見れば自分たちの力を過信した馬鹿な冒険者と捉えられても仕方ないのだ。
いや、ある意味その通りでもあるのかもしれない。
でも、街からこの森までそこまで距離があるわけではない、一日あれば依頼を達成して往復できるくらいの距離である。
ということは、この森に危険な魔物がいるとすれば、その魔物が街にまでくる可能性もあるのだ。
街に来てしまったら、街には戦えない一般人もいる……その人たちが襲われれば大変な被害が出るだろう。
それに、街に来なくても腕に自信のない冒険者たちが犠牲になる可能性は高いのだ……さっきの人みたいに。さっきの人は何とか一命は取り留めたが、次の人も助けられるとは限らないのである。
「少し迂闊でしたかしら……もう少し情報を集めるべきだったかもしれませんわね」
「確かに、情報は大事だけど……」
「そうしている間にも犠牲者が増えるかもしれないし」
「百聞は一見にしかずともいうわ………情報を待つよりも自分たちで行動した方が早いでしょう」
ディータの言う通りである、正直エリンシアの言うことの方が正しいのだろう、何がいるか分からない危険な場所に何の準備も無く突っ込むのは猪とか馬鹿とか言われるのだ。
だけど、逆に考えればそれは自分を囮にし敵を見つけることが出来るということである。
正直、私達はこの謎の大陸の事を全然知らない。
冒険をしながら少しずつ情報を集めて行こうとも思っていたのだが、近くに危険があるのであれば早いうちに把握しておきたいのだ、しかもそれが人族の天敵と呼ばれる『邪鬼』と呼ばれる存在であるのならば。
邪鬼というのが何なのか正直、全然分からない、魔物の類なのか、それとも『魔鬼』のような人の成れの果てなのか、もしくは『魔族』のような異世界の生き物なのか……でも、解らないのなら直接確かめればいい。敵が人族の天敵であるのならば私たちの目の前に現れるだろう。
それに……と、私は空を見上げる。
相変わらず、微妙な曇り空だ……何かが現れる……その微妙な空を見上げていると、半ば確信に近い気持ちがこみあげてきた。
「カモメ!」
クオンが前方に何かを発見したらしい。
私は慌てて、目の前に目線をやると……そこには夥しい程の赤……赤……赤。
地面の茶色が見えなくなるほどの赤い液体があった。
「……血?」
「うん、それも魔物の血ではないね」
そうだ、よくよく考えてみれば、ギルドに来た男の人はソロの冒険者とは限らない……もしかしたら仲間がいたのではないだろうか?
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
「「「!?」」」
凄まじい悲鳴が響き渡る。
「この先だ!」
クオンが駆けだす、その後を私達もついていった。
「やめて……やめてくれぇえ!……腕が……腕がぁ……」
片腕を失った、戦士風の男が、地面に尻餅をつきながら泣き叫んでいる。
そして、その男の前にはもう一人、何者かが佇んでいる。
「俺の腕を喰わないでくれ………頼む、頼むよう」
戦士風の男の言葉に、私達は立っている方の男をみる。
すると、その口には恐らく戦士風の男の腕だろう物が咥えられていた。
「喰うな?それは無理だな……俺たちはお前たちを喰う者だからなぁ……お前の腕を喰ったらそうだな、次は足を喰おう……他の仲間のように四肢を目の前で喰って……最後に絶望したお前の頭を喰ってやる」
「ひ、ひいいいいい!………!!っ、助けて!助けてえええ!」
戦士風の男が私達に気付いた。
私達は異常な光景に、半ば意識が飛んでいた。
予想外過ぎる……まさか、人が喰われている光景を見せられるなんて……いや、魔物の中には人を喰う魔物もいると聞いていたが……それはあそこまで残忍なものではないだろう。
本人の意識がある目の前で、本人の腕を笑いながら喰っているのだ……。
その恐怖こそが最高の食事だとでもいうかのように……。
そうだ、ミオンが言っていたではないか人族の恐怖や絶望と言った、負の感情を邪鬼は好むと……。
つまりこいつが……。
「邪鬼……」
「おや、今日はごちそうだねぇ、また、人族がやってきた……もう少し待っててくれよ、次はお前たちも喰ってやるから……」
そう言って、戦士風の男の腕を飲み込んだ邪鬼は、次の部位を食べようと手を伸ばす……だが、そんなことさせてたまるか!
「光弾!!」
私は光の魔法弾を放ち、邪鬼に攻撃をする。
「ほう?」
私の光弾は邪鬼に当たるが、邪鬼はそれをものともしない。
興味深そうにこちらを見るが、今の攻撃でダメージを受けた気配がないのだ。
「面白い、俺を前にして戦おうというのか……いいねぇ、お前らの絶望は美味そうだ」
そう言うと、邪鬼は何もない場所から武器をいきなり出現させた。
まるで、死神の武器だとでも言わんばかりの存在感……戦鎌……ウォーサイズと呼ばれる武器である。
そしてその戦鎌が似合う風体である邪鬼……真っ赤に燃えるような赤い髪に紫色の肌……そして、金色に光る眼が、その姿をさらに禍々しくしていた。
そして、その紫の額の中央には一本の鬼のような角が生えている。
「ひ、ひいいいいい!」
邪鬼が武器を取り出したことに怯え、戦士風の男がその場から逃げ出そうとする。
駄目、今動いたらっ!
「ふんっ」
邪鬼がその鎌を一振りすると戦士風の男の首が体から離れていった。
「くっ……」
私のさっきの攻撃で敵をあの人から離れさせることが出来ていれば、護れたかもしれないのに……。
もっと違う魔法を撃つべきだったと後悔をする……いや、違う魔法だったとしても結果は変わらないかもしれない、大技を撃ってしまったらあの人を巻き込むことになっていた以上、きっと……。
「みんな、全力で行くよ!」
明らかにヤバイ相手である……魔族と対峙した時と同じような恐怖を感じるその相手に、私達は全力で迎撃態勢を取る。
「闇魔滅砲!」
ディータの闇の魔法が、邪鬼を襲う。
「ほう、すごいじゃないか」
だが、邪鬼が持っていた鎌を手で回転させると、ディータの闇の魔法をその回転で防いでしまった。
ディータの放った、イビルスレイヤーは闇の魔法の中でも強力な方の魔法である。
それをああも簡単に……だが、武器で防いだということはダメージは与えられるのかもしれない……それなら……。
「闇魔滅砲!」
今度は私が、邪鬼の死角から同じ魔法を放つ。
「おっと」
だが、それも簡単に鎌の一振りで消し飛ばされてしまった。
「はああ!!」
クオンがクレイジュを手に、魔鬼へと斬りこむ。
最初の一撃は軽々とその鎌で弾かれるが、クオンは弾かれた体勢を風の魔法で整えると、そのまま、邪鬼の懐へと潜り込んだ。……うまいっ、これなら防げない!
「やるねぇ、だが、甘ぇ!」
邪鬼は足を蹴り上げると、クオンの脇腹へと命中させる。
鎌の攻撃ばかりに気を取られていたクオンはその攻撃を防げず、そのまま蹴り飛ばされてしまった。
「なら、これはどうですの!全力魔弾!」
「同じことだぜ!」
鎌を回転させることで、エリンシアのフルブラスターを防ぐ邪鬼。
だが、先ほどのイビルスレイヤーの時と違い、エリンシアはそのフルブラスターを止めることはない。
そう、フルブラスターを放ち続けているのである。
「カモメさん!」
「がってん承知!」
フルブラスターが撃ち続けられている間は邪鬼は無防備である。
そこに……
「暴風轟炎!!!」
私の合成魔法が炸裂したのだった。
何が起きたのかわからないこの状況でこの行動は軽率かもしれない。
傍から見れば自分たちの力を過信した馬鹿な冒険者と捉えられても仕方ないのだ。
いや、ある意味その通りでもあるのかもしれない。
でも、街からこの森までそこまで距離があるわけではない、一日あれば依頼を達成して往復できるくらいの距離である。
ということは、この森に危険な魔物がいるとすれば、その魔物が街にまでくる可能性もあるのだ。
街に来てしまったら、街には戦えない一般人もいる……その人たちが襲われれば大変な被害が出るだろう。
それに、街に来なくても腕に自信のない冒険者たちが犠牲になる可能性は高いのだ……さっきの人みたいに。さっきの人は何とか一命は取り留めたが、次の人も助けられるとは限らないのである。
「少し迂闊でしたかしら……もう少し情報を集めるべきだったかもしれませんわね」
「確かに、情報は大事だけど……」
「そうしている間にも犠牲者が増えるかもしれないし」
「百聞は一見にしかずともいうわ………情報を待つよりも自分たちで行動した方が早いでしょう」
ディータの言う通りである、正直エリンシアの言うことの方が正しいのだろう、何がいるか分からない危険な場所に何の準備も無く突っ込むのは猪とか馬鹿とか言われるのだ。
だけど、逆に考えればそれは自分を囮にし敵を見つけることが出来るということである。
正直、私達はこの謎の大陸の事を全然知らない。
冒険をしながら少しずつ情報を集めて行こうとも思っていたのだが、近くに危険があるのであれば早いうちに把握しておきたいのだ、しかもそれが人族の天敵と呼ばれる『邪鬼』と呼ばれる存在であるのならば。
邪鬼というのが何なのか正直、全然分からない、魔物の類なのか、それとも『魔鬼』のような人の成れの果てなのか、もしくは『魔族』のような異世界の生き物なのか……でも、解らないのなら直接確かめればいい。敵が人族の天敵であるのならば私たちの目の前に現れるだろう。
それに……と、私は空を見上げる。
相変わらず、微妙な曇り空だ……何かが現れる……その微妙な空を見上げていると、半ば確信に近い気持ちがこみあげてきた。
「カモメ!」
クオンが前方に何かを発見したらしい。
私は慌てて、目の前に目線をやると……そこには夥しい程の赤……赤……赤。
地面の茶色が見えなくなるほどの赤い液体があった。
「……血?」
「うん、それも魔物の血ではないね」
そうだ、よくよく考えてみれば、ギルドに来た男の人はソロの冒険者とは限らない……もしかしたら仲間がいたのではないだろうか?
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
「「「!?」」」
凄まじい悲鳴が響き渡る。
「この先だ!」
クオンが駆けだす、その後を私達もついていった。
「やめて……やめてくれぇえ!……腕が……腕がぁ……」
片腕を失った、戦士風の男が、地面に尻餅をつきながら泣き叫んでいる。
そして、その男の前にはもう一人、何者かが佇んでいる。
「俺の腕を喰わないでくれ………頼む、頼むよう」
戦士風の男の言葉に、私達は立っている方の男をみる。
すると、その口には恐らく戦士風の男の腕だろう物が咥えられていた。
「喰うな?それは無理だな……俺たちはお前たちを喰う者だからなぁ……お前の腕を喰ったらそうだな、次は足を喰おう……他の仲間のように四肢を目の前で喰って……最後に絶望したお前の頭を喰ってやる」
「ひ、ひいいいいい!………!!っ、助けて!助けてえええ!」
戦士風の男が私達に気付いた。
私達は異常な光景に、半ば意識が飛んでいた。
予想外過ぎる……まさか、人が喰われている光景を見せられるなんて……いや、魔物の中には人を喰う魔物もいると聞いていたが……それはあそこまで残忍なものではないだろう。
本人の意識がある目の前で、本人の腕を笑いながら喰っているのだ……。
その恐怖こそが最高の食事だとでもいうかのように……。
そうだ、ミオンが言っていたではないか人族の恐怖や絶望と言った、負の感情を邪鬼は好むと……。
つまりこいつが……。
「邪鬼……」
「おや、今日はごちそうだねぇ、また、人族がやってきた……もう少し待っててくれよ、次はお前たちも喰ってやるから……」
そう言って、戦士風の男の腕を飲み込んだ邪鬼は、次の部位を食べようと手を伸ばす……だが、そんなことさせてたまるか!
「光弾!!」
私は光の魔法弾を放ち、邪鬼に攻撃をする。
「ほう?」
私の光弾は邪鬼に当たるが、邪鬼はそれをものともしない。
興味深そうにこちらを見るが、今の攻撃でダメージを受けた気配がないのだ。
「面白い、俺を前にして戦おうというのか……いいねぇ、お前らの絶望は美味そうだ」
そう言うと、邪鬼は何もない場所から武器をいきなり出現させた。
まるで、死神の武器だとでも言わんばかりの存在感……戦鎌……ウォーサイズと呼ばれる武器である。
そしてその戦鎌が似合う風体である邪鬼……真っ赤に燃えるような赤い髪に紫色の肌……そして、金色に光る眼が、その姿をさらに禍々しくしていた。
そして、その紫の額の中央には一本の鬼のような角が生えている。
「ひ、ひいいいいい!」
邪鬼が武器を取り出したことに怯え、戦士風の男がその場から逃げ出そうとする。
駄目、今動いたらっ!
「ふんっ」
邪鬼がその鎌を一振りすると戦士風の男の首が体から離れていった。
「くっ……」
私のさっきの攻撃で敵をあの人から離れさせることが出来ていれば、護れたかもしれないのに……。
もっと違う魔法を撃つべきだったと後悔をする……いや、違う魔法だったとしても結果は変わらないかもしれない、大技を撃ってしまったらあの人を巻き込むことになっていた以上、きっと……。
「みんな、全力で行くよ!」
明らかにヤバイ相手である……魔族と対峙した時と同じような恐怖を感じるその相手に、私達は全力で迎撃態勢を取る。
「闇魔滅砲!」
ディータの闇の魔法が、邪鬼を襲う。
「ほう、すごいじゃないか」
だが、邪鬼が持っていた鎌を手で回転させると、ディータの闇の魔法をその回転で防いでしまった。
ディータの放った、イビルスレイヤーは闇の魔法の中でも強力な方の魔法である。
それをああも簡単に……だが、武器で防いだということはダメージは与えられるのかもしれない……それなら……。
「闇魔滅砲!」
今度は私が、邪鬼の死角から同じ魔法を放つ。
「おっと」
だが、それも簡単に鎌の一振りで消し飛ばされてしまった。
「はああ!!」
クオンがクレイジュを手に、魔鬼へと斬りこむ。
最初の一撃は軽々とその鎌で弾かれるが、クオンは弾かれた体勢を風の魔法で整えると、そのまま、邪鬼の懐へと潜り込んだ。……うまいっ、これなら防げない!
「やるねぇ、だが、甘ぇ!」
邪鬼は足を蹴り上げると、クオンの脇腹へと命中させる。
鎌の攻撃ばかりに気を取られていたクオンはその攻撃を防げず、そのまま蹴り飛ばされてしまった。
「なら、これはどうですの!全力魔弾!」
「同じことだぜ!」
鎌を回転させることで、エリンシアのフルブラスターを防ぐ邪鬼。
だが、先ほどのイビルスレイヤーの時と違い、エリンシアはそのフルブラスターを止めることはない。
そう、フルブラスターを放ち続けているのである。
「カモメさん!」
「がってん承知!」
フルブラスターが撃ち続けられている間は邪鬼は無防備である。
そこに……
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