37 / 73
幼少期~青年期・国外外遊編
第36話 ふぁー?!
しおりを挟む
「おぉ~……本当に色々な機能があるんだなぁ……っと? メタモルフォーゼ? 何これ怖い」
そんな独り言を吐きながら、荷物の点検をするカサード。
「あっ 調味料セットは厨房に置いたままだっけ? 食器の入った皮バッグは部屋にあるから……シャロミー達を呼びに言ったときで良いかな?」
そんな事を呟きながら、調味料セットを取りに厨房へ行く。
厨房の中を覗くと、料理人が数人、料理の仕込みの為に動いている様だ。
「ばかやろう! 焦げてるじゃねぇか! やり直し!」
檄を飛ばすのは料理長だろうか? と思いながら料理長と思える人物に目を向けると、昨夜の料理人のオヤジさんだった。
中に入ろうとすると、せかせかと動き回っていた者に注意される。
「ちょっとキミ! 配膳の邪魔だからそこに立たないで!」
そんな言い方しなくても……と思ってると、さっきの注意の声に、料理長が気が付きボクの方に歩いて来た。
「おぉ? カサード様か。今日はどうしたんだ?」
「忙しい所にすいません。昨夜置いていた、調味料セットを取りに来ました」
「おぉ そうか、ちょっと待ってろ」
料理長は壁際に置いてある棚の上段から、箱を下ろしてボクに渡しに来た。
「大事な物なんだろ? 広げたままだったから片付けておいたよ」
「わぁ♪ ありがとうございます!」
調味料セットを,料理長のオヤジさんから受け取り、礼を言い厨房を後にする。
馬車の荷台に、調味料セットとフォークやナイフ等の食器の入った皮バッグを載せる。
「うん これでいいかな? 準備出来たし、二人を呼んでくるかなっと」
あっ……フェアリー召喚してみようかな? と思い。試して見る事に。
「ふぬぬぬっ……フェアリー召喚っ」
無駄に力んで呟く。すると、空中に魔方陣が浮かび上がる。そこから蝶サイズのピクシーが現れた。
おおー……こういう機能か~。
と感心して出てきたピクシーをマジマジと見つめる。
見つめられているピクシーは、何くわぬ雰囲気でふわふわとホバリングしている。
もしかしてと思い、フェリーリンクも試してみると、視界の横辺りに自分の姿が映っている。
意識を上に持っていくように考えると、ピクシーがパタパタと上に移動する。
回転する様に意識すると、ピクシーが回転して、視界画面の景色が横に動く。
「おっ なるほど。ピクシーに意識を向ければ、遠隔操作ができるのか。これは……前世で言うと、ドローンみたいだなぁ。あっ そうだ! これで上に居る二人が準備出来てるか、見に行けるかも?」
ボクは意識を集中し、ピクシーの動きを制御する。
宿屋の外から、二階の窓から部屋の中の様子を覗く。
中の様子はというと、リリアーナがまだ何を着るのかを決めかねている様だ。
「リリアーナちゃん! 早くするにゃ! カサード様を待たせたらいけないのにゃ~!」
ん? 音声も拾えるのか。それと、シャロミーの方は少し焦っているみたいだな……。
う~ん、画面が小さいなぁ。拡大っと……。
よし 画面が大きくなって見やすくなったぞ……って。
ふぁー!? リリアーナの奴、素っ裸じゃん!? 慌ててピクシーの向きを変える。
部屋の中は少し暗かったのだが、見えてしまった。
鼻血が出てないかを、触って確認したが大丈夫だった。
「やっべー、このスキルをリリアーナに知られたら、どんな仕打ちをされるだろう……」
そんな事を考えて、赤面していた顔を青ざめさせる。
「ねぇ~ シャロミ~、どっちを着て行けばいいかなぁ?」
そんな声が聞こえてきた。女性同士の時のリリアーナはマイペースかぁ……。
「こりゃぁ ボクが直接呼びに行くしかないかなぁ? タハハ……」
部屋の中の様子を見たボクは苦笑するしかなかった。
とりあえず、あのピクシーをしまう事出来ないかな?
