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幼少期~青年期・国外外遊編
第21話 本領発揮!
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『世界を動かそうと思ったらまず自分自身を動かせ』
これは古代ギリシャの哲学者 ソクラテスの言葉である。
カサードは、とにかく自分の知識をフル可動して頑張っている。
この異世界でも、前世の手法が通用するかどうかは解らないが、とにかくやってみている。
この町の建築士に手紙を出してから数日後の午後、カサードが錬金アトリエで、前世技術の発電用モーターをこの世界の技術で、どれだけ精密に出来るかの研究していると、ガチャリとドアが開き、リリアーナがヒョコッと顔を出し。
「かさーどさまー? あっ いた! カサードさま、けんちくしさまが、かさーどさまをおさがししていますよー」
「おっ? 来たのか、今行くと伝えておいてねー」
「かしこまりましたー」
そんな会話をしてリリアーナがドアを閉め、ドアの外からタタタタタ……と走って行く音がする。
「よし、行くか」
と言い、机の上に乱雑に置いてある紙を集めてトントンと揃え、箱の中にしまう。
そして、呼び出した建築士との自分の食料研究所の建設計画や温室の設計や立て方、足場の組み方その他諸々を建築士に教える。
勿論、その建築士は自分の知らない事をや、この世界で未知の手法を次々と言うもんだから、さぁ大変。
口を半開きにして石化しているのを、カサードが肩や手をトントンとたたいて、意識を戻させながら話を進めていく。
そして、建築士に大体の事を伝えると「後は任せるぞ」と言い、やや放心状態の建築士を残して部屋を出る。
その後のカサードは、パン屋の親方衆を、宿屋の食堂に集めて天然酵母を使ったパンを作る為の講習会を開いたり、教会付属の孤児院で色々と勉強や礼儀作法を教えたり、冒険者ギルドの誘致、果てはエタンダール常駐軍の武器や装備品の研究開発などと、目の回るような、本当に白目むいて倒れて医者のエリザベトに世話を焼かせたりーの、と色々忙しい日々を過ごす……不審な者から監視されている事にも気づかずに……
………………………………………………
……数年後の初夏、カサードは16歳になり、エタンダール王国は城塞都市と言ってもいい程に発展した。
カサードは自分の部屋から城下町を眺め。
「おおー! 子供の頃に比べて、すごい発展したなぁー……」
昔の寂れた城下町を思い出しながら、感傷に浸ってる。
あれから、食料研究所と胡椒栽培用の温室が併設された建物の方を見ると、周りが昔、畑地帯だったのが、見事に建物で埋め尽くされている。
肝心の胡椒栽培は家畜の糞を燃料にし、その熱を利用し温室室内を温めている。
糞の燃料が無くなった時は、ボクが開発した魔石暖房装置を使っている。
胡椒というのは種を植えてから収穫できるまで3年かかり、温度が低すぎると枯れてしまうというやや厄介な代物である。
しかも黒胡椒や白胡椒を植えても育たない、赤胡椒でなければ芽が出ない。
カサードは胡椒栽培で収穫した胡椒を、商人ギルドに卸している。
そのおかげかは知らないが、商人ギルド長はホクホク顔である。
冒険者ギルドと宿連が提携したサービスも冒険者や旅人等にウケている、嬉しい事だ。
勿論、宿屋内に入っている食堂も大賑わいである。
カサードはそろそろ他の国がどんな風になっているのかを見に行きたいと思い始めていた……
「この国はボクが暫くの間居なくても、もう大丈夫だろう……さてと……どこの国へ行こうかな~?」
これは古代ギリシャの哲学者 ソクラテスの言葉である。
カサードは、とにかく自分の知識をフル可動して頑張っている。
この異世界でも、前世の手法が通用するかどうかは解らないが、とにかくやってみている。
この町の建築士に手紙を出してから数日後の午後、カサードが錬金アトリエで、前世技術の発電用モーターをこの世界の技術で、どれだけ精密に出来るかの研究していると、ガチャリとドアが開き、リリアーナがヒョコッと顔を出し。
「かさーどさまー? あっ いた! カサードさま、けんちくしさまが、かさーどさまをおさがししていますよー」
「おっ? 来たのか、今行くと伝えておいてねー」
「かしこまりましたー」
そんな会話をしてリリアーナがドアを閉め、ドアの外からタタタタタ……と走って行く音がする。
「よし、行くか」
と言い、机の上に乱雑に置いてある紙を集めてトントンと揃え、箱の中にしまう。
そして、呼び出した建築士との自分の食料研究所の建設計画や温室の設計や立て方、足場の組み方その他諸々を建築士に教える。
勿論、その建築士は自分の知らない事をや、この世界で未知の手法を次々と言うもんだから、さぁ大変。
口を半開きにして石化しているのを、カサードが肩や手をトントンとたたいて、意識を戻させながら話を進めていく。
そして、建築士に大体の事を伝えると「後は任せるぞ」と言い、やや放心状態の建築士を残して部屋を出る。
その後のカサードは、パン屋の親方衆を、宿屋の食堂に集めて天然酵母を使ったパンを作る為の講習会を開いたり、教会付属の孤児院で色々と勉強や礼儀作法を教えたり、冒険者ギルドの誘致、果てはエタンダール常駐軍の武器や装備品の研究開発などと、目の回るような、本当に白目むいて倒れて医者のエリザベトに世話を焼かせたりーの、と色々忙しい日々を過ごす……不審な者から監視されている事にも気づかずに……
………………………………………………
……数年後の初夏、カサードは16歳になり、エタンダール王国は城塞都市と言ってもいい程に発展した。
カサードは自分の部屋から城下町を眺め。
「おおー! 子供の頃に比べて、すごい発展したなぁー……」
昔の寂れた城下町を思い出しながら、感傷に浸ってる。
あれから、食料研究所と胡椒栽培用の温室が併設された建物の方を見ると、周りが昔、畑地帯だったのが、見事に建物で埋め尽くされている。
肝心の胡椒栽培は家畜の糞を燃料にし、その熱を利用し温室室内を温めている。
糞の燃料が無くなった時は、ボクが開発した魔石暖房装置を使っている。
胡椒というのは種を植えてから収穫できるまで3年かかり、温度が低すぎると枯れてしまうというやや厄介な代物である。
しかも黒胡椒や白胡椒を植えても育たない、赤胡椒でなければ芽が出ない。
カサードは胡椒栽培で収穫した胡椒を、商人ギルドに卸している。
そのおかげかは知らないが、商人ギルド長はホクホク顔である。
冒険者ギルドと宿連が提携したサービスも冒険者や旅人等にウケている、嬉しい事だ。
勿論、宿屋内に入っている食堂も大賑わいである。
カサードはそろそろ他の国がどんな風になっているのかを見に行きたいと思い始めていた……
「この国はボクが暫くの間居なくても、もう大丈夫だろう……さてと……どこの国へ行こうかな~?」
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