不老不死の私と幽霊の君

うららか

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強そうで弱い

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よくラノベとかで異世界召喚だとか異世界転生ってあるけど、もし私が異世界に行ったら秒で死ぬと思う。
それなりのチートスキルあってもそれを使いこなせる自信ないし、残念ながら私は体力もないし、頭も良くない。
って異世界に来る前までは思っていた。
てか、本当に異世界召喚されるなんて思いもしないだろ!
普通に日本で暮らして、普通に会社員やってた。
普通に日常を過ごしていたら、急に視界が真っ白になり、なんか突然神様が目の前に。不思議なことに神様です!って自己紹介されなくても、あ、この人神様だって分かった。見た目がthe 神様って感じだからかな。


「いやー、違う人異世界召喚したかったんだけど間違えちゃった。ごめんごめん!」

神様が笑いながら私の肩をポンと優しく叩く。
いや、笑えない!!!!!!

「え!?どういうこと!?私異世界行くの!?帰りたいんですけど!」

「いやさあ、僕地球から異世界に飛ばすことはできるんだけど、異世界から地球に飛ばすことできないんだよねー。ごめんねー。」

なんで!!!!!不便すぎ!!!!

「え、じゃあ私このまま異世界…?」

「うん、まあそうなるかな!」

お父さんお母さん私を23年間育ててくれてありがとうーーー!!!
私、間宮 美桜(まみや みお)は異世界召喚されることになりましたーー!!
神様の馬鹿野郎ーーーー!!!


「そ、そんな泣かないでー!お詫びに誰にもあげたことないスキルあげるから!」

メソメソ泣いてる私を見て、さすがに申し訳なくなったらしい神様。
いわゆるチートスキルってやつかな。
チートスキルはまあ嬉しいけど、使いこなせる自信ないんだけど…。

「スキルもらっても使いこなせる自信ないですよ!」

「大丈夫!使いこなすとか関係ないから!」

よく分かんないけど、とにかく軽いなこの神様!

「異世界についたら自分のスキル確認できるようになるから自分の確認してみてねー!それじゃ行ってらっしゃーい!」


「え!ちょっと待って!!!寂しい!!!!!」

私の叫びも聞こえないふりした神様が、ニマッと笑いながら視界から消える。
そして、いつの間にか薄暗い森の中。

「え!?せめてさ!!!森とかじゃなくて、街に召喚してよ!」

てか道わかんないよ!どこに行けばいいかも何すればいいかも分かんないよ!
とりあえず、自分のスキルを確認してみる。
自分のステータスをみたいって心の中で思うだけで、スキルやレベルが分かるようになってるぽい。これは便利。


「えーっと、私のスキルは…不老不死…?」


はーーーーーーーっ!?


不老不死!?


歳を取らない!それはラッキー!
でも死なない!てか、死ねない!
それってつまり私一生異世界で生きてかなきゃいけないの…?
こんな知り合いなんて誰もいない、どんなところかも分からない世界で?
てか、不老不死の他にスキルないなら自分守ることさえできなくない!?
あ、死なないから守る必要もないのか…。
いや、でももし拷問とかうけたら生き地獄ってこと…!?
死なないし、歳もとらない、めっちゃ強そうにみえて戦うことも自分を守ることもできない弱すぎるスキルなのでは?


「てか、どんなチートスキルでも私絶対すぐに死ぬなぁって思ってたけど…。」


不老不死ですもんね。
なんと、死にません( ◜ᴗ◝)و

「いや、怖いーー!!嬉しくなーーい!!!」


この先どうしたらいいかも全然分かんないし、そもそも私はラノベとかあまり読んだことない。
つまり異世界ってどういうとこなのかよく分かってない。
なんか、勇者とか冒険者とかスキルとか単語を少し知ってるくらい。
それも私がいた日本で最近異世界物が流行っていて、アニメ化されてる作品をチラッと見たから。

「とにかく…とにかく街に行って優しい人に助けを求めよう…。」

困った時は人に頼りなさい、そのかわり助けてもらったお礼は必ずするように。

お母さんに小さい頃から言われてたこと!

森の抜け方さえも知らないけど、私はとりあえず前に進むことにした。

どうか優しい人に出会えますように…!
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