異世界食道楽アドベンチャー

海鼠腸

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幼少期~青年期・国外外遊編

第28話 ヘビーな蛇退治

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のどかな田園風景からだだっ広い平原の風景になり、リリアーナとシャロミーの2人は相変わらずお喋りをしている、その片方でボクは無言で景色を眺めていた。
 平原の風景から、背の高い雑草や、所々に木々が生えている風景に移り変わる。
 空を見ると、少し雲行きが怪しい。どこかで雨が降っている様な感じがする。

 暫く道なりに進むと、不意に馬車が止まる。何事かと御者に状況を聞く。

「どうしたんだ? 止まったぞ?」とカサード
「カサード様、何かが道を塞いでいて通れなくなっているのです。倒木かと思われますが」と御者

 どれどれ、と馬車から降り道の先を見ると、確かに何か丸太のような物がドッカリと道を塞いでいる。
 その丸太のような物にシャロミーを伴って近づいてみると、少しテカってぬらぬらしている。
 更に近づくと倒木じゃ無い事が判った。
 鱗の様な模様が見えたからだ。
 「下がれシャロミー! コイツから離れろ! 巨大な蛇だ!」
 血相を変えて叫ぶ、蛇と思われる物体に背を向けずジリジリと後退する。
 ボクの声に反応したのか、蛇と思われる物体がグネリと動き出す。

 が、突然鎌首を上げたと思うと、カサード達と反対側向いて『シャー!』と威嚇している。
 どういう事かと思ったら、向こう側にも馬車がいた。
 見ると蛇の胴体部分、つまり道を塞いでいた部分の位置に矢が刺さっている。
 向こうの者が、この蛇に攻撃を仕掛けたのだろうか? 数名が剣や弓を持って戦闘態勢を取っている。
 これは挟み撃ちで倒せるのではないか? と思い、シャロミーに指示をする。

「シャロミー 向こうさんの援護をするぞ」
 ボクは勝算アリと見て指示をする。
「うにぁ~?! あんなでかいのと戦うのにゃ? 初実戦だけど......了解にゃ」
 シャロミーは困惑気味に答える。
「心配するな、ボクもこういうでかいのを相手と戦うのは初めてだからな」
 正直、ボクもこんなデカブツを見て、チビリそうなんだから……。

 そう言い、ボクは鞘から刀を、シャロミーは剣を抜く。そしてリリアーナは馬車の中でお留守番。
 いつのもキーワードを呟き、蛇の化け物との戦闘に備える。

 さて戦おうと、巨大蛇の後ろに付こうとするが、蛇が向こう側に対して攻撃するたびにうねうね動きやがる。
 蛇は尻尾をヒュンヒュン振り回しているから、危なくて迂闊に近づけないでいると。

「カサード様 邪魔な尻尾から攻撃していけばどうかにゃ?」
 シャロミーからの助言を聞いて。
「そうか? じゃあ、ウザイ尻尾から片付けるか」

 二人でそんな相談しながら、尻尾を切り付ける。
 すると蛇はカサード達の攻撃にこちらを向くが、その隙を付いて向こう側の人達が激しく攻撃し始めた。
 双方攻撃に巨大蛇は、こりゃたまらん!と思ったのか逃げ始める。
 が、向こう側の誰かが魔法を使って動けなくしたようだ。
 何かに縛り付けられて動けなくなった巨大蛇を見ていると、何故か可哀想に思えてきた。

「カサード様、何突っ立ってるにゃ? さっさと倒しちゃうにゃよー!」
 う~ん……正直言うと、気が進まない。けど倒さなきゃ進めない。
「解ったよー! 巨大蛇の頭を落として、早く行く事にしよう!」

 ボクは、動けなくなった巨大蛇の頭の方に行こうと、しゃがんで力を溜め、大ジャンプ!
「ふにゃー! カサード様すごいジャンプ力にゃ!」

 向こう側で蛇と戦っている人達も、大ジャンプして近づいてくるボクを見て仰天している。
 段々と蛇の頭が近づいてくる。

 スパーーーン! 

 着地する手前で刀を振り下ろす、力が刀に伝わり、蛇の首を一刀両断した。
 巨大蛇と必死で戦っていた者達は巨大蛇の首をあっさりと両断したボクの姿をポカーンと見ている。

 ボクは刀をブン!と振って血を飛ばし、鞘に収め、辺りを見渡す。
 分厚そうな鎧を着て立ってる人が盾役で、大きな弓を持ってる男や杖を持っている女性と、その奥に聖職者姿の女性がこちらを見ている。
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