67 / 73
青年期・カサード多忙編
第66話 森の主に会った
しおりを挟む
本当に大丈夫か? と心配しながらヘゥエルの後に付いて行くと、大きな泉が見える場所まで来た。
カサードが湖畔まで歩いて覗いてみる。
「うっわ~……水が物凄い澄んでるな~」
湖の底が見えるほどの透明度に驚くカサード。
すると、水面が物凄く盛り上がってきた。
「!? なんだ?!」
みるみるうちに人の形になる。
「あっ ウンディーネ様、客人のカサード王子をお連れいたしました」
ヘゥエルはウンディーネに報告すると、ウンディーネがコクコクと頷く。
「ヘゥエルさん、このウンディーネ様が、森の主なのですか?」
これはウンディーネと契約して、エレメンタルマスターになれるかな……? 等という妄想を描いていると。
「いいえ、ウンディーネ様は森の主では無いです」
あっ そうなのか……。
「もう少し奥なので、付いて来てください」
ありゃ? もう少し奥なんだ……。
おとなしくヘゥエルさんの後に付いて行くと、見上げる程の大木のある大広場に出てきた。
「ふぇ~~~~~……すっげーーでけぇ~~~……」
神秘的な雰囲気な大木を暫く眺めていると、広場の中心に小さな光が集まり、光の球が人の形になっていく。
その時、ヘゥエル含むエルフ達やカサードの頭の上に、まだ居たと思われるエアリアルが頭の上から降りて来て、一斉に跪く。
「ふぁ?! ボク達も例に従わなきゃいけないのか? シャロミー、リリアーナ、モッキンバード、リッカミッラ、エリミール。とりあえず跪こう」
カサードは小声で回りに合わせるように促す。
「うむ、ヘゥエルよ。客人を招いて来たのだな、ご苦労である」
ボクはチラリと森の主と思われる精霊? の方を上目で見ると、身長90㎝ほどの小柄な子供らしき姿が見えた。
「はっ エタンダール王国の王子である、カサード王子がお会いしたいとの事なので、連れて参りました」
ヘゥエルがボクの事を、高貴な人物らしき小柄な子に報告する。
すると、その小柄な子が、こちらに向かって走ってきた。
「キミがカサード王子だね! キミの事はエアリアルから聞いてるよ! さぁ、頭をあげなよ」
言われるがままに顔を上げると、目の前の指から水がピューッと出て、カサードの眼球を直撃。
「うぉぁぁぁぁ?! 目がぁー!目がぁぁぁぁ!?」
突然の刺激に、目を押さえて転がるカサードに、指を指して爆笑している小柄な子に対し、へゥエルがため息をつきながら非難の声を上げる。
「オーベロン様、そう言った悪戯はおやめください……」
『え? オーベロンっつったら精霊界の王様じゃねーか! だが、そいつは相当な悪戯好きという話だったはず……』
カサードはピタッと転がるのを止めて、前世で得ていた知識をフル回転させる。
「くはぁー……びっくりしたー……オーベロン様、なかなかやりますね。シャロミー、顔を拭く物をくれ」
カサードは、オーベロンに向かってニヤリと微笑みながら、びしょ濡れになった顔を拭きたいので、シャロミーに持ってくるよう頼んだ。
「そういえばカサード王子、私に会いたいとエアリアルから聞いたのだが、何の為に会いに来たんだ?」
唐突に真面目な顔で、会いに来た目的を聞いてくるオーベロン。
なんだ!? 急に雰囲気が変わったぞ? ひととなりを読みきれない……まぁ、会いに来た要件を話さなければ、話は進まないなと思い。
「貴方に会いに来たのは、この森の近くに人間が使うためのタンスの様な家具を作る為の村を作る前に、この森の主に許可をもらおうと思っての事です」
カサードは嘘なく正直にオーベロンに目的を伝えると。
「な~んだ、そんなことかぁ。いいよ!」
オーベロンが満面の笑顔で答える。
「えっ? 良いんですか? 木とかを大量に伐採しちゃうんですよ?!」
カサードは困惑しながら質問したら。
「あぁ 森の事を心配してくれてるんだね。そんな心配はいらないよ! ドライアド、そこに居るんでしょ? 出てきなよ」
オーベロンが顔を向けた方に、カサードも釣られてその方向を見ると、ガサガサミシミシボキン! と言う音の後に、ひょっこりと顔を出す女性。
「オーベロン様呼んだ? ドライアドだよー」
オーベロンが手招きし、ドライアドを呼び寄せる。
「このカサード王子が、この森の近くに村を作りたいとのことだが……」
「あっ はい。木を伐採して色々とモノを作ろうと思っているのです。なので、森を壊してしまうかもしれないと思って……」
カサードはドライアドに対し、恐縮気味に話しかける。
「なんだ、そんな事か。そんな心配はいらないぞ。いいか? 見ててな」
ドライアドがおもむろに近くにある木の枝を、ポキンと折って地面に突き刺し、パチンと指を鳴らすとメキメキと音を立てて、あっという間に先程まで枝だったのが立派な大木に成長した。
「うおぉぉ!? なるほど! これならボクが心配していた事は解決したよ」
ボクが心配していた事が、杞憂だった事に安堵して、オーベロンに木工製品を作る村を作る許可を得る事が出来た。
カサードが湖畔まで歩いて覗いてみる。
「うっわ~……水が物凄い澄んでるな~」
湖の底が見えるほどの透明度に驚くカサード。
すると、水面が物凄く盛り上がってきた。
「!? なんだ?!」
みるみるうちに人の形になる。
「あっ ウンディーネ様、客人のカサード王子をお連れいたしました」
ヘゥエルはウンディーネに報告すると、ウンディーネがコクコクと頷く。