「フェアリー召喚解除」
と呟いてみる、すると視界端の映像が消えた。
「おっ? 消えた。なるほど、何となく解ってきた気がする」
ボクは宿屋へ戻り、二人の居る二階の部屋にノックして。
「リリアーナはまだ着替えてないのか? 早くしないと美味しい店に連れてかないぞ?」
ドアを開ける前に、子供に意地悪なことを言うような事を言ってみる
「えっ? 置いて行くなんて酷いですわ。カサード様」
ガチャッと目の前のトアが開き、真っ裸のリリアーナが目に飛び込んできた。
「ちょっ!? おまっ! 何か服を羽織るくらいしろ!」
ボクは慌ててリリアーナに背を向けながら叫ぶ。
「カサード様になら見られても構いませんわ!」
恐らくドヤ顔で言ってるのだろう。
「リリアーナちゃん! カサード様が困ってるにゃ! 早く着替えにゃいと!」
シャロミーが慌ててリリアーナを引っ張りこんでドアをバタンと閉める。
暫くドアの前で待ってると、ようやくリリアーナは着替え終わったのだろう、シャロミーの後から部屋から出てきた。
「シャロミー、リリアーナ。今日は漁港に行こうかと思っているが、それでいいか?」
確認の為に二人に聞く。
「勿論! 宜しいですわ!」
「勿論! 宜しいですにゃ!」
おっ ハモった……。
そんな独り言を吐きながら、荷物の点検をするカサード。
「あっ 調味料セットは厨房に置いたままだっけ? 食器の入った皮バッグは部屋にあるから……シャロミー達を呼びに言ったときで良いかな?」
そんな事を呟きながら、調味料セットを取りに厨房へ行く。
厨房の中を覗くと、料理人が数人、料理の仕込みの為に動いている様だ。
「ばかやろう! 焦げてるじゃねぇか! やり直し!」
檄を飛ばすのは料理長だろうか? と思いながら料理長と思える人物に目を向けると、昨夜の料理人のオヤジさんだった。
中に入ろうとすると、せかせかと動き回っていた者に注意される。
「ちょっとキミ! 配膳の邪魔だからそこに立たないで!」
そんな言い方しなくても……と思ってると、さっきの注意の声に、料理長が気が付きボクの方に歩いて来た。
「おぉ? カサード様か。今日はどうしたんだ?」
「忙しい所にすいません。昨夜置いていた、調味料セットを取りに来ました」
「おぉ そうか、ちょっと待ってろ」
料理長は壁際に置いてある棚の上段から、箱を下ろしてボクに渡しに来た。
「大事な物なんだろ? 広げたままだったから片付けておいたよ」
「わぁ♪ ありがとうございます!」
調味料セットを,料理長のオヤジさんから受け取り、礼を言い厨房を後にする。
馬車の荷台に、調味料セットとフォークやナイフ等の食器の入った皮バッグを載せる。
「うん これでいいかな? 準備出来たし、二人を呼んでくるかなっと」
あっ……フェアリー召喚してみようかな? と思い。試して見る事に。
「ふぬぬぬっ……フェアリー召喚っ」
無駄に力んで呟く。すると、空中に魔方陣が浮かび上がる。そこから蝶サイズのピクシーが現れた。
おおー……こういう機能か~。
と感心して出てきたピクシーをマジマジと見つめる。
見つめられているピクシーは、何くわぬ雰囲気でふわふわとホバリングしている。
もしかしてと思い、フェリーリンクも試してみると、視界の横辺りに自分の姿が映っている。
意識を上に持っていくように考えると、ピクシーがパタパタと上に移動する。
回転する様に意識すると、ピクシーが回転して、視界画面の景色が横に動く。
「おっ なるほど。ピクシーに意識を向ければ、遠隔操作ができるのか。これは……前世で言うと、ドローンみたいだなぁ。あっ そうだ! これで上に居る二人が準備出来てるか、見に行けるかも?」
ボクは意識を集中し、ピクシーの動きを制御する。
宿屋の外から、二階の窓から部屋の中の様子を覗く。
中の様子はというと、リリアーナがまだ何を着るのかを決めかねている様だ。
「リリアーナちゃん! 早くするにゃ! カサード様を待たせたらいけないのにゃ~!」
ん? 音声も拾えるのか。それと、シャロミーの方は少し焦っているみたいだな……。
う~ん、画面が小さいなぁ。拡大っと……。
よし 画面が大きくなって見やすくなったぞ……って。
ふぁー!? リリアーナの奴、素っ裸じゃん!? 慌ててピクシーの向きを変える。
部屋の中は少し暗かったのだが、見えてしまった。
鼻血が出てないかを、触って確認したが大丈夫だった。
「やっべー、このスキルをリリアーナに知られたら、どんな仕打ちをされるだろう……」
そんな事を考えて、赤面していた顔を青ざめさせる。
「ねぇ~ シャロミ~、どっちを着て行けばいいかなぁ?」
そんな声が聞こえてきた。女性同士の時のリリアーナはマイペースかぁ……。
「こりゃぁ ボクが直接呼びに行くしかないかなぁ? タハハ……」
部屋の中の様子を見たボクは苦笑するしかなかった。
とりあえず、あのピクシーをしまう事出来ないかな?
「フェアリー召喚解除」
と呟いてみる、すると視界端の映像が消えた。
「おっ? 消えた。なるほど、何となく解ってきた気がする」
ボクは宿屋へ戻り、二人の居る二階の部屋にノックして。
「リリアーナはまだ着替えてないのか? 早くしないと美味しい店に連れてかないぞ?」
ドアを開ける前に、子供に意地悪なことを言うような事を言ってみる
「えっ? 置いて行くなんて酷いですわ。カサード様」
ガチャッと目の前のトアが開き、真っ裸のリリアーナが目に飛び込んできた。
「ちょっ!? おまっ! 何か服を羽織るくらいしろ!」
ボクは慌ててリリアーナに背を向けながら叫ぶ。
「カサード様になら見られても構いませんわ!」
恐らくドヤ顔で言ってるのだろう。
「リリアーナちゃん! カサード様が困ってるにゃ! 早く着替えにゃいと!」
シャロミーが慌ててリリアーナを引っ張りこんでドアをバタンと閉める。
暫くドアの前で待ってると、ようやくリリアーナは着替え終わったのだろう、シャロミーの後から部屋から出てきた。
「シャロミー、リリアーナ。今日は漁港に行こうかと思っているが、それでいいか?」
確認の為に二人に聞く。
「勿論! 宜しいですわ!」
「勿論! 宜しいですにゃ!」
おっ ハモった……。
0
お気に入りに追加
290
あなたにおすすめの小説

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜
西園寺わかば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。
4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。
そんな彼はある日、追放される。
「よっし。やっと追放だ。」
自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。
- この話はフィクションです。
- カクヨム様でも連載しています。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。

称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる