異世界食道楽アドベンチャー

海鼠腸

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幼少期~青年期・国外外遊編

第23話 エルフとの遭遇(中編?)

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 暫く木札メニューを眺めて、食べたいメニューに目が止まる。
 オススメ枠メニュー枠内に[粗挽きソーセージと彩野菜のピッツァ][トウフと枝豆のかしわ出汁スープ]の木札が並んでいた。
 よし、これにしようと思い、店員を呼び注文する。
 ヘゥレルは珍しがって、同じものを頼んだみたいだ。
 注文したものが出てくるまで待つことに……。
 するとヘゥレルの方から話しかけてきた。

「ねぇねぇ この街って凄いよね! 私は色んな国を巡ってきたけど、こんなに綺麗な街を見たことないよ~!」

 何やら凄くフレンドリーに話しかけてくるな……でも不思議な感じだな、全く不快感はない。

「あぁ 昔 この国は閑散としててな、貴族だけが豪遊していてな、平民が飢えで苦しんでいたんだ……」

 ボクはヘゥレルにこの国の発展の話をする。
 その話にヘゥレルが頷きながら僕の話を聞いている。
 が、ヘゥレルの顔が何故か知らないがだんだんと近づいてくる……。
 聴くのに夢中で、前のめりになってきてるのだろうか?

「こちらおすすめメニューです、熱いので気をつけてね」

 と、話の途中で女性店員が料理を持って来た。

 ナイスタイミング!

 と、心の中でサムズアップする。
 話の途中だったが、出来立て熱々を食べる事にする。

「……しかし、この組み合わせ……微妙だな……」とカサード
「ん? そうかな? 美味しそうだよ?」とヘゥレル

 ん~……まぁ、この世界独特のセンスだから仕方ないかなー? と思い、少しうなだれる。
 ピッツァの方を先に食べてみる。
 粗挽きソーセージと彩野菜の味にチーズが上手いこと絡んで、以外と思うほど美味しい……。
 次に、トウフと枝豆のかしわ出汁スープをズゾゾと啜ってみる。

「うん……かしわの出汁がよく出てる……まぁ、これはこれで合格かな? でも具のチョイスは……まぁまぁかな?」

 とボソリと感想を呟く。
 ふと、ヘゥレルの方を見ると、料理を頬張り、モリモリと食べている。
 その美しいと思える顔とその食べっぷりのギャップに、思わずタハハと笑みがこぼれる。

「ヘゥレル そんなに急いで食べなくても――」

 と言いかけて。

「うっ! ぶほっ! げほっけほっ」

 ヘゥレルが盛大に噎せて、口の中の物がカサードの顔面に集中砲火。
 カサードは驚いて瞬間硬直。

「うわぁ……急いで食べるとそうなるって言おうとしてたのに……」

 と言いながら、傍に置いてあったおしぼりで、自分の顔を拭う。

「あー……ゴメンゴメン、この料理があまりにも美味しすぎて……」

 ヘゥレルは眉毛をハの字にさせて、申し訳なさそうに謝る。

「ところで、ヘゥレルは何でボクに声をかけたの? 他にも席は空いてたと思うけど?」
「んーとね……ほら、カサード君の頭の上にエアリアルが垂れてるから」

 とヘゥレルはボクの頭の上に指を指して言う。
 残念ながら自分で自分の頭の上を見ることは出来ない。
 だが、頭の上に手をやると、何かに触れたので、摘んで目の前に持ってきてみる。
 プラーンとぶら下がっているエアリアルと目が合うと、そのエアリアルが

「あー……やぁ カサードちゃん、キミの頭の上は心地良いねー」

 とエアリアルが、ニヘラッと笑って話しかけてくる。
 そして、エアリアルからヘゥレルに視線を移す。

「って事は……ヘゥレルさんみたいなエルフにもこういうのが見えるの?」とカサード
「そうだよ? でもさでもさ! キミって精霊が見えるし、触れるんだねー! 珍しいなー!?」とヘゥレル

 ヘゥレルはボクに興味が湧いたのか、ズイッと顔を近づけて来たので、カサードはギョッとし、ちょっと引く。
 この国の成り立ち云々の話は、料理が届いてから有耶無耶になってしまったので、ヘゥレルと一緒に店を出てからにしよう。

 そんな感じでいろいろと思案していると、何やら視線が……?と思い、辺りを見ると、ボクがエルフと仲良く?喋っている所を、チラチラと見たり、一緒の席の者とヒソヒソ話してたりしてる。
 すると髭モジャな男達2名が席からやおら立ち上がり。

「いよう嬢ちゃん、こんなガキとイチャイチャしてもつまんねーだろ? 俺達といいことしようぜ?」

 と絡んできた、ナンパのつもりなのだろうか?。
 ボクはあしらうつもりでこう言った。

「おっさん達、髭剃って顔洗って鏡見て出直したほうがいいと思うよー?」とカサード

 その言葉に瞬時にブチ切れたのか、髭もじゃの男達の一人が、カサードの被っていたフードを掴み、後ろに引き倒す。

 ガシャーーーーーン!!! と店内に響く騒音。

 引き倒されたのに事に対して、驚くヘゥレルを他所に、カサードも激昂(げきこう)してが叫ぶ。

「そんな短気じゃモテるかよ! ここじゃ駄目だ! 表へ出ろ! ぶちのめしてやる!」
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