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4章
階層ボス
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ダンジョン2階層、階層ボスの部屋。
僕らは今、そこで2階層のボスと対峙していた。
「兄様・・・あのモンスターは?」
「確か、ミノタウロスと呼ばれる魔物だ」
そう僕らの前に悠然と構えている魔物は牛の頭を持った魔物、ミノタウロスである。
「ミノタウロス・・・確かランクはCだったね」
階層のボスは最低Cランク以上という情報だったので、2階層のボスがCランクなのは予想通りである。
そして、Cランクの魔物だったという事は、僕は戦わず、戦うのはコハクたち三人と一匹になる。
「じゃあ、クオンさん。予定通り、この階層ボスは僕らにやらせてもらえますか?」
「うん、任せる」
「はい!」
そう言うと、コハクたちは武器を構え、隊列を組む。
隊列はソフィーナさんが戦闘、その少し後ろにヒスイが、そして後衛に魔法を使うリーナと弓を操るコハクである。
パーティのバランス的にはちょうどいいと思う。
ただ、ソフィーナさんはAランク並みの実力を持つので、相手がCランクのボスという事もあって攻撃よりも敵の注意を引く役目をするらしい。
確かにソフィーナさんならウェアウルフと同じランクのミノタウロスに後れをとることも無いだろう、だけど、ソフィーナさんが楽々倒してしまったらコハクたちの経験にならないしね。
「では、作戦通りにいこう!」
「「はい!」」
「わん!」
ソフィーナさんが号令をかけると各々返事をする。
まずは敵がこちらに近づいてくる前にコハクとリーナが遠距離からの攻撃を放った。
「強射」
「炎弾射!」
二人の放った、魔法と技がミノタウロス目掛け、直線で突き進む。
ミノタウロスはまだこちらに気付いていなかったのか、その攻撃を防ぐこともせず受けた。
「ぐもおおおおお!!」
二人の攻撃はミノタウロスにダメージを与えられたらしく、ミノタウロスは悲鳴を上げる。
「こちらに来る!二人は私の後ろに!」
「「はい!」」
そう言うとソフィーナさんはこちらへ突進してくるミノタウロスに向けて走り出した。
ミノタウロスが持っていた大きな斧を振り上げ、向かってくるソフィーナさんに向けて振り下ろす。
ソフィーナさんはその攻撃を普通の大きさの剣で受け止めた。
大きな金属のぶつかる音がすると、その普通の剣で大きな斧を完全に受け止めてしまうソフィーナさん。
「すごい・・・」
コハクが感嘆の声を上げる。
よく見ると、ソフィーナさんの剣が淡く光っている、どうやらあの普通に見える剣は魔剣の類なのだろう。使用者の魔力で剣自身を強化するといったところか。
「ヒスイ!」
「ガウ!」
ソフィーナさんの掛け声に、ヒスイは横からミノタウロスの首めがけて噛みつく。
ミノタウロスは首を噛まれた衝撃で体制を崩す。
そして、それを待っていたとばかりに、コハクはよろめいたミノタウロスめがけて、矢を放った。
「二連射!」
放たれた二つの矢が同時にミノタウロスの左目に突き刺さる。
「ぐもおおおおおおおおおお!!!」
やられた左目を抑えながらミノタウロスはその場に膝を付いた。
その隙を逃すまいとヒスイは追い打ちをかける。
ヒスイの爪が残った右目を捕らえ、左目に引き続き右目をも失ったことにミノタウロスは再び声を上げた。
「よし、相手の動きは完全に止まった!」
「行きます!氷柱弾!!」
リーナから放たれた氷の魔法はミノタウロスに命中するとその姿を一瞬で氷漬けにする。
カモメ程ではないがリーナもまた稀有な魔力を持つ魔法の使い手である。
その威力はすでにEランクの冒険者のものではないだろう、いや、リーナだけではない、コハクもまた弓の腕は一級品である、その上、判断能力にも優れている為、Eランクの冒険者とはいえ、その力はD・・・いやCランクの冒険者にも引けを取らないほどに成長していた。
とはいえ、ギルドの魔導具が彼らをEランクと判定したのには理由がある、それは恐らく経験の少なさだろう。いくら普通の人より大きな力を持っていても経験が無ければそれを生かすことは出来ない。だからこそ、彼らは僕についてきてこのダンジョンで経験をつもうとしているのだ。
きっと、このダンジョンをクリアした後は、自信とそれに見合ったランクが付いてくるに違いない。
「トドメだ!」
「ガウ!!」
コハクの矢が頭に、ヒスイの爪が胴体にヒットし、氷漬けになっていたミノタウロスの体は、その衝撃でヒビが入り、粉々となった。
粉々になったミノタウロスの体が輝くと、その体は魔石へと姿を変える。
「これは持って帰ってディータ殿に渡さねばな」
「ですね」
本来であれば魔石はギルドに売ることが出来るため、冒険者にとって収入源になるのだが、僕らの仲間にはぬいぐるみ・・・もとい、ソウルイーターとなった女神がいる。
あの女神は魔石を食べることでソウルイーターの体の魔力量を増やすことが出来る。その為、僕らは魔石を手に入れるとディータへと渡してあげていた。
・・・・まったく、手間のかかる女神だよ。
「お」
ミノタウロスの魔石を持っていた袋にしまっていると、奥にあった扉が音を上げて開いていく。
「どうやら、次の階層への扉が開いたようだな」
「はい、この調子でドンドンいきましょう!」
「うん、そうだね」
ソフィーナさんとリーナの言葉に僕は頷く。
だが、アネルさんの話だと、階層を進むごとにこのダンジョンは難易度が上がっていくらしい。
一階層は特に何もなく魔物が出てくるだけ、後はランダムの宝箱が出現するのみとなっている。
二階層はそれに加え、階層ボスが出てきた。
三階層はアネルさんの話だと、罠が追加されるらしい。
四階層は一気に難易度が上がり、通常に出てくる魔物もCランク以上、罠の危険度も増し、階層ボスはAランクになるという事だ。
そして、五階層はボスのいるフロアだけで、そのボスの強さはSランク以上という事らしい。
五階層のボスを倒せば、目当ての聖武具が入った宝箱にたどり着くことが出来る。僕らは順調に進んでいることもあり、意気揚々と、次の階層へ歩を進めた。
僕らは今、そこで2階層のボスと対峙していた。
「兄様・・・あのモンスターは?」
「確か、ミノタウロスと呼ばれる魔物だ」
そう僕らの前に悠然と構えている魔物は牛の頭を持った魔物、ミノタウロスである。
「ミノタウロス・・・確かランクはCだったね」
階層のボスは最低Cランク以上という情報だったので、2階層のボスがCランクなのは予想通りである。
そして、Cランクの魔物だったという事は、僕は戦わず、戦うのはコハクたち三人と一匹になる。
「じゃあ、クオンさん。予定通り、この階層ボスは僕らにやらせてもらえますか?」
「うん、任せる」
「はい!」
そう言うと、コハクたちは武器を構え、隊列を組む。
隊列はソフィーナさんが戦闘、その少し後ろにヒスイが、そして後衛に魔法を使うリーナと弓を操るコハクである。
パーティのバランス的にはちょうどいいと思う。
ただ、ソフィーナさんはAランク並みの実力を持つので、相手がCランクのボスという事もあって攻撃よりも敵の注意を引く役目をするらしい。
確かにソフィーナさんならウェアウルフと同じランクのミノタウロスに後れをとることも無いだろう、だけど、ソフィーナさんが楽々倒してしまったらコハクたちの経験にならないしね。
「では、作戦通りにいこう!」
「「はい!」」
「わん!」
ソフィーナさんが号令をかけると各々返事をする。
まずは敵がこちらに近づいてくる前にコハクとリーナが遠距離からの攻撃を放った。
「強射」
「炎弾射!」
二人の放った、魔法と技がミノタウロス目掛け、直線で突き進む。
ミノタウロスはまだこちらに気付いていなかったのか、その攻撃を防ぐこともせず受けた。
「ぐもおおおおお!!」
二人の攻撃はミノタウロスにダメージを与えられたらしく、ミノタウロスは悲鳴を上げる。
「こちらに来る!二人は私の後ろに!」
「「はい!」」
そう言うとソフィーナさんはこちらへ突進してくるミノタウロスに向けて走り出した。
ミノタウロスが持っていた大きな斧を振り上げ、向かってくるソフィーナさんに向けて振り下ろす。
ソフィーナさんはその攻撃を普通の大きさの剣で受け止めた。
大きな金属のぶつかる音がすると、その普通の剣で大きな斧を完全に受け止めてしまうソフィーナさん。
「すごい・・・」
コハクが感嘆の声を上げる。
よく見ると、ソフィーナさんの剣が淡く光っている、どうやらあの普通に見える剣は魔剣の類なのだろう。使用者の魔力で剣自身を強化するといったところか。
「ヒスイ!」
「ガウ!」
ソフィーナさんの掛け声に、ヒスイは横からミノタウロスの首めがけて噛みつく。
ミノタウロスは首を噛まれた衝撃で体制を崩す。
そして、それを待っていたとばかりに、コハクはよろめいたミノタウロスめがけて、矢を放った。
「二連射!」
放たれた二つの矢が同時にミノタウロスの左目に突き刺さる。
「ぐもおおおおおおおおおお!!!」
やられた左目を抑えながらミノタウロスはその場に膝を付いた。
その隙を逃すまいとヒスイは追い打ちをかける。
ヒスイの爪が残った右目を捕らえ、左目に引き続き右目をも失ったことにミノタウロスは再び声を上げた。
「よし、相手の動きは完全に止まった!」
「行きます!氷柱弾!!」
リーナから放たれた氷の魔法はミノタウロスに命中するとその姿を一瞬で氷漬けにする。
カモメ程ではないがリーナもまた稀有な魔力を持つ魔法の使い手である。
その威力はすでにEランクの冒険者のものではないだろう、いや、リーナだけではない、コハクもまた弓の腕は一級品である、その上、判断能力にも優れている為、Eランクの冒険者とはいえ、その力はD・・・いやCランクの冒険者にも引けを取らないほどに成長していた。
とはいえ、ギルドの魔導具が彼らをEランクと判定したのには理由がある、それは恐らく経験の少なさだろう。いくら普通の人より大きな力を持っていても経験が無ければそれを生かすことは出来ない。だからこそ、彼らは僕についてきてこのダンジョンで経験をつもうとしているのだ。
きっと、このダンジョンをクリアした後は、自信とそれに見合ったランクが付いてくるに違いない。
「トドメだ!」
「ガウ!!」
コハクの矢が頭に、ヒスイの爪が胴体にヒットし、氷漬けになっていたミノタウロスの体は、その衝撃でヒビが入り、粉々となった。
粉々になったミノタウロスの体が輝くと、その体は魔石へと姿を変える。
「これは持って帰ってディータ殿に渡さねばな」
「ですね」
本来であれば魔石はギルドに売ることが出来るため、冒険者にとって収入源になるのだが、僕らの仲間にはぬいぐるみ・・・もとい、ソウルイーターとなった女神がいる。
あの女神は魔石を食べることでソウルイーターの体の魔力量を増やすことが出来る。その為、僕らは魔石を手に入れるとディータへと渡してあげていた。
・・・・まったく、手間のかかる女神だよ。
「お」
ミノタウロスの魔石を持っていた袋にしまっていると、奥にあった扉が音を上げて開いていく。
「どうやら、次の階層への扉が開いたようだな」
「はい、この調子でドンドンいきましょう!」
「うん、そうだね」
ソフィーナさんとリーナの言葉に僕は頷く。
だが、アネルさんの話だと、階層を進むごとにこのダンジョンは難易度が上がっていくらしい。
一階層は特に何もなく魔物が出てくるだけ、後はランダムの宝箱が出現するのみとなっている。
二階層はそれに加え、階層ボスが出てきた。
三階層はアネルさんの話だと、罠が追加されるらしい。
四階層は一気に難易度が上がり、通常に出てくる魔物もCランク以上、罠の危険度も増し、階層ボスはAランクになるという事だ。
そして、五階層はボスのいるフロアだけで、そのボスの強さはSランク以上という事らしい。
五階層のボスを倒せば、目当ての聖武具が入った宝箱にたどり着くことが出来る。僕らは順調に進んでいることもあり、意気揚々と、次の階層へ歩を進めた。
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