「ヘゥエルさん、このウンディーネ様が、森の主なのですか?」
これはウンディーネと契約して、エレメンタルマスターになれるかな……? 等という妄想を描いていると。
「いいえ、ウンディーネ様は森の主では無いです」
あっ そうなのか……。
「もう少し奥なので、付いて来てください」
ありゃ? もう少し奥なんだ……。
おとなしくヘゥエルさんの後に付いて行くと、見上げる程の大木のある大広場に出てきた。
「ふぇ~~~~~……すっげーーでけぇ~~~……」
神秘的な雰囲気な大木を暫く眺めていると、広場の中心に小さな光が集まり、光の球が人の形になっていく。
その時、ヘゥエル含むエルフ達やカサードの頭の上に、まだ居たと思われるエアリアルが頭の上から降りて来て、一斉に跪く。
「ふぁ?! ボク達も例に従わなきゃいけないのか? シャロミー、リリアーナ、モッキンバード、リッカミッラ、エリミール。とりあえず跪こう」
カサードは小声で回りに合わせるように促す。
「うむ、ヘゥエルよ。客人を招いて来たのだな、ご苦労である」
ボクはチラリと森の主と思われる精霊? の方を上目で見ると、身長90㎝ほどの小柄な子供らしき姿が見えた。
「はっ エタンダール王国の王子である、カサード王子がお会いしたいとの事なので、連れて参りました」
ヘゥエルがボクの事を、高貴な人物らしき小柄な子に報告する。
すると、その小柄な子が、こちらに向かって走ってきた。
「キミがカサード王子だね! キミの事はエアリアルから聞いてるよ! さぁ、頭をあげなよ」
言われるがままに顔を上げると、目の前の指から水がピューッと出て、カサードの眼球を直撃。
「うぉぁぁぁぁ?! 目がぁー!目がぁぁぁぁ!?」
突然の刺激に、目を押さえて転がるカサードに、指を指して爆笑している小柄な子に対し、へゥエルがため息をつきながら非難の声を上げる。
「オーベロン様、そう言った悪戯はおやめください……」
『え? オーベロンっつったら精霊界の王様じゃねーか! だが、そいつは相当な悪戯好きという話だったはず……』
カサードはピタッと転がるのを止めて、前世で得ていた知識をフル回転させる。
「くはぁー……びっくりしたー……オーベロン様、なかなかやりますね。シャロミー、顔を拭く物をくれ」
カサードは、オーベロンに向かってニヤリと微笑みながら、びしょ濡れになった顔を拭きたいので、シャロミーに持ってくるよう頼んだ。
「そういえばカサード王子、私に会いたいとエアリアルから聞いたのだが、何の為に会いに来たんだ?」
唐突に真面目な顔で、会いに来た目的を聞いてくるオーベロン。
なんだ!? 急に雰囲気が変わったぞ? ひととなりを読みきれない……まぁ、会いに来た要件を話さなければ、話は進まないなと思い。
「貴方に会いに来たのは、この森の近くに人間が使うためのタンスの様な家具を作る為の村を作る前に、この森の主に許可をもらおうと思っての事です」
カサードは嘘なく正直にオーベロンに目的を伝えると。
「な~んだ、そんなことかぁ。いいよ!」
オーベロンが満面の笑顔で答える。
「えっ? 良いんですか? 木とかを大量に伐採しちゃうんですよ?!」
カサードは困惑しながら質問したら。
「あぁ 森の事を心配してくれてるんだね。そんな心配はいらないよ! ドライアド、そこに居るんでしょ? 出てきなよ」
オーベロンが顔を向けた方に、カサードも釣られてその方向を見ると、ガサガサミシミシボキン! と言う音の後に、ひょっこりと顔を出す女性。
「オーベロン様呼んだ? ドライアドだよー」
オーベロンが手招きし、ドライアドを呼び寄せる。
「このカサード王子が、この森の近くに村を作りたいとのことだが……」
「あっ はい。木を伐採して色々とモノを作ろうと思っているのです。なので、森を壊してしまうかもしれないと思って……」
カサードはドライアドに対し、恐縮気味に話しかける。
「なんだ、そんな事か。そんな心配はいらないぞ。いいか? 見ててな」
ドライアドがおもむろに近くにある木の枝を、ポキンと折って地面に突き刺し、パチンと指を鳴らすとメキメキと音を立てて、あっという間に先程まで枝だったのが立派な大木に成長した。
「うおぉぉ!? なるほど! これならボクが心配していた事は解決したよ」
ボクが心配していた事が、杞憂だった事に安堵して、オーベロンに木工製品を作る村を作る許可を得る事が出来た。
0
お気に入りに追加
290
あなたにおすすめの小説

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜
西園寺わかば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。
4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。
そんな彼はある日、追放される。
「よっし。やっと追放だ。」
自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。
- この話はフィクションです。
- カクヨム様でも連載しています。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。

称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる