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8章
ドラグ山脈へ
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「なんだと……アネル殿とクオン殿が……?」
「うん、リーンに攫われて……」
「なんてことだ……」
カモメ達は、ツァインに戻り、ヴァルネッサ城で起きたことをフィルディナンドに報告していた。
「そんな……アネル殿が……」
アネルに子供の頃から育てられたソフィーナは顔を青くする。
「王様、謎の大陸って知ってる?」
「名前と存在だけはな……我が国も調査隊などを向かわせたこともあったが、結界の向こうに行くことは出来なかった……そもそも、謎の大陸などと呼ばれているが、本当に向こう側に陸地があるかどうかすら解らんのだ」
「そうなの?……なら、なんで謎の大陸って呼ばれてるんだろう?」
「今は行けずとも古の昔は行けたのかもしれん……闇の女神殿は知らぬのか?」
「悪いけど知らないわ……あの頃は人間を見守るので精一杯でそこまで気が回らなかったもの……そもそも、そんな結界があることを知らなかったわ」
「そうか……」
やはり、王様からも謎の大陸の情報は得られそうになかった。
国の王であればもしかしたら多少の情報を持っている可能性もあると考えていたのだが、こうなるとやっぱり……。
「もう一度、竜の秘宝を使わせてもらうしかないかな?」
「そうね、『世界』に聞いてみるしかないでしょうね」
「でしたら、早速ドラグ山脈に行きましょうですわ!」
エリンシアの言う通り、すぐにでも行く方がいいだろう。
こうしている間にもクオン達の命の危険は高くなっていくのだ。
「それじゃ、私とディータで空を飛んで行こう……エリンシアは私が運ぶとして……レディはどうする?」
「私は重いものぉん、私がぶら下ったらディータちゃんの腕がもげちゃうわぁん」
「それは勘弁願いたいわね……」
「なら……あれ、ミャアはどうしたの?」
「ミャアちゃんはコロちゃんの事を聞いて……ね……なんだかんだ仲がいい二人だったのよぉん」
「あ……」
コロと一番仲が良かったのはミャアである。
ラガナと共に行動するようになってからほとんどの時間を一緒にいることが多かったコロが今回、一緒に行かなかったときに限って命を落としてしまったのだ……ミャアの心中は後悔で一杯だろう。
「ミャアは一人にさせてあげましょう……」
「なら、三人で行こう!……レディ、ツァインはよろしくね……何があるか分からないし」
「ええ、任せてぇん!」
「……魔女殿」
「ん?どうしたの?」
「リーンと言う敵は、魔女殿達ともあったことがあると言っていたのだろう?」
「うん、そうみたい。あの時は違う姿だったみたいだけど」
「ならば、先の戦いで共にいた者以外は信用するな……俺も含めてな」
「え、どうして?」
信用しているからこそ、未だって知恵を借りる為に来たのに、今更王様を信用するなと言うのは無理だと思うけど……。
「……確かに、こちらの情報が筒抜けになるかもしれないわね」
「ああ、敵は何を考えているか分からない相手だ……注意するに越したことはない」
「そっか……解った、ありがと、王様!」
そうだね、確かに、注意していかないと、何がクオン達の危険になるか分からない。
「とりあえず、ドラグ山脈へ向かうわよ」
「うん」
カモメ達は風の魔法で空を翔ける。
徒歩で行く時とは違い、みるみるうちにドラグ山脈へと近づいていった。
「カモメさん、ディータさん」
「ん、どうしたのエリンシア?」
「一つ、気になるんですけれど……」
ドラグ山脈へ向かう途中、エリンシアが難しい顔をしながら口を開く。
「王様の言う通り、他の方を信用しない方が良いと思い、他の方がいなくなる時まで黙っていたのですけれど……」
どうやら、エリンシアも王様と同じことを考えていたらしく、自分たち以外の人がいなくなるまで滅多なことは言わないようにしていたらしい。
「リーンはワタクシ達に会った事があるのですわよね?」
「ええ、そう言っているわ」
「ですが、ワタクシ達は謎の大陸に行ったことはありませんわよね?」
「そうね」
「ならばなぜ謎の大陸に来いなんて言うのでしょう?」
「え、だって、謎の大陸にリーンの本拠地があるからじゃないの?」
だからこそ、封印を解いて謎の大陸にまで来いというのだろうと思うのだけれど……。
「ワタクシも最初はそう思っていたのですけれど……こちらに来れるリーンさんが、なぜわざわざワタクシ達に、封印を解かせて謎の大陸まで行かせようとするのかと思いまして……リーンさんがこちらに来られるなら何も謎の大陸に帰って待つ必要も無いと思うのですわ」
「え……そう?」
自分の城で待ち構えるなんて結構多いことだと思うけど……魔王だってヴァルネッサ城にいたし……。
「確かに少しおかしいわね」
「えっと……ごめん、私だけ話についていけないんだけど……」
ディータはどうやらエリンシアの言う事が解ったらしい。一体どういうこと?
「考えても見て、そもそもなぜ、リーンはレナとクオンを攫ったのかしら?」
「えっと……私達を謎の大陸に来させる為?」
「そうね、でもわざわざ謎の大陸に来させる理由は何?」
「私達と戦う為じゃ……あれ?」
そこまで聞いて私も疑問に思う。
私達と戦う為なら、わざわざ人質をとってまで呼びつけなくても、あの場で戦えばいいだけの話だ。
リーンの言う通りであるならば異空間であるあの場所なら『世界』に見つからず、リーンにとっても戦いやすい場所であったはずである。
「気付いた?リーンが私たちをわざわざ呼びつける理由がないのよ」
「そう言う事ですわ、ですので恐らく何か裏があると思うんですけれど……」
「それが分からないね」
そう、疑問に思ってもそれが解らなければどうしようもない。
エリンシアもそれは解っているからドラグ山脈に行くことを否定はしなかったのだ、ドラグ山脈に行って、『世界』から話を聞いて情報を得なければ恐らく何も出来ないだろうと思って。
だが、このままリーンの思い通りに動くのはかなり危険かもしれない。
もしかしたら、リーンは何か違う目的のために私たちを生かしていたのかもしれないのだから。
「気を付けないとだね」
「そう言う事ですわ……リーンの思い通りにはならないようにしませんと」
「うん」
そう言っている間にもドラグ山脈は目と鼻の先に近づいてきていたのだった。
「うん、リーンに攫われて……」
「なんてことだ……」
カモメ達は、ツァインに戻り、ヴァルネッサ城で起きたことをフィルディナンドに報告していた。
「そんな……アネル殿が……」
アネルに子供の頃から育てられたソフィーナは顔を青くする。
「王様、謎の大陸って知ってる?」
「名前と存在だけはな……我が国も調査隊などを向かわせたこともあったが、結界の向こうに行くことは出来なかった……そもそも、謎の大陸などと呼ばれているが、本当に向こう側に陸地があるかどうかすら解らんのだ」
「そうなの?……なら、なんで謎の大陸って呼ばれてるんだろう?」
「今は行けずとも古の昔は行けたのかもしれん……闇の女神殿は知らぬのか?」
「悪いけど知らないわ……あの頃は人間を見守るので精一杯でそこまで気が回らなかったもの……そもそも、そんな結界があることを知らなかったわ」
「そうか……」
やはり、王様からも謎の大陸の情報は得られそうになかった。
国の王であればもしかしたら多少の情報を持っている可能性もあると考えていたのだが、こうなるとやっぱり……。
「もう一度、竜の秘宝を使わせてもらうしかないかな?」
「そうね、『世界』に聞いてみるしかないでしょうね」
「でしたら、早速ドラグ山脈に行きましょうですわ!」
エリンシアの言う通り、すぐにでも行く方がいいだろう。
こうしている間にもクオン達の命の危険は高くなっていくのだ。
「それじゃ、私とディータで空を飛んで行こう……エリンシアは私が運ぶとして……レディはどうする?」
「私は重いものぉん、私がぶら下ったらディータちゃんの腕がもげちゃうわぁん」
「それは勘弁願いたいわね……」
「なら……あれ、ミャアはどうしたの?」
「ミャアちゃんはコロちゃんの事を聞いて……ね……なんだかんだ仲がいい二人だったのよぉん」
「あ……」
コロと一番仲が良かったのはミャアである。
ラガナと共に行動するようになってからほとんどの時間を一緒にいることが多かったコロが今回、一緒に行かなかったときに限って命を落としてしまったのだ……ミャアの心中は後悔で一杯だろう。
「ミャアは一人にさせてあげましょう……」
「なら、三人で行こう!……レディ、ツァインはよろしくね……何があるか分からないし」
「ええ、任せてぇん!」
「……魔女殿」
「ん?どうしたの?」
「リーンと言う敵は、魔女殿達ともあったことがあると言っていたのだろう?」
「うん、そうみたい。あの時は違う姿だったみたいだけど」
「ならば、先の戦いで共にいた者以外は信用するな……俺も含めてな」
「え、どうして?」
信用しているからこそ、未だって知恵を借りる為に来たのに、今更王様を信用するなと言うのは無理だと思うけど……。
「……確かに、こちらの情報が筒抜けになるかもしれないわね」
「ああ、敵は何を考えているか分からない相手だ……注意するに越したことはない」
「そっか……解った、ありがと、王様!」
そうだね、確かに、注意していかないと、何がクオン達の危険になるか分からない。
「とりあえず、ドラグ山脈へ向かうわよ」
「うん」
カモメ達は風の魔法で空を翔ける。
徒歩で行く時とは違い、みるみるうちにドラグ山脈へと近づいていった。
「カモメさん、ディータさん」
「ん、どうしたのエリンシア?」
「一つ、気になるんですけれど……」
ドラグ山脈へ向かう途中、エリンシアが難しい顔をしながら口を開く。
「王様の言う通り、他の方を信用しない方が良いと思い、他の方がいなくなる時まで黙っていたのですけれど……」
どうやら、エリンシアも王様と同じことを考えていたらしく、自分たち以外の人がいなくなるまで滅多なことは言わないようにしていたらしい。
「リーンはワタクシ達に会った事があるのですわよね?」
「ええ、そう言っているわ」
「ですが、ワタクシ達は謎の大陸に行ったことはありませんわよね?」
「そうね」
「ならばなぜ謎の大陸に来いなんて言うのでしょう?」
「え、だって、謎の大陸にリーンの本拠地があるからじゃないの?」
だからこそ、封印を解いて謎の大陸にまで来いというのだろうと思うのだけれど……。
「ワタクシも最初はそう思っていたのですけれど……こちらに来れるリーンさんが、なぜわざわざワタクシ達に、封印を解かせて謎の大陸まで行かせようとするのかと思いまして……リーンさんがこちらに来られるなら何も謎の大陸に帰って待つ必要も無いと思うのですわ」
「え……そう?」
自分の城で待ち構えるなんて結構多いことだと思うけど……魔王だってヴァルネッサ城にいたし……。
「確かに少しおかしいわね」
「えっと……ごめん、私だけ話についていけないんだけど……」
ディータはどうやらエリンシアの言う事が解ったらしい。一体どういうこと?
「考えても見て、そもそもなぜ、リーンはレナとクオンを攫ったのかしら?」
「えっと……私達を謎の大陸に来させる為?」
「そうね、でもわざわざ謎の大陸に来させる理由は何?」
「私達と戦う為じゃ……あれ?」
そこまで聞いて私も疑問に思う。
私達と戦う為なら、わざわざ人質をとってまで呼びつけなくても、あの場で戦えばいいだけの話だ。
リーンの言う通りであるならば異空間であるあの場所なら『世界』に見つからず、リーンにとっても戦いやすい場所であったはずである。
「気付いた?リーンが私たちをわざわざ呼びつける理由がないのよ」
「そう言う事ですわ、ですので恐らく何か裏があると思うんですけれど……」
「それが分からないね」
そう、疑問に思ってもそれが解らなければどうしようもない。
エリンシアもそれは解っているからドラグ山脈に行くことを否定はしなかったのだ、ドラグ山脈に行って、『世界』から話を聞いて情報を得なければ恐らく何も出来ないだろうと思って。
だが、このままリーンの思い通りに動くのはかなり危険かもしれない。
もしかしたら、リーンは何か違う目的のために私たちを生かしていたのかもしれないのだから。
「気を付けないとだね」
「そう言う事ですわ……リーンの思い通りにはならないようにしませんと」
「うん」
そう言っている間にもドラグ山脈は目と鼻の先に近づいてきていたのだった。
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